広島県立歴史博物館は、広島県福山市の福山駅北側にある福山城公園内の文化ゾーンに位置しています。芦田川の中州で見つかった中世の町として全国的に有名な草戸千軒町遺跡を中心に、瀬戸内地域の民衆生活と文化に視点を当てた博物館として、平成元年(1989)11月3日に開館しました。
草戸千軒町遺跡は、大正15年(1926)から始まった芦田川の流路付替え工事で見つかり、中州として川の中にとり残されました。河川改修工事が計画され、事前に発掘調査が実施されることになりました。30年以上にわたる発掘調査の結果は、鎌倉時代から室町時代にかけて繁栄した町の跡と、そこで活動した人々の生活の実態を示す膨大な資料が出土し、それまでの中世社会や中世民衆に対するイメージを大きく書き換えることになりました。
平成16年(2004)には、草戸千軒町遺跡から出土した資料のうち、2930点が「広島県草戸千軒町遺跡出土品」として重要文化財に指定されました。
また、平成7年(1995)に寄贈された「黄葉夕陽文庫資料」のうち、5,369点が「菅茶山関係資料」として国の重要文化財に指定されました。この資料を常設展示するため,平成29年(2017)度に展示室の一つのリニューアル工事を行い、平成30年(2018)10月12日から近世文化展示室「菅茶山の世界」を一般公開しました。
さらに、平成26年(2014)に848点の古地図を中核とする近世の歴史資料群「守屋壽コレクション」が寄託されました。このコレクションは、福山市出身の守屋壽(もりや ひさし)氏が35年にわたり蒐集されたものです。その後、数度にわたる追加の寄託を受け、令和2年(2020)に新たに126点を加えた1,350点が当館に寄贈されました。寄贈されたコレクションは、令和3年度から近世文化展示室にて「守屋壽コレクション」として、「菅茶山の世界」と共に常設展示しています。
「瀬戸内の歴史をたどる」、「よみがえる草戸千軒」、「菅茶山の世界・守屋壽コレクション」という三つの常設展示室のほかに、企画展示室では様々なテーマによる展示会を開催しています。
また、講演会や体験学習会など、利用者の皆様の多様なニーズにこたえるための行事を企画することによって、地域の生涯学習拠点としての機能を果たしています。
当館には、福山市内を中心に、広島県内外から多くの学校団体が来館しています。
各展示室を職員が解説をしながら見学します。また、学習目的に応じた解説も行っています。
そのほかにも、福山市の企業と連携し、当館と企業との見学がセットになっているプログラムも御用意しています。
→学習プログラム
→過去の学校団体見学履歴一覧
♦館内の見学に使用できる「たんけんノート」や、博物館の活用の実用例を載せた「学習の手引き」も御用意しています。
詳しくは、以下のページを御覧ください。
→「学校団体の利用」 A 博物館見学
→「学校団体の利用」 D 博物館と企業見学
博物館の職員が学校に出向いて授業を行い、修学旅行の事前学習をしたり、地域の歴史学習を一緒に行います。
ゲストティーチャーから学んだことを活かして、次の活動へステップアップする学習も行われています。
地域社会の歴史を理解する上で不可欠な文化財を収集し、それを後世の人々に伝えると同時に、学術的な調査・研究を進めることによって、県民の皆様に学習資源として活用していただくことは重要なことと考えています。
特に、地域社会の歴史や、そこで育まれてきた文化について学習する機会を提供することは、よりよい社会を築き上げていくために欠かすことのできない重要な役割です。
こうした博物館の機能を十分に発揮するために、私たちは皆様に博物館活動に積極的に参加していただきたいと考えています。そのための場として、「博物館友の会」 や「けんぱくボランティア」が組織されています。
皆様の学習活動を一層有意義なものとするため、こうした活動に是非とも御参加ください!
▶博物館友の会
どなたでも参加できます。
友の会会員は、博物館が主催する展覧会を無償で観覧できるほか、博物館を積極的に利用するための様々な特典があります。
→「博物館友の会」のページへ
▶けんぱくボランティア
「解説ボランティア」や「図書ボランティア」など、現在六つのボランティア活動が行われています。
→「けんぱくボランティア」のページへ