(1) 施設の整備が性能発注方式により行われることから,事業内容の詳細が決定される段階において,これまでに実施した調査,予測及び評価の結果を検証するとともに,必要に応じ,再度予測及び評価し,適切な事後調査を行うなど所要の措置を講じること。
(2) 工事中又は供用後において,環境影響評価で予測し得なかった環境影響が生じた場合,速やかに原因究明を図り,関係機関と協議の上,適切な措置を講じること。
(3) 工事中及び供用後において,情報提供等の窓口を設置するなど関係住民との情報交換を密にし,周辺の環境情報の把握に努めること。
土工事(造成面の裸地状態を含む)に伴い発生する粉じんの影響が回避・低減されるよう必要に応じ散水などの適切な措置を講じること。
ア 工事の実施にあたっては,可能な限り低騒音型又は超低騒音型建設機械を採用し,また,高負荷運転を極力避けるなどの作業方法の改善に努めること。
イ 道路交通騒音について一部地域で環境基準を超過していることから,車両の運行に関しては,運行時間,搬入経路等を十分に検討し,車両の運行に伴う騒音のより一層の低減に努めること。
ウ し尿等の搬出入に伴う車両が,事業場敷地内において民家と近接する場所付近を集中的に走行することとなることから,当該車両の走行に伴う騒音の影響が回避・低減されるよう適切な措置を講じること。
エ 工事中の建設機械稼動に係る騒音の事後調査について,調査の時期を工事のピーク時としているが,建設作業騒音には変動騒音や間欠騒音など時間変動特性に特徴のある非定常騒音が含まれることから,調査の時期の選定にあたっては,特徴的な工種の工事時期を複数選定するなどし,環境の状況をより詳細に把握すること。
工事の実施にあたっては,可能な限り低振動型建設機械を採用し,また,高負荷運転を極力避けるなどの作業方法の改善に努めること。
ア 悪臭については,気象条件及び操業状態等の変化など予測の不確実性が認められるため,その対策について,細心の注意を払い,万全の対策を講じるとともに,引き続き,環境影響の回避,一層の低減に向けて,実行可能なより良い技術の導入等に努めること。
イ 悪臭に係る拡散予測の結果の記載について,情報をわかりやすく提供するという観点から,臭気濃度(y軸)と排出口からの距離(x軸)の関係をグラフで表すなどし,予測結果の丁寧な説明に努めること。
ウ し渣及び沈砂並びに助燃剤の運搬にあたっては,周囲に悪臭が発散することが極力ないよう必要な措置を講じること。
エ 有風時には最大着地濃度地点が敷地外に現れると予測されていることから,悪臭の事後調査においては,排気口における悪臭物質の流量及び臭気排出強度を測定するとともに,この測定結果と,敷地境界上での悪臭物質濃度及び臭気指数に係る計画値を基にして臭気の拡散状況を勘案することにより算出される排気口における悪臭物質の流量及び臭気排出強度の限度(いわゆる「第2号規制基準」に相当するもの)とを比較するなどし,環境の状況をより詳細に把握すること。
ア 環境影響評価項目に工事の実施に伴う土砂等による水の濁りの項目を選定していない理由として工事による濁水の発生がないことを挙げているが,記載されている雨水に係る濁水の流出防止対策は養生シートの施工及び仮設沈砂地の設置をすることのみであることから,工事中における雨水の排出先及び仮設沈砂地の位置及び構造などを記載することにより雨水の排出方法をより明確にすること。
イ 基礎工事施工時の掘削土を敷地内で利用することとしているが,対象事業実施区域は沼田川に近接しまた河口に近い低地であることから,掘削工事に伴い排出される掘削物は含水率が高い恐れがあり,当該掘削物を利用又は再生利用するにあたり濁水の発生など環境への影響が生じる場合は,その影響が回避・低減されるよう適切な措置を講じること。
ウ 施設稼動後の水質に係る事後調査について,放流水質の調査項目としてCODなど生活環境に係る項目のみを挙げているが,受入れする下水汚泥の排出元である下水道に工場排水が流入している場合には,当該下水汚泥に重金属等の有害物質が含まれる恐れがあることから,放流水質に係る調査項目の選定にあたっては,これら事業特性も踏まえ適切な項目を選定すること。
工事中における降雨による濁水の流出防止対策について,仮設沈砂地の位置及び構造などを明らかにするとともに,周辺水域に生息する貴重種への生息・産卵場所に影響を避けるよう土砂及び濁水の流出防止対策を確実に実施すること。
県では,ふるさと広島の景観の保全と創造に関する条例(平成3年県条例第4号)の規定に基づき広島県公共事業等景観形成指針(平成3年9月27日制定)を定めており,環境保全措置の検討にあたっては当該指針も参考にすること。
建設工事に伴い発生する建設副産物の予測において,予測の前提条件としている延床面積が2章の5において前掲しているそれと異なることから,整合を図るとともに,必要に応じ,改めて予測及び評価を行い評価書に記載すること。
また,建設工事に係る廃棄物の発生については,建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号)が平成14年に施行されたことなどにより減量化が進んでいることから,予測に用いた排出原単位が最新の知見に基づいた適切なものか否か確認すること。
事後調査に係る現地調査の実施にあたっては,調査実施前にその調査内容を関係機関及び地域住民へ周知すること。