(1)事業内容が明らかになっていない部分については,今後の計画熟度の高まり及び調査の進展等に応じて,準備書において具体的な記述を行うとともに,具体化した計画の内容に基づき的確な環境影響評価を行うこと。
(2)環境保全措置の検討に当たっては,複数案の比較及び最新の知見に基づいた最善の技術の採択について十分に検討し,対象事業に係る環境影響を可能な限り回避・低減すること。
(3)準備書の作成に当たっては,事業の内容や,調査地点,調査範囲及び調査時期設定の考え方並びに環境影響評価の結果に関する情報について記載方法を工夫するなどし,分かりやすい書類づくりに努めるとともに,地域の住民などに対して丁寧な説明を行うこと。
ア 近傍に民家や学校などが存在することから,既設の機械等からの低周波音の発生状況や現地の状況を踏まえ,必要に応じて施設の稼動に係る低周波音を環境影響評価項目に追加すること。
イ 発電用燃料に石炭を使用することから,石炭に含有される重金属等微量物質による大気質及び水質への影響が懸念されるため,排ガス及び排水に係る排出諸元を明らかにし,必要に応じて施設の稼働に係る重金属等微量物質を環境影響評価の項目に追加すること。
1 地上気象観測の結果について,観測期間の代表性に係る検討を行い,異常年と判断される場合には,予測等の結果が過小評価されることのないよう留意すること。
2 対象事業実施区域周辺に,有効煙突高と同程度に標高の高い所が存在することから,施設の稼動に伴う大気質に係る地形影響の予測に当たっては,周辺の地形,住居の存在状況,気象の状況等に十分留意し,適切な予測を行うこと。
3 施設の稼動に係る排ガスによる影響については,可能な限り3号機による影響を反映して,予測評価すること。
4新たに環境基準が設定された微小粒子状物質について,国等の動向に留意し,事業者としての取組みを検討すること。
1 建設機械及び施設の稼動に伴う騒音・振動に係る予測地点を敷地境界上の24地点としているが,効果的な予測及び評価を行うため,周囲の民家及び学校などの配置の状況を考慮し,敷地外の地点を追加すること。
2 自動車騒音については,時間率騒音レベルについても測定し,測定の結果を準備書に記載すること。
1 対象事業実施区域の周辺海域は漁場として利用されており,また,藻場も存在することから,建設機械の稼動に伴う水の濁りに係る拡散予測に当たっては,数理モデルによる数値計算により定量的な手法で予測すること。
2 新1号機屋内貯炭設備エリアに工事排水の排水口を設置する場合は,当該排水口の設置箇所を踏まえて水質調査地点を設定すること。
干潟及び藻場の分布に係る調査に当たっては,温排水による影響があると認められる海域(水深20m以浅に限る)を含み調査すること。
1 周辺の海域に,国の天然記念物である「スナメリクジラ廻遊海面」が存在していることから,スナメリの生息状況の把握に当たっては,目撃情報の聞き取り,水質等調査時における船上観察その他適切な方法により行い,十分な情報を収集すること。
2 重要な種としてナメクジウオ,カブトガニ,スナガニ及びハクセンシオマネキが挙げられていることから,潮間帯生物及び底生生物に係る現地調査をするに当たっては,これら海生動物が出現する可能性に十分留意して調査すること。
3 対象事業実施区域に隣接する大乗川,西川又は東川の河口干潟において,干潟に係る海生動物の調査地点を追加すること。
景観の調査地点が対象事業実施区域を東西方向から眺望した中遠景域の場所に限定されていることから,多数の地域住民が日常生活上利用し,発電所を望むことができる近景域の場所を調査地点に追加すること。
廃棄物の埋立処分をした場所を掘削する場合は,その影響も含めて評価すること。
1 二酸化炭素の予測及び評価に当たっては,発電効率や単位発電量あたりの二酸化炭素排出量を石炭ガス化複合発電(IGCC)その他の技術水準の高い石炭火力発電設備と比較するなどし,実行可能な範囲で環境への負荷が低減されているか検討すること。
2 二酸化炭素の評価に当たっては,地球温暖化対策推進法の規定による地方公共団体実行計画(広島県地球温暖化防止地域計画)や,今後策定される国の計画等との整合が図られているか検討すること。
3 温室効果ガス等の予測及び評価に当たっては,二酸化炭素以外の温室効果ガスについても検討し,必要に応じて予測評価の対象とすること。
対象事業実施区域のうち,発電所敷地と離れた場所にある資材置場については,工事の環境影響が最大になる時期が発電所敷地と同一になるとは限らないことから,必要に応じてそれぞれの区域ごとに予測対象時期を設定すること。