平成27年10月13日(火曜日),総合技術研究所とシャープ株式会社は合同記者会見を行い,開発技術を発表しました。
なお,この技術はシャープ株式会社により製品化され,来春販売予定です。
幼虫が多くの農作物に甚大な被害を及ぼすオオタバコガやハスモンヨトウなどの夜行性蛾類(夜蛾類)に対しては,産卵のために圃場へ飛来する成虫をいかに防ぐかが重要となります。
夜蛾類成虫の活動を抑制する防除法の一つに夜間照明(防蛾照明)がありますが,これまで光に敏感な農作物では開花が遅れるなどの悪影響があるため,使用できませんでした。
県立総合技術研究所は平成18年度からシャープ株式会社と共同でこれらの課題解決に取組んだ結果,特定の波長とパターンで点滅させることで,光に敏感な農作物の開花にも悪影響を及ぼすことなく利用可能な防蛾照明技術を開発しました。
1 点灯応答性に優れるLEDにより実現した黄色点滅光
周波数2Hz (0.5秒間隔)の黄色点滅光により,優れた防蛾効果と農作物への影響抑制を両立。
2 低消費電力を実現
10a当たりの消費電力は既往の40W黄色蛍光灯の約1/13。
3 優れた防蛾効果を発揮
オオタバコガなどの夜蛾類に対する被害抑制効果は85%以上
4 照明の影響を受けやすい作物を含む多様な農作物に適用可能
キク,イチゴ,ホウレンソウなどこれまで防蛾照明が使用できなかった農作物にも使用可能。
国内2件,海外2件(中国,マレーシア)の特許を取得しました。
技術の詳細は農業技術センターホームページをご覧ください。