大砂利海岸を担当したのは総勢27名(調査員は20名)でした。夏季調査の結果は,フェリーで渡る前に説明しました。
現地では,調査地点を決めるため,基準となる地点(夏と同じ場所)から六分儀を使って,調査地点を再現していましたが,島とか山の頂上などを目印にして,3角測量の要領でも簡易に位置を特定できるとのことでした。
基準点から,潮上線を探して,ブロック割りをしていきました。
現在の「広島県海岸・干潟生物調査マニュアル」に出てくる指標生物20種類を定めたときの調査状況や,考え方を紹介しました。
今回は,補足調査として,ある地点を使って潮上帯から潮下帯までの生物分布を確認する事としました。
学生たちは,ラインに並んでブロックごとに対象生物を数えていきました。
今回は,海浜植物についても種類と位置などを記録しました。
持ち帰って確認するため,写真を撮り,葉っぱなどの一部を採取していました。
潮が引くまで時間は掛かりましたが,この大きな岩礁付近だけで,潮間帯の上から下まで表現してあり,色々な生物が確認できました。
潮上線からメジャーで測量し,目印のテープを貼っていました。
それぞれのポイントに50cm四方の枠を当てて,写真で記録していました。
今回は,補足調査として,岩礁でできた大きな島で潮上帯から潮下帯までの生物の分布を見ながら,指標生物20種による評価や,生物生息数の変化をモニタリングする必要性などを考えて見ました。
役割を分担しながらの調査になり,全体像が個々には見えにくいといった点も心配していました。
最後に生物の種類などを全員で表にまとめたりしましたが,できる限り,色々な調査を体験できるような工夫が必要です。今後の検討課題です。
比較的きれいな海に生息するカメノテやオオヘビガイが見られた。この他に環境ホルモンの影響で話題になったイボニシも多く見られた。
生息場のかく乱(荒天時の海岸の浸食や後背地の植生遷移の後退など)が起きていることがコシダやベニバナボロギクの繁茂から推測される。
コシダは倒木や山火事等により地面に光が差すことで増え,新たな植物の侵入が困難にするとされています。
ベニバナボロギクは,山林の伐採跡や林縁,山火事の跡などに出現して大きな群落をつくることがあるが,本来の植生が回復すると消滅します。
人為的変化,環境の変化が多いところの指標種として選定した。
調査地点 | 廿日市市宮島町 大砂利海岸 |
調査日時 | 平成19年11月10日(土曜日) 14時00分から16時00分 |
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指標生物名 | 点数 | チェック | 指標生物名 | 点数 | チェック | ||
ケガキ | 20 | × | ヒジキ | 10 | ○ | ||
アオガイ | 19 | × | オオヘビガイ | 9 | ○ | ||
ムラサキインコガイ | 18 | × | イボニシ | 8 | ○ | ||
イロロ | 17 | ○ | ヒザラガイ | 7 | ○ | ||
イワヒゲ | 16 | × | アナアオサ | 6 | ○ | ||
クロフジツボ | 15 | ○ | マガキ | 5 | ○ | ||
カメノテ | 14 | ○ | ムラサキイガイ | 4 | ○ | ||
イシゲ | 13 | ○ | シロスジフジツボ | 3 | ○ | ||
マツバガイ | 12 | ○ | ツノマタ(褐色タイプ) | 2 | × | ||
ウミトラノオ | 11 | ○ | タテジマフジツボ | 1 | × | ||
チェック欄の○印の数(N) | 14 | <評価> 1 きれいな海(76点から100点) 2 少しよごれた海(51点から75点) 3 よごれた海(26点から50点) 4 大変よごれた海(0点から25点) |
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○印の点数の合計(T) | 134 | ||||||
平均点(T÷N) | 9.6 | ||||||
評価点(平均点×8) | 77 | ||||||
評価 | 1 |
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