頼春水(1746~1816)は江戸時代後期の朱子学者で、書家としても名高い人物です。延享3年(1746)、安芸国竹原で紺屋を営む家に生まれた春水は幼い頃より学問の道を志し、36歳の時に広島藩儒に登用され、藩校・学問所の創設や次期広島藩主となる世子(浅野斉賢)の教育に携わりました。
当館が所蔵する「広島頼家関係資料」は、こうした春水の子孫の元に伝来した資料群です。江戸時代の思想史・文化史を考える上で重要な資料であり、令和6年8月27日に5,547点が重要文化財に指定されました。これを記念し、本展では「広島頼家関係資料」を軸に頼春水の足跡をたどると共に、春水や頼家の人々が学問・文化に与えた影響について紹介します。
大坂へ遊学していた若い頃の記録や、「秘記」とされた世子教育の記録、他藩の学者や松平定信など幅広い交遊関係を示す資料、春水遺愛の品など貴重な資料を多数展示します。ぜひご覧ください。
※朱子学とは?
中国南宋の朱熹(朱子)によって築き上げられた思想で、儒学の一派。江戸時代初期に隆盛したが、次第に別の学派の思想が流行するようになった。18世紀後半に朱子学再興の機運が高まり、寛政2年(1790)には幕府の老中松平定信が寛政の改革の一環で、朱子学を「官学」と位置づけた(寛政異学の禁)。諸藩にも影響を与えたこの政策は、朱子学者の働きかけがあり実現したもので、頼春水は重要人物の一人。
展示構成
第1章 紺屋の倅(せがれ)
第2章 芸藩教授として生きる
第3章 家での儒教祭祀~研究と実践~
第4章 知のネットワーク
第5章 次世代につなぐ~晩年の春水と広島頼家~
【会 期】10月19日(土)~12月1日(日)
【時 間】9時30分~17時(入館は16時30分まで)
【休 館】月曜日(ただし11月4日は開館)、11月5日(火)
【入館料】一般300円(240円)、高校・大学生220円(180円)、小・中学生150円(120円)
※( )は20名以上の団体料金
※文化の日(11月3日)は無料
※ひろしま教育ウィーク期間中(11月1日~11月7日)は小・中・高校生は無料
【関連行事】
〇展示解説会(解説:当館学芸員)※通常の入館料が必要です。
日時:10月26日(土)・11月2日(土)・11月23日(土)いずれも13時30分~
〇頼山陽文化講演会(主催:頼山陽記念文化財団・中国新聞社等)
演題:「広島頼家関係資料の性格と特質について」(仮題)
講師:平出真宣氏(文化庁文化財第一課 文化財調査官(歴史資料部門))
日時:11月3日(日・祝)14時~15時30分
会場:合人社ウェンディひと・まちプラザ(広島市まちづくり市民交流プラザ)
定員:60名(事前申込・聴講無料)
申込:メール(info@raisanyou.com)、FAX(082-542-0125)、電話(082-542-7022)のいずれかでお申し込みください(氏名・電話番号をお伝えください)。
〇大竹手漉き和紙体験 ★はがきサイズの紙すきと、紙の色染め体験ができます!
日時:11月4日(月・休)(1)10時~12時 (2)13時~15時
会場:当館中庭
講師:おおたけ手すき和紙保存会
定員:各回10名(事前申込・参加無料)
申込:FAXか電話(いずれも082-298-5051)でお申し込みください。
〇こより綴じの日記を作ろう
日時:11月24日(日)
(1)10時~ (2)11時~ (3)13時~ (4)14時~ ※各回40分程度
会場:当館茶室
講師:当館学芸員
定員:各回5名程度(当日受付、先着順)
参加費:無料
〇江戸時代の女性衣装「色打掛(いろうちかけ)」を着てみよう!
日時:企画展開催期間の開館時間中
場所:当館ロビー
【関連書籍】
図録「芸藩教授頼春水と頼家の人々」(令和6年10月発行、64頁)
価格1,900円