宮島へ渡るフェリーが出る宮島駅前の港を集合場所とした(宮島町在住の方は,渡船後に合流)。今回は,多数の調査体制となりましたが,広島工業大学,広島大学の学生,せとうち海援隊「The Earth」宮島地区で活動している「パークボランティアの会」の有志の方々に参加いただきました。
なお,今回の調査地点は大砂利のほか,事業対象外ですが革篭崎,上室浜も実施しました。この2箇所は,以前に県事業で平成14年から3年間調査をした地点です。
フェリー乗船中,並びに現地にて,県の環境政策における「住民参加によるモニタリング調査」の位置づけや,宮島を含む付近の海域の現状データを解説しました。
これまで海洋生物モニタリング調査の調査地点で「腰細浦海岸」と呼んできた場所は,正確には「大砂利海岸」でした。訂正します。なお,腰細浦海岸は写真の奥,大砂利の東隣の浜でした。
大砂利海岸は,東西に長く,緩やかな傾斜で潮間帯も広い。全体的に転石が多いが,東側の方が転石の密度が高く,径が大きい。今回は,岩礁生物を中心にした調査を実施した。写真の赤丸は調査範囲を示す目印の旗です。
今回の調査は,気温が最も高い時間帯の調査のため,熱中症防止に留意しながら調査を進めました。
潮上帯には,かなりの漂着ゴミがみられました。
潮間帯生物では,潮上帯付近ではフジツボから始まり,対象生物のカメノテとマツバガイ,ヒザラガイや潮下帯付近のオオヘビガイと分布しています。
調査は2班に分かれて,東側のブロックと西側のブロックから中央で合流するように進めた。東側では,ボランティアの方はカメノテやマツバガイを中心に,学生がヒザラガイやイボニシを中心に分担しました。
岩礁に付着している生き物で,生息数が多い生物種(マガキ,ムラサキイガイ,海藻)の分布については,単位面積あたりの被覆度や,単位面積あたりの生息数を調べました。
こちらは,海藻の被覆度を調べているところです。
マガキの個数を数えています。枠の長さは縦・横ともに50cmです。
最後に木陰で調査結果を全員で確認し,調査の進め方や海の環境について意見交換をしました。
従来の「海岸・干潟生物調査マニュアル」による「水の汚れ」具合の判定を,調査終了後に全員で行いました。
最後に調査を通じて,参加者の感想や意見交換も行いました。
今回の意見を参考に調査方法の改良を検討していきます。
調査地点 | 廿日市市宮島町 大砂利(腰細浦海岸隣り) |
調査日時 | 平成19年8月10日(金曜日) 12時00分から15時00分 |
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指標生物名 | 点数 | チェック | 指標生物名 | 点数 | チェック | ||
ケガキ | 20点 | × | ヒジキ | 10点 | ○ | ||
アオガイ | 19点 | × | オオヘビガイ | 9点 | ○ | ||
ムラサキインコガイ | 18点 | × | イボニシ | 8点 | ○ | ||
イロロ | 17点 | × | ヒザラガイ | 7点 | ○ | ||
イワヒゲ | 16点 | × | アナアオサ | 6点 | ○ | ||
クロフジツボ | 15点 | ○ | マガキ | 5点 | ○ | ||
カメノテ | 14点 | ○ | ムラサキイガイ | 4点 | ○ | ||
イシゲ | 13点 | ○ | シロスジフジツボ | 3点 | ○ | ||
マツバガイ | 12点 | ○ | ツノマタ(褐色タイプ) | 2点 | × | ||
ウミトラノオ | 11点 | ○ | タテジマフジツボ | 1点 | × | ||
チェック欄の○印の数(N) | 13 | <評価> 1 きれいな海(76点から100点) 2 少しよごれた海(51点から75点) 3 よごれた海(26点から50点) 4 大変よごれた海(0点から25点) |
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○印の点数の合計(T) | 117 | ||||||
平均点(T÷N) | 9.0点 | ||||||
評価点(平均点×8) | 72.0点 | ||||||
評価 | 2 |
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