研究員日記 平成30年4月~平成31年3月
当センターの研究員が日記を書きます。謎多き?研究員の日常を少しだけご紹介します。
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平成31年3月28日 温州ミカン「石地」の主幹形栽培研修会
2月25日の研究員日記では,江田島市が産地化を目指しているオリーブの生育改善の取組に対する支援の一環として,本年度の活動内容や調査結果の報告会を現地で実施したことをご紹介しましたが,3月26日には,呉市下蒲刈町と蒲刈町に於いて,生産者や技術者を対象に温州ミカン「石地」の主幹形栽培研修会を行いました。
まず,室内での講義形式により,主幹形で「石地」を栽培されている方々から寄せられた質問等への対処方法について説明した上で,最新の成果の一端を紹介しました(左側の写真)。
次いで,現地の主幹形栽培園でせん定の講習を行いました(右側の写真)。
温州ミカン「石地」の主幹形栽培研修会は今後も開催していく予定ですが,果樹研究部の研究圃場にも「石地」の主幹形栽培園はありますので,関心のある県内の果樹生産者の皆様の視察をお待ちしています。
このホームページの「視察・見学」の欄にある申請書にご記入いただき,果樹研究部にFAX送信いただければ日程等を調整いたしますので,ぜひ,お越し下さい。
(果樹研究部Ky&Tk&Nh)
平成31年3月26日 ブドウ棚の雨避け用のトンネルメッシュを張りました
果樹研究部のブドウ園では,先週までに越冬病害虫の防除を終えたので,今週からブドウ棚の雨避け用のトンネルメッシュを張っています。
まず,棚上に農業用ポリエチレンフィルムを伸ばし(左端の写真),それをトンネル状のメッシュに覆い(左から2枚目の写真),全面に覆ったらメッシュの両隅にあるフィルムを棚に固定し(右から2枚目の写真),最後にフィルムをメッシュの左右の端に留めていきます(右端の写真)。
このトンネルメッシュによる栽培は,西日本地域で栽培の多いブドウの短梢剪定樹において,降雨の影響を受けずにジベレリン等の生育調整剤を安定して処理できるうえに,雨媒伝染性の病気を抑制する手段としても有効です。
この時期には,まだブドウは萌芽していませんが,ブドウ棚にトンネルメッシュが張られているのを見ると,いよいよ今年のブドウの生産が始まるという思いになり,気が引き締まります。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)
平成31年3月25日 果樹の生育が一段と進んでいます
2月26日の研究員日記では,果樹研究部にある,農研機構育成の早生モモ新品種「さくひめ」の花芽が大きく膨らんで,露地のマメナシの花芽から花蕾が顔を覗かせていることをご紹介しましたが,どちらの花も先週には満開期を迎えました。
研究圃場に植えてあるナシやモモの主要品種の開花期はもっと先になりそうですが,モモのピンク(左端と中央の写真)やナシの白(右端の写真)の花が私達の眼を和ませてくれる季節になりましたね。
春を代表するサクラの開花も待ち遠しいですね。
(果樹研究部Nh)
平成31年3月25日 広島県で栽培される水稲品種(6)
今回紹介するのは飼料用米の知事特認品種に指定されている品種です。
ホウレイ: 多収ですが,食味が劣るため,平成26年に奨励品種から除外されました。しかしながら,多収の特徴を生かして飼料用米として利用されています。
中生新千本:平成9年まで広島県で最も栽培面積の多かった品種です。草丈が短く大変作りやすく,収量も取れるため,飼料用米として利用されています。現在は,飯米用としては流通していませんが,飯は粘りが少なくかみごたえのある特徴を持っています。また,醸造適性が優れていることから,清酒造りの掛け米としても利用され,県外にも販売されています。
詳細については,広島県奨励品種等特性表をご覧ください。
(栽培技術研究部 ZK)
平成31年3月22日 果樹研究部のゼミ
果樹研究部では,人材育成の一環として,部内外の研究者を講師としたゼミを行っています。
例えば,今月の15日には,現地視察を目的に当部に来訪された果樹主産県の研究員に講師を依頼し,「果樹を加害するシンクイムシ類の発生様相と防除対策」についてお話を伺いました(左側の写真)。
また,18日には当センターで研究経験を有し,今月末で定年退職される3名の方々から,研究活動に関する思い出話や経験談を語っていただきました(右側の写真)。
これらのゼミで知り得た知見を今後の研究に活用していきたいと思います。
(果樹研究部Js&Nh)
平成31年3月15日 研究圃場の改植作業-(7)レモン園の定植を完了しました
2月14日の研究員日記では,果樹研究部でレモンの研究を推進するための研究圃場の改植作業のうち,寒冷紗被覆用の棚作りまで進捗したことをご紹介しました。
その後,暫く別の農作業に追われ,この研究圃場の改植作業を中断していましたが,昨日,レモンの苗木を定植しました。
今後,丈の短い苗木(左端の写真)は開心自然形に,丈の長い苗木(中央の写真)は主幹形に仕立てます。
今回は,主幹形用の苗木の支柱立て(右端の写真)も完了したので,残された改植作業は,かん水用の配管のみとなりました。
レモン園の完成は間近です。
待ち遠しいなぁ…。
(果樹研究部Tk&Nh)
平成30年3月14日 露地栽培の果樹の防除が始まりました
2月26日の研究員日記では,果樹研究部で露地栽培しているナシやモモで,気温に敏感な品種の芽が動き始めたことをご紹介しましたが,その後,一段と暖かい日が続き,研究圃場の作業も次第に慌ただしくなってきました。
果樹では,樹上で越冬している病気や害虫も知られていますので,芽が動きだす前からの防除が必要です。
このため,果樹研究部の研究圃場では,2月下旬頃から露地栽培の防除が始まっています。
今週は,カンキツ(左側の写真),ナシ(右側の写真)およびモモの防除を行いました。
この冬は暖冬気味に推移し,例年よりも芽の動き出しが早いため,防除のタイミングを失しないように研究圃場を日々巡回し,散布時期に気を使っています。
(果樹研究部Km&Dm&Nh)
平成31年3月14日 広島県で栽培される水稲奨励品種(5)
今回は清酒醸造専用に使用される水稲品種を紹介します。これらの品種は「酒造好適米」と呼ばれています。生産量の3割は県外に販売されている本県特産作物です。私たちが食べている米と異なる特徴がいくつかあります。(1)米が一回り大きい。(2)米の中心部が白く濁る「心白(しんぱく)」が発生する。
八反35号,八反錦1号: 「八反草」を祖とし,広島県で長年改良が進められている系譜の品種です。もちろん両品種とも広島県育成で,本県を代表する酒造好適米です。吟醸香の高い淡麗な酒になるとされています。
改良雄町,こいおまち: 雄町を祖とする品種です。「こいおまち」は広島県が「改良雄町」は島根県が育成した品種です。濃醇で芳潤な酒になるとされています。
千本錦: 広島県育成品種です。「山田錦」を広島県の環境に適するように改良しました。米質は「山田錦」に似ており,吟醸,大吟醸酒向けの品種です。吟醸香の高いスッキリとした酒になるとされています。
詳細については,広島県奨励品種等特性表をご覧ください。
(栽培技術研究部 ZK)
平成31年3月12日 東広島市の国際化について学ぶ職場研修会
1月18日の研究員日記では,果樹研究部における1月の全体会議の際に健康管理研修を行ったことをご紹介しましたが,昨日は,安芸津に勤務する職員で職場研修会(左側の写真)を実施しました。
当センターでは,1月21日の人権問題職場研修会に於いて,東広島竹原人権擁護委員協議会の人権擁護委員の皆さんに講師になっていただいて,「在留外国人」や「多文化共生社会」をキーワードとして「人権について考える」をテーマに本所(八本松)で開催しましたので,今回は,前回に関連させて「国際化」をキーワードにして安芸津での職場研修会を開催しました。
今回の職場研修会は,東広島市が実施している「生涯学習まちづくり出前講座」の「48 東広島市の国際化の取組み」に応募し,東広島市の学園都市推進課の職員に講師になっていただきました(右側の写真)。
東広島市内に住む外国人の方は,中国やベトナム等のアジア圏の方を始めとして90か国以上から留学や技能実習等で来られており,人口の4%弱に相当するそうです。
職場研修会では,東広島市が実施している国際化の取組みとして,「外国人市民の生活環境の充実」や「国際交流」に係る具体的な活動状況を紹介していただきました。
また,私達が市内に在住する外国人の方と交流する際のポイントとしては,「やさしい日本語で,短い文に区切って話し,できるところから始める」ことが大切であることを学びました。
まずは,日本語で簡単な挨拶から始めてみましょうかね。
(果樹研究部&管理第二課Ky&Ns&Nh)
平成31年3月7日 広島県で栽培される水稲奨励品種(4)
今回は糯(もち)の品種を紹介します。いずれの品種も出穂・成熟が早いことから,スズメの餌食になることがよくあります。
ヒメノモチ:東北農業試験場(現:農研機構東北農業研究センター)育成の品種です。寒さに強く,高標高での栽培に向きます。
ココノエモチ:愛知県が育成した品種です。籾の先端が紅色に着色し,そこから延びるノゲ(芒)も紅色です。標高150~550mが栽培適地です。
詳細については,広島県奨励品種等特性表をご覧ください。
(栽培技術研究部 ZK)
平成31年3月6日 軟弱野菜機械化一貫体系現地検討会
県園芸振興協会主催の検討会が,当センターで開催されました。ホウレンソウ生産者,関係機関職員など,約120名が参加されました。午前中は,JA全農ひろしまの担当者から,土壌の物理性等の改善について講習がありました。この後,圃場でラジコン除草機や,サブソイラによる土壌改善の様子を見学しました。午後からは,ホウレンソウの下葉処理,計量,包装作業の実演がありました。これらの農業機械の進歩によって,野菜栽培の一層の省力化が期待されています。
(技術支援部SY)
平成31年3月6日 果樹研究部の試験研究課題成績検討会
今週の月曜日の午後に,果樹研究部に於いて,本年度の試験研究課題成績検討会が開催されました。
本年度に果樹研究部で実施された約30課題の試験研究課題等の取組結果について,夫々の課題担当者から進捗状況が報告された後,今後の展開に向けた助言等の意見交換を行いました。
本年度中に得られた新たな研究成果については,現場でより多くの方々に使っていただけるよう,今後,関係機関と連携しながら実証試験も交えた普及展開が必要ですね。
また,次年度以降も継続する研究課題等では,今回の検討会での意見を課題解決に生かし,現場で喜んで使っていただける新技術の開発や新品種の育成に向けて更なる取組を展開され,当初の目的を達成されることを期待しています。
(果樹研究部Nh)
平成31年3月5日 春の農作業安全確認運動
11月13日の研究員日記では,果樹研究部で「交通安全」をテーマにしたミニ研修を行ったことを報告しましたが,今日は農作業安全確認に係る取組についてご紹介します。
近年,農業就業人口が減少する中,国内の農作業死亡事故は年間300人以上で推移していることから,農林水産省が全国の農業関係機関に呼びかけて,「まずはワンチェック,ワンアクションで農作業安全」を重点推進テーマに掲げ,3月から5月を重点期間として「春の農作業安全確認運動」が行われています。
果樹研究部では,これまでに農作業死亡事故の発生事例はありませんが,大型機械の使用場面(左端の写真)や高所での作業場面(中央の写真)等の危険を伴う作業場面が多く,業務中の軽微な農作業事故は毎年発生しています。
このため,果樹研究部では,ヒヤリハットの取組により,重篤な事故発生に繋がりかねない「ヒヤリとした作業事例」を職員で共有し,朝礼時(右端の写真)や全体会議等で事故防止に向けた意識の高揚を図っています。
春の訪れとともに農繁期に入りますので,今一度,職員全員が「まずはワンチェック,ワンアクション」で安全に作業することを意識し,事故のないように日々心がけなければなりませんね。
(果樹研究部&管理第二課Ha&As&Te&Nh)
平成31年3月4日 カンキツ果実の袋外し
12月27日の研究員日記では,冬季に樹上に着果している露地栽培のカンキツ果実を冬の寒さから守るために,果実への袋掛けを行ったことをご紹介しました。
また,2月27日の研究員日記では,冬季にカンキツの樹体に掛けていた寒冷紗を取り外す作業を開始したことをご紹介しました。
このため,寒冷紗を除去したカンキツ樹では,早速,果実に掛けてある袋も取り外しています。
春の麗らかな日差しが,これらの果実にもたっぷりと注がれ,美味しい果実に仕上がりますように!
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成31年3月1日 心土破砕機と逆転ロータリー耕で圃場準備
硬くなった施設圃場の耕耘作業を行いました。
最初に,心土破砕機で深耕・全層破砕をし(写真1),その後,特殊な逆転ロータリーをかけると(写真2),荒くれ土塊が細かく粉砕されて理想的な状態となりました(写真3)。
素晴らしい!!
(生産環境研究部 K)
平成31年3月1日 研究圃場の改植作業-(6)ブドウ園の改植も進行中
2月8日や,2月19日および2月28日の研究員日記では,果樹研究部におけるレモン園,イチジク園およびナシ園の改植作業をご紹介しました。
果樹研究部では,現在,ブドウ園の改植作業も同時進行中です。
まず,栽植予定の列下の土壌を掘り取っ(左端の写真)て搬出し,水糸で盛土の高さのレベル合わせを行い(左から2枚目の写真)ながら,真砂土やバーク堆肥等を混和した培土を搬入しました(右から2枚目の写真)。
とりあえず,ブドウ大苗の移植までが完了です(右端の写真)。
果樹研究部の改植作業は,もうひと踏ん張りですね。
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Nh)
平成31年2月28日 研究圃場の改植作業-(5)ナシ園の改植を開始しました
2月8日や2月19日の研究員日記では,果樹研究部におけるレモン園やイチジク園の改植作業をご紹介しました。
現在は,ナシ園の改植作業に取り掛かっています。
まず,ナシの枝や幹をチェンソー等で切り落とし(左端と左から2枚目の写真),枝幹を園地の外に搬出後(右から2枚目の写真),パワーショベル等で根を抜き取っていきます(右端の写真)。
ナシ園の改植作業は,もう暫く続きます。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)
平成31年2月27日 広島県で栽培される水稲奨励品種(3)
今回は主に本県南部地域で栽培されている水稲品種を紹介します。気温の高い地域での栽培に適性を持つ品種です。
ヒノヒカリ:宮崎県が育成した品種です。近年まで県内栽培面積第2位を占めていました。良食味米として評価の高い品種です。標高200m以下が栽培適地です。
恋の予感:農研機構西日本農業研究センターが育成した品種です。近年,温暖化が進み,県南部地域では米品質の低下が心配されています。この品種は高温条件下でも品質の低下が少ない特徴を持っています。県内では平成26年から栽培がはじまりました。止め葉(一番上の葉)が長く,穂が葉に隠れてしまうような草姿です。標高150m以下が栽培適地です。
詳細については,広島県奨励品種等特性表をご覧ください。
(栽培技術研究部 ZK)
平成30年2月27日 露地栽培のカンキツ樹から寒冷紗を取り外し始めました
12月20日と2月1日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ樹を寒さから守るために12月中旬から寒冷紗の被覆を開始したことや,厳寒期に果樹研究部の敷地の南のエリアを庁舎から眺めると寒冷紗による不思議な白銀(?)の景色が展望されることをご紹介しました。
二十四節気では,既に春の始まりを告げる「立春」を過ぎ,水温み草木の芽が出始めるとされる「雨水」の時期を迎え,次第に暖かくなってきましたので,先週から露地栽培のカンキツ樹から寒冷紗を取り外す作業を開始しました。
この冬は暖冬気味に推移したので,カンキツ樹は元気な姿を見せてくれています。
これで研究圃場のカンキツ樹は,やっと十分に葉に陽光を浴びることができますね。
春の訪れとともに様々な管理作業が始まり,また忙しくなります。
(果樹研究部Hm&Km&Dm&Km&Nh)
平成30年2月26日 ナシやモモの芽が動き始めました
先週末から一段と暖かい日が続いていますね。
私の鼻もムズムズし始め,クシャミと鼻水でマスクとティッシュが離せない季節の到来です。
今日は,麗らかな陽気に誘われ,研究圃場を巡回してみれば,果樹も春の訪れを感じている様子が見て取れました。
左端の写真は,ナシ「豊水」の花芽ですが,まだ芽先の鱗片がほんの僅かに割れ始めている程度です。
左から2枚目の写真は,ナシの台木に用いられるマメナシの花芽ですが,既に鱗片から花蕾が顔を覗かせています。
右から2枚目の写真は,既存のモモ品種ですが,花芽も葉芽もまだ小さなふくらみのままで固く閉ざしています。
右端の写真は,開花に必要な低温にさらされる時間(=低温要求量)が日本の主要品種の約半分に短縮された,農研機構育成の早生モモ新品種「さくひめ」ですが,花芽は大きく膨らみ,既に葉芽は割れて黄緑色を呈しています。
この冬は暖冬気味に推移したので,気温に敏感な果樹の品種は,例年よりも芽の動きが少々早いようですね。
なお,早生モモ新品種「さくひめ」は,温暖化により冬の気温が高くても安定した開花と果実生産が見込め,西南暖地向けのお勧めの新品種ですので,詳しい情報が必要でしたら,当センターのホームページに掲載してある研究成果情報の,『早生で核割れが少なく,豊産性のモモ新品種「さくひめ」(農研機構育成)の広島県における栽培特性』を是非ご覧ください。
(果樹研究部Nh)
平成31年2月25日 オリーブ栽培の支援
11月1日の研究員日記では,瀬戸内海のほぼ中央に位置する,大崎上島町内の現地圃場に於いて,カンキツの養水分管理に係る新技術セミナーを開催したことをご紹介しましたが,今日は,江田島市が地域特産果樹として振興しているオリーブ(左端の写真)の栽培に対する現地支援についてご紹介します。
左端から2枚目の写真は,江田島市内の園地で順調に生育しているオリーブ園ですが,園地によっては生育が十分でない樹も見られます(右から2枚目の写真の左側の樹)。
このため,果樹研究部では,江田島市からの支援要請を受けて,広島県立総合技術研究所の技術的課題解決支援事業(略称は,「ギカジ」)により,オリーブの生育改善の取組に対する支援を行っています。
先週の19日には,江田島市内で支援事業の報告会が開催され,当果樹研究部の研究員2名が生産者の皆さんに,活動内容や調査結果を説明しました(右端の写真)。
この支援事業による生育改善効果が顕著に認められるまでには数年を要すると見込んでいますが,今後,支援・報告内容が江田島市内で活用され,オリーブ振興の一助となることを願っています。
なお,果樹研究部にご相談や研究等のご依頼希望の方は,当センターホームページの「研究のご依頼」等のコーナーをご覧いただき,こちらのページからご連絡ください。
(果樹研究部St&Ky&Nh)
平成31年2月22日 高所作業機の操作講習会
1月10日と2月12日の研究員日記では,果樹研究部の防風樹の刈り込み作業は高所作業車を長期間リースして冬場に集中して取り組んでいることをご紹介しましたが,この作業は,毎年,多大な労務と経費を必要とするため,この度,自走式の小型高所作業機を新規に購入してもらいました。
この機械が昨日の午後に搬入されたので,機械メーカーの方に講師になっていただき,操作上の留意点等の講習(左端の写真)を受けて,早速,操作体験(中央と右端の写真)を行いました。
これで自前の高所作業機を用いて,いつでも防風樹の刈り込み作業が可能となり,大変便利になりますね。
とはいえ,講師の方からの説明にもありましたが,常に危険を伴う作業に従事していることを意識し,慎重に機械を操作しながら,事故を起こさないように,安全な作業を心掛けましょうね。
(果樹研究部Nh)
平成31年2月21日 広島県で栽培される水稲奨励品種(2)
今回は主に本県中部地域で栽培されている水稲品種を紹介します。
あきろまん:広島県が育成しました。広島県だけで栽培している品種ですので,是非一度ご賞味ください。標高150~350mが栽培適地です。
あきさかり:福井県が育成した品種です。県内では平成26年から栽培がはじまりました。標高150~500mが栽培適地です。
コシヒカリ:福井県が育成した皆さんおなじみの品種です。県内で最も栽培面積の多い品種です。標高500m以下が栽培適地ですので,比較的高標高から低標高まで栽培されています。
詳細については,広島県奨励品種等特性表をご覧ください。
(栽培技術研究部 ZK)
平成31年2月21日 カンキツの茎頂接木
先週半ば頃に実験室を覗いた際,女性の職員が手元に照明を当てながら,何やら細かな手作業をしていました(左端の写真)。
この職員は,いったい何の作業をしているのでしょう?
12月5日の研究員日記では,カラタチの種子の表皮を剥き,培土に播種している写真(左から2枚目の写真)をご紹介しましたが,その後,室温を25~27℃に設定し,光が当たらない条件下で約2週間生育させて,約10cmの長さに伸びてきた芽(右から2枚目の写真)を途中で切除し,カンキツ品種の成長点付近の「茎頂」と称する部分を接木します。
ここで用いているカンキツ品種は,11月20日の研究員日記で紹介した,カンキツに好適な温度やピンク色の光照射条件下の培養室で生育中の有望な新品種であり,これらの幼苗から茎頂を摘出(右端の写真)し,カラタチの切口に載せて乾燥防止処理を行えば,茎頂接木は完了です。
接木部分がしっかりと活着し,良好な苗木になりますように…。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成31年2月20日 現在の加温ハウスのレモン樹の生育は…?
近隣の庭や畑では梅の花が見頃(左端の写真)ですが,「果樹研究部の研究圃場に咲いている花はないものか?」と思い,レモンが植えてある加温ハウスを覗いてみました。
このハウスのレモンについては1月15日の研究員日記でもご紹介しましたが,丁度その頃には,加温開始から約5週間経過した時であり,既に新芽が動き始め,蕾も膨らみ,一部には開花した花も見られている生育状況でした。
それから,さらに約1か月が経過しているので,「もう花を見ることはできないかも…」と思いつつ,ダメモトで覗いたところ,未だに随分と多くの花が開花中でした(中央と右端の写真)。
担当者曰く,「満開は2月上旬頃だったが,レモンの加温栽培では,開花のピークが数回に分散する傾向が見られ,今は丁度2回目のピークの花が咲いている。」とのことでした。
ハウス内は,気温と湿度が高く,長く留まるとじわっと汗ばむような環境でしたが,ほんのりと漂うカンキツ系の香りはいいものですね。
(果樹研究部St&Nh)
平成31年2月19日 研究圃場の改植作業-(4)イチジク園も畝立てを完了しました
2月8日の研究員日記では,果樹研究部でレモンの研究を推進するための研究圃場の改植作業のうち,畝立てまで進捗したことをご紹介しました。
本日ご紹介するハウス内の園地は,来年度から開始するイチジクの研究課題を推進するための研究圃場です。
まず,パワーショベルの操作に熟練した職員が,栽植予定の位置の土壌を約1m幅で彫り上げて深さ10cm程の列状の溝を作成し,掘り上げた土壌を運搬車で園外に搬出しました(左端の写真)。
次いで,溝内には,排水を促進させるための砂利を搬入(左から2枚目の写真)し,その上に真砂土やバーク堆肥等を混和した培土で畝立てを行い(右から2枚目の写真),3列の畝が完成しました(右端の写真)。
残された作業は,かん水用の配管とイチジクの苗木定植のみですね。
さて,次は,ブドウ園とナシ園の改植に本腰を入れましょうかね。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)
平成31年2月18日 晩生カンキツ品種の果実調査
11月27日の研究員日記では,果樹研究部でカンキツの果実調査が本格化してきたことをご紹介しましたが,そちらは主に年内に収穫できるカンキツ品種の調査でした。
また,2月5日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で厳寒期に樹上に着果しているカンキツ品種をご紹介しましたが,先週,調査室を覗いてみたら,春先に成熟期を迎える晩生のカンキツ品種の果実調査が行われていました。
室内を見わたすと,大勢の職員が机上の果実を囲んで作業をしていました(左端の写真)。
職員は,果実や果皮の重量の測定(左から2枚目の写真),種子数の測定(右から2枚目の写真),果実の糖度や酸含量の測定(右端の写真)等の役割を分担しながら,相互に連携しながら手際よく調査を進めていました。
室内には大変爽やかなカンキツ系の香りが漂っており,大変快適な香気成分の中で作業ができて良いですね。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成31年2月15日 果樹研究部紹介用の写真撮影
広島県立総合技術研究所の紹介用パンフレット等に活用できる写真の撮影が,プロのカメラマンに委託して先月から8つの技術センターで順次巡回して行われており,果樹研究部では昨日の午後に撮影が行われました。
当初,想定される撮影事例として,○受付対応している様子,○機器を操作する様子,○測定結果や製品・商品で分かりやすいもの,○作業風景,○季節的に可能な農林水産物等が求められていました。
このため,(1)カンキツ育種圃場での果実の管理風景(左端の写真),(2)加温ハウス内でのレモン葉における光合成量や蒸散量の測定風景(中央の写真),(3)代表的な研究成果である根域制限栽培のブドウ樹の剪定風景(右端の写真)を含めて,果樹研究部の特徴が写り込んでいる10以上の場面を撮影してもらいました。
こちらが撮影してもらいたい場面の状況を説明しながらカメラマンに同行しましたが,的確で,無駄なく,迅速に,要求通りの写真を撮影していただきました。
さすがにプロのカメラマンですね。
(果樹研究部Nh)
平成31年2月14日 研究圃場の改植作業-(3)レモン園の寒冷紗被覆用の棚作りを完了しました
2月8日の研究員日記では,果樹研究部でレモンの研究を推進するための研究圃場の改植作業のうち,畝立てまで進捗したことをご紹介しました。
その後,各畝の両端の土中にアンカーが打ち込まれ,受石が置かれたかと思えば,直ちに寒冷紗被覆用の棚の作成が開始され,数日のうちに棚作りが完了しました。
この後の作業には,かん水用の配管とレモンの苗木定植を予定しています。
(果樹研究部Tk&Nh)
平成31年2月14日 広島県で栽培される水稲奨励品種(1)
これから,何回かに分けて,県内で栽培されている水稲奨励品種を紹介していきます。
初回は主に標高の高い北部地域で栽培されている水稲品種を紹介します。いずれの品種も成熟が早く寒さに強い特性を持っています。
ひとめぼれ:宮城県が育成した品種です。標高300~550mが栽培適地です。
あきたこまち:秋田県が育成した品種です。標高400m以上が栽培適地です。
広島21号:広島県が育成しました。スーパーでは「こいもみじ」の名前で販売されています。家庭用のほか,清酒醸造にも使用されています。標高350~600mが栽培適地です。
詳細については,広島県奨励品種等特性表をご覧ください。
(栽培技術研究部 ZK)
平成31年2月13日 果樹研究部における試薬の在庫確認
12月12日の研究員日記では,果樹研究部における農薬の管理についてご紹介しましたが,今日は試薬の管理についてのご紹介です。
果樹研究部における試薬のうち,毒物や劇物に位置づけられている試薬については,農薬と同様に,個別に管理簿を作成し,厳密な在庫管理を行いながら毎月報告していますが,それ以外の一般試薬については,夫々の研究員が研究に必要な試薬を各実験室の試薬棚等に保管することがあります。
このため,実験室の試薬棚の奥を探せば,随分昔に購入した試薬が発見されることもありました。
しかし,統一した管理が必要なため,7~8年前頃に,主な試薬を各実験室から集めて,共有の試薬棚(左端の写真)に一括して保管していたのですが,一般試薬については,台帳が未整理だったため,様々な試薬が混在して置かれてあり,どんな試薬がどれだけあるのかを十分に把握できていませんでした。
そこで,昨年の12月から余裕のある時に,これらの試薬瓶を1本ずつチェック(中央の写真)し,試薬の配置の仕方を見直して,同一種類の試薬毎に番号(右端の写真)を記入し,台帳に記入していきました。
折しも,厚生労働省から,「爆発物の原料となり得る劇物等の適正な管理の徹底」の通知が届いた時期と重なり,グットタイミングでした。
後は,古くなって不要な試薬を適正に廃棄処分すれば,完璧ですね。
(果樹研究部Nh)
平成31年2月12日 防風樹の刈り込みで,果樹園周辺はスッキリ!
