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5-3 パートタイム労働者にも女性の保護規定は適用されるか|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年8月1日

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5-3 パートタイム労働者にも女性の保護規定は適用されるか

質問

最近,妊娠していることがわかりました。現在,パートで働いていますが仕事が忙しく,しばしば残業があります。妊産婦には保護規定があると聞いたので,残業を断りたいと思いますが,パート労働者でも適用されますか。

回答

<ポイント!>

  1. パートタイム労働者は,労働時間が通常の労働者より短いという以外には他の労働者と変わらないので,労働基準法はもちろん,男女雇用機会均等法,育児・介護休業法等は,一部の除外規定を除いて適用されます。
  2. 女性についても,平成11年4月から時間外・深夜業,休日労働の規制が撤廃されましたが,妊産婦(妊娠中及び産後1年以内の女性)については,請求があれば,時間外・休日労働及び深夜業をさせてはいけないことになっています。

妊産婦等への配慮

妊産婦(妊娠中及び産後1年以内の女性)が請求した場合は,使用者は,時間外・休日労働及び深夜業をさせてはいけません(労基法第66条)。なお,ここにいう時間外・休日労働とは,いずれも労基法上の時間外・休日労働のことであり,いわゆる「法内超勤」(所定労働時間外ではあるが,法定労働時間の枠内にとどまる残業。例えば,所定労働時間が1日6時間のパートが1時間残業する場合など。)や週休2日制のもとで1日休日をつぶして働く場合には,この規定は適用になりません。
詳しくは,「産休を申し出たら,辞めろと言われた」の項をご覧ください。

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女性労働者の保護

妊娠・出産保護以外の女性労働者に対する保護は,

  1. 18歳未満の女性の深夜業の原則禁止(第61条),
  2. 坑内労働の原則禁止(第64条の2),
  3. 重量物取扱等危険有害業務の就業制限(第64条の3),
  4. 育児時間(第67条),
  5. 生理日の就業が困難な場合の休暇(第68条)

の5項目に限定されました。

適用除外規定など

育児・介護休業法については,次のような場合,除外規定があります。

  1. 日々雇用される者
  2. 引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者等

詳しくは,「育児休業の申し出を拒否された」「介護休業を申し入れたが会社から断られた」の項をご覧ください。
また,通達により,1日の労働時間が4時間以内であるような場合には,1日1回の育児時間をもって足りるものと解されています(昭和36年1月9日 基収第8996号)。

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こんな対応を!

以上のように,女性に対する保護規定は,原則として妊娠・出産に関する母性保護に限定されましたが,母性保護についてはより拡充されていますし,パートタイム労働者についても適用されます。社長に,時間外勤務を命じないことを申し入れましょう(ただし,妊産婦が労基法第66条に基づき,時間外勤務を拒否できるのは,労基法上のそれに限られることを今一度ご注意ください)。話し合っても聞き入れてくれない場合は,労働局の雇用均等室や労働基準監督署に相談しましょう。