古くは江戸時代に朝鮮通信使を最高の料理でもてなし、戦後は一銭洋食をルーツに県民のソウルフード「お好み焼」が生まれるなど、風土と歴史に育まれた食文化も魅力的です。
今回は、そんな広島の食の魅力を高めるための「おいしい」取り組みをご紹介します。
すべての生産者に匠の技術を
ひろしま型スマート農業プロジェクト
世羅郡世羅町の農園で、7月から始まったぶどうの大規模栽培の実現に向けた効率的な作業体系の構築。AIに基づくスマートグラス(※1)による摘粒作業の効率化、AIによる出荷時の等級判定の平準化が主な内容です。熟練作業者に拘らず、新規雇用者でも正確な作業が可能な栽培管理システムの構築を目指すと同時に、品質の良いぶどうを効率良く収穫できることで、価値を高めていきます。
(サンワファーム・農場長/大宮淳優さん)
※1「スマートグラス」メガネのレンズ部分に様々な情報を投影したり、インターネットなどを経由して情報をやりとりできるメガネ型のコンピューターデバイスのこと。
キラリと輝く県産の食材たち
肉厚で重量感のある品種を栽培。
えぐみが少なく食べやすいのが特徴です。
- (株)グリーンカウベル
- 茨木 栄治さん
グループで牧場を持ち、そこで製造される有機肥料を使い栽培する循環型農業を営むグリーンカウベルを代表する野菜が「広島やまなみほうれん草」。広島県内で最大規模の生産面積を誇り、1年を通じて学校給食など業務用を主に出荷しています。代表の茨木栄治さんは、9年前に広島県の就農支援を受けて農業を始めました。自身の経験から新規就農者の定着には、手厚いサポートが必要と感じたそう。年に5、6回作れ、地域の特産品でもあるホウレンソウに着目。栽培を通じて就農者を育てる研修機関としての役割も担い、「やまなみブランド」としてホウレンソウの生産者を増やしています。
品質管理にもこだわり、きれいで、しっかりとしたホウレンソウを目指しています!
- 合同会社重原農園
- 重原 盛導さん
しっかりとした軸があり、葉が大きく、色が濃いホウレンソウ。食べた時も、甘味やみずみずしさがあるのが特徴です。10年前からホウレンソウ栽培に取り組んでいる代表者の重原盛導さんは、健康的な作物を育てるには、土壌も健康的であることが必要と考え、試行錯誤の末、地元広島県の完熟バークたい肥を使って土壌を整える独自の土壌作りを確立。土の作り方をマニュアル化することで、3カ所54棟あるビニールハウスどこでも健康的なホウレンソウを作っています。
現在は、5品種のホウレンソウをほぼ一年を通して栽培しています。食べ方は、おひたしはもちろん、和風パスタの具材としてもおすすめです。
牛乳は季節に応じて味わいが変わります。
季節ごとの味の違いを楽しんでください。
- 砂谷株式会社
- 久保 宏輔さん
創業者久保政夫が、昭和16年に八丈島から乳牛23頭を連れて、砂谷村(現在の広島市佐伯区湯来)に帰郷したところから始まる80年の牧場のストーリー。当時から安心・安全な牛乳作りにこだわり、その志は今も脈々と受け継がれ、現在では5つの契約農家で合わせて300頭の乳牛が飼育されています。こだわりは、健康な牛乳のベースには健康な土があるとの考えから、土づくりからこだわったたっぷりの自家牧草で牛を育てている点と、パスチャライズド(低温殺菌)牛乳にこだわり、牛乳本来の臭みのない自然の甘みを感じることができる点です。
現在35ヘクタールある牧草地は、今も広がり続け、より健康な乳牛を育て、安心・安全な牛乳作りを目指し続けています。
規格・品質管理等において、しっかりと確認。
適正な施肥・防除管理の下で栽培しています。
- 広島市農業協同組合販売課
- 峠元 昭彦さん(左)
- 今津農園
- 今津 壮生さん(右)
癖が少なく栄養価が高い小松菜は、煮る・炒める・生食でと調理のしやすさが人気の野菜です。年間を通じて安定して収穫できることから、新規就農者が初めて取り組む野菜に選ばれている小松菜。JA広島市では平成10年から広島市、近年では安芸太田町とも連携し、小松菜の生産を通じて新規就農者支援事業に取り組んでいます。土壌改良などの営農支援のほか、新規就農時にはビニールハウスをリース、独立後の販路の相談に応じるなど生産者を支援。生産量は年間1800トンを誇り、県外にも出荷し広島産野菜としての認知も広めています。
問合せ JA広島市TEL 082(870)5897
他にも「比婆牛」や「レモン」「牡蠣」など、広島県産応援登録制度には、
魅力ある多くの食材が育まれています!
令和3年9月3日現在で登録商品数が全体で336となりました。
広島県産応援登録制度(外部リンク)コンクール出身のシェフが活躍中
県では、県内の若手料理人を対象に食のコンクールを開催し、上位入賞者には、海外・国内の有名レストランや料理店での修業等をサポート。
コンクール出身の多くの料理人が県内のレストランや和食店で、ひろしまの「おいしい」をみなさまにお届けしています。
地域の豊かな食文化を大事に
保家彩良(29)
2019年に開催された「第5回 ひろしま和食料理人コンクール」で最優秀賞に輝いた保家彩良さん。その後も全国の若手料理人が挑む「ドラゴンシェフ2021」で広島県代表に選ばれるなど、地域の食文化を牽引しています。今回紹介してくれたのは、ひろしま和食料理人コンクールで受賞した際のメニュー「車海老とぶどうのレモン揚げ」。レモン汁を効かせた幽庵地(ゆうあんじ)に漬けた車海老を、刻んだレモン皮で包んで揚げた一品です。また、地元の文化会館「アゼリアおおたけ」で提供されているレモン弁当は、後口爽やかで彩りも美しいと好評。「柑橘類などの山の幸、牡蠣や小イワシといった海の幸、豊かな広島食材は山海の味の相性も良いので、ぜひご家庭でも使ってみてください」。
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