1月10日の研究員日記では,果樹研究部で果樹園周辺の防風樹の刈り込み作業を年明け早々から開始したことをご紹介しましたが,その後,高所作業車を1か月間リースして,この作業に集中して取り組みました。
防風樹の刈り込みに係る一連の作業は先週で終了しましたが,この間,天候に恵まれたこともあり,順調に作業が進み,果樹園周辺が見違えるように綺麗になりました。
作業に関わった職員の皆さん,ありがとうございました。
(果樹研究部Nh)
平成31年2月8日 研究圃場の改植作業-(2)レモン園の畝立てを完了しました
2月4日の研究員日記では,果樹研究部で研究圃場の改植作業を開始したことをご紹介しましたが,ミカンの樹を抜根して平地となっていた研究圃場では,真砂土とバーク堆肥(左端の写真)等を混和した培土(中央の写真)を圃場内に搬入し,畝立てを完了しました(右端の写真)。
レモンの研究を推進するための研究圃場の改植作業は,着々と進行しています。
(果樹研究部Tk&Nh)
平成31年2月5日 この時期に研究圃場で見られるカンキツの果実は…?
12月17日と12月21日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ研究圃場にある多くの中晩生カンキツ類を12月中に収穫したことをご紹介しました。
そのうえ,2月1日の研究員日記にもありますように,この時期のカンキツの樹体は寒冷紗で覆われているため,今のカンキツ研究圃場は葉の緑色や,果実のオレンジ色&黄色のような鮮やかな色よりも寒冷紗の白色が目立ち,どことなく淋しげです。
なので,「どこかに色鮮やかな果実は残っていないものか」と,お昼の休憩時間にウォーキングを兼ねてカンキツ研究圃場内を探索しました。
露地のカンキツ品種圃場にある寒冷紗の中では,既に県内でも栽培が広がっている「はるか」(左側の写真)の果実を見つけました。
また,露地のカンキツ育種圃場では,未だ名前の付けられていない,選抜中の晩生カンキツ類(中央の写真)を見つけました。
さらに,無加温のカンキツハウス内では,果樹研究部で育成され,品種登録の完了している,有望なブンタン系新品種「黄宝」(右側の写真)を見つけました。
これらの果実は,いずれも春先に成熟期を迎える晩生の品種ですが,厳寒期の寒さに負けず,無事に収穫されますように…!
(果樹研究部Kj&Yy&St&Nh)
平成31年2月4日 研究圃場の改植作業を開始しました
左端の写真は,昨年の秋に撮影した果樹研究部のカンキツ園ですが,この研究圃場に植えてあったミカンの樹を抜根し,現在は左から2枚目の写真の通り,平地になっています。
また,右から2枚目の写真は,先日まで拡大型の根域制限により栽培されていた果樹研究部のブドウ園ですが,ブドウの樹を伐採後,盛土部分の根域土壌を除去し,現在は右端の写真の通り,平地になっています。
果樹研究部では,必要に応じて研究圃場を計画的に改植し,新たな研究課題の推進に向けて準備しています。
研究圃場の改植は,果樹研究部が冬場に取り組む代表的な作業の1つです。
(果樹研究部Tk&Ky&Sk&Ss&Nh)
平成30年2月1日 厳寒期のカンキツ研究圃場は白銀の世界…?
12月20日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツの樹体に対し,12月中旬から寒冷紗の被覆を開始したことをご紹介しました。
なので,厳寒期に果樹研究部の敷地の南のエリアを庁舎から眺めると,カンキツ研究圃場が,あたかもカンキツの樹体にのみ雪が降り積もったような不思議な白銀(?)の景色が展望されます。
カンキツの樹体は寒冷紗の中で寒さにじっと耐えて春を待っているのですが,果樹研究部のカンキツ研究圃場で緑の葉が顔を覗かせる時期が待ち遠しいですね。
(果樹研究部Nh)
平成31年1月31日 今年も,力を合わせて頑張ります!
果樹研究部の所在する安芸津の勤務地では,新年当初に職員揃って記念写真の撮影が恒例となっています。
今年も,1月7日の昼休憩に撮影したのですが,カメラの調子が悪く,今一つの仕上がり…(左側の写真)。
なので,日を改めて1月28日の昼休憩に,再度集合し,写真をパチリッ!
今度は,バッチリですね(右側の写真)。
皆さん,この違いがお解かりでしょうか?
不鮮明な左側(7日)の写真の方が見栄えがする…って?
まぁ,そのような見方もあるかもね。
今年の干支は「亥=猪」なので,「猪突猛進」と言いたいところですが,この言葉には,「周囲の状況を考えずに,一つのことに向かって猛烈な勢いで突き進む」といったネガティブなニュアンスもありますよね。
なので,ここは干支にこだわらず,「十分に考えたうえで思い切って実行する」という意味の「熟慮断行」で頑張りたいものです。
今年も,安芸津勤務の職員一同,力を合わせて頑張ります!
(果樹研究部&管理第二課)
平成31年1月28日 ブドウの剪定が終了しました
1月9日の研究員日記では,年明け早々から果樹研究部のナシの剪定を開始したことをご紹介しましたが,1月半ばにはナシの剪定と誘引を終了し,ブドウの剪定に取り掛かりました(左側の写真)。
とはいえ,果樹研究部のブドウ樹は,西日本のブドウ産地で主流の短梢剪定の樹に仕立てていますので,剪定が容易なため,作業は順調に進み,先週中には剪定作業を終了しました。
当センターで開発された,「根域制限栽培」のブドウ樹もスッキリした樹姿となり,春の萌芽を待っています(右側の写真)。
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Wd&Nh)
平成31年1月18日 健康管理研修
15日(火)に開催された,果樹研究部の全体会議に先立ち,健康管理研修(左端の写真)を実施しました。
この研修は,東広島市が実施している「生涯学習まちづくり出前講座」の「34 食育を推進しよう」に応募し,東広島市の健康増進課と安芸津支所福祉保健課の職員2名に講師になっていただき,開催しました。
研修では,東広島市健康づくりスローガンの「えっと健康!ぶち健康!ちいとやってみようや東広島」に基づいて,「いきいきと過ごせるよう,今日からちいと(ちょっと),やってみませんか?えっと(とても)健康になって,ぶち(ものすごい)笑顔になりましょう!」と,(1)高血圧の改善,(2)糖尿病の予防と改善,(3)コレステロール・中性脂肪の改善等に向けて,講師から「できることから,ちいと(ちょっと)やってみよう!」の精神で,脂肪の模型(中央の写真)等を用いた丁寧で判りやすい説明を受けた後,実技(右端の写真)も交えながら楽しく学びました。
さぁ,めざそう,いきいき100歳!
(果樹研究部&管理第二課Ha&Te&As&Nh)
平成31年1月15日 加温ハウスは春の兆し…!?
新年がスタートしたばかりですが,季節は未だ厳寒期に向かいつつありますね。
11月28日の研究員日記では,「カンキツハウスの冬支度」と題して,果樹研究部でレモンを栽培しているハウスで,冬場に効率よく加温するためにビニールで内張り作業を行ったことをご紹介しましたが,このハウスでは12月10日から今季の加温を開始しましたので,既に加温開始から約5週間が経過しました。
今はハウス内の最低気温を10℃に設定してありますので,戸外が肌寒い日でも日中にハウス内に入れば程良い暖かさがあり,快適です。
日中の加温ハウス内は,まさに春を感じさせる麗らかさがありますね。
このハウスのレモン樹は,最初の基幹防除を済ませ,生育は順調に推移しており,既に新芽が動き始め,蕾も膨らみ,一部には開花した花も見られています。
(果樹研究部St&Nh)
平成31年1月10日 防風樹の刈り込み
1月9日の研究員日記では,果樹研究部におけるナシ園の剪定を開始したことをご紹介しました。
また,12月6日の研究員日記では,果樹研究部における果樹園周辺には,防風樹として,珊瑚樹,犬槙,杉,檜等が植えられていることをご紹介しましたが,これらの防風樹の枝も年々伸びてくるため,ナシ樹同様に剪定が必要です。
そこで,今週の始めから防風樹の剪定作業を開始しました。
左側の写真には,職員が大きな剪定鋏で枝を刈り込んでいる姿が映っていますが,実はここは大変高い位置なのです。
右側の写真を見ればご理解いただけると思いますが,職員がいる高さは地上5mを超えているかもしれませんね。
なので,高所作業車の運転資格を有する職員が作業車を慎重に操作して,安全を期して作業を進めています。
防風樹の刈り込みは,1~2月における果樹研究部を代表する光景の一つでもあります。
(果樹研究部Dm&Hm&Wd&Km&Nh)
平成31年1月9日 ナシの剪定を開始しました
12月13日の研究員日記でご紹介した,多目的ネットの天井部分を解放したナシ園では,昨年の春から伸びたナシの枝が棚上の空間を覆っています(左側の写真)。
10月19日の研究員日記では,果樹研究部のモモ園の秋期剪定についてご紹介しましたが,果樹研究部では,今週の始めからナシの剪定を開始しました。
まず,ナシを担当する研究員と専門技術指導員が今シーズンの生育状況を踏まえて,剪定の考え方や剪定の仕方を説明(右側の写真)し,その後,ナシ園の管理を担当する職員が研究員と相談しながら剪定を行っていきました。
ナシの剪定は,長年の熟練を必要とする重要な作業のため,作業を開始する前には,こうして関係する職員が集まって講習会を開催し,目合わせを行っています。
これも果樹研究部の大切な技術継承事項の1つです。
(果樹研究部Sn&Dm&Mc&Nh)
平成31年1月8日 双子のレモン
9月18~19日の研究員日記では,「ブドウのおもしろい果粒」と題して,ハートの形をした果粒等をご紹介しましたが,今日はハートの形ではないのですが,変わった果形のレモンをご紹介します。
上の写真は,果樹研究部のレモン圃場で収穫作業中に職員が見つけた果実です。
左端の写真は果実を斜め下から撮影したものですが,この写真では果実が1つに見えていますね。
でも,同じ果実を真下から見ると,なんと果実が2つに見えますね(左から2枚目の写真)。
これを真横からみても,やはり2つです(左から3枚目の写真)。
ところが,右端の写真は果実を真上から見たものですが,中央部に見えるヘタは1つしかありません。
つまり,この果実は1つなのですよ。
まるで奇跡のような果実です。
自然界には,いろんな現象が生じますね。
ひょっとして,これは神様から私達への贈り物…!?
本年も嬉しい出来事が沢山ありますように…!
(果樹研究部Km&Nh)
平成30年12月28日 灌水施設の冬支度
8月28日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある温州ミカン「石地」でテンシオメーターという計測器具(左端の写真)を用いて土壌水分状態を的確に把握し,夏季の土壌水分量を適正にコントロールしていることをご紹介しましたが,果樹研究部ではブドウ園やモモ園等も同様な管理を行っています。
テンシオメーターは,先端に取り付けてあるポーラスカップ(左から2枚目の写真にある先端部の白い丸みのある箇所)の部分を含めて内部には水が入っていますので,冬場に凍結したら破損する恐れがあるため,加温ハウス以外のテンシオメーターは厳寒期には土壌から抜き取っています。
同様に,灌水用に地表面に配管してあるパイプ内も,水を入れたままだと凍結により破損する恐れがありますので,フラッシングバルブ(左から3枚目の写真にある配管パイプ先端の赤い部分)や水抜き用のバルブを緩めてパイプ内の水を抜いています。
また,用水を溜めているタンク基部から地上部に露出している配管パイプ等で水抜きができない箇所は,保温資材を巻きつけて凍結を防止しています(右端の写真)。
今日は今年最後の勤務日ですが,これらの灌水施設の冬支度を先日済ませましたので,安心して年越しができそうです。
皆さん,良いお年を!
(果樹研究部Ky&Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年12月27日 露地栽培のカンキツへの防寒対策-第3弾 果実への袋かけ
12月3日と12月20日の研究員日記では,露地栽培のカンキツ樹体を冬の寒さから守るために,幼木への稲藁巻きや樹体への寒冷紗の被覆を行っていることをご紹介しました。
では,厳寒期も樹上に果実を着けておかなければならない場合には,どのような対策を行っているのでしょうか?
果実の防寒対策には,写真にあるように袋を掛けています。
緑色の袋は3重になった果実袋ですので果実の防寒には適していますが,この他にも茶色や白色の袋が掛けてありますね。
こちらの袋は,研究圃場には大小様々な大きさの果実がありますので,保護したい果実の大きさに見合った袋を探していて,たまたま手元にあった袋を掛けたものです。
試験用の果実に対しては,冬場にも何かと気を使って育てています。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年12月26日 レモンの貯蔵準備
12月21日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ品種圃場にある,露地栽培のレモンを収穫したことをご紹介しましたが,収穫したレモンの一部は冷蔵庫内で長期間貯蔵します。
先日,選果後のレモンを貯蔵用コンテナに詰め込む作業が行われました(左端の写真)。
夏場まで貯蔵するには,冷蔵庫内で発生する腐敗果をいかに少なくするかがポイントとなりますが,貯蔵前に果実をビニル袋で個々に包装する方法も一方策です。
ところが,包装作業は手間取るため,果樹研究部では簡易な袋詰め機(左から2枚目の写真)を用いて作業の省力化を図っています。
この袋詰め機は果実をビニル袋内に入れる工程までなので,その後はビニル袋の開口部を捩じって閉めて(左から3枚目の写真)コンテナ内に並べます(右端の写真)。
今年も,レモンの貯蔵準備は万全ですので,夏場の出庫が楽しみですね。
(果樹研究部Km&Dm&Km&Hm&Nh)
平成30年12月21日 露地栽培のレモンを収穫しました
11月26日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ品種圃場にある,露地栽培のレモンが色づいてきたことをご紹介しましたが,12月に入ってレモン果皮の黄色味が増してきた(左端の写真)ので,今週半ばに一斉に収穫しました(左から2枚目の写真)。
収穫したレモンは,樹毎の収穫量を計量(左から3枚目の写真)した後,貯蔵等の各種試験(右端の写真)に用い,残りの果実を出荷します。
果樹研究部では,広島レモンの生産に役立つ研究成果創出に向けて頑張っています。
(果樹研究部Tk&Nh)
平成30年12月20日 カンキツ樹体への寒冷紗の被覆を開始しました
10月29日と11月14日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ樹体に対し,冬の寒さの被害を防ぐために12月頃から寒冷紗を被覆することや,樹体を傷めないようにするために樹体の周りに専用の棚を作成していることをご紹介しましたが,今年も12月中旬からカンキツ樹体への寒冷紗の被覆を開始しました。
長期予報ではこの冬は暖冬と予報されていますが,油断は禁物ですので,寒さ対策には万全を期しています。
どうか,大切なカンキツの試験樹が寒波被害を受けずに,無事にこの冬を越せますように…!
(果樹研究部Hm&Km&Dm&Km&Nh)
平成30年12月19日 天敵利用を普及するための研究をしています
これまでに,農業技術センターは,ナスの土着天敵であるヒメハナカメムシなどを増やすためにバジルなどの温存植物を使って,害虫を防除する技術を確立しています。しかし,この技術はあまり利用されていませんでした。
本年度,東広島市黒瀬町のナス栽培農家圃場に天敵温存植物を植え,生産者,JA営農指導員,普及指導員と一緒に天敵や害虫の調査をしました。この度,黒瀬町や他地域のナス生産者に講習会で結果を公表し,意見を伺いました。天敵利用に関する生産者の関心も高く,活発な意見交換が行われました。
今後とも,関係者間の連携を深め土着天敵利用技術を普及させるように頑張りたいと考えています。
(N.K.&天敵を愛する男)
平成30年12月19日 JR呉線「三原&安浦間」の再開
7月9~13日の研究員日記では,本年7月初旬の豪雨による果樹研究部の被害と復旧対応の状況についてご紹介しましたが,果樹研究部の所在する安芸津町内の被害も甚大なものでした。
安芸津町内には,未だに豪雨災害の爪痕があちこちに残る中,JR呉線で最後まで不通となっていた「三原&安浦間」が先週の土曜日から再開されました。
この間,果樹研究部への視察者が鉄道代行運転バス(左側の写真)を利用して来所されたり,職員も通勤や出張の際に迂回ルートを経由して移動する等,何かと不便な場面もありましたが,この地域の主要な公共交通機関であるJR呉線の全線復旧は心強い限りです。
安芸津町内を走る電車(右側の写真)を見るのは,実に163日ぶりです。
電車が近づいてくる際に「ガタンゴトン,ガタンゴトン…」と聞こえてくる音が懐かしく感じられました。
未だに地肌が露出している山の斜面,道路や河川の崩落個所は,目に痛々しく映りますが,こうした復旧のニュースは嬉しいですね。
(果樹研究部Nh)
平成30年12月18日 海外からのお客様
7月27日,9月11日および10月12日,11月22日の研究員日記では,果樹研究部を訪れた国内からのお客様の視察状況をご紹介しましたが,昨日は中国重慶市から,高校生10名と引率教員1名が果樹研究部に視察に来られました。
本年度に果樹研究部を訪れた海外からのお客様は,11月の某国大使館からの視察を含めると2件目です。
今回は,「日本・アジア青少年サイエンス交流事業さくらサイエンスプラン(国立研究開発法人科学技術振興機構による採択事業)」に応募された,公益財団法人広島国際センターが窓口となって,科学技術分野に関心を持つ重慶市の青少年及び教員に対し,広島県内の科学技術関連の大学・研究機関や企業への視察ならびに人的交流の機会を提供する一環として果樹研究部を訪問されました。
昨日は,研究員3名が,農業技術センターの概要をはじめ,「光反射シートを利用したブドウの収量増加技術」,「ブドウの根域制限栽培」,「モモの樹体ジョイント仕立て」および「温州ミカン「石地」の早期多収を目指す主幹形栽培技術」等の研究成果を室内での講義や研究圃場での実証展示物により紹介しました。
中国語の達者なK研究員の活躍もあって,視察者の皆さんは,それぞれの技術に関心を抱いて熱心に勉強されていました。
今回の視察の機会が,視察者の皆さんにとって,我が国の科学技術のみならず文化や国民性の理解が深まる一助となれば幸いです。
(果樹研究部Ky&Ss&Nh)
平成30年12月17日 中晩生カンキツ類の着色と収穫
11月30日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で温州ミカン「石地」の収穫が始まったことをご紹介しましたが,カンキツの品種圃場では中晩生カンキツ類の着色が進んでおり,園内を歩くとオレンジ色(左端の写真),黄色(中央の写真),黄緑色(右端の写真)など,色とりどりの果実が見られます。
ここのところ,カンキツ園の近くを通るだけで様々な果皮色を楽しめましたが, 多くのカンキツ品種が年内に収穫されるため,12月中旬は収穫作業に追われています。
このため,日毎にカンキツ園から鮮やかな色が消えていくのを見るのは少々残念な気がしますが,露地栽培のカンキツ園からオレンジ色や黄色が消えたら,いよいよカンキツの樹も本格的な冬支度が必要ですね。
(果樹研究部Km&Dm&Km&Hm&Nh)
平成30年12月14日 ちょっと早いクリスマスプレゼント…!?
上の写真では,各写真の職員がお辞儀をして何かを受け取っていますね。
これらは,果樹研究部における12月の全体会議の終了直前のひとコマです。
11月2日の研究員日記では,果樹研究部で親睦会主催の輪投げ大会を実施したことをご紹介しましたが,全職員が集まる機会に,その結果報告を兼ねて景品が授与されましたので,謹んで景品を受け取っている様子を写してみました。
輪投げ大会は,様々な職種の職員を混成し,4チームに分かれて総得点を争う団体戦としましたので,もちろん全員に景品がありましたよ。
忘れた頃のプレゼントでしたが,時節柄ちょっと早いクリスマスプレゼントになりましたね。
師走の多忙な業務を離れて,皆の気持ちを少し和やかにしてくれたひと時でした。
(果樹研究部Mt&Nh)
平成30年12月13日 ナシ園で多目的ネットの天井部分を解放しました
6月18日の研究員日記では,果樹研究部のナシ園で生育期間中に多目的ネットを活用していることをご紹介しました。
左側の写真は,多目的ネットで覆われたナシ園の9月の状況ですが,ところどころ天井のネットから新梢が突き出るくらいに旺盛に生育しているのが見られます。
右側の写真は,多目的ネットの天井部分を解放したナシ園の12月の状況ですが,秋まで生茂っていた葉は,すっかり落葉しています。
ナシの樹には,来シーズンも高品質な果実を生産してもらわないといけませんので,これから剪定作業によりナシの樹を散髪してあげないといけませんね。
(果樹研究部Nh)
平成30年12月12日 果樹研究部における農薬の在庫確認
果樹研究部で栽培している果樹における本年度用の果実生産に向けた薬剤防除は11月で全て完了しましたが,加温栽培ハウスでは次年度用の果実生産に向けた薬剤防除が今月から始まります。
そこで,本年度用に準備していた農薬の在庫確認作業を先週の雨天日に行いました。
果樹研究部における農薬の管理については,8月31日の研究員日記でもご紹介しましたが,毒物や劇物に位置づけられている農薬については,個別に管理簿を作成し,厳密な在庫管理を行いながら毎月報告しているので,在庫が不足することはありませんが,それ以外の一般農薬についても,区切りの良いタイミングで在庫確認を行いつつ,緊急時にも対応できるようにチェックしています。
今回もしっかりと確認できたので,後は次年度の防除計画に対して不足する農薬を補えば万全ですね。
(果樹研究部Sk&Nh )
平成30年12月11日 温州ミカンの選果と出荷
12月10日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で収穫された「石地」ミカンを出荷までコンテナに入れて屋内で一時保存している様子をご紹介しましたが,これらのミカンは,調査用の果実を除いて,いずれ出荷され,市場に流通します。
左側の写真の作業は,一時保存していたミカンを選果機に通して,大きさ別に階級を分けているところです。
右側の写真のうち,手前のコンテナには,選果機を通過後に一定の大きさに揃えられた果実が入っています。
また,右側の写真のうち,奥側の段ボールには,出荷用のミカンが箱詰めされ,搬出を待っている様子が見て取れます。
こうした一連の作業は,12月における果樹研究部を代表する光景の一つでもあります。
(果樹研究部Km&Dm&Km&Hm&Nh)
平成30年12月10日 カンキツコンテナ周辺の粘着シートは何ぁ~に?
