ハンセン病は、基本的には皮膚と末梢神経の病気です。発病した場合、よく効く薬がない時代には、手、足、顔面の変形や、視力障害などの後遺症を残すことがありましたが、医学の進歩とともによく効く薬が開発され、完全に治る病気になりました。
また最近では、日本人のハンセン病新規患者は、年間数名です。
なお、これまでに療養所の医師や看護師などでハンセン病にかかった職員は一人もいません。外見上は後遺症が残っていても、回復した患者から、感染する可能性は全くありません。
ハンセン病は、ノルウエーのハンセン博士が発見した「らい菌」による感染症です。
らい菌は非常に感染力の弱い菌で、免疫力の弱い人が、らい菌に接触したときに感染することがあります。生活環境の悪い場合にはじめて発病し、私たちが暮らしているような現代の生活環境ではほとんど発病しません。
ハンセン病は潜伏期間がきわめて長く、また、病気がきわめてゆっくり進むこと、さらに同一家族で発病する人が多い場合があるため、遺伝病という誤解が生じました。
このような誤解から、ハンセン病患者だけでなく、家族も本当につらい思いをすることになりました。ぜひ、解いてほしい誤解の一つです。
らい病?ハンセン病?
ハンセン病は以前「らい病」、「らい」、「ハンセン氏病」などと呼ばれていましたが、現在では過去の差別の歴史等を踏まえ「ハンセン病」を使用しています。
次のようなことがその理由としてあげられます。
患者および元患者の方々が人権を大きく制限、制約されてきたこと、また社会において偏見や差別が存在してきた事実を厳粛に受けとめる必要があります。
ハンセン病について一人ひとりが正しい知識と認識を持ち、偏見と差別をなくし、患者および元患者の方々を温かく迎え入れる社会を実現しましょう。
皆さんのご協力とご理解を心からお願いいたします。
「ヒューマンフェスタひろしま」にて啓発パネルを展示。サンフレッチェ試合会場にて啓発資料を配布。