令和4年3月5日(土曜日)13時00分~17時00分
オンライン
140名
開会あいさつ:日本生涯教育学会瀬戸内支部支部長清國 祐二
「新しい時代の学びの在り方~場を開き,場をつなぐ~」
講師:明治学院大学社会学部教授・日本生涯教育学会会長 坂口 緑
統計データから他国と日本を比較しながら,現代の人間関係や社会制度について大変分かりやすくお話していただきました。「人づくり+地域づくり」の事例として「シブヤ大学」「みんなの尼崎大学」等の活動を紹介していただきましたが,事業を行う上では,地域の中の最小限の課題を取り上げていくこと,プラットフォームはむしろ小さいほうがよいというお話もありました。何よりも地域の方が満足される取り組みであること,つながりを広げて細く長く活動を続けていくことが大切であるということを事例等を紹介して頂きながら教えていただきました。
分科会ごとにルームに分かれ,事例発表者や課題提供者の方々からの報告をしていただきました。その後,4~5人の少人数グループに分かれて,意見交流を行いました。
第1分科会 防災事業・人生百年時代の生きがいづくり
事例発表(1):「親子で学ぶ防災教室」 広島市佐東公民館 主事 弘中 新太郎
事例発表(2):「東広島熟年マイスター教育講座の展開~豊かな高齢期を迎えるための学びと活動の循環を目指して~」 東広島市教育委員会生涯学習課 課長補佐兼社会教育主事 福永 崇志
コーディネーター:大分大学教育マネジメント機構基盤教育センター 教授 岡田 正彦
コーディネーター:広島修道大学人文学部 教授,広島県立生涯学習センター生涯学習推進マネージャー 山川 肖美
参加者は「有効な連携を形成するため」と「有効な取組を地域に広げていく仕組みづくり」の2つの視点を持ち,事例発表を聞きました。佐東公民館の防災講座は,日ごろから備えについて学び,継続していくことで参加者に意識してもらうことを大切にした,地域団体や行政とのつながりもある取組でした。東広島市の熟年マイスター教育講座は,高齢者が楽しく学び,また仲間づくりのきっかけになる高齢者のための学校で閉校式,修了認定もあり,出前講座や特別講師の講演会,同窓会などの活動の広がりも見られ,どちらも大変参考になる事例でした。
第2分科会 家庭教育支援・地域学校協働活動
事例発表(1):「子ども遊び広場」 福山大学人間文化学部心理学科 発達心理学研究室 今田 愛蘭,高谷 碧,長阿彌 桃子
事例発表(2):「海星魅力化プロジェクト推進部『みりょくゆうびん局』」 広島県立大崎海星高等学校 教諭 兼田 侑也
コーディネーター:下関市立大学経済学部 准教授 天野 かおり
コーディネーター:天理大学人間学部 教授 佐々木 保孝
福山大学赤澤研究室の「子ども遊び広場」活動では,オンラインで事業を実施する際の成果や課題について発表していただきました。対面で実施していた「子ども遊び広場」をオンラインで実施することにより,同時に複数の子供の表情や様子を見ることがしやすくなった,全国から子供たちが参加できた,オンラインで学生自身が説明や進行をすることにより幼児にも分かりやすく説明する能力を身に付けることが出来たといった成果が見られた一方で,機材トラブルがあったことや著作権について配慮が必要であること,参加者が自宅からの参加となるため材料や活動に制限があったこと等が課題として挙げられていました。「大崎海星高校魅力化プロジェクト」では,地域を題材として学習を進めていく「大崎上島学」や,広報活動や地域プロジェクト,他校との交流をしている部活動である「みりょくゆうびん局」の取組について,生徒と担当の先生に説明していただきました。自分のことについて知る,与えられた地域課題を解決する,自ら地域課題を見つけ,解決するといった流れで学習を行っており,地域の中で学ぶことにより生徒の主体性や課題解決能力を高めていくことができる取組となっていました。
第3分科会 探究と対話の部屋
課題提供(1):「地域をつなぐ『宝物』~課題がチャンスに変わるとき~」 世羅郡世羅町小国自治センター センター長 風呂 久美
コーディネーター:日本生涯教育学会瀬戸内支部 支部長 清國 祐二
グループごとに「地域住民の自治能力を深掘りする」「地域住民の力を育む自治センターの在り方」について意見交流を行い,グループでの意見を全体でシェアリングしました。課題をチャンスに変えるためには,業務を整理する,ビジョンに内容があっているか見直す,地域の方との対話し話し合いをしてしっかり方向性を共有するなどのアイディアが出されました。
課題提供(2):「コロナ禍にある公民館 『新しい學びのスタイル』とは?!模索中」 大竹市立玖波公民館 河内 ひとみ
コーディネーター:国立教育政策研究所 総括研究官 志々田 まなみ
コロナ禍でも「新しい学びの提案」を積極的に活動されている玖波公民館ですが,「なにか取りこぼしていないだろうか」「地域の人や文化とふれあう機会が少なくなったことによって,子供も含む私たちに何か変化が起きているのではないか」という不安をもたれていました。その課題をもとに,グループごとに自分たちの市町や施設での活動について,意見交流を行いました。コロナ禍でも負けない,できることをやっていこうという勇気とやる気とアイディアが生まれた部屋になりました。
コメント:大分大学教育マネジメント機構基盤教育センター 教授 岡田 正彦
下関市立大学経済学部 准教授 天野 かおり
日本生涯教育学会瀬戸内支部 支部長 清國 祐二
国立教育政策研究所 総括研究官 志々田 まなみ
明治学院大学社会学部教授・日本生涯教育学会会長 坂口 緑
分科会終了後,開会行事,基調講演を行ったルームに戻り,全体会を行いました。まず,各分科会を担当したコーディネーターから各分科会で話し合われた内容の報告をしていただきました。どの分科会も話し合いが活発に行われ,意見交流の時間が足りなかったという意見も寄せられましたが,どの事例も参加者の方々に市町や施設の事業・活動の改善につながる内容だったとのことでした。最後に,基調講演をしていただいた坂口先生より,会での参加者の皆さんの意見交流等の様子から「コロナ禍の今だからこそ,『モヤモヤを口に出そう』『隣の人に話しかけよう』『カタチになっていないことを口にしよう』」という御提案をいただきました。交流会の最後に早速明日から実践していこうという勇気をいただきました。
閉会あいさつ:広島県立生涯学習センター所長 田崎 志緒
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