11月30日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある主幹形の「石地」ミカンを収穫したことを紹介しました。
収穫後の「石地」ミカンは,左側の写真にあるように,出荷までコンテナに入れて屋内で一時保存します。
しかし,左側の写真には,ちょっと違和感が…!?
良く見れば,積み上げられたカンキツコンテナ周辺の床に,幅広の茶色い帯のような線が見えています。
近づいてみれば,右側の写真にあるように,表面がテカテカと光っていて,幅20~30cm程度の粘着シートが,カンキツコンテナを囲むように連続して床面に貼りつけられています。
これは,いったい何ぁ~に?
不思議に思って周囲を見渡すと,何やら赤い箱が転がっており,表紙には「超強力!プロ仕様の業務用粘着ねずみとりシート」と記されていました。
なるほど,ミカンが鼠の食害を受けないように,粘着シートで大切な生産物を守っているのですね。
早速,担当者に過去の実績を聞けば,「昨年度の収穫シーズンには,少なくとも5頭の鼠を捕獲したよ。」とのことでした。
はてさて,今年の成果はいかほどでしょうか…。
乞う,ご期待…!
(果樹研究部Hm&Nh)
平成30年12月7日 レモンの樹に蕾と果実が混在してる…!?
11月26日の研究員日記では,露地栽培のレモン品種の中には既に果皮が黄色く色づいてきた品種があることをご紹介しましたが,上の2つの写真には1つのレモンの樹の中に淡いピンク色の蕾と近々収穫できそうな果実が混在しているのが見られます。
とりわけ,左側の写真には,蕾の下には横径が5~6cmもありそうな大きな果実が見られますが,右下には未だ横径が1cm程度の小さな果実が見られます。
ちょっと不思議な光景ですよね。
でも,ご心配なく!
レモンは四季咲き性があり,主には5月の春花,6~8月の夏花,9月以降の秋花が咲き,これらに果実が着生します。
上の写真に写っている蕾は,夏から秋にかけて伸長した新梢を秋に剪定したため,その後に再伸長した新梢に蕾が着生したものと考えられます。
レモンでは,このように同じ樹の中に蕾や果実が混在する光景がよく見かけられます。
(果樹研究部St&Nh)
平成30年12月6日 果樹研究部の防風樹
6月15日の研究員日記では,果樹研究部における果樹園周辺の珊瑚樹(左端の写真)が開花したことをご紹介しましたが,果樹研究部の果樹園周辺には,珊瑚樹以外にも,犬槙,杉,檜(左から順に2,3,4番目の写真)等が防風樹として植えられています。
夏場には,いずれの防風樹も台風接近時の風害を軽減する手段として重要な役割を担ってくれており,傷果や細菌病による被害果の発生抑制に大きな貢献をしています。
しかし,防風樹の刈り込み作業は,ほぼ全園に防風樹が植わっているうえ,高所の作業もありますので,多大な労務が必要となります。
果樹研究部では,防風樹の刈り込みを比較的労務に余裕のある冬場の作業として行っており,全園をカバーするには2年程度かかります。
今年も,防風樹の刈り込みの季節がやってきましたね。
(果樹研究部Nh)
平成30年12月5日 成長が著しい若手研究員,現地調査で学ぶ!
県内の水田転換キャベツ圃場で排水性向上技術の実証実験を行っています。排水不良圃場に土壌改良資材混和,額縁明渠設置および緩傾斜付与を処理し,キャベツの収量に及ぼす効果を判定します。
この日は,秋作キャベツが収穫を迎え,若手研究員が若手普及指導員とともに収量調査や圃場の傾斜度調査を行いました。
収量調査は,処理ごとに中庸に生育した株を選定し,外葉2~3枚残して収穫・調製し,結球重量,結球部の横径および縦径を測定しました。さらに,圃場の傾斜度調査は,水平測定器を用いて,長さごとに水平数値を読み取り,高低差を求めました。
最初は,何をどのようにしたら良いか,戸惑いがみられましたが,終盤は手際が良くなりこれら調査方法を修得できました。
若手研究員や若手普及指導員の着実な成長が伺え,研究者,技術者として益々の活躍が期待されます。
(生産環境研究部h.k.)
平成30年12月5日 カラタチの種子の剥皮と播種
10月30日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場に植えてある「カラタチ」の果実を収穫したことを紹介しましたが,果実から採取した種子は年間いつでも使えるように冷蔵保存しています。
「カラタチ」の種子は,発芽を良くするために表面の薄い皮を剥き(左端の写真),培土に播きます(中央の写真)。
その後は,室温を25℃に設定してある,光が当たらない条件下(右端の写真)で約2週間生育させて,伸びてきた芽の先端部に穂品種の成長点部分を接ぎ木します。
接ぎ木後は,11月20日の研究員日記で紹介した環境条件下で生育を促進させます。
このようにして,果樹研究部では,冬場でもカンキツの苗を育てる等,育苗期間の短縮を図りながら,少しでも早い成果獲得を目指しています。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年12月4日 防火パレード
今年も原保育所様の防火パレードが,当センターにやってきました。かわいい防火ポスターをいただきました。時の流れの早さを実感する年齢になりましたが,防災意識は高めたいものです。
(技術支援部SY)
平成30年12月4日 果樹研究部で育成したレモン「イエローベル」を収穫しました
11月26日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある露地栽培のレモンの果皮が黄色く色づいてきたことをご紹介しましたが,これらのレモンのうち,着色の進んでいる品種の一つが,果樹研究部で育成した「イエローベル」です。
「イエローベル」は果実の先端が尖っていないため,一見してレモンには見えないかもしれませんが,品質はレモンとしての特性をちゃんと備えています。
「イエローベル」は,果皮の着色に加えて玉太りも良好なため,先週後半に収穫を行いました。
果樹研究部では,現在,「イエローベル」の結実安定技術の開発に取組んでいます。
(果樹研究部Yy&Kj&Nh)
平成30年12月3日 露地栽培のカンキツ幼木への稲藁巻き
果樹研究部は県内のカンキツ生産地の中で最も北に位置するうえ,小高い山の上に研究圃場がありますので,大切なカンキツ試験樹を冬の寒波で枯らすことのないように,防寒対策にはあれこれと気を使います。
11月28日の研究員日記では,「カンキツハウスの冬支度」と題して,果樹研究部でカンキツの試験樹を管理している加温ハウスの保温のために,ハウス内の内張りやボイラーの移設等を行ったことを紹介しましたが,今日は露地栽培のカンキツ幼木の冬支度の様子を紹介します。
11月下旬頃から朝夕の冷え込みが進んできましたので,露地栽培の研究圃場に植えてあるカンキツ幼木に稲藁を巻きつけ始めました。
左側の写真はレモンを開心自然形に仕立てている幼木,右側は温州ミカンを主幹形に仕立てている幼木に稲藁を巻きつけてあります。
幼木に稲藁で冬用のコートを着せて,少しでも保温しようとしているのですね。
果樹研究部で露地栽培しているカンキツ樹も,着々と冬支度が進んでいます。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月30日 主幹形の「石地」ミカンを収穫
11月16日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある早生の温州ミカン「興津早生」を収穫したことを紹介しましたが,今週半ばには,樹上で一段と濃いオレンジ色を放っていた,中生の温州ミカン「石地」を収穫し始めました。
広島県内で発見されて2000年に品種登録された「石地」は,高糖度で浮皮が少ないことが知られていますが,果樹研究部がイチオシの樹形「主幹形」で育てれば連年の安定多収が可能です。
本県のカンキツ生産者の皆さん,ぜひ,この品種と栽培法を導入し,広島ブランドの地位を向上させましょう。
(果樹研究部Ky&Nh)
平成30年11月29日 果樹研究部のモミジ
11月15日の研究員日記では,果樹研究部に隣接する国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門ブドウ・カキ研究領域のカキ園の紅葉が見頃であることを紹介しました。
果樹研究部の正面玄関前のロータリーにも紅く色づくモミジがあるのですが,「もう少し待てば見頃になるかも…」と思いつつ待っていますが,今年は,いまひとつ紅色の鮮やかさが足りません。
残念に思っていたら,駐車場横にあるモミジが鮮やかに紅く染まっていました。
紅一色に染まったモミジは,心に沁みますね。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月28日 カンキツハウスの冬支度
10月23日の研究員日記では,「カンキツハウスの衣替え」と題して,果樹研究部でカンキツの試験樹を管理している5棟のビニールハウスの保温のために,出入り口のある妻面のネットの上にビニールを覆ったことを報告しましたが,カンキツハウスの冬支度はこれだけではありません。
先週末には,レモンの加温栽培用のハウスで,冬場に効率よく加温するためにビニールで内張り作業を行いました(左端と中央の写真)。
また,今年から加温を始める別のカンキツハウスでは,既存の加温用のボイラーを点検し,移設しました(右端の写真)。
果樹研究部のカンキツハウスでは,着々と冬支度が進んでいます。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月27日 カンキツの果実調査が本格化してきました
11月16日の研究員日記で「早生ミカンの収穫」の記事を紹介した際に,「カンキツを担当する研究員は試験データの掻き入れ時である」ことを記しましたが,まさに果樹研究部の実験室では,ここにきてカンキツの果実形質調査が本格化してきました。
それにしても,実験室から漂うカンキツの香りは爽やかですね。
研究目的に沿った,良い成果が得られますように…!
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年11月26日 露地で栽培しているレモンの果皮が黄色く色づいてきました
10月15日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある「興津早生」や「石地」等の温州ミカンの果皮が色づき始めたことをご紹介しましたが,ここに来て露地栽培のレモンの果皮が黄色く色づいてきました。
果樹研究部のレモン品種圃場には10種類以上の品種・系統が栽培されていますが,なかでも「シシリー」や果樹研究部で育成した「イエローベル」は果皮の黄変が進んでいます。
広島レモンが本格的に出回る頃になりましたね。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月22日 果樹研究部で秋の視察が増えています
7月27日,9月11日および10月12日の研究員日記では,ブドウ,カンキツ,イチジクに係る視察案内の記事を紹介しましたが,果樹研究部では,これら以外にも多くの視察を受け入れています。
本年度の上半期(4~9月)の視察実績は19件で,昨年度の16件をやや上回っていました。
そして,例年,視察依頼が増加するのが秋です。
今年も10~11月の視察依頼は19件ですので,この2か月間で上半期と同等の依頼があったとともに,昨年同期の15件も上回りました。
今年度のこれまでの視察実績を振り返ってみると,視察件数は昨年度より増加していますが,県外からの多人数の視察が減ったため,視察者の総数は昨年を下回りました。
とは言え,県内の視察者に限定すれば,昨年の同時期に比べて件数では2倍近く,人数では8倍近くに増加していますので,県内への貢献を強く意識している私達にとっては,これは嬉しい傾向です。
今後とも,少数の視察依頼でも丁寧な対応を積み重ねたいですね。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月21日 香酸カンキツ「ジャボン」
果樹研究部のカンキツ品種圃場を歩いていて,淡い黄色に着色した果実を見つけました。
この品種は,果樹研究部の所在する東広島市安芸津町内に古くから局在して栽植されてきた,香酸カンキツ「ジャボン」で,もうすぐ収穫期を迎えます。
「ジャボン」は,冬の寒さや病害虫に対する抵抗性に優れるため,カンキツの台木として一般的に知られている「カラタチ」に代わる台木として,また,独特の香りと酸味を有するので,寿司づくり等の際に食酢として用いられてきました。
近年では,「ジャボン」を用いた,サイダー,マーマレード,入浴剤等の加工品が地元の産直市で販売されていますので,ご関心のある方は一度お試しください。
(果樹研究部Ky&Nh)
平成30年11月20日 庁舎から漏れるピンクの光は何ぁ~に…?
既に立冬を過ぎ,日長の短さと肌寒さを感じる頃となりましたね。
左端の写真は,日没後の果樹研究部の庁舎を撮影したものですが,庁舎2階西側の端の部屋からピンク色の光が放たれています。
翌日,怪しい光に引き寄せられて部屋の中を覗いてみると,室内にはカンキツの幼苗が植えてある小さなポットが棚上に整然と並べられ, 10数cm上方に設置された蛍光灯からピンク色の光が放たれていました。
この部屋では,温度と光をカンキツの生育に好適な条件に制御して,カンキツの幼苗の成長を促進しています。
夜見ると怪しく思えたピンク色の光は,カンキツにとって優しい光だったのですね。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年11月19日 こんなところにキウイフルーツ…?
左側の写真は,果樹研究部の研修館横にある棚ですが,キウイフルーツの枝が伸びて,棚全体を覆い尽くしています。
この棚のキウイフルーツは,以前に広島県立農業技術大学校果樹コースが安芸津にあった頃に学生の教育用に植えられたものですが,果樹コースが庄原市内に移転した際に,管理ができなくなるため伐採されていました。
ところが,その後,伐採したキウイフルーツの台木から芽が伸び,再び棚を覆い尽くした模様です。
たまに棚下を通路として使う職員がいるので,今は通行に邪魔になる枝のみを切り取っているだけでほぼ放任状態ですが,小さな果実がたわわに実っていました。
この棚のキウイフルーツを眺めていたら,若くて元気のよい学生達がいた懐かしき時代が思い起こされます。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月16日 早生ミカンの収穫
11月12日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある温州ミカン「興津早生」の果皮のオレンジ色が目立つようになってきたことを紹介しましたが,いよいよ早生ミカンが収穫の時期を迎えました。
早生ミカンの収穫が始まると,カンキツ類の収穫が本格化するシーズンに突入したことを意識してしまいます。
カンキツ生産者にとっては農繁期であるとともに,カンキツを担当する研究員にとっても試験データの掻き入れ時ですね。
(果樹研究部Sk&Nh)
平成30年11月15日 果樹研究部の所在する山の上の風景
果樹研究部の所在する安芸津の山の上には,もう一つの研究機関があります。
丁度,山の上の中央を通る道路を挟んで,西側が広島県立総合技術研究所農業技術センター果樹研究部で,東側が国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門ブドウ・カキ研究領域です。
両機関とも1969年頃に開設され,幾多の名称変更があって,現在の名称となったのですが,いずれも長い名称ですね。
左側の写真は,果樹研究部の庁舎屋上から眺めたブドウ・カキ研究領域の庁舎で,右側の写真は,同じ場所から眺めた圃場の写真です。
右側の写真では,手前の緑色の圃場が果樹研究部のナシ園で,中央部の紅色の圃場はブドウ・カキ研究領域のカキ園で,左上の黄色の圃場は同機関のブドウ園です。
まさに,今の時期がカキの紅葉の見頃の時期ですね。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月14日 西日本豪雨災害水田の土壌分析
平成30年7月6日の西日本豪雨により多量の土砂が県内の多くの水田に流入しました。長年,土づくりをしていた水田の土質が流入した土砂により変わってしまい,水稲栽培に支障をきたすことが考えられます。そこで,農林水産局から依頼のあった,土砂が流入した水田から土壌を採集し,土壌分析を行っています。この分析結果により,被災水田で水稲栽培を存続可能にするための土づくりを考えていきます。
(生産環境研究部 OY&災害を憎む男)
平成30年11月14日 カンキツ樹体に被覆する寒冷紗を支える棚の作成
左側の写真を観ると,カンキツの樹体周辺にアンカーを打ち込んでいます。
何のために,この作業をしているかって…?
10月29日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にあるカンキツ樹に対し,冬の寒さの被害を防ぐために,毎年,12月頃から寒冷紗を被覆すると記載しましたが,寒冷紗を樹体に直接被覆すると枝葉を傷めてしまいますので,果樹研究部では,樹体の周りに専用の棚を作成して,寒冷紗を被覆しています。
つまり,左側の写真は,新たに成長したカンキツ樹に被覆する寒冷紗を支えるための棚を作成する途中工程を撮影したものです。
こうして完成した棚が,右側の写真です。
この棚に寒冷紗を被覆すれば,新たに成長した大切な試験樹を冬の寒さから守れますね。
(果樹研究部Hm&Km&Dm&Km&Nh)
平成30年11月13日 果樹研究部の全体会議
果樹研究部の所在する安芸津の山の上の職場には,研究員のほかにも,行政事務を担当する職員,圃場管理や研究補助に関わる職員等,総勢38名の職員が常時勤務しています。
このため,「全体会議」と称する,全職員が集まる会議を1か月に1回開催し,主な作業の進捗状況の確認や業務推進上の問題点等に係る情報を共有し,円滑な業務の推進を図っています。
また,全職員が集まる機会を活用して,健康管理や事故防止等に係るミニ研修も実施しています。
11月の全体会議は昨日開催しましたが,今回は「交通安全」をテーマにしたミニ研修も実施され,東広島警察署管内の交通事故の発生状況や公用車事故の事例を基にした学習を行い,慌ただしい師走の時期を目前にして,事故防止意識の高揚を図りました。
(果樹研究部&管理第二課Ha&As&Te&Nh)
平成30年11月12日 温州ミカンがオレンジ色に着色してきました
10月15日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある「興津早生」や「石地」等の温州ミカンの果実が黄色く色づき始めたことをご紹介しましたが,これらの温州ミカンが栽培されている研究圃場では,果皮のオレンジ色が目立つようになってきました。
先週初め頃に「興津早生」の果実形質を調査した研究員によれば,「今週半ば以降には収穫できそう」とのことでした。
今月の7日には立冬を迎え,暦の上では既に冬の季節に相当しますが,本格的にミカンを楽しめる季節がやっと到来しましたね。
(果樹研究部Sk&Nh)
平成30年11月9日 第64回全日本花卉品種審査会(ユーストマ)
11月8~9日,今年も当センターにおいて全日本花卉品種審査会(トルコギキョウ)が開催されました。はっきりした色合いのものや,少しにじんだ水彩画のような色合いのものなど,同じトルコギキョウといえども色んな個性があってとてもきれいです。
花き担当および関係者の皆様,お疲れ様でした。
(技術支援部Y)
平成30年11月9日 普及指導員と一緒にキクのアザミウマを調査しました
北部農業技術指導所管内のキク栽培農家14戸の25圃場を対象に,アザミウマの発生分布調査をしています。10月31日に北部農業技術指導所で,花き担当の普及指導員とキクに寄生しているアザミウマ数を計数しました。まず,キクを入れたビニル袋に70%エタノールを入れて激しく振ります。花びらなどを取り除き,袋の中のエタノールを20μ目の布でこします。次に,実態顕微鏡を使って布上にいるアザミウマを同定しながら計数する方法です。
普及指導員に花からアザミウマを分離する方法やアザミウマの同定法を会得していただいたので,アザミウマによる加害で困っている農家がいらっしゃれば,すぐに対応可能となりました。
(生産環境研究部 キクを愛する男)
平成30年11月9日 農薬無防除のイチジク園で見つけた病気
イチジクは県南部地域で栽培の盛んな果樹ですが,放任されている樹も散見されることから,無防除でも簡単に栽培できる果樹のイメージがあります。
とは言え,やはり農薬無防除では思わぬ被害を受けることもあります。
左端の写真は,先日,農薬無防除のイチジク園で見かけた,さび病による葉の被害写真です。
県南部ではイチジクの健全な葉は12月に入って落葉し始めますが,この病気に罹ると中央の写真のように,10月頃から落葉し,樹勢を弱めてしまうばかりか,罹病した落葉を園内に残すと翌年も被害を受けてしまいます。
一方,病気には植物を侵すものばかりではなく,右端の写真のように,イチジクの大敵であるキボシカミキリを侵す病気もあります。
この虫は,自然界に生息する昆虫病原菌に寄生されて枝の上で致死していますが,農薬無防除園だからこそ見つけることのできた光景でもあります。
ちなみに,このような昆虫病原菌を用いた微生物農薬は既に実用化されています。
イチジクも永年性作物ですから,健全な果実を毎年生産し続けるためには,病気や虫の発生時期や生態を十分に把握し,適期に適切な農薬を使用する必要がありますね。
(果樹研究部Nh )
平成30年11月8日 果樹研究部における研修館の役割の変遷
果樹研究部の所在する安芸津の敷地内には,1971年に建設された「研修館」と称される3階建ての建築物があります(左側の写真)。
この「研修館」は,当初,「果樹青年センター」と称され,1階が講堂,2階が長期研修生の宿泊施設,翌年増設された3階は一般農家や県内各地の技術員の宿泊や研修に使用され,長い間,現場と一体化した果樹研究機関づくりに向けて一定の役割を果たしました。
しかし,2010年頃には,研修館は当初の役目を終えて,物品収納庫として使われるようになっていました。
そうした最中に,高い伝播性,罹患した動物の生産性の低下,幼獣での高い致死率という特徴を持つ家畜伝染病「口蹄疫」が宮崎県南部を中心に発生しました。
このため,広島県においても危機管理の一環として,畜産技術センターが保有する健全な種雄牛の一部を緊急避難させることのできる施設を建設しておく必要が生じ,果樹研究部の研修館が緊急避難に最適であると判断され,急遽,研修館の1階に4頭分の牛舎が作成されました(右側の写真)。
このように「研修館」は,農業者から畜産業者への貢献へと役割を変えましたが,まだ立派に県内産業に役立っています。
でも,この牛舎が活用されるような危機的な事態を県内で発生させないようにしなくちゃね。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月7日 鹿の忘れ物…?
11月6日の研究員日記では,果樹研究部の一斉清掃に関する記事をご紹介しましたが,その際に,本館前のガラス室周辺を清掃していたら,1本の樹木の幹に何かで強く引っ掻いたような傷跡があるのを見つけました(左側の写真)。
近くを見れば,地面に動物の糞(中央の写真)が散らばっており,また,角らしきもの(右側の写真)も落ちていました。
果樹研究部は山の上にあり,周囲を電柵やフェンスで囲ってありますが,夜になると,時折,鹿の雄叫びが聞こえてきたり,敷地内で鹿の侵入を目撃することがありましたので,これは鹿の忘れ物…?
鹿の角は冬から春にかけて落ちるとされていますが,ここで樹木に擦り付けて落したのでしょうか?
