【漢詩「長至夜示充国(ちょうじのよる じゅうこくにしめす)」(『黄葉夕陽村舎詩』巻一)】
〔原文〕
風塵到處逐人忙
客子光陰又一陽
欵語未酣鶏已唱
誰言今夜夜偏長
〔訓読〕
風塵(ふうじん)到(いた)る處(ところ) 人を逐(お)うて忙(いそが)し
客子光陰(かくしこういん) 又一陽(またいちよう)
欵語(かんご)未(いま)だ酣(たけなわ)ならざるに 鶏(とり)已(すで)に唱(うた)う
誰(だれ)か言(い)う 今夜(こんや) 夜(よる) 偏(ひとえ)に長(なが)しと
〔意訳〕
人(ひと)の世(よ)はとにかくせわしない。
月日(つきひ)はあっという間(ま)に過(す)ぎ、また次(つぎ)の春(はる)を迎(むか)える。
二人(ふたり)の話(はなし)がこれから盛(も)り上(あ)がるという時(とき)に、鶏(にわとり)の鳴(な)き声(ごえ)が朝(あさ)を告(つ)げる。
誰(だれ)が言(い)ったのだろう。冬至(とうじ)の夜(よる)は一年(いちねん)の中(なか)で最(もっと)も長(なが)いと。