令和5年1月21日,連続講座「南画の魅力」を開催しました。
講師は南宗画士の岡原 大崋先生です。
中国絵画の流れの一つである南宗画が日本に伝わり,独自の展開を遂げる中で確立した様式を南画と呼びます。
江戸時代に始まった南画は,時代の影響を受けながら現代まで受け継がれています。
講座では,長年にわたり南画の理想とする世界を追い求めてきた岡原先生に,南画の特徴や魅力について話していただきました。
筆の違いによる描き方の変化や,紙や絹など制作に用いられる素材にまで話が及び,作品が作り上げられていく過程に触れることができたひと時でした。
南画は「胸中山水」という心情に寄り添う絵であるとの言葉が印象的でした。
同日の午後からは,特別展「今に息づく南画の精髄-南画精華展特別編-」の展示解説会がありました。
頼山陽史跡資料館では,平成24年度から南画の伝統的な様式美に根ざした作品を公募・公開する「全国公募南画精華展」を開催してきました。今年度は特別編として審査員の作品や歴代大賞受賞作品などを紹介しています。
岡原先生は,全国公募南画精華展の立ち上げに中心的役割を果たし,審査員も務めています。解説会では,ご自身の作品について,その制作背景を話していただくとともに,席画を披露していただきました。
岡原先生が筆を動かすと,紙上にたちまち花や鳥,山が生まれます。
その技に引き込まれ,会場からは驚きの声があがりました。
特別展「今に息づく南画の精髄-南画精華展特別編-」は,2月26日(日)までの開催です。墨が生み出す豊かな世界を,ぜひこの機会にご覧ください。