今回の角の発見で,果樹研究部には多様な来訪者があることを改めて実感した次第です。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月6日 果樹研究部の一斉清掃
果樹研究部では,庁舎や貯水池の周辺の法面や庭園等を年2回ほど職員総出で清掃をしています。
例年ですと1回目は夏に行うのですが,今年度は豪雨災害等により延期を余儀なくされたため,途中で一部の職員により多少の手入れはしたものの,全職員総出による清掃は今回が初めてです。
昨日は,全職員が朝一番に庁舎前に集合し,作業内容や作業上の留意点等の確認を済ませた後,秋晴れの中,午前中から丹精込めて一斉に取り組んだ結果,午後には見違えるように綺麗になりました。
多大な労務を要しましたが,達成感と一体感を感じることのできた行事でした。
(果樹研究部&管理第二課Ha&As&Te&Nh)
平成30年11月5日 大規模果樹経営体へのニーズ調査
先週末に農業技術指導所の果樹担当職員と共に世羅地区でナシ(左端と中央の写真)やブドウ(右端の写真)を栽培する3つの大規模果樹経営体を訪問し,栽培管理を掌握している方々から技術的課題をお聞きしました。
開園後40年以上経過している経営体では改植に係る技術的課題を抱えており,積極的に新技術を導入し,新たな挑戦によって現状打破しようとする姿勢や,それに伴う悩み等も窺い知ることができ,私達が支援すべき事項について改めて考える機会となりました。
やはり,現場での直接の意見交換は大切ですね。
(果樹研究部Sn&Nh)
平成30年11月2日 果樹研究部の輪投げ大会
果樹研究部では,今週の昼時間に親睦会主催による輪投げ大会を開催しました。
様々な職種の職員を混成し,1チームのメンバーを9名として,4チームに分かれて総得点を争う対抗戦としましたので,チームの勝利を目指すには,まずチーム全員の参加が必要です。
多くの職員に参加を働きかけた結果,参加者は,日頃行っている果樹の栽培管理は一旦頭から離し,的に向かって無心で投げ入れ,秋が深まりつつある安芸津の閑静な小高い山の上で,昼時間に何度も歓声が聞こえてきました。
駅伝の襷と同様に,個人で競うよりも,チームで競う方が一体感が生まれて良いですね。
(果樹研究部Nh)
平成30年11月1日 トルコギキョウが知事室へ
全日本花卉品種審査会(トルコギキョウ)の開催を来週に控えた10月29日,秘書課・研究開発課の方々にご協力いただき,当センター職員が栽培したトルコギキョウを知事室・副知事室等に飾っていただきました。
普段,栽培しているところは目にしていても,「実際にどのように使われるのか」を見る機会は少ないので,色々勉強になりました。
これから冬のイベントがたくさんあるので,花き生産者による「写真映えスポット(フラワーウォールとか)」があれば人気出そうだなーと勝手に妄想。
(技術支援部Y)
平成30年11月1日 カンキツ栽培に係る新技術セミナーを開催
昨日,瀬戸内海のほぼ中央に位置する,大崎上島町内の農事組合法人シトラスかみじまの圃場に於いて,果樹研究部が主催する新技術セミナーを開催しました。
今回のセミナーは,「カンキツの養水分管理等の現地実証事例紹介」をテーマに開催し,果樹研究部の研究員3名に加え,農研機構の研究員2名が現地圃場で実証試験中の研究成果を紹介しました。
併せて,鹿児島大学の先生による「マルドリ方式におけるかん水・施肥技術の適正化技術」に係る基調講演や,現地で指導に当たるJA広島果実連合会の駐在技術員による「ハウスレモンの栽培状況」の報告をいただく等,盛り沢山のセミナーとなりました。
大崎上島は他の島々や本土と橋で結ばれていないため,当初,「参加者があまり見込めないかも…」と心配していましたが,総勢75名の参加を得て,盛況に開催でき,安堵しました。
今後,今回のセミナーで紹介した新技術が県内カンキツ産地に導入され,レモンや温州ミカン「石地」の生産拡大の一助となることを願っています。
(果樹研究部Ha&As&Ky&St&Tk&Nh)
平成30年11月1日 稲の標本作り
水稲の奨励品種の標本を作っています。圃場から抜き取った株を架干場で乾燥した後,根に着いた土を落とし,下葉を取って,見栄えをよくします。
今回は,1株だけだとボリュームがないので,5株をまとめて1つの標本を作りました。
(栽培技術研究部 ZK)
平成30年10月31日 マメナシ
10月30日の研究員日記では,種子をカンキツの台木として利用する「カラタチ」を収穫したことをご紹介しましたが,果樹研究部の研究圃場の片角には種子をナシの台木として利用する数系統の「マメナシ」の樹(左端の写真)が植えられています。
これらのマメナシは,40年程前にナシの枝幹に発生する胴枯病や,根に発生する白紋羽病の防除対策試験用に集められたものです。
どの系統も,果径が2cm未満の小さな果実ですが,果皮は系統毎に異なる色を呈して成熟しています。
熟した果実を食してみましたが,渋くて食用には向きません。
そういえば,毎年,沢山の果実が着生しますが,鳥も果実をあまり食べていないような…。
(果樹研究部Nh)
平成30年10月30日 カラタチの収穫
10月15日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある,「興津早生」や「石地」等の温州ミカンの果実が黄色く色づき始めたことをご紹介しましたが,先日,果樹研究部のカンキツ園を巡回していて,果実全体が既に黄色くなっている真ん丸い果実を見つけました(左端の写真)。
樹冠下の地面には成熟して落果した果実も多く見られます(中央の写真)。
これは,種子をカンキツの台木として利用する,カラタチの果実です。
カラタチは,枝から刺が多数発生している(右端の写真)ため,成熟して落果した果実や樹の周囲に着生した果実を優先的に収穫し,果実を腐らせた後に種子を採取します。
果樹研究部では,試験用のカンキツ苗木を育成するため,毎年,カラタチの果実から種子を採取後,冷蔵保存しています。
(果樹研究部Kj&Yy&Hm&Nh)
平成30年10月29日 寒冷紗の修繕
果樹研究部は県内のカンキツ生産地の中で最も北に位置するうえ,小高い山の上に研究圃場がありますので,レモン等の寒さに弱いカンキツの樹に対して,冬の寒さの被害を防ぐために,毎年,12月頃から寒冷紗を掛けています。
10月23日の研究員日記では,果樹研究部でカンキツの試験樹を管理している5棟のビニールハウスが冬バージョンに衣替えしたことをご紹介しましたが,果樹研究部で露地栽培しているカンキツの樹にとっては,寒冷紗の被覆も冬バージョンへの衣替えと言えるでしょう。
しかし,この寒冷紗は,冬の間に吹き荒れる風で枝や支柱に引っ掛かり,破損してしまいます。
このため,毎年,10月頃になると,作業の合間を縫って,寒冷紗の修繕作業を行っています。
今年も,上の写真のように,この時期にしっかり修繕しましたので,後は防寒対策に向けて衣替えの時を待つだけですね。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Hm&Nh)
平成30年10月26日 インターンシップ
岡山大学の学生さんが,インターンシップにより当センターに来所されました。期間は10月22日から本日まで,栽培技術研究部でトルコギキョウ等の栽培管理について実習をされました。ほ場での作業にも大変意欲的に取り組まれていました。今回の経験が進路決定の一助になれば幸いです。
(技術支援部SY)
平成30年10月26日 温州ミカン樹の枝吊り上げ&枝支え
10月15日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある11月中旬から12月上旬に収穫予定の「興津早生」や「石地」等の温州ミカンが着色し始めたことを紹介しました。
この時期になると果実が随分と重くなってきますので,枝がたわみ始め,果実が地面にくっついたり,枝が果実の重みで折れてしまうケースも発生します。
このため,果実が沢山着生している下枝については,紐で吊り上げたり,支柱で支えたりする作業が必要となります。
この作業も,カンキツ栽培上の大切な技術継承事項の1つです。
(果樹研究部Km&Dm&Hm&Km&Nh)
平成30年10月25日 カンキツの夏秋梢除去
10月19日と10月24日の研究員日記では,果樹研究部における10月の技術継承事例をご紹介しましたが,本日は「カンキツの夏秋梢除去」の技術継承についてご紹介します。
左端の写真は,温州ミカンの主幹形樹に夏秋梢が発生しているのが見られます。
このため,果実の着生が少ない樹等で,夏から秋にかけて旺盛に伸長した新梢を対象として,不要な枝の剪定作業を行いました。
まず,カンキツ担当の研究員が講師となって作業の基本事項を説明(中央の写真)し,その後に各々で作業を行いました。
夏秋梢の除去後には,枝が整然と整えられて,樹の姿がスッキリとしました(右端の写真)。
(果樹研究部Ky&Tk&Km&Nh)
平成30年10月24日 カンキツ高接樹の誘引作業
10月19日の研究員日記では,モモの樹体ジョイント仕立ての樹を対象とした秋期剪定の技術継承を図ったことを紹介しましたが,本日ご紹介する果樹研究部の技術継承は,「カンキツ高接樹の誘引作業」です。
左側の写真は,県独自性の高いカンキツ類の新品種育成のために試験樹として使用している高接後2年目のカンキツ樹です。
高接後の枝の管理は,発生してきた枝の伸長を促進させるために,上方向に枝を向けてありましたが,枝の長さが必要とされる伸長量に達したため,今回は,結実を促進するために必要な管理法として誘引作業の技術継承を行いました。
左端の写真は,誘引作業の技術継承状況を写したものであり,経験豊富な左端と中央の職員から,誘引作業を初めて経験する右端の職員に対し,考え方や作業のポイントを説明しながら技術継承を図っています。
こうして,誘引作業を一緒に進めた後の完成した樹姿が中央の写真です。
この後,初めて経験する職員は,作業を実体験しました(右端の写真)。
果樹栽培では,1年間に何回も経験できない作業が数多くありますので,こうした技術継承の機会は大変重要です。
(果樹研究部Hm&Dm&Nh)
平成30年10月23日 土壌を診る方法を修得
先日,北海道で開催された土壌炭素調査法研修会に参加しました。
この研修会は農林水産省が所管する「農地土壌炭素貯留等基礎調査事業」の一環として,全国から関係者が集合し,土壌調査技術の修得・向上を目指して開催されました。
晴天のもと,土壌断面調査の手法を学ぶとともに,今回の目玉である泥炭土をじっくりと観察しました。泥炭土は,低気温地域の沼地や湿地で,ヨシなどの植物が十分分解されないまま堆積することで形成され,日本では北海道などに分布する珍しい土壌です。ホームセンターで販売されているピートモスは輸入品ですが,泥炭土の一種です。
今回調査した泥炭土は,分解があまり進んでいなかったため,写真の通り植物がまだ原形をとどめていますが,分解が進むと形状が分からなくなります。
土壌に関する知識を深めるとともに,普段の業務でも行う土壌の調査法についてしっかり学ぶことができ,非常に有意義な研修となりました。
(生産環境研究部O)
平成30年10月23日 カンキツハウスの衣替え
果樹研究部でカンキツの試験樹を管理している5棟のビニールハウスでは,出入り口のある妻面を,気温の高い春から秋にはネットのみで覆っていますが,冬場にはネットの上にビニールを覆います。
10月も半ばに入り,徐々に気温が低下してきましたので,先週,カンキツ担当の職員がハウス妻面をビニールで覆う作業を行っていました。
この作業は,戸口のように地面に立って作業できる低位置の箇所(左端の写真)もありますが,5m近い高所での作業を要する箇所(中央の写真)もあるため,職員は安全を期して慎重に作業を進め,無事に作業を終えました(右端の写真)。
もう,カンキツハウスが冬バージョンに衣替えする季節になったのですね。
果樹研究部にいると,こうした作業にも秋の深まりを感じさせられます。
(果樹研究部Hm&Nh)
平成30年10月22日 工作室での作業風景
果樹研究部にある工作室では,職員が農作業の合間を縫って,草刈り機の刃先の研磨(左端と中央の写真),農器具の点検(右端の写真)等の手入れを行っています。
こうした作業は,戸外での作業の少ない時期や雨天日等に時間を工面して行われることが多いようです。
地味な作業ですが,日々の農作業を円滑に進めるためには欠かせない大切な作業です。
(果樹研究部Wd&Nh)
平成30年10月19日 稲刈り
10月に入り,生産環境研究部の水田でも,水稲収量調査のための刈り取りが始まりました。
ここでは,「坪刈器」という専用のコンパス型器材を用います。
コンパスの腕部分を回しながら,腕に掛かる範囲の株を全て刈り取ることで,一定面積の円(今回は3平方メートル)ができます。
刈り取り時の精度が高く,栽植間隔の不均一な散播した水稲に対しても利用できるので,私は気に入っています。
今回は,技術継承のために新人研究員さんにも体験していただいています。
(生産環境研究部S)
平成30年10月19日 モモの秋期剪定
果樹研究部のモモ園では,樹体が旺盛になりがちなモモの樹体ジョイント仕立ての樹を対象として,樹勢を落ち着かせる目的で,例年,この時期に剪定作業を行っています。
まず,モモを担当する研究員が秋期剪定の考え方や剪定の仕方を説明(左端の写真)し,その後,モモ園の管理を担当する職員が研究員と相談しながら剪定や誘引を行っていきました(中央の写真)。
果樹研究部では,ポイントとなる作業を開始する前に,こうして関係する職員が集まって講習会を開催し,技術継承を図っています。
剪定後には,棚面を鬱蒼と覆っていた枝葉が切り取られ,枝葉がすっきりしました(右端の写真)。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)
平成30年10月18日 光合成蒸散測定装置
左側の写真は,新たに購入した光合成蒸散測定装置です。
光合成の測定は,これまで他の研究機関に測定装置を借用しながら調査を行ってきましたが,これでやっと自前の装置での測定も可能となりました。
担当の研究員は,早速,カンキツの樹を用いて測定テストを行っていました(右側の写真)。
この装置を有効に活用して,多くの有益な研究成果が得られることを目指しています。
(果樹研究部Ky&St&Tk&Nh)
平成30年10月17日 新任普及指導員の研修
県の農業技術指導所等に配属された新任職員7名に対し,栽培技術研究部の研究員が研修を行いました。試験ほ場の見学や,自動調光システムの紹介,温室のビニールの張り替え実習等を行っていただきました。私の初任者研修の頃を思い出し,新鮮な気持ちになりました。今後の活躍をお祈りしています。
(技術支援部SY)
平成30年10月17日 キボシカミキリの飼育
ゴム手袋の上を歩いているのは,イチジクの大敵であるキボシカミキリの成虫です(左の写真)。
キボシカミキリは,雌成虫がイチジクの枝幹に産卵し,孵化した幼虫が樹体内部を食い荒らして樹勢を低下させるため,イチジクの生産者にとっては憎き虫です。
果樹研究部では,イチジクに係る研究課題を実施しているため,人工の餌を与えながら室内でキボシカミキリを累代飼育しています(右の写真)。
定期的に餌やり等を担当してくれている職員は,この虫と作業に慣れており,的確に作業をこなしてくれています。
お陰様で,健康なキボシカミキリを潤沢に供試することが可能になり,良いデータが取れそうです。
(果樹研究部Js&Nh)
平成30年10月16日 農技大生徒と新任普及指導員らへの果樹栽培の先端技術紹介
昨日は,広島県立農業技術大学校・落葉果樹専攻の2年生4名に加え,各農業技術指導所や農業技術センター本所に本年4月に配属された,広島県の新規採用職員(普及指導員&研究員)7名に対し,果樹研究部の職員7名が「果樹栽培の先端技術」を紹介しました。
果樹研究部長からは果樹研究部の研究概要を説明し,カンキツまたは落葉果樹の栽培や病害虫防除を担当する各研究員からは,「県独自性の高いカンキツ類の新品種育成」,「レモンの省力栽培技術」,「ブドウの着色向上技術」,「光反射シートを利用したブドウの収量増加技術」,「ブドウの根域制限技術」,「モモの樹体ジョイント仕立て」,「株枯病抵抗性台木を活用したイチジク「蓬莱柿」の省力安定生産技術」等の研究成果を室内での講義や研究圃場での実証展示物により紹介しました。
穏やかな秋の一日,出席者は多様な果樹先端技術を目の当たりにして,頭の中が少々混乱したかもしれませんが,これを機に,今後,彼らと果樹研究部との関わりが一層深まることを期待します。
(果樹研究部As&Kj&Js&St&Mt&Ss&Sn&Nh)
平成30年10月15日 温州ミカンが次々と色づき始めています
先週半ばの降雨後は一段と気温が低下し,めっきり秋らしくなりました。
9月27日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある極早生ミカンが着色し始めたことを紹介しましたが,先週頃から11月中旬から12月上旬に収穫予定の「興津早生」や「石地」等の温州ミカンの果実が黄色く色づき始めました。
日毎に黄色味を増す温州ミカンに,秋が深まりつつあるのを感じさせられます。
(果樹研究部Nh)
平成30年10月12日 ブドウの研究成果に係る視察対応-その2
7月27日の研究員日記では,ブドウの研究成果に係る視察対応についてご紹介しましたが,本日も県南部のブドウ産地から大勢の視察者が果樹研究部に来られました。
「ブドウの根域制限栽培システム」,「環状剥皮」および「光反射シートを利用したブドウの収量増加技術」の実証展示圃場にご案内した後に,近年被害の増加しつつある「クビアカスカシバの防除」等の研究成果をご説明しました。
いずれの技術に対しても,視察者の皆さんから,水管理,施肥,防除効果等に関する質問等が相次ぎ,担当した研究員と熱心に意見を交わしていました。
当センターの視察については,このホームページの「視察・見学」欄をご覧いただき,所定の申請書に記載のうえFAX送信いただければ日程等を調整いたしますので,果樹研究部の研究成果等にご関心のある皆様は,ぜひ,お越し下さい。
(果樹研究部Js&Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年10月11日 H30年度普及指導員研修(植物保護)
H30年度普及指導員研修「病害虫診断能力の向上」が行われ,病気の診断や菌の観察方法等について,実物や画像などを交えながら理解を深めていただきました。
(技術支援部K2)
平成30年10月11日 敷きわら
9月7日の研究員日記では,当センター本所(八本松)で刈り取られた稲わらを貰い受け,トラックで果樹研究部の敷地(安芸津)に運び,天日干しの作業を始めたことを紹介しました。
その後,乾燥させた稲わらは,屋根のある小屋(左端の写真)に運びましたが,今週初め頃からカンキツやブドウの株元に敷き詰める,敷きわら作業を始めました(中央と右端の写真)。
果樹研究部の研究圃場では,雑草の抑制や土壌の乾燥防止として有効利用するための敷きわら作業が着々と進行中です。
(果樹研究部Dm&Mc&Km&Nh)
平成30年10月10日 カンキツ果実の収穫時における2度切り
10月9日の研究員日記では,「果樹研究部でのレモン収穫方法」をご紹介しましたが,秋も深まりつつあり,カンキツの収穫シーズン本番に向け,今回は,カボスの果実を用いて,カンキツ全般の収穫時に行われている,果実の丁寧な切り取り方をご紹介します。
果実の採収方法は,果実と樹を繋いでいる枝(以下,果梗枝)を深く切りすぎるとヘタの周囲が傷んで貯蔵性が低下しますし,枝を残し過ぎると収穫籠の中で他の果実を傷つけてしまうため,ヘタをきちんと残して,ヘタと果梗枝の間に段差を生じないように切ることがポイントです(右端の写真)。
採りにくい箇所の果実は無理をせず,果梗枝の付け根から5mm程度離れた位置に収穫用のハサミを当てて(左端の写真),樹から一旦果実を切り取ります。
次に,切り取った果実を手で持ちながら,果実の付け根に収穫用のハサミを当てて果梗枝を切除します(中央の写真)。
こうした一連の動作を「2度切り」と呼んでいます。
収穫時の他の留意点としては,高いところから落とした果実は早く腐敗しやすいので,収穫籠からコンテナに移す時には低い位置から移すとともに,容量はコンテナの8分目くらいまでに留めておく等の注意が必要です。
なお,果樹研究部の研究成果パネルには,「レモンを落果させる高さ・衝突部位と腐敗」に関するパネルがありますので,参考にしてください。
(果樹研究部Ky&St&Tk&Hm&Nh)
平成30年10月9日 果樹研究部でのレモン収穫方法
8月22日の研究員日記では,果樹研究部のハウス内で少加温栽培したレモンの収穫が始まったことをご紹介しましたが,今日は「果樹研究部でのレモン収穫方法」に関するお話です。
左端の写真は,果樹研究部が以前からレモンの収穫時に使用している小道具です。
これは,レモンの収穫時に,左側の小さな輪を手の指に通し,右側の大きな輪をレモン果実に通して,一定の基準の大きさに育っているかを瞬時に確認するための小道具です。
広島県内産地では果実の横径を判断基準として収穫時のレモンの規格が区分してあり,中央の写真のようなレモン階級板の規格と大きさに従って階級区分されています。
このうち,M級とS級の境界となる横径は55mmとなっているため,写真の小道具の右側の輪の直径を55mmに設定し,収穫しようとする果実がM級以上であるか否かを収穫時に簡易に判断できるようにしているのです。
右端の写真が実際の使用方法です。
現地では,同様な小道具の他にも,塩ビ管等を輪切りして簡易な計測が可能になるように工夫されている事例もあるようです。
「必要は発明の母」という言葉がありますが,まったく,その通りですね。
(果樹研究部St&As&Nh)
平成30年10月5日 今年4度目の台風対策…!?
果樹研究部のある安芸津近辺は,朝からどんよりとした空模様です(左側の写真)。
10月1日,10月2日および10月4日の研究員日記では, 9月30日に最接近した台風24号による果樹研究部での爪痕を紹介したばかりですが,既に太平洋上には大型で強い台風25号が発生し,西日本に接近中です。
この台風の予想進路内には中国地方も含まれており,最接近時には広島県が台風の東側に位置する可能性も高く,強風による被害も懸念されることから,今年4度目の台風対策が必要です。
それにしても,2週続けて週末に台風接近とは…。
降雨対策としては,今週初めに側溝内の泥の除去を済ませてあるものの(右側の写真),職員は,明日の最接近に向けて,強風に伴う物品の飛散防止対策や再度の枝の誘引状況確認等の防風対策を粛々と行っていました。
どうか今回の台風が大きな被害を及ぼしませんように…!
(果樹研究部Nh )
平成30年10月4日 農業関係試験研究所長会ブロック会議
中国四国地域の農業試験場の場長会議が当センターで開催され,19名が出席されました。
1日目は当研究所のW所長から「これからの研究のあり方 そのための人材育成について」と題して
話題提供がありました。また,当センターの試験圃場の見学をしていただきました。
2日目は,若手研究員の育成についての協議等が行われました。
会議の準備,進行を務められたI次長,大変お疲れ様でした。
(技術支援部SY)
平成30年10月4日 台風24号の爪痕-(3)イチジク園の被害
10月1日と10月2日の研究員日記では,台風24号の爪痕として,果樹研究部のガラス室とモモ園の被害を紹介しましたが,今日は第3報として「イチジク園の被害」を紹介します。
果樹研究部のイチジク園については,6月27日の研究員日記で多目的ネットが完成したことを報告しましたが,この園の多目的ネットは今年新調したばかりでしたので,モモ園のように強風で破損する事はありませんでした。
ところが,多目的ネットの中ですくすくと順調に生育していたイチジク「蓬莱柿」のうち,生育の良好な3樹の主枝の分岐部が強風により裂けてしまいました(左端の写真)。
このため,翌朝には,被害部に殺菌剤を塗布するとともに,テーピングと支柱の補強により主枝を固定しました(中央と右端の写真)。
今回の処置が功を奏し,今後の試験に悪影響を及ぼしませんように…。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh )
平成30年10月3日 果樹研究部の試験研究課題中間検討会
昨日の午後に,果樹研究部に於いて,本年度の試験研究課題中間検討会が開催されました。
本年度の上半期に果樹研究部で実施された約30課題の試験研究課題のうち,ブドウ,ナシ,イチジク等の落葉果樹を研究対象とした課題については果実形質等のデータ入手がほぼ終了した段階ですが,カンキツを研究対象とした課題についてはこれからが本番です。
夫々の課題担当者から現時点の進捗状況が報告された後,今後の展開に向けた助言を含め,出席者はお互い真剣な面持ちで意見交換を行っていました。
現時点で興味深い成果を期待できる課題も幾つか見られましたが,こうした意見交換により,いずれの課題でも当初の目的を達成できるように今後の更なる奮闘が期待されます。
(果樹研究部Nh)
平成30年10月2日 台風24号の爪痕-(2)モモ園の被害
9月28日の研究員日記では,台風24号対策としてモモせん孔細菌病の防除を行ったことを紹介しました。
今回の台風接近では,やや強い風と雨を伴ったことから,モモせん孔細菌病対策としての予防には一定の意味があったと思われます。
しかし,果樹研究部のモモ園では,園全体を覆っていた多目的ネットが強風により激しく破損(左端の写真)したうえ,モモの新梢に着生していた葉が部分的に激しく痛み,落葉してしまいました(中央と右端の写真)。
今回の被害は,モモの収穫シーズンが終了した後であったため,今年の生産物への直接の影響はありませんでしたが,来年以降の栽培に向けて新たに多目的ネットを購入する必要が生じ,大きな出費が必要となってしまいました。
トホホッ…。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh )
平成30年10月1日 台風24号の爪痕-(1)ガラス室の破損と修理
今朝は台風一過で快晴となり,爽快な天候となりました。
9月28日の研究員日記では,先週末に今年3回目の台風対策を行ったことを紹介しましたが,今回の台風24号は直撃こそ免れたものの,果樹研究部の施設や研究圃場に幾つかの被害を及ぼしました。
今週は,その爪痕の幾つかをご紹介します。
早朝から庁舎周辺の道路で何やら集めているのは管理第二課の皆さんです(左側の写真)。
昨日の暴風により,道路の近くにあるガラス室の天井ガラスが数枚吹き飛ばされ,その破片が道路に散乱していたため,後始末をしてくれていました(中央の写真)。
この後,カンキツ担当の職員がガラス室の天井に上り,破損箇所のガラスを張り替えてくれました(右側の写真)。
関係者の皆さん,迅速に対応していただき,ありがとうございます。
(果樹研究部Nh )
平成30年9月28日 今年3度目の台風対策
今日は快晴で,果樹研究部から石鎚山がくっきりと眺められます(左側の写真)。
この時期にしては気温が高めながら,戸外にいると,時折吹く風が心地よさを感じさせてくれますが,太平洋上にある台風24号は,西に向かう進路を東寄りに変更し,今週末には本州を直撃する可能性が高まっています。
果樹研究部では,8月22日には台風20号,9月3日には台風21号への対策を行ったことを研究員日記で紹介しましたが,「2度あることは3度ある」の諺通りに,また本県に接近するとは…!?
ボヤいていても始まらないので,昨日は,カンキツかいよう病とモモせん孔細菌病の追加防除を行いました(右側の写真)。
今日は,明後日の最接近に向けて,枝の誘引やハウスの戸締り等の防風対策を行っています。
これまでの2つの台風は,幸いにも直撃を免れましたが,「3度目の正直」という諺通りにはならずに,今回も台風の直撃が避けけられますように…!
(果樹研究部Nh )
平成30年9月27日 ミカンの収穫シーズン到来
8月22日の研究員日記では,果樹研究部の少加温ハウスで栽培したレモンの収穫が始まったことをご紹介しましたが,先週末に研究圃場を歩いていたら,ほんのりと黄色く着色し始めたカンキツの果実を見つけました(左端の写真)。
カンキツ担当の職員に聞けば,9月下旬には収穫できる極早生ミカンだとか…。
この品種は,まだ気温が高い時期に成熟期を迎えるため,果皮よりも果肉の方が早く成熟しやすく,見た目は果皮の緑色がまだ抜けきっていない時期に収穫(中央の写真)しないと酸味が抜けてボケた味となるそうです。
果皮の3割程度が着色し始めた極早生ミカンを試食してみると,カンキツの爽やかな香りとともに,ほんのりと甘酸っぱい果汁が口に広がりました。
果皮の3割程度が着色し始めた果実は,蛍のお尻を照らす光を連想させることから,技術者の間では,「蛍尻」の通称で呼ばれているそうです(右端の写真)。
いよいよ,ミカンの収穫シーズン到来ですね。
なお,果樹研究部では,「温州ミカン「石地」の早期多収を目指す主幹形栽培技術の確立」を始めとして,カンキツや,ブドウ,ナシ,モモ,イチジクに係る多くの研究成果について,視察・見学や研究成果パネルの貸し出しに対応していますので,ご活用ください。
(果樹研究部Ky&Hm&Nh)
平成30年9月26日 果皮がガサガサになった茶色のミカンは何ぁ~に?
