ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

心葉形杏葉(しんようけいぎょうよう)

【サイズ】
長さ7.3cm(吊金具を除く),最大幅8.9cm

【解 説】
〇杏葉とは,馬具(ばぐ)の一種で,馬の尻尾付近に付ける飾り金具である。心葉形とは,ハートの形をしたものである。

〇杏葉の表面は鍍金(ときん)しており,本来はとても煌(きら)びやかな姿をしていたと思われる。中央は,模様以外の部分を切り透かす「透し彫り(すかしぼり)」によって,細やかな模様を作り上げており,その技術力の高さに驚かされる。彫っている模様は鳳凰かもしれない。

〇この杏葉は,福山市の二塚古墳(ふたつかこふん)(古墳時代後期後半〔7世紀前半〕)から出土したものである。 

〇このような透し彫りを持つ杏葉は,朝鮮半島の新羅(しらぎ)から伝わってきた。倭国(わこく)と新羅の交流を示す器物である。

【参考文献】
脇坂光彦 「福山市駅家町二塚古墳について」『芸備』第5集 芸備友の会(1977年)
森本直人 「二塚古墳出土馬具の再報告」『広島県立歴史博物館研究紀要』第22号(2020年)

心葉形杏葉,画像
心葉形杏葉(二塚古墳出土)

いろいろな馬具の画像
いろいろな種類の馬具