県内の有害大気汚染物質による大気の汚染状況を把握するため、モニタリングを実施した。
環境基準が設定されているベンゼン等4物質については、環境基準を達成していた。また、指針値が設定されているアクリロニトリル等11物質についても、指針値を超過したものはなかった。
調査結果は次のとおりであった。
令和4年度有害大気汚染物質調査結果 (PDFファイル)(164KB)
物 質 名 | 地点数 | 調査結果 ≪各地点の 年平均値の範囲≫ |
環境基準 (年平均値) |
単位 |
---|---|---|---|---|
ベンゼン | 5 | 0.58~0.68 | 3 | μg/㎥ |
トリクロロエチレン | 5 | 0.02~0.3 | 130 | |
テトラクロロエチレン | 5 | 0.0033~0.037 | 200 | |
ジクロロメタン | 5 | 0.02~0.79 | 150 |
測定結果の概要
ベンゼン
大気中のベンゼン濃度の推移は、図に示すように、多少の増減はあるが、調査開始時に比べると、大幅に低下した。
ベンゼンは、自動車排ガスが主な発生源と考えられており、平成9年から平成11年の大幅減は、平成12年のガソリン中のベンゼン濃度規制に対する業界の早めの削減努力が主要因と考えられる。
最近は、下げ止まり傾向にある。また、沿道は一般環境よりもやや高い傾向にあったが、最近は同レベルに近づいてきている。
トリクロロエチレン
トリクロロエチレンは、長期的に低下傾向であったが、平成30年度より増加傾向にある。全国平均と比べると、低い濃度で推移しているが、沿道で平成22年度と平成30年度に全国平均を超えている。
テトラクロロエチレン
テトラクロロエチレンは、全国平均値が減少傾向であるのに対し、ほぼ横ばいで全国平均値よりも低い濃度で推移している。平成22年度は、全国平均値をわずかに上回ったが、翌平成23年度は、減少に転じた。
この物質は、代替フロンとしての利用が最も多く、ドライクリーニングの溶剤や、精密機器や部品の加工等に使用されるが、PRTRの届出状況からは、周辺には、増加の直接の原因となる工場等はなかった。
ジクロロメタン
ジクロロメタンの経年変化は、若干の増減はあるものの、長期的には減少傾向にあり、全国的にも低い濃度で推移している。
物 質 名 | 地点数 | 調査結果 ≪各地点の 年平均値の範囲≫ |
指針値 (年平均値) |
単位 |
---|---|---|---|---|
アクリロニトリル | 5 | 0.015~0.68 | 2 | μg/㎥ |
アセトアルデヒド | 4 | 1.2~2.3 | 120 | |
塩化ビニルモノマー | 5 | 0.0062~0.034 | 10 | |
塩化メチル | 5 | 1.4~1.6 | 94 | |
クロロホルム | 5 | 0.13~0.21 | 18 | |
1,2-ジクロロエタン | 5 | 0.14~0.23 | 1.6 | |
1,3-ブタジエン | 5 | 0.036~0.20 | 2.5 | |
水銀及びその化合物 | 3 | 1.2~1.6 | 40 | ng/㎥ |
ニッケル化合物 | 3 | 2.4~3.5 | 25 | |
ヒ素及びその化合物 | 4 | 1.1~3.5 | 6 | |
マンガン及びその化合物 | 3 | 14~33 | 140 |
(注1) 環境基準とは、環境基準法に定められた、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されていることが望ましい基準のこと。
(注2) 指針値とは、環境基準が設定されていない物質において、有害大気汚染物質による健康リスクの低減を図るために国が定めた数値のこと。
(注3) 1μg(マイクログラム)=10-6g(100万分の1グラム)、1ng(ナノグラム)=10-9g(10億分の1グラム)
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