6月29日の研究員日記では,農薬無散布の現地果樹園で見かけたブドウの葉の被害状況についてご紹介しましたが,今日は農薬無散布のミカン樹のお話です。
果樹研究部の研究圃場には,農薬の掛っていない状態で病害虫の発生を予察する目的で,無防除のまま管理されているミカン樹が数本あります。
この時期には,年度当初から農薬を計画的に散布してあるミカン樹に着生した果実は果皮が緑色をしています(左端の写真)が,無防除のミカン樹では果皮がガサガサになった茶色の果実が見られます(中央の写真)。
果皮のガサガサが激しい果実の中には,稀に真っ二つに裂果している果実もあります(右端の写真)。
これは,いったい何ぁ~に?
実は,ガサガサになった茶色の果皮症状は,ミカンサビダニによる被害です。
ミカンサビダニの成虫は体長0.2mm内外ですので肉眼では見えませんが,くさび型の成虫が夏場に増殖し果皮に加害した結果,このような症状を呈しています。
ミカンもブドウと同様に永年性作物ですので,健全な果実を毎年生産し続けるためには,病気や虫の発生時期や生態を十分に把握し,適期に適切な農薬を散布する必要があります。
(果樹研究部Nh)
平成30年9月25日 果樹研究部の研究員が論文賞や森林防疫賞を受賞しました
果樹研究部では,写真の3名(Ky&Tk&St氏)が農業食料工学会誌(79巻3号)に掲載された論文「主幹形ミカン樹に適するクローラ型防除機の試作開発と防除性能および作業性の評価」により,9月10日に農業食料工学会から論文賞(技術論文)を受賞しました。
また,ご紹介が少々遅くなりましたが,7月19日には,果樹研究部のJs氏が森林防疫誌(Vol.66 No.3[No.720])に掲載された論文「何故,広島県南部の森林ではマイマイガの卵塊がみつからないのか?:常緑広葉樹の葉に対する産卵選好性」により,全国森林病虫獣害防疫協会から森林防疫賞(会長賞)を受賞しました。
4名の研究員の皆さん,栄えある受賞おめでとうございます。
益々のご活躍を期待しております。
(果樹研究部Ha&As&Nh)
平成30年9月21日 消防訓練
昨日から雨模様でしたが,今朝,雨の合間を縫って,安芸津に勤務する果樹研究部と管理第二課に所属する職員を対象に,消防訓練を実施しました。
庁舎1階の湯沸室を火災発生地点とし,そこから約100m離れた屋根付きの車庫に避難しました(左側と中央の写真)。
避難後に東広島市消防署安芸津分署から講評を受け,避難時には火災拡大防止のために執務室等の窓を閉めることを助言いただきました。
その後,消火器を用いて消火実習を行い,ピン(を抜く)ポン(とホースを引き出す)パン(と引き金を握って消化液を出す)の順序で実体験しました(右側の写真)。
果樹研究部の庁舎は,築50年余りが経過しており,過去に漏電等による小火の発生もあったことを肝に銘じ,いざという時に躊躇なく対応できるように訓練をしておくことは大事なことですね。
消防訓練へのご協力をいただいた,東広島市消防署安芸津分署とヒューマックスの皆様,誠にありがとうございました。
(果樹研究部&管理第二課Ha&As&Te&Nh)
平成30年9月20日 イチジク秋果の成熟
果樹研究部では,全国のイチジク産地で大きな問題となっている,イチジク株枯病の土壌伝染による被害を防止するために,農研機構等との共同研究によりイチジクとイヌビワを交配して抵抗性台木を作成し,将来的な品種登録を目指して,その実用性を調査中です。
この研究員日記のコーナーでは,5月31日にイチジクの夏果と秋果の着生について,また,7月2日に夏果の成熟についてご紹介しましたが,試験樹(左側の写真)では供試品種の秋果(右側の写真)が次々と成熟しており,試験データも着々と蓄積しつつあります。
皆さん,先々の朗報を御期待ください。
(果樹研究部Mt&Js&Ss&Sn&Nh)
平成30年9月19日 ブドウのおもしろい果粒-(2)菊紋型ほか
9月18日の研究員日記では,今夏に果樹研究部のブドウ園で見つかった,おもしろい果粒のうち,ハート型の果粒をご紹介しましたが,今日は,その他の興味深い形状の果粒をご紹介します。
左端の写真は,近年人気のブドウ品種「シャインマスカット」で見つかった,菊紋型のブローチを連想させる形状の果粒です。
中央の写真で他の果粒の大きさと比較してみれば,3~4倍はありそうな巨大な果粒であることがわかります。
また,右端の写真は,ブドウ品種「ピオーネ」で見つかった,天狗の顔から伸びた長~い鼻を連想させる形状の果粒です。
なんだって?果粒の形状が小便小僧のどこかの部位に似ているって…?
いやいや,ここはやはり,有り難いご利益を期待して,山岳信仰の神の化身である,霊験あらたかな天狗様の鼻に似ていることにしておきましょうね。
なお,当センターホームページの研究成果情報には,「ブドウの光反射マルチ栽培導入の際の留意点」等のブドウの研究成果も紹介していますので,目の保養(?)後には是非そちらもご覧くださいね。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年9月18日 ブドウのおもしろい果粒-(1)ハート型
果樹研究部では,先月からブドウの収穫と選荷作業が続いています。
研究圃場で収穫したブドウは選荷場まで持ち帰り,袋をはずして果房の品質を確認します。
ブドウの果粒は一般的には楕円形や円筒形を呈していますが,目を凝らして果粒を確認していると,いわゆる奇形果とみなされる果粒が極稀に見つかります。
今日は,今夏に果樹研究部のブドウ園で見つかった,おもしろい果粒のうち,ハート型の果粒の写真を並べてみました。
左端の果粒はハートの窪みの部分が小さく果形もスマートですが,その隣は少しポッチャリしてボリューム満点,右端はハートの窪みが明瞭で着色も濃く情熱タイプか…。
皆さんは,どのハート型果粒がお好みでしょうか?
なんだって?日頃,見覚えのある愛おしい何かの形に似ているって…?
いやいや,幸せを呼ぶ,愛のハート型果粒なので,不謹慎な妄想をしないでくださいね。
皆さんも,購入されたブドウにハート型果粒を見つけたら,幸運が舞い込む兆しと受け止め,大切に召し上がってくださいね。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年9月14日 天日干しの稲わらを落とすのは誰だぁ~?
9月7日の研究員日記では,果樹研究部にある猪や鹿避けのフェンスに稲わらを掛けて天日干しをしていることを紹介しました。
ところが,天日干しした稲わらは,日毎にフェンスから落ちる束が増えてきています(左端と中央の写真)。
天日干しの稲わらを落とすのは誰だぁ~?
干してある稲わらに近寄って見れば,僅かですが稲穂がついています(右端の写真)。
どうも,猪が夜な夜なやってきて,フェンスの外から,この稲穂を食べようとして,稲わらを落としているようです。
このままだと,また落とされそうですね。
何か良い対策はないかなぁ~。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)
平成30年9月13日 安芸津中学校生徒の職場体験学習
今週は,安芸津中学校から2名の生徒さんが果樹研究部で職場体験学習を行っています。
まだ少し残暑の残る中で,カンキツ類の摘果,ブドウやナシの果実品質調査等の作業に汗を流しています。
2人とも,ここでの多くの作業が初めて経験するものでしたが,「安芸津中生徒めざす姿四訓」に基づいて,挨拶,返事,丁寧な言葉づかい等をしっかりと心がけながら,興味を持って積極的に取り組んでいました。
ここでの経験が1つでも今後の役に立ちますように…!
(果樹研究部Hm&Sn&Nh)
平成30年9月12日 初秋にナシの葉を食い荒らすケムシは…?
6月21日の研究員日記では,カンキツ類の新梢の葉にアゲハの幼虫が加害することを紹介しましたが,今回はナシの葉を食い荒らすケムシのお話です。
左側の写真は,台木用の種子を採取するためのナシの樹ですが,殆ど葉のついていない枝が見受けられます。
落葉時期にはまだ早すぎるので,原因を探るために樹に近寄って見れば,大きな黒いケムシがムシャムシャと葉を食べています。
このケムシは,モンクロシャチホコの幼虫で,例年,この時期にナシを始めとする様々な果樹に成虫が飛来してきて産卵するため,孵化した幼虫が葉を食い荒らします。
このケムシは食欲が旺盛なので,群生している小さな幼虫を放置しておくと,あっという間に成長して樹の枝がまる裸にされてしまいます。
油断大敵ですね。
(果樹研究部Nh)
平成30年9月11日 カンキツやイチジクの研究成果に係る視察対応
今日は,午前中には山口県から「温州ミカン『石地』とレモンの高品質果実生産の栽培法」,午後には愛媛県から「温州ミカンの主幹形仕立て技術とイチジクの株枯病対策」について大勢の生産者の方が視察に訪れ,熱心に勉強して帰られました。
果樹研究部では,レモンを始めとするカンキツ類や,ブドウ,ナシ,イチジク,モモに係る研究課題を実施しているとともに,実証展示圃場等もありますので,県内の果樹生産者の皆様も是非,視察にお越しください。
このホームページの「視察・見学」の欄にある申請書にご記入いただき,果樹研究部にFAX送信いただければ日程等を調整いたしますので,ご連絡ください。
(果樹研究部Ky&Mt&Nh)
平成30年9月10日 気になる果樹研究部の貯水池の水位は…? (その4)
8月30日の研究員日記では,果樹研究部の貯水池の水位が,満水時よりブロック5つ分まで下がり,いよいよ黄色の危険信号の点滅状態になったことを報告しました。
その後,台風21号接近時の降雨では水位の回復の兆しはありませんでしたが,先週末の秋雨前線の通過により,果樹研究部の周辺圃場から雨水が貯水池に流入し(左端の写真),水位が一気に回復しました(中央と右端の写真)。
これで,水不足の事態を解消でき,一安心です。
それにしても,良きにつけ悪しきにつけ,前線の通過は恐るべき影響がありますね。
(果樹研究部Nh)
平成30年9月7日 稲わらの運搬と天日干し
秋になれば,収穫した稲を束ねて稲架(はぜ)と呼ばれる横木に吊るし,天日干ししてあるのを田園地帯で見かけることがありますが,果樹研究部では,猪や鹿避けのフェンスに稲わらを掛けて天日干しします。
なので,毎年,この作業が始まると秋の気配を感じます。
今年も,当センター本所(八本松)の稲刈りが始まりましたので,刈り取られた稲わらを貰い受け,トラックで果樹研究部の敷地(安芸津)に運び,天日干しの作業が始まりました。
天日干しした稲わらは,果樹の株元に敷き詰め,雑草の抑制や土壌の乾燥防止として有効に活用しています。
本所の皆さん,いつも稲わらをお世話いただき,ありがとうございます。
(果樹研究部Dmi&Wd&Hm&Dma&Nh)
平成30年9月6日 貯水池に網かごを吊り下げているのは何のため…?
果樹研究部の貯水池については,7月23日,8月17日および8月30日の研究員日記で水位の残量を報告しましたが,この貯水池の排水門の付近には,大きな網かごが2つ吊り下げてあります(左端と中央の写真)。
よく見れば,いずれの網かごの中にも太いホースが入れてあります。
これは,いったい何のため…?
実は,この貯水池に隣接する研究圃場には,カンキツ類のポット置場があり,貯水池からモーターで給水し,ここのポットに配水している(右端の写真)そうで,前記の網かごに入っている太いホースは給水用のホースなのです。
ホースを貯水池に直に入れると,吸水口からエビや浮草等の小さなゴミを吸い込んでしまうため,ゴミの濾過目的でフィルター代わりに貯水池に網かごを入れてホースの周囲を取り囲んでいるとのことです。
この網かごは,フィルターとして一定の役割を果たしてくれているようですが,放置し続けるとエビが網かごの中で成長することがあるので,網かご内の掃除が時折いるようです。
何か,もうひと工夫が必要かもしれませんね。
(果樹研究部Nh)
平成30年9月4日 農業技術指導所の現地試験への協力
7月26日の研究員日記では,農林水産関係技術開発・普及・行政総合連携会議の果樹専門部会が開催されたことを紹介し,8月3日の研究員日記では,落葉果樹の現地指導に関わる農業技術指導所の職員とともに,前記の会議で提案のあったブドウ生産上の技術課題について,実際に生産現場での実情を理解するためのニーズ調査に出かけたことを紹介しました。
昨日と今日は,上記の技術課題に関連して,農業技術指導所の職員が実施している現地試験を遂行するに当たり,果樹研究部が保有する機材や施設を用いなければ実施できない調査項目がありましたので,現地試験のブドウ果房を果樹研究部に持込み,ブドウ担当の研究員が調査に協力しました。
こうした取組が相互の連携強化に繋がり,1つでも多くの生産現場の課題解決に結びつくことを願っています。
(果樹研究部Sk&Nh)
平成30年9月3日 ブドウの果実形質調査真っ盛り
8月10日の研究員日記で「ブドウの収穫シーズン到来」の記事を紹介しましたが,ちょうど今は,簡易被覆栽培した「シャインマスカット」や「ピオーネ」が収穫期を迎えています。
今日は,どの実験室を覗いてもブドウが並べてあり,収穫期の果実形質調査に追われていました。
それぞれの目的に沿った,良い成果が得られますように…!
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年9月3日 カンキツ類の高接ぎ樹の誘引とポットの徒長枝除去
暴風を伴う台風21号が接近しています。
このため,今日は,台風対策の一環として,カンキツ類の高接ぎ樹(左端の写真)や幼木等で長く伸長した枝をしっかりと支柱に誘引しました。
また,果樹研究部では研究に用いるために様々な果樹のポット樹を育てていますが,カンキツ類のポット樹にも春から夏にかけて長く伸長した徒長枝が生茂っている樹が多数ありましたので,不要な徒長枝を剪定により除去するとともに,残存させた主枝候補枝を支柱に誘引し,風害を最小限に抑えるための作業を行いました(中央と右端の写真)。
どうか,今回の台風21号の被害が最小限に抑えられますように…!
(果樹研究部Hm&Km&Nh)
平成30年8月31日 果樹研究部における農薬の管理
8月2日と8月22日の研究員日記では果樹の防除に関する記事を紹介しましたが,果樹研究部には多くの樹種がありますので,殺菌剤,殺虫剤,除草剤および植物成長調節剤等を含めて約130種類の農薬を取り扱っています。
研究圃場が約9haあるので取り扱う農薬の量も多く,また,多くの職員が農薬を取り扱いますので,年間の防除計画に基づいて農薬を購入したうえで,使用時には使用者が農薬使用記録(左端の写真)を残し,その記録内容と在庫量を保管責任者が毎月照合しています。
今日は,新たに購入した農薬を農薬保管庫に収納するに当たり,2つの作業を行いました。
1つ目は,個々の農薬容器に最終有効年の下2桁を赤マジックで大きく記載し,同一農薬を古い在庫から順に使用するに当たり,使用者が最終有効年を容易に識別するための目印を記載しました(中央の写真)。
2つ目は,劇物や毒物に位置づけられている農薬の容器には,個体識別番号を記載してあるシールを張り付けました(右端の写真)。
劇物や毒物に位置づけられている農薬は,個別に管理簿を作成し,使用時には使用前後の容器込の重量,農薬使用量,農薬在庫(残)量及び使用目的を記載し,厳密な在庫管理を行っています。
(果樹研究部Nh )
平成30年8月30日 気になる果樹研究部の貯水池の水位は…? (その3)
果樹研究部の貯水池の水位については,7月23日と8月17日の研究員日記で残量を報告しましたが,本日の正午時点では,とうとう満水時よりブロック5つ分まで下がっていました(左側の写真)。
貯水池内に設置してある吸水ポンプ小屋(右側の写真)で汲み上げることができるのはブロック7つ分までなので,いよいよ黄色の危険信号の点滅状態です。
それより水位が下がったら,トラックに積んだタンク内に貯水池から水中ポンプで吸い上げて,研究圃場まで運んでいかなければならず,新たに多大な労務が必要となってしまいます。
なので,果樹の研究に関わる者としては,今後の管理を円滑に進めるためにも,なんとか貯水池の水量を増やしたいのですが,貯水池は山の上にあるので,こればかりはお天気頼みとなります。
今週末の天気予報は雨模様でしたので,豪雨はご遠慮したいものの,せめて10~20mm程度の降雨を期待しています。
(果樹研究部Nh)
平成30年8月29日 本来の使い方とは違うけど便利なもの
世の中には「製作者の意とは違う使われ方をしているけど便利よね」というモノが結構あります。
当センターでもそんなの無いかなと聞いてみたら「寒冷紗の補修には畳針」だそうです。
通常の裁縫用の針では縫えないとのこと。
その他,釣り道具もいろいろと使い勝手がいいよー,なんて声もありました。
農業試験に釣り道具…。
専用のモノがなければ何かで代用するというのは頭の体操になりそうです。
(技術支援部Y)
平成30年8月28日 トマトの病害虫防除技術の学習会を開催しました
真っ赤で甘く完熟した「お宝トマト」の名称で有名な産地,呉市倉橋町において,アウトリーチ活動の一環としてトマトの病害虫防除技術の学習会を行いました。このなかで,日頃からの生産者の病害虫に関する多くの疑問や意見などが寄せられ,生産者と普及指導員,研究員の間で活発な意見交換ができました。ここで出された意見を今後の研究に活かしていきたいと思います。
(病害虫を憎む男)
平成30年8月28日 適正水分管理で温州ミカン「石地」の高品質安定生産を!
5月14日の研究員日記では,高品質多収が可能な主幹形と称される整枝法(左側の写真)で仕立てた温州みかん「石地」幼木の摘蕾・摘花作業をご紹介しましたが,この品種は,広島県内発祥の品種で,食味が良く,浮き皮が少ないというメリットがある反面,既存品種に比べて根が少ないことから,果樹研究部では,根量を増加させ,高品質安定生産に繋げるため,土壌水分状態を判断指標として,生育ステージ毎のかん水管理指標を明らかにしています。
果樹研究部には,2種類の整枝法(主幹形,開心自然形)と樹冠下の透湿性光反射シートの被覆の有無とを組み合わせて実証展示している温州みかん「石地」の研究圃場があり,栽植後10年以上も上記の水分管理指標に基づいて,かん水を行っています。
土壌水分状態を的確に把握するためには,テンシオメーターという測定器具のポーラスカップ内に入っている水のメンテナンスが欠かせませんので,この研究圃場では担当職員が定期的に研究圃場を訪れ,メンテナンスを実施しています(中央と右側の写真)。
こうして,土壌水分を適正に管理し続けた研究圃場では,実用的な研究成果が得られていますので,関心のある県内の果樹生産者の皆様の視察をお待ちしています。
このホームページの「視察・見学」の欄にある申請書にご記入いただき,果樹研究部にFax送信いただければ日程等を調整いたしますので,ぜひ,お越し下さい。
(果樹研究部Ky&Tk&St&Nh)
平成30年8月27日 土着天敵を利用したナスの害虫防除研修会(土着天敵の観察会)
JA広島中央管内では夏秋ナス栽培が推進され,「なす坊」という商品名で販売されています。減農薬のために,土着天敵を利用した害虫防除を推進するにあたり ,普及上の問題点を明確にし,解決策を明らかにする課題に取り組んでいます。8月27日に東広島市黒瀬町の露地ナス栽培農家圃場で,ナス生産者,JA営農指導員と普及指導員を対象にヒメハナカメムシなどの土着天敵の観察会を開催しました。
ナスの葉裏にいるヒメハナカメムシの成虫や,天敵温存植物のバジルやマリーゴールドを叩いて黒いプラスチック製のチリトリ上のヒメハナカメムシ幼虫も観察しました。
これまで,写真でしかヒメハナカメムシを見たことはなかった生産者の方々も,実物を見て天敵を身近に感じてくれたようです。
(土着天敵を愛する男)
平成30年8月24日 網掛け栽培のブドウ園で見つけた珍客
8月16日の研究員日記では,果樹研究部のブドウ園への迷い犬について報告しましたが,今日は網掛け栽培のブドウ園で見つけた珍客についてご紹介します。
一昨日,ブドウ担当の研究員が拡大型根域制限栽培を実証展示している網掛け栽培のブドウ園(左端の写真)の中で作業している時に,ブドウ樹の主枝の上に鳥の巣(左から2枚目と3枚目の写真)を見つけました。
巣の中には,もうすぐ巣立ちそうな3羽の雛がいたのですが,雛達は見慣れない人の気配を感じたせいか,慌てて巣から飛び出て,地面に落ちた後に三方に散って逃げたそうです。
雛が逃げた後にも,2羽の親鳥が網掛け栽培のブドウ園の内外で鳴き声をあげながら飛び回っていました。
親鳥を近くで観察することはできませんでしたが,職員によれば「ツグミに似ている」とのことでした。
網掛け栽培の施設内で雛が育つまで営巣活動していたということは,かなり長い期間住み着いて施設の内外を行き来していたものと思われましたので,出入り口らしき所を探してみました。
その結果,施設周辺の地際付近のネットが数か所破れていて,親鳥が通れそうな大きな穴が開いている箇所(右端の写真)を見つけましたので,こうした破損箇所を出入り口として利用していたものと思われます。
今回のようにブドウ樹の上で巣を作るケースは,果樹研究部のブドウ園では時折見られるようです。
野鳥の逞しさを感じますね。
(果樹研究部Sn&Ss&Sk&Nh)
平成30年8月23日 この袋は,何ぁ~に?
果樹研究部のカンキツ園を巡回して,樹上にピンク色の袋のようなものを見つけました。
近寄ってみれば,ピンク色の袋を掛けてある果実もあれば,裸果もありました(左側の写真)。
また,よく見れば,ピンク色以外にも黒色のものも掛けてあります(右側の写真)。
この袋は,何ぁ~に?
袋の掛けてある品種は,「大橘」と四倍体「不知火」を掛け合わせて果樹研究部で育成されたカンキツ三倍体品種「黄宝」などです。
「黄宝」については5月28日と6月15日の研究員日記でも紹介しましたが,実は,この袋かけは,8月21日の研究員日記で紹介した,「今夏の猛暑でカンキツ果実に多発した日焼け症状」に関係があります。
「黄宝」は,無核でじょうのう膜が薄く,剝皮が容易で食べやすく,これまでにないブンタンタイプのカンキツであり,出荷の端境期となる4月下旬から5月上旬が熟期で,かいよう病に強く,隔年結果が少なく作りやすいといった多くの優れた特性を有するのですが,貯蔵中に果皮障害が発生することがあります。
そこで,担当研究員は,夏季の強日照・高温対策として他品種で実用化されている化繊布(ネルネット)被覆の効果を比較し,果皮障害の原因を明らかにしようとしているのです。
良い成果が得られれば,「黄宝」を生産してくださる皆さんにお知らせしますので,朗報をご期待ください。
(果樹研究部Yy&Kj&Nh)
平成30年8月22日 台風対策-果樹細菌病害の緊急防除
今日は朝から曇り空です(左端の写真)。
太平洋上には台風19号と20号が発生し,相次いで日本に接近してきています。
台風19号は九州の西の海上を北上しているので本県への直撃はなさそうですが,そのあとに続く台風20号は明日以降に西日本に接近し上陸の恐れもあるとの進路予測がなされています。
台風による強い風雨を被ると,果樹では細菌による病害が多発しやすくなります。
果樹研究部に栽植してある果樹で,特に被害が心配される細菌病と言えば,カンキツかいよう病とモモせん孔細菌病です。
8月2日の研究員日記にはミカンハダニの緊急防除の報告をしましたが,この度は,台風対策としての細菌病の緊急防除が必要です。
このため,今日は,午前中にカンキツの幼木(左から2枚目の写真)や高接ぎ樹(右から2枚目の写真)等の新梢が旺盛に伸長中のカンキツ樹のほか,モモの樹(右端の写真)を対象に緊急防除を行いました。
蒸し暑い中,完全防備の着衣で過酷な防除作業に急遽対応してくれた職員の皆さん,大変ご苦労様でした。
どうか,台風の直撃が避けけられますように…!
(果樹研究部Km&Wd&Nh )
平成30年8月22日 カンキツ類の収穫シーズン到来…?
今年度の研究員日記のコーナーでは,果樹研究部の圃場において,6月22日にはモモ,8月9日にはナシ,8月10日にはブドウの収穫が始まったことをご紹介しました。
今日の記事のタイトルは「カンキツ類の収穫シーズン到来…?」です。
「でも,まだ夏だけど,なぜ?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。
実は,果樹研究部では,本年度に実施している試験研究テーマの関係で,冬場にハウス内を少加温して,開花期を2ヶ月早めた栽培体系のレモン樹(左端の写真)があります。
この度は,そのレモンの果実が成熟期を迎えたのです(左から2枚目の写真)。
なので,果樹研究部の圃場で収穫できる今年度産のカンキツ類のトップランナーはレモンです。
もっとも,カンキツ類の本格的な収穫シーズンは秋以降ですので,タイトルに「?」を付けた次第です。
とは言え,皆さんのレモンに対するイメージでは,果皮の色は黄色ですよね(右から2枚目の写真)。
でも,ここに載っている写真のレモンの果皮は緑色(左から2枚目の写真&右端の写真)なので,「本当に成熟しているの…?」と思われる方もいらっしゃると思います。
冬場に収穫されるレモンの果皮は黄色になりますが,今の時期は気温が高いため,果皮は緑のままなのですよ。
でも,品質は冬場のレモンに劣らず,レモン特有の酸味とフレッシュな香りを有しています。
夏季から11月くらいまでに収穫されるレモンは,果皮が緑色なことから「グリーンレモン」と呼ばれて,人気です。
(果樹研究部St&Nh)
平成30年8月22日 酷暑の中,若手研究員頑張る!
