水質汚濁の状況について,平成24年度の水質環境基準の達成状況をみると,カドミウムなど人の健康の保護に関する環境基準は,すべての公共用水域で達成されています。
生活環境の保全に関する環境基準について, その代表的な指標であるBOD(生物化学的酸素要求量)及びCOD(化学的酸素要求量)をみると,河川のBODについては94%,湖沼のCODについては50%,海域のCODについては43%の水域で環境基準を達成しています。(図1)
図1 環境基準達成状況の推移
資料:県環境保全課
注)達成率 = (環境基準達成水域数/環境基準類型指定水域数)×100
湖沼については,平成13年3月に3水域(土師ダム貯水池,弥栄ダム貯水池,小瀬川ダム貯水池),平成17年4月に2水域(三川ダム貯水池,八田原ダム貯水池),平成18年3月に3水域(渡之瀬ダム貯水池,温井ダム貯水池,帝釈川ダム貯水池)が類型指定されている。
公共用水域の水質の状況を常時監視するために策定した平成24年度水質測定計画に基づき,河川38水系235地点,湖沼8水域8地点,海域6海域66地点について水質測定を実施しました。その結果は次のとおりです。
人の健康の保護に関する項目(カドミウムなど27項目)については, 140地点(河川25水系98地点,湖沼4水系4地点,海域6海域38地点)で4,526検体を調査しました。(表1 (PDFファイル)(70KB))
生活環境の保全に関する項目(BOD,COD等10項目)については,309地点(河川38水系235地点,湖沼5水系8地点,海域6海域66地点)で調査しました。
環境基準の類型指定がある232地点(河川24水系165地点,湖沼5水系8地点,海域6海域59地点)についてみると,環境基準値を超える検体の割合(環境基準値を超える検体数/調査対象検体数)は,河川15%,湖沼19%,海域14%であり,過去5年(平成19~23年度)の平均と比べて,河川,海域ともやや改善傾向にあります。(表2 (PDFファイル)(49KB),表3 (PDFファイル)(45KB),表4 (PDFファイル)(44KB))
湖沼の全窒素・全燐については8地点で調査しました。その結果,環境基準値を超える検体の割合は全窒素は100%,全燐は50%でした。(表5 (PDFファイル)(46KB))
また,海域の全窒素・全燐については,48地点で調査しました。その結果,環境基準値を超える検体の割合は全窒素9%,全燐18%でした。(表6 (PDFファイル)(42KB))
環境基準の類型指定がある7地点(河川2水域4地点,湖沼2水域3地点)で全亜鉛を調査しました。その結果,環境基準値を超える検体の割合は,河川,湖沼とも0%でした。
環境基準の類型が指定されている河川82水域,湖沼8水域,海域14水域について,それぞれBOD,CODの環境基準の達成状況をみると,達成率は河川で94%,湖沼で50%,海域で43%であり,過去5年(平成19~23年度)の平均と比べてみると,河川及び海域において改善傾向が見られます。(表7 (PDFファイル)(59KB))
全窒素及び全燐の環境基準の類型が指定されている湖沼8水域,海域9水域について,環境基準の達成状況をみると,達成率は湖沼で全窒素0%,全燐50%,海域で全窒素89%,全燐100%でした。
(表8 (PDFファイル)(55KB))
水生生物の環境基準の類型が指定されている河川4水域,湖沼3水域について,環境基準の達成状況をみると,達成率は,河川,湖沼とも100%でした。(表9 (PDFファイル)(34KB))
県内の海域及びダム貯水池においては,生活排水等の流入による窒素・燐濃度の上昇(富栄養化)が原因となって植物プランクトンが繁殖し,赤潮等の漁業被害や水道水源の利水障害が発生しています。
このため,海域及びダム貯水池の主要地点において,窒素・燐の水質測定を実施しました。
各水域における年平均値は,全窒素0.12~1.2 mg/L,全燐0.020~0.051 mg/Lでした。広島湾西部,呉地先海域,安芸津・安浦地先海域,燧灘北西部は比較的良好な水質を維持していますが,広島湾北部,箕島町地先海域の各海域は富栄養の状態にあります。(表10 (PDFファイル)(39KB))
貯水量1,000万m3以上のダム貯水池の測定の結果,全窒素の年平均値は0.31~0.87 mg/Lの範囲内にあり,全燐の年平均値は0.007~0.061mg/Lとなっています。
ダム貯水池別では,弥栄,立岩,樽床,温井,高暮の各ダム貯水池は比較的良好な水質を維持していますが,土師,三川,八田原,灰塚の各ダム貯水池は富栄養の状態にあります。(表11 (PDFファイル)(47KB))
※ 富栄養化の目安としては,T-Pで0.02mg/L程度,T-Nでは0.2mg/L程度とされています。(出典:上水試験方法 2001年版 解説編)
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