毎年,春から夏にかけて,「落ちていたヒナを保護しました。どうしたらいいの?」というお問い合わせをいただいています。
野鳥のヒナは自分たちの力で生きていける大きな力を持っています。
一方で,自然の営みの中では,毎年多くの生き物が命を落としており,全てのヒナが大人になれるわけではありません。これは,自然の摂理です。
また,ヒナを人間の手で育てることは,専門家であってもとても困難なことです。
ヒナを育てるのは,やはり親鳥が一番です。親鳥が安心して育児できるよう,そっと見守りましょう。
【巣から落ちたヒナ】
巣立ち前のヒナは巣から落ちることがよくあります。
スズメやツバメ等巣立ち前のヒナを発見した場合は,親鳥のいないときに巣にもどしてやってください。
巣に戻すことが難しい場合は,ヒナを小さな箱などに入れ,巣の近く(見える場所)においてやってください。親鳥が世話をすることがあります。カップ麺容器などで代用することも可能です。
(参考)カップ麺容器で作る簡易的な巣 (PDFファイル)(157KB)
【巣立ち直後のヒナ】
巣立ち直後のヒナは完全には飛べません。
巣立ちしたヒナ(羽が生えそろっているヒナ)を見つけた場合でも,近くに巣がある場合や親鳥が見守っていることが多いので大丈夫です。
こうした野鳥を見つけた場合は,そっとその場を離れてください。
親鳥の子育てと,ヒナの一人立ちを応援してあげましょう。
野生鳥獣は,ある程度のケガでも自然に回復するたくましさ(自然治癒力)を持っています。
人為的な保護は鳥獣の野生復帰を困難にさせる場合が多く,それが野生鳥獣にとって必ずしも良いこととは限りません。こうした傷病鳥獣を見つけた場合は,そっとしておきましょう。
なお,野生鳥獣の捕獲(保護飼育を含む)は法律で禁止されています。
Q1:子どもがどこかからヒナを拾ってきました。巣の場所が分からないので、どうすればよいでしょう?
A1:近隣の茂みや木の上など,安全な場所に置いてあげましょう。近くにそのような場所が見当たらない場合は,身近な材料で簡単な巣を作ることも可能です。
Q2:かわいそうなので,どうしても餌をやりたいのですが・・・。
A2:人間がヒナを拾うことにより,ヒナと親鳥を引き離すことになり,ヒナをさらに弱らせる可能性があります。ヒナは,野生で生きていくために必要なこと(餌の取り方や敵からの身の守り方など)を親鳥から学んでいきます。無事に親鳥のもとに帰れるよう,そっとしておいてあげましょう。
Q3:弱った野鳥やヒナをそのままにしておいたら,きっとすぐに死んでしまいますよね・・・?
A3:地面に置いたままでは車にひかれたり小動物に食べられたりする可能性があるので,1のとおり安全な場所に避難させてあげてください。あとはそっと見守ってあげましょう。
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