【サイズ】
径16.5cm
【解 説】
〇この軒丸瓦は,中国・秦の時代(統一秦 紀元前221~220年)頃のもので,山陽女子学園前理事長の故石田米孝氏が収集された中国・韓国・日本の古瓦等210点からなるコレクションの中の一つである。
〇中央の円内には網目文を施し,その外側の4つの区画には,それぞれ巻きの方向が異なる雲文(雲気文)が一対あり,部分的には一筆書きのようにつながった形となっている。
〇雲文(雲気文)は,雲気を表す文様で,雲の気配や雲霧の移動のありさまを表現しているとされる。古代中国では名君や竜が現れると雲気がただよい,めでたいことがおこると瑞雲(ずいうん)(めでたい雲気)が四方にたなびくと考えられていた。こうした文様は,秦が全国統一して以降,盛んに軒丸瓦の文様として用いられた。
【参考文献】
山崎信二『古代造瓦史 -東アジアと日本-【普及版】』雄山閣 令和元年(2019)