この夏は酷暑。このような中でも,研究歴の浅い若手の研究員は実験ほ場に行って,植物の日々の変化を観察するだけでなく,栽培の基本作業を実践し,その難しさを体感しています。ネットメロンは,異常な高温のために授粉しにくい状況でしたが,手作業で交配を粘り強く続けた結果,やっと実を着けました。さらに,実験ほ場に穴を掘り土壌を採取して土壌の物理性や化学性を分析し,植物の根の環境がどのような状態にあるかも調査しながら専門知識や手法を修得しています。
若手研究員の着実な成長が伺え,今後,研究員としての活躍がますます期待されます。
(生産環境研究部HK)
平成30年8月21日 猛暑がカンキツ果実に残した痕跡
先週半ばの降雨以降は日中の猛暑が多少影を潜め,少しずつ凌ぎやすくなり,秋の気配すら感じるようになりました。
そんな中,部内のカンキツ園を歩いていると,樹体の外部に所々黄色っぽく見える果実が散見されましたので,近寄って撮影したのが上の写真です。
この時期には緑色を呈しているはずのカンキツの果皮のうち,陽のあたる部分が黄色く変色していました。
8月3日と8月9日の研究員日記では,ブドウやナシの日焼け果が例年以上に発生していることを紹介しましたが,今夏の猛暑はカンキツの果実にも例年以上に日焼けの痕跡を残していました。
7月12日の研究員日記では,7月上旬の豪雨で崩落したカンキツ園の斜面にブルーシートを張ったことを,8月1日の研究員日記では,ミカンハダニの緊急防除を行ったことを報告しましたが,その他にも猛暑の中で樹体へのかん水に日々気を配る必要があったりして,今夏は研究圃場の管理に例年以上の労務と気遣いを要しました。本格的にカンキツの収穫を迎える秋以降のシーズンまで,カンキツが順調に生育することを願っています。
(果樹研究部Nh)
平成30年8月20日 現地で顕著な効果を発揮 !! ~ 自動調光システム ~
当センターが開発した技術(自動調光システム)が,現地で顕著な効果を発揮しています。
ここは北広島町のとあるトマト生産者の圃場。
園主(写真右)によると,ふだんは冷涼なこの地域においても,今年の夏の暑さは桁違いだったとか。
酷暑の中,当該システムを導入していない圃場での生産が大いに苦戦する一方で,導入圃場においては可販果収量が大幅にアップしたとのこと。
園主の説明に耳を傾けているのは,栽培技術研究部のK副部長(写真左,当該システムの開発者)。開発者としての誇らしげな彼の表情がとても印象的でした。
(by Pica Jiro)
平成30年8月20日 温州ミカンの生育調査
果樹研究部では,毎年,温州ミカン,レモンおよびナシの主要品種を対象として定期的に生育状況の調査を行っています。
これらのデータは,蓄積して其々の平年値を求めるとともに,当該年度の生育データと平年値とを比べて栽培管理の参考にしたり,各種の果樹生産対策会議等で技術指導の基礎データに活用したりしています。
また,ナシについては,国が行っている「地球温暖化等による果樹生育への影響に係るモニタリング調査」にも基礎データを提供しています。
今日は,温州ミカン「興津早生」の調査日に当たり,果実肥大(左端の写真)を調査した後,果汁を絞って(左から2枚目の写真),糖度(右から2枚目の写真)や酸濃度(右端の写真)等について調査しました。
温州ミカン「興津早生」では,今後も収穫期まで約1か月毎の調査を行っていきます。
(果樹研究部Sk&Nh )
平成30年8月20日 カンキツ園の除草
果樹園の管理で意外と労務を要するのが,地表面を覆う雑草の管理です。
春から秋までの生育期間中は,「刈っても刈っても,いつの間にか繁茂している」という感覚があります。
今回は,果樹研究部の研究圃場のうち,最も大きな面積を占めるカンキツ園の除草です。
写真の園地では,畝の上(左端の写真)や樹冠近く(中央の写真)に生えている雑草を除草剤で,列間(右端の写真)を乗用草刈機で除草しました。
暑い中,大変ご苦労様でした。
(果樹研究部Nh )
平成30年8月17日 気になる果樹研究部の貯水池の水位は…? (その2)
梅雨明けから2週間余り経過した7月23日の研究員日記では,果樹研究部の貯水池の水位が満水時よりブロック2つ分下がっていることを報告しました。
その後も猛暑が続く中,3週間余りが経過しました。
途中,台風の接近に伴う降雨のお陰で若干の雨水の流入もあり,昨日時点の貯水池の水位は満水時よりブロック4つ分下がっている状態で留まっていました(左側の写真)。
なので,現時点では貯水池からの取水はなんとか可能ですが,今後も樹体を維持するためのかん水が続くことから,もう少し貯水池の水量を確保したいところです。
そう思っていたら,昨日の午後に,山々を臨む北の空から薄暗く不気味な曇が南下し,久しぶりに纏まった降雨がありました(中央と右側の写真)。
一夜明けて貯水池の水位を見れば,水位の上昇は1cmにも及びませんでしたが,例えお湿り程度でも,果樹を潤す貴重な降雨となりました。
いまだ,7月上旬の豪雨災害の爪痕があちこちに残る中で,強い雨は復興の妨げになりますので今後もご遠慮したいものの,果樹の健全な生育のためには,お湿り程度の雨なら,時折降って欲しいものです。
(果樹研究部Nh)
平成30年8月16日 ブドウ園への迷い犬
果樹研究部のブドウ園に侵入した野獣については,6月14日,7月12日,8月6日の研究員日記でご紹介しましたが,其々の対策後には再侵入の痕跡は見当たらず,順調にブドウが収穫できているので,ホッとしているところです。
とは言うものの,今日,ブドウ園の周囲にある電柵を掻い潜って新たに侵入してきたのが,写真の野犬です。
近づくと尻尾を振って愛想をするので飼い犬のようにも思えますが,首輪がありません。
猟犬に詳しい職員に確認したら,「プロットハウンドに似ている」との回答がありましたが,職員が追い払おうとしても,ブドウ園から出て行こうとせず,時間切れになりました。
なので,今日のところは,番犬代わりに園内に放置して,様子を見ることにいたしましょう。
でも,明日こそは,なんとかしなければ…。
(果樹研究部Dm&Mc&Nh)
平成30年8月10日 ブドウの収穫シーズン到来
今年度の研究員日記のコーナーでは,5月29日の開花期におけるジベレリン処理作業の記事を皮切りとして,これまでにブドウの栽培管理や獣害等に関する記事を13回に渡ってご紹介してきましたが,いよいよブドウの収穫シーズンが到来し,果樹研究部では今週の半ばからブドウの収穫が始まりました。
今週収穫した品種は,「安芸クイーン」(左端の写真)や「藤稔」(左から3枚目の写真)です。
樹から果房を切り取って,選果場で果房を袋から取り出し,果粒を調整した後に,今年の初出荷となりました(左から2枚目と3枚目の写真)。
栽培管理に関わった職員は,今年も無事に収穫できて,満面の笑みでした(右端の写真)。
(果樹研究部Sn&Nh)
平成30年8月9日 公用車の始業点検講習会
今日は,安芸津に勤務する果樹研究部&管理第二課に所属する職員を対象に,公用車の始業点検講習会を実施しました(左側の写真)。
エンジンオイル,ブレーキ液,冷却水,ウインドウォッシャー,バッテリー液,ベルト等の「ボンネットを開けて点検する箇所」を始め,タイヤやランプ等の「車両の周りを見て点検する箇所」,さらには,パーキングブレーキレバーやワイパーブレードゴム等の「運転席に座って点検する箇所」について,一通りの点検事項を確認した後,パンクした時の交換の留意点,バッテリーがあがった時のブースターケーブルの接続箇所と順序(中央の写真)及び発煙筒の使い方(右側の写真)等,万一の際の対応についても確認することができました。
講師の皆さんの周到な準備と丁寧な説明により,参加者が日ごろ気になっていた事項を改めて正しく知ることができ,有意義な研修となりました。
講師を務めていただいた竹原郷心会の関係者の皆様,暑い中,誠にありがとうございました。
(果樹研究部&管理第二課As&Te&Nh)
平成30年8月9日 ナシの収穫シーズン到来
今年度の研究員日記のコーナーでは,5月30日の摘果作業の記事を皮切りとして,これまでにナシの栽培管理に関する記事を4回に渡ってご紹介してきましたが,ナシもいよいよ収穫シーズンが到来し,果樹研究部では今週初めからナシの収穫が始まりました(左側の写真)。
今週収穫した品種は,「愛甘水」や「幸水」です。
梅雨明けが平年に比べて10日以上も早く,その後に続いた酷暑はナシには堪えたらしく,初収穫の日には「焼け熟れ(日焼け)状態」や「過熟果」(右側の写真)の果実が例年に比べて多く見られました。
(果樹研究部Sn&Nh)
平成30年8月8日 トルコギキョウの定植
10月開催予定の全日本花卉品種審査会に向けて,トルコギキョウの定植作業を行いました。農業技術指導所の普及員も実地研修を兼ねて,応援に駆けつけてくれました。本日植え付けたのは,22品種,約3500本のトルコギキョウ。秋には見事な花を咲かせてくれることでしょう。
(技術支援部SY)
平成30年8月8日 狩猟免許
8月7日の研究員日記では,現地のブドウ園で「はこわな」により獣を駆除している例があることを報告しましたが,野生の鳥獣を捕獲するためには,狩猟免許の取得が必要です。
狩猟免許には,使用できる猟具の種類に応じて,「網猟」,「わな猟」,「第一種銃猟(装薬銃&空気銃)」,「第二種銃猟(空気銃)」の4種類の狩猟免許があります。
6月14日,7月12日,8月6日の研究員日記で報告したように,果樹研究部の果樹園でも獣害に悩まされており,今後,捕獲の必要性も生じると思われましたので,この度,「わな猟」による狩猟免許試験を受験しました。
狩猟に関する知識や経験は全くありませんでしたので,狩猟免許の初心者講習会に出席し,狩猟読本や狩猟免許試験例題集(左の写真)を勉強して受験に臨みました。
この度の試験は,もともと7月に受験する予定でしたが,豪雨災害により延期となり,1ヶ月遅れでやっと受験できました。
免許取得後には,右の写真のように,早く「はこわな」で狩猟を行いたいところですが,狩猟免許の取得は入口にすぎず,免許取得後には,広島県に狩猟者登録を申請し,狩猟者登録証と狩猟者記章が交付されて初めて狩猟ができるようになるそうです。
とは言え,受験者としては今回の試験の合否が気になるところであり,人事を尽くした後は「果報は寝て待て」の諺通りに,3週間後に届く通知が朗報となるのを気長に待つことにいたしましょう。
(果樹研究部Nh)
平成30年8月7日 現地ブドウ園で見かけた獣害対策
果樹研究部のブドウ園における獣害対策については,6月14日,7月12日,8月6日の研究員日記で報告しましたが,今日は,先週末に現地ブドウ園で見かけた獣害対策をご紹介します。
左端の写真のブドウ園では,ハクビシン等の小動物がブドウの樹の上に登っていくのを阻止するため,高さ2cm程度の突起物が沢山付いているプラスチック製の用具が幹に巻きつけてありました。
また,小動物は園の周囲にネットを張っていても,ネットの下に潜って侵入しやすいので,左から2枚目の写真にあるように,園周辺の地際部を約40cmの遮蔽資材で囲い,周囲のネットと連結させている園地もありました。
前記の2つの方法は獣を寄せ付けない対策ですが,右から2枚目の写真にあるように,獣を駆除するための「はこわな」を仕掛けてある園地もあり,ここではアナグマやアライグマが捕獲されたそうです。
この園地では,「はこわな」とともに,右端の写真のように,暗視カメラを設置してあるのですが,アライグマが園地周囲に張っているネットを伝ってブドウ棚の上に登り,そこから園内に侵入して果粒を食害している様子が写っていたそうです。
となれば,上記の対策は其々に効果があったようですが,まだ他の対策も必要かもしれませんね。悩ましいなぁ~!
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)
平成30年8月6日 ブドウ園で通せんぼしているのは,だぁ~れ?
今日は,周囲を山林で囲まれている果樹研究部のブドウ園での話題です。
6月14日の研究員日記では,定植したブドウ苗の葉が何者かに食害を受けたため,苗木の周囲をネットで囲ったことを,また,7月12日の研究員日記では,小動物がブドウ園に侵入して果粒をつまみ食いしたため,比較的大きな動物の侵入を阻止することを目的とした電柵に加えて,細かいネット状の電柵で園の周囲を囲ったことを紹介しました。
そして,ブドウの収穫期が近づいた先週末には,上の写真の通り,新たに4体の案山子がブドウ園に登場しました。
でも,これは何の対策…?
実は,1頭の猿が2年前の夏にブドウ園に侵入して以来,毎年この時期に案山子を設置しているのだそうです。
設置効果を尋ねてみれば,「今のところ被害なし!」とのことですが,本当…?
両腕を伸ばした姿は,どことなく,十字架に張り付けられているようにも見えるけど,通せんぼ…?
着衣から判断すれば,左側の2体が男性で,右側の2体が女性かなぁ…?
えっ,左端は女性だって…? ビミョ~ッ!
設置者に似せて,作成したって…?
それなら,もっと魅力的なのでは…?
まぁ,魅力的すぎると猿を寄せつけてしまうので,この程度の不気味さが良いのかもね!
でも,これって,本当に効果があるのかなぁ…?
ともあれ,今年も案山子が活躍して,美味しいブドウが無事に収穫できますように…!
(果樹研究部Ok&Mt&Dm&Mc&Nh)
平成30年8月3日 ブドウの生産技術に係るニーズ調査&営業活動
7月26日の研究員日記では,農林水産関係技術開発・普及・行政総合連携会議の果樹専門部会が開催されたことを報告しました。
今日は,当センターでブドウを担当する研究員ら3名が,落葉果樹の現地指導に関わる農業技術指導所の職員に案内してもらい,前記の会議で提案のあったブドウ生産上の技術課題について,実際に生産現場での実情を理解するためのニーズ調査に出かけました。
また,合わせて,果樹研究部における近年の研究成果の1つである,「光反射シートを利用したブドウの収量増加技術」を現地で試行(左側2枚の写真)している3つのブドウ農園で,園主の方から本技術に係る感想をお聞きし,意見交換させていただく営業活動の機会も持ちました。
訪問したブドウ園では,猛暑の中で例年以上の日焼け果(右から2枚目の写真)の発生を憂慮しつつも,例年より良好な着色で,高品質なブドウの生産が期待できるようでした(右端の写真)。
今回の訪問は,県内で生産が増えているブドウ有望品種の生産上の課題解決に向けたニーズがあることや,新たに開発した技術を生産現場に導入する際の留意点等を把握できる大変貴重な機会となり,機を捉えて生産現場の実情を知ることの必要性を改めて実感しました。
ご対応いただいた皆さんには,お忙しい中,誠にありがとうございました。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)
平成30年8月3日 果樹研究部の職員の夏バテ対策-続編「謎の健康食品」
7月25日の研究員日記に「果樹研究部の職員の夏バテ対策飲料」として紫蘇ジュースをご紹介しましたが,その後に,日々,炎天下で作業している職員から,「飲料ではないけれど,職場内で秘かにブームになっている,プチ健康食品がある」との情報提供がありました。
その健康食品とは, 職員が自宅の畑で栽培したニンニク球を掘り上げ後,炊飯器を使って約2週間熟成させて作成した,黒ニンニク(上の写真)です。
写真の下側にある小片の薄い皮を剥いて,黒くなった部分を毎朝2~3片食べると元気満点だとか…。
そこで,早速,黒ニンニクを御裾分け頂き,私も試食してみれば,ネットリとした食感で,干しプルーンに似た甘酸っぱさがあり,クセになる美味。
しかも,臭みは全く残らず,翌朝の目覚めも快適!
そこで,翌日,調子に乗って一気に20片食べてみたら,この時には流石にノボセました。
なので,食べ過ぎにはご注意を!
なんでも,職場には会費制の「黒にんにく愛好会」なるものがあるそうで,会員数は次第に増加しているとのこと。
もちろん,黒ニンニクの味と効果に魅了された私も入会しましたよ。
この猛暑を乗り切るアイテムがまた1つ増えました。
(果樹研究部Dm&Mt&Nh)
平成30年8月2日 ミカンハダニの緊急防除
今日も太陽が燦々と照りつけ,積乱雲が沸き立っています(左端の写真)。
今年は,梅雨明けが平年に比べて10日以上も早く,猛暑が続いている影響か,果樹研究部のカンキツ園におけるミカンハダニの発生が例年よりも2~3週間早まっています。
このため,今は1年で最も暑い時期ですが,多くの職員の協力により,全てのカンキツ園を対象とした緊急防除を実施しました。
キャビンの付いたスピードスプレーヤー(左から2枚目の写真)による防除であればクーラーの効いた運転席の中から快適に薬剤を散布できるのですが,果樹研究部のカンキツ園の多くは,まだ手散布(右側の2枚の写真)を必要とする栽植となっています。
このため,厳しい暑さの中,完全防備による着衣によって,過酷な防除作業となります。
この実態は県内産地でも同様ですが,こんな環境では後継者が育つはずはありませんよね。
なんとしても,お手本となるような,楽々快適防除が実現できる圃場づくりを,まず,果樹研究部の圃場から実現しなくてはなりませんね。
研究員の皆さんは,こうした意識を高く持って,圃場等の改善に取り組んでくださいね。
(果樹研究部Km&Hm&Nh )
平成30年8月1日 果樹の生育だより-(26)カンキツ類の摘果
果樹研究部のカンキツ園では,5月に開花期を迎えた後,果実は順調に肥大し,現在3~4 cm位の大きさに育っています。
この時期のカンキツ類は生理落果が終了している時期ですので,樹の負担を軽減し,程良い品質の果実を生産するために,樹上に残った多すぎる果実を摘み取る,「摘果」と呼ばれる作業が行われます。
今日は,猛暑の続く中,炎天下の果樹研究部のカンキツ園で,不要な枝の取り除きとともに,カンキツ類の摘果を行いました。
猛暑の中,秋以降の収穫に向けて,摘果以外にも,かん水作業を始めとする,気の抜けない栽培管理が今後も続きます。
(果樹研究部Km-1&K m-2&Nh )
平成30年8月1日 原小学校様からのメッセージ
7月12日の社会見学で来所された原小学校様から,お礼のメッセージと壁新聞が届きました。当日に学んだこと,印象に残ったことが書かれていました。私の説明をよく聞いてもらえたようで,うれしいです。早速,1階の掲示板に張らせていただきました。22名の児童の皆様,ありがとうございました。
(技術支援部SY)
平成30年7月31日 アスパラガスの現地研修会
広島県園芸振興協会のアスパラガス研修会が,当センターと現地圃場で開催されました。
生産者や関係機関の職員など,100名余りの方々が参加しました。
病害の防除と増収対策について,2名の研究員が講習を行いました。
また,試験圃場の生育状況も確認して頂きました。
栽培に関する突っ込んだ質問も出され,会場は白熱しました。
今回の研修が生産量の増大につながることを期待しています。
(技術支援部 SY)
平成30年7月27日 ブドウの研究成果に係る視察対応
県内でブドウを生産する視察者に対応しているのは,S主任研究員。
まずは,7月24日の研究員日記でも紹介した,「ブドウの根域制限栽培システム」に係る実証展示圃場に,次いで,「環状剥皮」と「光反射シートを利用したブドウの収量増加技術」の実証展示圃場にご案内し,研究成果をご説明しました。
視察者からは,人気品種である「シャインマスカット」や「ピオーネ」に関する質問等が相次ぎ,S主任研究員の丁寧な説明を聞き逃すまいとメモを取る熱心な生産者もおられました。
果樹研究部には,ブドウ以外にも,レモンを始めとするカンキツ類や,ナシ,モモ,イチジク等もありますので,県内の果樹生産者の皆様の視察をお待ちしています。
このホームページの「視察・見学」の欄にある申請書にご記入いただき,果樹研究部にFax送信いただければ日程等を調整いたしますので,ぜひ,お越し下さい。
(果樹研究部Sk&Ss&Nh)
平成30年7月26日 農林水産関係開発・行政・普及連携会議の果樹専門部会を開催!
「ひろしま未来チャレンジビジョン」に掲げる本県農林水産業のめざす姿を実現するため,農林水産関係技術開発・普及・行政総合連携会議が設置されており,本日は果樹専門部会が安芸津で開催されました。
午前中は,参加者28名が一堂に会し,果樹研究部から研究開発状況や成果移転計画等を紹介するとともに,農業技術指導所を始めとする農林水産局の各機関から提出された31の技術課題の背景,概要および現状認識を共有しました。
午後からは,優先して解決すべき技術課題を絞り込んだうえで,常緑果樹分科会(左端の写真)と落葉果樹分科会(左から2枚目の写真)に分かれ,具体な意見交換を行いました。
分科会では,現場の直面する技術課題に係る実態報告や個々の考える対策案等について活発な意見交換がなされ,最後に再び全体で集まって分科会での主な意見を報告し合い,今後に向けて意識の共有を図りました(右側の2枚の写真)。
こうした取組が相互の連携強化に繋がり,1つでも多くの生産現場の課題解決に結びつくよう,頑張りましょう!
(果樹研究部As&Js&Nh)
平成30年7月26日 果樹の生育だより-(25)貯蔵した広島レモンを出荷しました
昨日の研究員日記の最後の一文に,「もっと沢山の広島レモンを夏場に生産・出荷するための技術は大事ですね。」と記しました。
実は,あるんですよ,果樹研究部が開発した「広島レモンの周年出荷技術」が…!
果樹研究部では,これまでに,広島レモンの長期貯蔵中のロスを軽減するための技術開発を進めてきました。
そして,本日は,その技術を活用して長期貯蔵したレモンを選果し,約1tを出荷しました(上の写真)。
この時期のレモンは大変貴重ですので,高値で販売できますよ。
広島レモンのみに適用する技術ですので,広島レモンの価値向上に向けて大いに活用していただきたい!
関心のある方は,まずは当センターのホームページで果樹研究部のレモンに係る成果を御覧いただき,必要であれば当研究部まで御相談ください。
(果樹研究部Tk&Ky&St&Nh)
平成30年7月25日 果樹研究部の職員の夏バテ対策飲料は…?
相変わらず猛暑が続き,空には積乱雲が大きく育っています(左端の写真)。
職場の冷蔵庫内には,スポーツドリンクを始めとして,個々が持ち寄った様々なドリンクが冷やされていますが,日々,炎天下で汗だくになって作業する果樹研究部の職員は,一体どのような夏バテ対策を行っているのでしょうか?
私の夏バテ対策は,梅ジュース(左から2枚目の写真)ですが,女性が飲んでいるジュース(右から2枚目の写真)は,何ぁ~に?
そう,これは,紫蘇(右端の写真)で作ったジュースです。
やはり,暑い時期には,身体が甘酸っぱい飲み物を欲しがりますが,この紫蘇ジュースは,私が飲んでいる梅ジュースよりも,優しい甘酸っぱさがありますね。
紫蘇ジュースの効能には,疲労回復効果と食欲増進作用があるので,夏バテのだるさや食欲不振の症状に効果的なんだそうです。
なので,自宅で紫蘇を栽培している職員が紫蘇ジュースを沢山作って,休憩時間に職員で分け合って飲んでいます。
でも,本音を言えば,果樹研究部なので,広島レモンの果汁を摂取したいですね。
もっと沢山の広島レモンを夏場に生産・出荷するための技術は大事ですね。
(果樹研究部Km&Nh)
平成30年7月24日 果樹の生育だより-(24)ブドウの根域制限栽培システム
本日の研究員日記では,ブドウの根域制限栽培システムをご紹介します。
このシステムは,故今井俊治博士が当センター在籍時代に開発し,平成18年に「高品質と軽労化が図れるブドウ根域制限栽培システムの開発」により文部科学大臣表彰(科学技術賞)を受けた,ブドウの革新的栽培システムです。
このシステムは,(1)密植・根域制限による早期成園化(左側の2枚の写真),(2)拡大型根域制限栽培のシステム化(左から3枚目),(3)軽労かつ効率化のためのブドウ棚の開発から成り,早期成園化,高品質,安定生産,作業の省力・簡易化技術を実現したものです。
果樹研究部のブドウ園には,本栽培システムを始めとして,「光反射シートを利用したブドウの収量増加技術」等の研究成果を実証展示していますので,関心のある方は一度お越しください。
なお,ブドウの根域制限栽培システムを導入されているブドウ農園は県内外に数多くありますが,果樹研究部のある東広島市安芸津町内のS農園でも開発当初から導入し,このシステムを活用したブドウ生産が継続されています。
S農園の根域制限栽培により生産されたブドウは,本日から町内風早地区にある国道185号線沿いの直売所(右端の写真)で「ピオーネ」を始めとする4品種が販売されており,人気を博しているようですので,お近くの方はお早めにどうぞ !
