天の橋立,松島とともに日本三景の一つにあげられる安芸の宮島。日本で最初に指定された国立公園の一つ,「瀬戸内海国立公園」。瀬戸内海は,多島美と白砂青松で知られ,景勝地として多くの観光客が訪れます。
海に浮かぶ大鳥居と厳島神社が有名ですが,豊かな自然が残っていることでも知られています。
腰細浦海岸は,島の玄関口であるフェリー乗り場から島の裏側に位置します。
この海岸は,東西に長く伸びる砂浜と転石地帯があり,潮間帯生物にとっても非常に優れた生息環境で,様々な生き物を見ることができます。
腰細浦海岸は森林と海に囲まれた自然豊かな砂浜です。環境指標生物では,カメノテ,マガキ,ケガキ,ムラサキイガイ,オオヘビガイ,ヒジキ,アナアオサなどが簡単に見つかります。その他では,ナマコ,ヒトデ,ウニといった棘皮動物,イワガニやエビといった節足動物,ウミウシといった軟体動物,刺胞動物のイソギンチャク,海綿動物。植物では被子植物,緑色藻,紅色藻,褐色藻とバリエーションも豊富です。
潮が引き始めると,広い潮間帯が現れます。
調査の合間に,長い時間を掛けてできた造形美にを楽しむこともできます。
マッピング調査法では,20m四方のブロックを2m間隔に10人が並んで,海岸線に沿って調査をします。
基質(礫,砂,泥など),生き物,漂着ゴミ,などを記録用紙に記入していきます。
マツバガイは海の汚れ具合を示す環境指標生物として調査しています。きれいな海で見られる生物です。
カメノテは,その名のとおり亀の手に似ています。岩の割れ目などに着生し,波で運ばれてくるプランクトンなどを食べています。きれいな海でしか見られない環境指標生物として調査しています。