【漢詩「除日三首」(『黄葉夕陽村舎詩』遺稿巻6)】
〔原文〕 〔訓読〕
低垂七十九衰翁 低垂(ていすい) 七十九の衰翁(すいおう)
半月爐邊臥似弓 半月 爐邊(ろへん) 臥(ふ)して弓に似たり
添歳嗟他来日少 歳を添うるに嗟(なげ)く 他(か)の来日の少きを
待春怪與幼時同 春を待ちて怪む 幼時と同じきを
〔意訳〕
腰の曲がった七十九歳の老いぼれの私。
この半月寒くて、炉端(ろばた)で弓のように身体を曲げて温まっている。
歳を重ねるということは、人生の残された日が少なくなるということ。
先は短いということはよく分かっているのに、幼い時のように正月がくるのを楽しみに待っている自分がいる。不思議なものだなあ。