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年7月24日 果樹の生育だより-(23)ブドウ園のかん水対応
毎日,ジリジリと灼熱の太陽が照り続けていますね。
これだけ猛暑が続くと,植物体からの蒸散も激しく,かん水による水分補給は欠かせません。
果樹研究部のブドウ園では,自動かん水が可能なシステムを導入していますが,担当の職員は不測の事態を想定して樹体の様子やかん水指令の状況を定期的に見回っています。
昨日は余りの暑さにより,かん水指令機の作動が多く,貯水池から引き込んでいる揚水タンクからの水の配水が間に合わなくなったため,急遽,運搬車に水を積んで,手かん水を追加実施しました(左側の2枚の写真)。
このため,今日は,貯水池からの水に加えて上水も揚水タンクに引き込み,緊急の措置を講じています(右側の2枚の写真)。
なんとしても,大切なブドウ樹を守らねば…!!
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Sk&Sn&Sk&Nh)
平成30年7月23日 果樹の生育だより-(22)ナシ園の除草と小動物対策
7月12日の研究員日記では,果樹研究部のブドウ園の果粒が微かに色づいた頃に小動物が園内に侵入し果粒をつまみ食いしたことから,園の周囲を細かいネット状の電柵で囲み,これ以上の被害を受けないような対策を施したことをご紹介しました。
この度は果樹研究部のナシ園の小動物対策です。
このナシ園は園全体を多目的ネットで覆っていますが,ネット周辺の雑草が伸長し,ネットの下部が持ち上げられて小動物が侵入しやすい空間が生じていました(左端の写真)。
このため,園内と周辺の除草(左から2枚目の写真)を行うとともに,ちょうど,このナシ園に植えてある「愛甘水」(右から2枚目の写真)の陽光面の果皮がほんのり色づいてきた時期でもありましたので,例年,侵入経路となっている南面のネットの傍にブドウ園同様の細かいネット状の電柵を設置しました(右端の写真)。
小動物に横取りされることなく,今年も美味しいナシが無事に収穫できますように…!
(果樹研究部Dm&Wd&Ss&Sn&Mt&Nh)
平成30年7月23日 気になる果樹研究部の貯水池の水位…
梅雨明けから2週間余りが経過しました。
豪雨から一転して猛暑が続いています。
「もう豪雨はご勘弁願いたい!」とは思うものの,植物にとっても水は大切です。
このまま照り続けると干ばつが気になります。
左側の写真に写っている池の中の建物は,果樹研究部の貯水池からの吸水管のある施設。
確か,満水時における水深は1m以上あったはずだが,かなり水位が下がっているような,嫌な予感…。
そこで,右側の写真で,貯水池の周囲を囲むブロックで水位の低下を確認してみれば,既に満水時よりブロック2つ分下がっている…?
一難去って,また一難!
新たな課題への対処を検討する必要があるかも…。
(果樹研究部Nh)
平成30年7月20日 貯水池のヒシ(菱)の除去作業
今日も厳しい猛暑が続いており,暑中お見舞い申し上げます。
さて,6月26日の研究員日記では,果樹研究部の貯水池にヒシ(菱)が発生し,4月以降には,職員が月に1~2度,ボートに乗ってヒシの除去作業を行っていることをご紹介しました。
今日は,7月のヒシ除去作業日です。
救命胴衣を着用した職員が二人一組となって,一人がオールを漕ぎ,一人が水面のヒシをボートの中に引き上げていきます。
水面はヒンヤリして気持ちいいのですが,この作業自体は,ボートが転覆しないようにバランスを取りながら進めていかなければならず,結構大変です。
まさに,水面での二人の阿吽の呼吸が必要です。
今日も抜群のチームワークを発揮して,ヒシの除去作業を無事完了!
炎天下での作業,ありがとうございました。
(果樹研究部Dm&Sh&Nh)
平成30年7月17日 簡易被覆栽培におけるブドウ樹のフィルム除去
梅雨明け後は,猛暑により日中の高温が続いていますね。
果樹研究部のブドウ園では,毎年,梅雨明け直後に簡易被覆栽培(左端の写真)のブドウ樹のフィルム除去を実施していますが,今年は梅雨明けが早まったので先週末に除去作業を行いました(中央と右側の写真)。
広島県におけるブドウの簡易被覆栽培は,1970年頃から導入されましたが,灰色かび病,晩腐病,べと病等の主要病害の被害を抑制しやすいことや,ジベレリン処理による無核果生産の安定性が良いこと等から短梢剪定樹で広く普及し,今ではこの栽培方法が定着しています。
しかし,ブドウは平棚栽培ですので,夏季から秋季にかけてフィルムを掛けたままにしておくと,棚面がブドウの生育を妨げるくらいに高温となって品質不良に繋がることや,台風による風害を受けやすくなるため,この時期にフィルムを除去しています。
フィルム除去後には,大切な葉をべと病等から守るために農薬を散布し,収穫を待ちます。
これだけ万全を期したのですから,今年も高品質なブドウが収穫できるに違いありません。
収獲が待ち遠しいなぁ~!
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年7月12~13日 果樹研究部の災害復旧奮闘記-(3)油圧ショベルの確保&崩落箇所の土砂除去
果樹研究部の崩落箇所下方の道路を遮断している土砂を除去する必要があったため,油圧ショベルのレンタルが必要でしたが,貸出し業者の油圧ショベルは県内各地の災害復旧のため貸し出されており,使用できない状態でした。
このため,12日の午後に,急遽,農業技術センター本所にある油圧ショベルを借りて,安芸津と八本松間をトラックで運搬しました。
果樹研究部から農業技術センター本所には,通常なら蚊無トンネルを通る経路で所要時間40分程度で運べるのですが,この経路が土砂崩れにより通れなかったため,西回りの経路を選びました。
大田経由のルートは,急カーブが多く,道路幅が狭く,道路の勾配も急で,さらに土砂崩れや道路の陥没により片側通行の危険な個所が多いため,できれば通行したく無い経路です。
しかし,往路は交通規制により他の経路が通れず,やむなく空荷のトラックで通行しました。
帰路は,油圧ショベルを積み込み,荷台からアームが1m程度はみ出ていた(左端の写真)ので,交番に立ち寄り,はみ出し運搬の許可をもらい,より安全な西回りの迂回経路を使って,1時間強の所要時間をかけて無事に帰庁しました。
油圧ショベルを確保できたお陰で,13日の土砂除去(中央の写真)は無事に完了し,崩落箇所下方の道路が通行可能になりました(右端の写真)。
この復旧作業に従事した職員は,「この3日間の重労働と,油圧ショベル運搬の緊張感で疲れましたが,任務を無事に達成した今は,なんだか満足感で満たされています。」とのことでした。
(果樹研究部Hm&Nh)
平成30年7月13日 果樹研究部の果樹園周辺の交通標識
梅雨が明けて,積乱雲がモクモクと発生し,本格的な夏がやってきましたね。
果樹研究部の職員は,灼熱の陽光を受けながら,炎天下の研究圃場での作業に精を出しています。
さて,本日の研究員日記では,果樹研究部が独自に作成し,果樹園の周辺に設置している,交通標識をご紹介します。
左から2枚目の写真は,「時速20km以下での徐行」を促す標識です。
果樹研究部の果樹園の周囲は防風樹で囲まれており,見通しの悪い交差点が多いため,この標識が当部の圃場周辺に最も多く設置してあります。
中央の写真は,交通量の多い広い道路と交差する,見通しの悪い園内道に設置してある,「いったん停止」を促す標識です。
また,急傾斜の道路の手前には,右から2枚目の写真にあるように,「急坂低速走行」の標識を立てています。
さらに, 未舗装の道路には,右端の写真にあるように,「路面凹凸注意」の標識が設置してあります。
これら4つの標識は,職員の注意を喚起し,交通事故の防止に貢献していますが,炎天下では注意が散漫になりがちなので,今一度,これらの標識を意識して,事故の無いように注意しないといけませんね。
(果樹研究部Nh)
平成30年7月12日 果樹研究部の災害復旧奮闘記-(2)崩落箇所の遮水対策
連日,炎天下で陽光が照り続けたことにより,崩れた土砂が随分乾燥してきました。
このため,崩落箇所(左端と中央の写真)に安全に入れると判断し,崩落したカンキツ圃場の斜面における遮水目的のブルーシートを常緑班の研究員と非常勤職員が総出で張りました。
まず,シートを張る箇所の周辺の草を刈り,枝や根などの突起物を除去しました。
これまでの経験上,突起物があるとシートを貫き,遮水効果が劣るとともに,シートの耐久性が低下することが判っていたため,全員で丁寧に突起物等を取り除き,その後にブルーシートを広げ,土のう等を使ってシートを押さえつけました。
あまりピンと張り過ぎると斜面の凸凹にフィットせずシートに負荷がかかるので,余裕を持って張りました。
崩落箇所は,比較的広範囲であったため, 10 m四方のブルーシートを4枚使い,シート同士が重なる部分を1mとり,かなり余裕を持たせて遮水に気を付ながらシートを取り付けました(右端の写真)。
まずは,これで,一安心です。
(果樹研究部Hm&Nh)
平成30年7月12日 果樹の生育だより-(21)ブドウの果粒を小動物から守れ!
ブドウ園の果粒が微かに色づき,特有の甘い香りが漂い始める時期になりました。
果樹研究部のブドウ園では,今週初めに,左端の写真のように,園の周囲に白くて細かいネット状の囲いが取り付けられました。
近づいて見れば,左から2枚目の写真にあるように,ネット状の囲いの地際部分には黒いペグが念入りに打ち込まれており,隣には「危ない!電気が流れています。触れると危険です。」と書かれた注意書きが添えられています。
そうです,これは電柵なのです。でも,どうして?
このブドウ園の周囲には既に電柵が張り巡らされているのに…。
確かに,以前からブドウ園の周囲には電柵が張り巡らされているのですが,猪や鹿等の比較的大きな動物の侵入を阻止することを目的として,上下20~40cm間隔で園地の周囲に5本の電線を張り巡らせるタイプの電柵のため,小動物が潜り込んでブドウ園に侵入し,果粒をつまみ食いした模様です。
右側の2枚の写真は,ブドウの房の被害状況です。
6月14日の研究員日記では,定植したブドウ苗の葉が何者かに食害を受けたことを紹介しましたが,今回は,左端の写真のように,何者かがブドウの果粒をつまみ食いした模様です。
そこで,担当の研究員らは,園の周囲を細かいネット状の電柵で囲み,これ以上の被害を受けないような対策を施したのです。
こうした苦労が報われ,美味しいブドウが無事に収穫できますように…!
(果樹研究部Ss&Sn&Sk&Nh)
平成30年7月10日 果樹研究部の災害復旧奮闘記-(1)崩落箇所の排水ルート&防除用水の確保etc.
※果樹研究部における豪雨災害の復旧作業の様子を現場で作業する職員の目線でご紹介します。
本日の午前中は,崩落箇所のうち,急いで応急措置が必要な箇所の復旧作業を行いました。
2年前に土砂崩れを生じて復旧していた川沿いの斜面がまた崩れ,土砂が側溝や道路を覆っていました(左端の写真)。
今後,雨が降り,土砂崩れをした箇所に水が溜まると二次災害を引き起こす危険があると判断し,土のうとブルーシートを使って,その上流に人力で仮設の水路を作り,排水ルートを確保しました(中央の写真)。
土砂の除去は人力では無理と判断し,油圧ショベルの確保後に行うこととし,土砂崩れにより壊れた電柵の復旧作業に移り,崩落箇所を迂回する形で補修,増設を行いました。
午後からは,露地栽培のカンキツ類の防除を行いました。
前回の防除後に新梢が伸長していることに加え,豪雨により植物体表面に付着した農薬が洗い流されていたので,早急に農薬の散布が必要と判断したためです。
しかし,断水のため上水が使用できず,農薬を溶く水を確保できなかったため,急遽,井戸水を防除用に使うための配管を新設しました(右端の写真)。
それにより,井戸から防除用水が供給できるようになったので,炎天下で気温が非常に高い中,カッパ,手袋,ゴーグル,防除マスク,長靴と完全防備で,農薬散布を実施しました。
予期せぬ出来事で,平時以上に時間と労務を要しましたが,無事に急ぎの作業を完了でき,ホッとしました。
(果樹研究部Hm&Nh)
平成30年7月10日 果樹研究部の豪雨被害と対応-(2)庁舎内
昨日の研究員日記では,「果樹研究部の豪雨被害と対応-(1)庁舎外」をご紹介しましたので,本日は,続報として,「果樹研究部の豪雨被害と対応-(2)庁舎内」をご紹介します。
左端の写真は,果樹研究部の執務室の天井の雨漏りの箇所です。
左から2枚目の写真にあるように,天井の奥のコンクリート壁には,小さな亀裂や穴があり,そこから染み出た雨水が天井に落ちてきているようです。
もちろん,漏れた雨水は,中央の写真のように,バケツで受け止めていますよ。
あくまで,応急措置ですが…。
そもそもの雨漏りの原因は,屋上コンクリートの防水機能が働いていないことにありそうです。
この屋上は,10年程前にコンクリートの防水処理を施しましたが,右から2枚目の写真にあるように,新たな亀裂等により,雨漏りを生じてしまったようですね。
会議室として使用している別の庁舎では,右端の写真にあるように,屋根部分から漏れた雨水が壁を伝って室内に侵入し,床に大きな白い地図を描いています。
執務室のある庁舎は築49年,会議室のある庁舎は仮庁舎として建築されて30余年を経過していますので,そろそろ限界ですかね。
このような執務環境ですが,被災直後にもかかわらず,本日も多くの職員が出勤し,元気に復旧作業等にあたっています。
先に記した雨漏りは,抜本的な対策も含めて,早く修復しなきゃいけませんね。
(果樹研究部Ha&As&Te&Nh)
平成30年7月9日 果樹研究部の豪雨被害と対応-(1)庁舎外
先週降り続いた豪雨は,本県をはじめ西日本各地で大きな被害を生じました。
被災された皆様には,心よりお見舞い申し上げます。
果樹研究部の庁舎と圃場は,東広島市安芸津町の山の上にあり,南側斜面と北側斜面に進入道路がありますが,左端の2枚の写真にあるように,今朝はどちらの道も,土砂や倒木等により通行できませんでした。
このため,職員は山裾に確保した臨時駐車場にマイカーを置き,職場まで歩いて通ってきました。
とは言え,南側の道路は,管理している(国研)農研機構果樹研究所ブドウカキ研究拠点の皆さんによる迅速な復旧作業により,午前中に通行可能になりました。
(国研)農研機構の皆さん,誠にありがとうございます!
果樹研究部が管理している傾斜地については,6月25日の研究員日記でも紹介したように,8年前と2年前にも土砂崩れを生じましたが,中央の写真のように,今回も複数個所で崩落がありました。
これらの箇所については,右から2枚目の写真のように,たちまちブルーシート等で応急措置を行った後,本格的な復旧対応を図る予定です。
なお,当研究部では,本日,断水中のため,右端の写真のように,トイレの水洗等の飲料以外の水については,井戸水を確保し,上水の節水対応で急場を凌いでいます。
本日は被災直後なので各地で交通網が遮断されているにもかかわらず,多くの職員が出勤し,元気に復旧作業等にあたっています。
(果樹研究部Ha&As&Te&Nh)
平成30年7月5日 アスパラガス収穫作業の軽労化技術の紹介
アスパラガス収穫作業の軽労化技術を,東広島市宇山地域センターで開催されたアスパラガス法人合同研修会で紹介しました。アスパラガスを栽培する法人の方々および関係者等49名が参加して頂きました。パソコン映像や実演により,長柄収穫ハサミ(商品名:アスパラーク),収穫台車を利用した収穫作業の軽労化技術について紹介し,いろいろな意見を頂きました。最後には,(農)うやまのアスパラガスの栽培状況を視察しました。アスパラガス収穫作業の軽労化技術について興味のある方は,技術支援部までお問い合わせ下さい。
(栽培技術研究部&技術支援部SC)
平成30年7月5日 エアコン付きジャケットで,いつでも快適冷風!
今日はあいにくの雨ですが,梅雨前線が北上すれば,いよいよ今年も本格的な夏の到来です。
灼熱の陽光下での農作業は大変厳しいものがありますが,夏場の炎天下で研究圃場を管理し続ける職員の健康対策は長年の課題です。
そこで,果樹研究部では,現場からの切実な要望に配慮して,本年度から,エアコン付きジャケットを貸与しています。
左側の写真は,右側の男性と左側の女性の服が膨らんでいるのが見て取れます。これが,エアコン付きジャケットです。
左から2枚目の写真にある黒い窓のようなものはファンです。
ファンはお腹の両側についています。
左から3枚目の写真にあるバッテリーにより,ファンが稼働します。
バッテリーを充電しておけば,夕方までファンを回しても大丈夫です。
着用した職員からは,「以前よりも発汗を抑えることができ,快適です。炎天下だけではなく,今日のような多湿の日にも,冷風が効果を発揮します(右側の写真)。衣類の中から作業環境が改善されて,健康保持に役立っています。」と好評です。
とは言っても,従来からの熱中症対策も怠りなく行い,健康に留意して安全な作業を宜しくお願いしますね。
(果樹研究部Nh)
平成30年7月4日 浮き楽栽培の視察対応
高知県からの視察者に「浮き楽栽培法」を紹介するのは,S主任研究員。
詳細な質問にも,分かりやすく丁寧に回答していました。
視察者からも,関心の高さがうかがえました。
当センター開発技術の一層の普及を期待しています。
(技術支援部SY)
平成30年7月2日 果樹の生育だより-(20)イチジク夏果の成熟
5月31日の研究員日記「果樹の生育だより-(5)イチジクの夏果と秋果」で昨年伸びた枝(2年枝)の節に夏果が着生することを紹介しましたが,夏果のその後の成長を確認するため,果樹研究部のイチジク園に入ってみました。
目を凝らして,生茂った枝葉の基部を見てみると,果皮が着色した夏果を見つけることができました。
左の写真は「桝井ドーフィン」の夏果で,果皮は黒っぽく,大きさは本日収穫した品種の中で最大ですが,食味は糖分が少なく,あっさり系です。
左から2番目の写真は「ネグローネ」の夏果で,果皮は本日収穫した品種の中で最も黒く,大きさは「桝井ドーフィン」に劣るものの,食味は糖分が多く,ねっとり系です。
左から3番目の写真は「セレスト」の夏果で,果皮はほんのり褐変する程度で,大きさは本日収穫した品種の中で最小ですが,食味は程良い糖分があり,さっぱり系ながら,イイ感じです。
それぞれの品種は,個性のある特徴を有し長短があり,優劣を着け難いのですが,いずれも夏果よりも秋果の着生が多い品種ですので,夏果目当ての栽培には向きそうにありませんね。
夏果主体の品種としては,右の写真にあるように,「キング」と言う名称の品種が県内のイチジク産地でも栽培されており,7月上中旬頃に市場に出回りますので,イチジクのお好きな方は,一度,ご賞味されてはいかがでしょうか。
(果樹研究部Mt&Nh)
平成30年6月29日 果樹の生育だより-(19)ブドウの防除をしないとどうなるの?
現地のブドウ園で見かけた病害虫の被害写真です。
左の写真は,ブドウの葉の被害状況です。
葉表に生じた2~3mmの小さな黒褐色の斑点は黒とう病による病斑ですが,同じ葉の中には,葉表が淡い褐色となった大型病班も生じており,この部分の葉裏一面には白い粉のようなものが見えていますが,これはべと病による被害です。
また,この写真の左上にある葉には,何かにかじられた様な数センチの穴が幾つも見られますが,これはコガネムシによって食害された跡です。
中央と右側の写真は,ブドウの房の被害状況です。
中央の写真の果粒表面の黒い部分は,黒とう病による被害です。
被害を受けた組織は成長が止まりますので,果粒の肥大に伴い,裂果しているものも見られます。
右側の写真には,褐色の枯死した房が見られますが,これは灰色かび病による被害だと思われます。
このブドウ園では,昨年まではしっかりと栽培管理がなされ,立派なブドウが生産されていましたが,本年は事情により農薬を散布出来なかったことから,様々な病害虫によって甚大な被害を受けてしまいました。
永年性作物である果樹栽培において健全な果実を毎年生産し続けるためには,病気や虫の発生時期や生態を十分に把握し,適期に適切な農薬を散布することも大切な管理作業なのです。
(果樹研究部Nh )
平成30年6月27日 トマト栽培講習会
東部農業技術指導所と連携し,トマト生産者を対象に,蔓おろし装置や天敵等を利用した総合的防除技術,病害対策などを紹介し,試験中のハウスを視察していただきました。
(技術支援部K2)
平成30年6月27日 果樹の生育だより-(18)イチジク園の多目的ネットの完成!
6月14日の研究員日記「果樹の生育だより-SOS!(9)苗木を獣&虫から守れ!」では,果樹研究部におけるイチジクの苗木をカミキリムシ等から守るために簡易なネットを設置したことを紹介しました。
果樹研究部のイチジク園では,イチジク株枯病抵抗性台木に接ぎ木したイチジクの栽培試験を本年度から本格的に開始していますので,カミキリムシ等の被害を未然に防ぐため,園全体をネットで覆うための多目的ネットの作成に春先から取り掛かっていましたが,今月末でようやく完成します。
これに伴い,先日取り付けた簡易なネットを取り外せます。
園地の脇には,かん水用の水を溜める貯水タンクも据え置きましたので,後は最後の配管を行うのみです。
これで安心してイチジクの栽培試験に取り組めます。
イチジク生産者の皆さん,5月31日の研究員日記「果樹の生育だより-(5)イチジクの夏果と秋果」にも書いていますが,4年後の成果をご期待ください。
(果樹研究部Ss&Sn&Mt&Js&Nh)
平成30年6月26日 貯水池の浮草の除去
左側の写真は,果樹研究部のかん水用の水を貯めている貯水池です。
この貯水池では,3年前にアカウキクサが異常発生して水面を赤茶色に染めたことがありました。
水草が繁茂すると水質の悪化を招きますので,職員が除去します。
アカウキクサは,3年前の懸命な除去作業のおかげで今年は発生していませんが,現在も水面に増えつつあるのが右側の写真のヒシ(菱)です。
この貯水池におけるヒシは10数年前頃から見られるようになり,毎年発生しています。
ヒシは,春になると前年に水底に沈んだ種子から発芽し,根をおろし茎が水中で長く伸びはじめ,水面に向かって伸びてきます。その後,枝分かれして,茎からは節ごとに水中根を出し,水面で葉を叢生するのだそうです。
このため,4月以降には,職員が月に1~2度,ボートに乗ってヒシの除去作業を行っています。
昔,忍者は,ヒシの実を乾燥させたものを「撒菱(まきびし)」として追手の足をとどめる小道具として使ったり,長期潜伏時の非常食として活用していたと言われていますが,ヒシの皮の抽出物には脂肪の吸収や血圧上昇を防ぐ作用があるという報告もあるようですので,ダイエットしたい方や高血圧の方のために有効活用できないものですかね。
(果樹研究部Nh)
平成30年6月25日 傾斜地の土砂崩れ対策で植えた松が育っています
果樹研究部は,東広島市安芸津町三津の小高い山の上にありますので,多くの傾斜地を抱えています。
近年は,昔に比べて,一般にゲリラ豪雨と呼ばれている集中豪雨の発生が多くなりましたので,梅雨時期には警戒が必要です。
果樹研究部の傾斜地は,2年前と8年前の梅雨時期に,集中豪雨による土砂崩れで被災しており,左側の写真は修復して2年目の状態です。
果樹研究部では,今後の対策の一環として,今年の3月に約500本の松を傾斜地の階段畑に植付けました。
中央の写真は,現在の松の生育状況です。
松は,右側の写真の白色テープがある場所に植えてあります。
この松は,広島総研の林業技術センターから提供を受けたマツノザイセンチュウに抵抗性を持つ松ですが,雑草にも負けずに,すくすくと育っています。
林業技術センターの皆さん,ありがとうございます。
このまま順調に大きくなって,果樹研究部の傾斜地をしっかりと守ってくれることを期待しています。
(Kh&Nh)
平成30年6月22日 果樹の生育だより-(17)早生モモ「さくひめ」の成熟
果樹研究部のモモ園の生育だよりは,5月30日(摘果)と6月13日(袋かけ&反射マルチ)にご紹介しましたが,今朝,果樹研究部のモモ園周辺を歩いていたら,何やらプ~ンと甘い香りが漂ってきました。
この香りに誘われて園内に入って,香りを漂わせているモモの樹を探し,果実に掛かっている袋を下から覗いてみれば,ふっくらと大きく膨らんで,お肌がほんのり紅く染まり,熟したモモがあるではありませんか!
袋を1つ破って果実全体を露わにしたら,健康的で,とても美味しそうです。
早速,モモ担当の研究員が収穫した果実を試食したら,果肉は柔らかくて,甘みが強く,ちょうど食べ頃となっていました。
「このモモは何ぁ~に?」と聞けば,農研機構が育成した早生モモの「さくひめ」だそうです。
私のイチオシのモモですので,この品種の詳しい情報が必要でしたら,当センターのホームページに掲載してある研究成果情報の,『早生で核割れが少なく,豊産性のモモ新品種「さくひめ」(農研機構育成)の広島県における栽培特性』を是非ご覧ください。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh )
平成30年6月22日 中学生の職場体験
今年も向陽中学校の生徒さんが,職場体験学習で来所されました。
梅雨空の続く中,メロンの植え付けや,畑の蒸気消毒などに汗を流しています。
今回の学習で「農業」を身近に感じてもらえれば,幸いです。
(技術支援部SY)
平成30年6月21日 果樹の生育だより-(16)カンキツの新葉を侵す虫達
6月20日の研究員日記には,高接ぎ更新により,カンキツ類の新梢を伸ばしている写真を掲載してあります。
この時期に新梢を伸長させる際には,幾つかの種類の虫に注意が必要です。
まず,左側の2枚は,アゲハの幼虫です。
茶色と白色の混じっている幼虫は,脱皮しながら大きくなりつつある途中段階(3~4齢?)のもので,葉上では様々な大きさのものを見つけることができます。
一方,緑色の幼虫は,蛹になるのが近くなっている段階(5齢)のものです。
アゲハの幼虫は貪欲に葉を食べますので,放っておけば枝が丸裸にされてしまいます。
中央の写真は,ハモグリガの幼虫によって被害を受けた葉です。
幼虫の侵入した跡が絵を描いたように見えることから,エカキムシと呼ぶ人もいます。
右側の写真は,葉が折り重ねられて,くっ付いていますが,この中にはハマキムシの幼虫が潜んでいます。
このように,この時期には,カンキツ類の葉を好んで侵す虫たちが待ち受けていますので,うっかり防除を忘れたら,大変です。
(果樹研究部Js&Nh)
平成30年6月20日 果樹の生育だより-(15)カンキツの高接ぎによる品種更新
果樹園で新たな品種を導入する方法としては,(1)以前栽培していた品種を根こそぎ抜いて,新たな品種の苗木を植えこむ場合と,(2)以前の樹を残したまま,その枝や幹に新たな品種を接ぎ木する場合とがあります。
左側の写真は,今年の4月中旬に後者(2)の方法で,カンキツ類を接木更新し,2か月経過した時の状態です。
幹に塗ってある白色の剤は,樹皮の日焼けを防止するための農薬です。
この状態から更に1年が経過すると,中央の写真のように枝が伸長し,樹が大きくなります。
後者の方法は,高接ぎ更新と呼ばれ,苗木から育てるよりも早い年次に多くの果実を結実させることができます。
ちなみに,右側の写真は,新たな組み合わせで交配した育成品種を一次選抜している畑です。
この中から有望と思える特性を有する個体を選抜し,その後,高接ぎ更新により樹を育てながら栽培特性を把握し,品種登録を行います。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年6月19日 果樹の生育だより-(14)ガラス室屋根の夏のお化粧
果樹研究部の本館前にあるガラス室3棟は,1969年に安芸津町に広島県果樹試験場が開場された時に建設されたので,既に49年を経過しています。
人間でいえば,とっくに健康寿命を過ぎていると思うのですが,厳しい予算繰りの中で辛抱強く使い続けています。
この中には,試験に用いる柑橘類の鉢植え樹が保管されているのですが,大切な試験樹を暑さから守るため,毎年5月下旬以降に行う恒例の作業があります。
写真を観て,ガラスの表面が薄っすらと白くなっているのがお判りでしょうか?
これは,代々の柑橘担当職員により受け継がれている作業で,クレフノン20倍と木工用ボンド50倍の混合液をガラスの表面に散布し,ガラス表面を白く染めることにより,わずかでも夏季の直射日光を遮ろうとしているんです。
一体どの程度の効果があるのか定かではありませんが,今年もこの伝統的な作業を既に完了しました。
屋根に薄っすらとお化粧してもらったガラス室が,梅雨空のもとで,少しはにかんでいるように思えるのは,私だけでしょうか?
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年6月18日 果樹の生育だより-(13)ナシ園の多目的ネット張り
果樹研究部には,約38a(約48×78m)のナシ園があります。
このナシ園では,果樹園に飛来してくる,夜蛾,カメムシおよびシンクイムシ等の害虫を始め,カラスやヒヨドリなどの鳥類や,極々稀に発生する雹等から果実を守るため,生育期間中には多目的ネットを活用しています。
被害時期を考えて,例年,6月に天井部分のネット張りの作業を行っていますが,この作業を効率的に行うためには多人数を要しますので,今日は約20名の職員がナシ園に集まり,合同で作業を行いました。
これで,今年も安心してナシの果実を育てることができますね。
(果樹研究部Ss&Sn&Mt&Nh)
平成30年6月18日 果樹の生育だより-(12)ハウスの天井フィルムの張り替え
果樹研究部のグラウンドにあるハウスの天井フィルムを張り替えました。
ビニルを長年使い続けると,光の透過性が徐々に低下していくことが知られています。
今回は,実に9年振りの張り替えです。
厳しい予算繰りの中で辛抱強く使い続けましたが,素材がPO(ポリオレフィン系樹脂)とは言え,長く持たせたもんですね。
これで,ハウスの中のレモンは,十分な陽光を浴びることができると喜んでいることでしょう。
このハウスには,当センターで開発された自動調光システムも導入しているので,今後の果樹研究部におけるレモン関連の成果に御期待ください。
(果樹研究部St&Nh)
平成30年6月15日 果樹の生育だより-(11)カンキツ園の防風樹「珊瑚樹」の開花
果樹研究部のカンキツ園の周囲は,防風樹として,珊瑚樹,犬槙,杉,檜等が植えられています。
このうち,珊瑚樹は,ちょうど,開花期を迎えています。
珊瑚樹に近寄ると,ブンブンと羽音が聞こえてきます。
珊瑚樹の花々には,多数のミツバチやクマバチ等が訪れ,蜜や花粉を集めていました。
(果樹研究部Nh)
平成30年6月15日 果樹の生育だより-(10)これ,何ぁ~に?
果樹研究部のカンキツ園を巡回していて,果実に小さな白い袋が掛けてあって,その基部にひもの付いている樹を見つけました。
ひもには,赤,青,薄紫などの色がついています。
これ,何ぁ~に?
5月28日の研究員日記で,「カンキツの開花と受粉」について紹介しましたが,どうもこの記事と関係がありそうです。
袋が掛けてある品種は,右側の写真に示している,果樹研究部育成の「黄宝」です。
「黄宝」は,「大橘」に四倍体「不知火」を交配して育成した三倍体品種のため,種が少ないという,優れた特性を有しています。
とは言え,「黄宝」の樹の近くに花粉のある別の品種が植えてある時にも,種ができにくいということを証明するため,開花時に特定の品種の花粉を用いて強制的に人工受粉し,成熟した時の種の数を調べようとしているのです。
ひもの色を変えてあるのは,試験に用いた花粉親の違いを区別するためです。
研究員は,生産者の皆さんに安心して「黄宝」を栽培していただけるようにするため,こうして様々な特性をチェックしています。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年6月14日 果樹の生育だより-(9)SOS!苗木を獣&虫から守れ!
果樹研究部には,今年の春先にブドウやイチジクの苗木を植えた畑があります。
6月1日の研究員日記ではナシ園に野兎が侵入した話題を紹介しましたが,畑に植えた苗木から伸びる新梢は,野生動物の絶好の餌でもあります。
左の写真では,定植したブドウ苗の葉が何者かに食害を受けています。
この畑の周囲には電柵が張り巡らされているのですが,その下に潜り込んで侵入し,悪戯した模様です。
そこで,担当の研究員は,左から2枚目の写真のように,急遽,苗木の周囲をネットで囲み,大切な試験樹がこれ以上の被害を受けないように物理的な対策をとりました。
こうした対策は,右側の写真のように,イチジクの苗木にも行っています。
こちらは,野生動物の被害のみならず,イチジクの大敵であるカミキリムシからも守る目的で設置しています。
こうした研究員の苦労が報われ,試験樹がすくすくと育ち,良い成果が得られますように…。
(果樹研究部Ss&Sn&Mt&Js&Nh)
平成30年6月14日 果樹の生育だより-(8)ブドウの摘粒と袋かけ
6月12日の研究員日記で2回目のジベレリン処理を紹介しましたが,その後もブドウは摘粒や袋かけといった作業が必要です。
果樹研究部には,本年度に初めてブドウの作業を経験する複数の職員が在籍していますので,ブドウの管理作業に係る技術を正確に継承してもらうため,ブドウ栽培担当の研究員から作業開始前に技術講習会を開催しています。
今回は,生育の進んでいるハウス栽培のブドウの房を用いて,大粒系ブドウの摘粒や袋かけのコツを伝授した後,摘粒作業に取り掛かりました。
それにしても,ブドウの管理作業は,春先からずっと腕を上げての作業が続くので,とても腕が疲れるんですよ。
作業を快適にしてくれる,安価で効果の高いアシスト装置が必要ですね。
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年6月13日 果樹の生育だより-(7)モモの袋かけと光反射マルチ
果樹研究部のモモ園では,底の空いた袋が果実に掛けてあります。
このモモ園では,この袋により果実の果頂部がピンク色に着色されるうえ,地面に敷いてある光反射マルチにより,太陽光が反射され,果実の着色が向上します。
果樹研究部では,ブドウ園にも光反射マルチが敷いてあります。
当センターホームページの研究成果情報には,「ブドウの光反射マルチ栽培導入の際の留意点」を掲載してありますので,関心のある方はご覧下さい。
なお,右側の写真は,果樹研究部が所在する安芸津町の特産果樹である,ビワの袋かけを撮影したものです。
袋の中には,摘果を済ませた果実が2つ着果しています。
安芸津のビワは,ちょうど収穫期を迎えていますので,ご購入されて季節感を楽しまれてはいかがでしょうか。
(果樹研究部Ss&Sn&Sk&Nh )
平成30年6月12日 果樹の生育だより-(6)ブドウのジベレリン処理2回目
果樹研究部のブドウ園では,先週から 2回目のジベレリン処理の適期を迎えています。
1回目のジベレリン処理時期に比べれば,ブドウの果粒が肥大し,穂軸も伸びていますので,房を浸漬する容器も大きくなっています。
左の写真から順番に説明すると,まず,2回目の処理の有無を判別するための目印として残してあった「小花穂」を切り落とします。
次いで,房をジベレリン液に漬け,浸漬後には房をしっかり振って,果粒に残っている余分な薬液を落とします。
2回目のジベレリン処理によって,果粒の肥大が促進されます。
果樹研究部のブドウ園は,ブドウ棚に簡易なビニール被覆がしてありますので,処理適期に降雨と遭遇しても安心してジベレリン処理を行うことができ,安定した効果が得られます。
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年6月12日 過酷な運命
植物に運命があるかはどうかはわかりませんが,
ハウスの中では,きれいなピンク色の花が咲いています。香りはありませんが,見ていると穏やかな気持ちになり,落ち着きます。
ところが,この花たちは,病気を防ぐ農薬の効果を確認するため,強制的に病気に感染させられるのです。
今のうちに楽しんでおきましょう。
平成30年6月7日 第23回農林害虫防除研究会広島大会を開催しました
平成30年6月4日~5日に広島県民文化センター(広島市中区大手町)で第23回農林害虫防除研究会を当センターのセンター長が大会実行委員長を務め,センター職員をはじめ,農研機構西日本農業研究センターの虫害研究員の方々,県内民間企業のご協力で開催しました。
参加者は140名を超えました。研究会では「新しい技術で害虫防除を目指す」をテーマに,植物診断技術,植物の匂いを使った害虫防除技術や画像解析技術の4人の専門家によるシンポジウムおよび16題の一般講演が行われ,盛会に終わりました。
(スタッフを務めた男)
平成30年6月1日 水稲の鉄コーティング
水稲種子に鉄コーティング処理を施しています。
直播栽培では鉄コーティング種子を直接水田に播種するため,苗作りが不要で,作業時間が短縮できます。
鉄コーティング済み種子をJAで購入することもできます。
また,専用の乗用播種機も本格的な普及段階に入っています。
皆さんも鉄コーティング種子の直播栽培の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
(生産環境研究部S)
平成30年6月1日 果樹園日記-何かいる! これ,何ぁ~んだ?
ここは,果樹研究部のナシ園。
ピョン,ピョン,飛び跳ねている?
奴は何だ!
そう,野兎です。
昼間のナシ園に迷い込んできました。
周りが山に囲まれているので,猪や鹿の被害防止のため,果樹園周辺にフェンスや電柵を設置しているのですが,野兎,狸,イタチ,ハクビシンなどは小さいので,潜り抜けて,園内に侵入してくることがあります。
野兎は可愛くて癒しになるけれど,空からは鳥達も虎視眈々と果実を狙っているし,日々,野生動物から果実を守るのは一苦労です。
ハァ~,やれんのぅ…。
まぁ,猿が出現しないのは不幸中の幸いといったところでしょうか。
(果樹研究部Nh )
平成30年5月31日 果樹の生育だより-(5)イチジクの夏果と秋果
果樹研究部のイチジク園では,新葉が次々と展開し枝が伸びつつあります。
よく見れば,今年伸びた枝(1年枝)の基に近い葉の付根から小さな丸い組織が顔を覗かせています。
まだ,小豆くらいの大きさですね。
これは,秋に成熟して柔らかくなった頃合を見て私達が食している組織で,一般には「秋果」と呼ばれています。
一方,この時期には,昨年伸びた枝(2年枝)の節からも肥大した組織の着生が見られ,こちらは既にピンポン玉に匹敵する大きさになっており,夏に成熟するため,一般には「夏果」と呼ばれています。
イチジクには,「夏果」専用種,「秋果」専用種,「夏果」と「秋果」の兼用種があり,広島県で栽培の多いイチジク品種「蓬莱柿」は,「夏果」と「秋果」の兼用種とされています。
私達は「秋果」も「夏果」も「果実」と思っていますが,厳密に言えば,これらは「花」に相当します。
果樹研究部では,全国のイチジク産地で大きな問題となっている,イチジク株枯病の土壌伝染による被害を防止するために,農研機構等との共同研究によりイチジクとイヌビワを交配して抵抗性台木を作成し,将来的な品種登録を目指して,その実用性を調査中です。
イチジク生産者の皆さん,4~5年先の朗報を御期待ください。
(果樹研究部Mt&Js&Nh)
平成30年5月30日 果樹の生育だより-(4)ナシ&モモの幼果と摘果
果樹研究部のモモ園とナシ園では,4月上旬に開花期を迎えた後,果実は順調に肥大し,現在,モモで40~50mm位,ナシで30mm前後の大きさです。
左側の写真はモモ「あかつき」の果実で,既に本摘果を終えて,当地では7月中旬頃から収穫できます。
なお,果樹研究部では,モモの最新情報として,『早生で核割れが少なく,豊産性のモモ新品種「さくひめ」(農研機構育成)の広島県における栽培特性』を当センターのホームページで紹介していますので,ぜひご覧ください。
また,中央と右側の写真はナシ「幸水」の果実で,当地では盆明け頃から収穫できます。
ナシ「幸水」の果実は,開花直後には中央の写真のように,花芽1つにつき3~4果が着生していましたが,現在は右側の写真のように,花芽1つにつき1果に揃えてあります。
この作業は,開花後1か月以内に行われる作業で,予備摘果(一次摘果)と言います。
予備摘果後には,果実の大きさ,形および付近の着葉状況を勘案して,枝1本あたり3果程度から1果を残す,仕上げ摘果(二次摘果)が必要です。
ナシの摘果は,開花後1か月以内に仕上げ摘果まで完了させると果実の肥大効果が高いことが判っています。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh )
平成30年5月30日 なんじゃこりゃあ !?
当センター内の圃場を見廻っていると,実験中の植物(ストックの葉の上)に,なんだか怪しげなものを見つけました。
どうやら,モンシロチョウの卵のようです。
当センターと関連企業が共同開発した防蛾照明技術。
夜行性のヤガ類の飛来は大いに防げても,
昼行性のモンシロチョウの飛来を防ぐことはできないようで・・・・・
残念 !!
(by Pica Jiro)
平成30年5月29日 果樹の生育だより-(3)ブドウの開花とジベレリン処理
果樹研究部のブドウ園では,先週から今週にかけてブドウの開花期を迎えています。
「巨峰」や「ピオーネ」などの大粒系ブドウは,花穂の全ての蕾が咲ききった時(満開時~満開3日後)に左側の写真のように,ジベレリン液に浸漬し,種を抜く処理をします。
ジベレリン処理は,品種や目的によって時期や処理濃度が異なりますので使用に際しては注意が必要です。
中央の写真は,ジベレリン液に浸漬したばかりのブドウの房の状態です。
この房は,処理前に花穂の先端部のみを残すように切り込んで,蕾の数を事前に減らしています。
この作業を房づくり(花穂整形)と言います。
満開10~15日後には,右側の写真のようになりますので,今度は果実を太らせるために,もう一度ジベレリン液に浸漬させます。
その後,粒の数を揃え,袋をかけて収穫を待ちます。
ブドウの作業は,袋かけが終了するまで,きめ細かな作業が続くので,生産者は息が抜けません。
皆さん,生産者の方が精魂込めて作られているブドウを味わって食べてくださいね。
(果樹研究部Sk&Ss&Sn&Nh)
平成30年5月29日 悪戦苦闘
近県で梅雨入りが宣言されていますが,こちらでは雨が降っておらず,合羽を着ることなく田植え作業を行いました。
毎年恒例ですが,研究員も水稲栽培に関する一連の作業を理解するために,田植え機に乗車し,自ら播種・育苗した苗を定植します。
乗車中の研究員は今年の4月に採用となった新人で,今回が初乗車。経験の長い職員が同乗し,教えてもらいながら田植え機を操作しています。
田植え機の走行した後をよく見ると,かなり曲がっています。もう2か月も経過すると,株が茂って曲りはほとんどわからなくなりますが,それまでは周囲から「誰が植えたの?」と聞かれることがありそうです。
毎年1回の作業ですので,急に技術は上達しませんが,次年度は今年の経験を思い出した作業ができるのではないでしょうか。まっすぐ植えるためには,近くの目標よりも遠くの目標を見定めることが重要です。
(前技術支援部員)
平成30年5月28日 果樹の生育だより-(2)カンキツの開花と受粉
果樹研究部のカンキツ園では,多くのカンキツ品種が5月中旬に開花期を迎え,現在は幼い果実が顔を覗かせています。
左側の真ん丸い果実の写真はミカンで,真ん中の細長い果実の写真はレモンです。
こんなに幼い果実の段階から外観の違いがハッキリしています。
右側の写真は,新しい品種を育成する目的で,雌蕊のみを残すために,開く直前の花蕾から花弁や雄蕊をピンセットで除去し,先端の柱頭という部分に花粉をつける準備をしている処です。
この後,父親である品種の花粉を柱頭に受粉し,袋をかけて結実を待ちます。
受粉し終えた果実は半分以上が落果しますが,着果した果実に含まれる種子には,目指すべき特性を有するお宝が含まれています。
これらの果実が成熟したら収穫し,種子を取り出して発芽させ,圃場で特性を検定し,目指す特性を持っている新品種を選抜します。
果樹研究部では,こうした方法でカンキツ「黄宝」など,多くの新しいカンキツ品種を育成してきましたし,現在も多くの有望系統を保有しています。
科学技術が発達した現在でも,受粉後に新しい品種を現地で実際に栽培できるまでには20年近い歳月を要しますが,近い将来,必ず良い品種を世に送り出しますので,ご期待ください。
(果樹研究部Kj&Yy&Nh)
平成30年5月28日 トマトの誘引
当センターのハウスで作業中なのは,栽培技術研究部のU主任研究員。
紐で吊り下げられたトマトの蔓を外し,一株ずつ下ろしています。
根気と慎重さを必要とする仕事です,
自動調光システムを改良するため,データの収集が続いています。
(技術支援部SY)
平成30年5月21日 センター見学会
総合技術研究所の若手研究者を中心に,
各センターの業務内容を理解し,連携して総合力を発揮するため,
それぞれのセンターが保有する技術紹介や施設見学が行われました。
これから順次全センターを巡る予定になっています。
(技術支援部 K2)
平成30年5月14日 果樹の生育だより-(1)カンキツの摘蕾・摘花
果樹研究部の圃場には,カンキツ(レモン含む),ブドウ,ナシ,モモ,イチジクが植えられており,日々様々な作業が行われています。
今日から,研究員日記をご覧の皆様に対し,果樹研究部の農作業の様子や花・果実などの生育状況を研究員が気の向くままに御紹介しますので,お気軽にご覧ください。
果樹研究部のカンキツ園では,今日が温州みかん「石地」の満開日となりました。
写真の樹は,果樹研究部が開発し,広島県内の産地への導入を推進している高品質多収が可能な主幹形と称される整枝法で仕立てた温州みかん「石地」で,昨年春に植えて2年目を迎えたばかりの樹ですが,沢山の花が着生しています。
この樹は,まだ定植2年目ですので,樹の生育を促し,主幹から多くの側枝を伸長させるためには,果実の着生を制限する必要があります。
このため,この樹を管理する研究員が蕾や花を除去しています。
この作業を摘蕾・摘花と言います。
同様な目的の作業は,果実が着生した後に植物成長調整剤を散布して人為的に全摘果する省力的な方法もありますが,樹体の生育のためにはより早い時期,つまり,蕾や花の時点で除去する方が効果的です。
カンキツの幼木は,こうした作業により,成長が促進され,すくすくと育っていきます。
(果樹研究部Ky&Tk&Nh)
平成30年5月10日 その努力と研鑽を称えて2
これは,昨年の9月に続く壮挙です(詳細は平成29年9月29日の研究員日記を参照)。
当センター所属の研究員が,これまでの担当業務の中で得られた成果を取りまとめ,めでたく学位(博士号)を取得しました。
具体的には,
生産環境研究部の星野滋主任研究員,
果樹研究部の柳本裕子主任研究員,
そして栽培技術研究部の福島啓吾副部長の3名です(写真A及び写真B下段中央)。
博士論文のテーマは,それぞれ,
「イネシンガレセンチュウの個体群動態と防除に関する研究」,
「カンキツの三倍体無核性品種の育成に関する研究
-とくに2x-4x-4x倍数性キメラの利用と倍数性判定の効率化について-」,
「トルコギキョウの安定生産を実現する吸水種子湿潤低温処理を活用した育苗技術の開発」。
現場ニーズを的確に捉えたこれらの研究成果は,現在,県内外の生産現場において,徐々にではありますが,しかし着実に活用されつつあります。
ときは5月10日の夕刻。
ところは東広島市のとあるホテルの一室‘ローズ’の間。
3名の努力と研鑽を称え,彼らを支えた技術スタッフや事務担当のスタッフをはじめ,上司や先輩,同僚,後輩,他の部署へ異動した同僚,OBなど総勢43名が参集(写真B)。
お祝いのメッセージも多数寄せられ,祝賀会は大盛況でした。
なかでも特に印象深かったのは,学位取得者が語った次の条です。
「私は研究員になったのが遅かったので,年齢に見合った仕事ができていないことに,いつも申し訳なく思っていました。しかし,こうして博士号を頂くことができたことで,自分の仕事に自信が持てるようになりました。支援していただいた先輩,同僚,技術スタッフをはじめ多くの方々に心から感謝いたします。」
研究者は,得てして‘自分勝手でわがままな人’と見られがちです。
これは,優秀な研究者の多くが「一生懸命働き,学び極めたい」という欲をもっているためにほかなりません。
確かに「自分さえよければ他人はどうなろうとかまわない」などと自分本位になれば,他人からの支援や協力をまず得られることはありません。
その一方で「欲が磨かれれば志になる」という言葉があります。
「早く年齢に見合った仕事ができるようになりたい」という欲が「志」という情熱に昇華。その情熱が周り人々の心を動かし,多くの協力と支援が得られ,その結果として学位取得に繋がったのではないかと・・・。
にぎやかで,楽しく,アッという間の一時でしたが,
“欲は磨かれ志となり,その志は多くの人々を動かす”
を改めて実感できた,とても印象深い一夜になりました。
ところで,あなたの志とは何ですか?
(by Pica Jiro)
平成30年5月9日 モスラの幼虫,現る!?
当センターと関連企業が共同開発した防蛾照明技術を紹介する展示コーナーに新たなキャラクターが登場しました。園芸作物の害虫であるハスモンヨトウとオオタバコガの幼虫をイメージした悪キャラトリオです。
と自慢げに語っていますが,私が作ったのではありません。
今回も工作が得意な技術スタッフを拝み倒して,悪役にふさわしい‘おどろおどろしさ’と‘リアリティー’を追究してもらいました。
もくろみは見事に成功した感があります。
その証拠に,お披露目の際には,当センター職員だけではなく,1階に事務所を構える西部農業技術指導所の方々も多く詰めかけ,ちょっとした人だかりができるほどでした。
写真には2匹しか写っていませんが,展示コーナーのどこかで,3匹目が睨みをきかせています。当センターにお越しの際には,是非探してみてください。
それにしても,頭をもたげた姿といい,体の縞模様といい,なかなかの出来栄えだと思いませんか?
(by Pica Jiro)
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