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研究員日記 令和3年4月~令和4年3月

印刷用ページを表示する掲載日2022年3月31日

当センターの研究員が日記を書きます。謎多き?研究員の日常を少しだけご紹介します。

平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度平成31年度令和2年度令和3年度令和4年度

令和4年3月31日 安芸津職場の退任式

玄関前での退任式退任式での花束贈呈

果樹研究部と管理第二課のある安芸津職場では,本日限りで当職場を離れる退職者1名と異動者2名の退任式を行いました。
退任式は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から,正面玄関前の広場に於いて開催されました。
本日の退任式では,果樹担当次長からの餞のあいさつ後に当該職員から個々の思いの込められた一言をいただき,感謝の花束贈呈と温かい拍手でお送りしました。
退職・異動をされる皆様には,これまで大変お世話になり,誠にありがとうございました。
(果樹研究部&管理第二課)

令和4年3月28日 三原市の関係者様,企業様,アスパラ足場管ハウスを視察

視察の様子1視察の様子2視察の様子3

三原市の関係者様と企業様が来所され,ハウスアスパラガスの導入について協議しました。
事業拡大のため,ハウスアスパラ栽培を導入するにあたり,足場管ハウスやアスパラの栽培技術および環境制御技術についての詳細を視察されました。

(栽培技術研究部 S&K)

 

令和4年3月24日 果樹の生育が一段と進んでいます

ジョイント仕立てのモモ「さくひめ」の開花状況マメナシの開花状況
ナシ園でのSS防除

3月3日の研究員日記では,果樹研究部にある,農研機構育成の早生モモ品種「さくひめ」や,例年ほぼ同時期に動き始めるマメナシの花芽が,ようやく芽が膨らみ始めたばかりであることを紹介しましたが,ジョイント仕立てのモモ「「さくひめ」のピンクの花は先週末から,マメナシの白い花は今週から開花し始め,春の訪れを感じさせてくれています。
もっとも,前記の早咲き系統以外のモモやナシの主要品種は,やっと芽が膨らんで芽先の緑がやっと顔を覗かせ始めたばかりのため,本日はナシの発芽時ころの防除が行なわれていました。
当部の落葉果樹の研究圃場は,これから何かと忙しくなりそうですね。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)

令和4年3月18日 春の訪れを招く,カンキツ「瑞季」の爽やかな香り

瑞季の果実分析調査瑞季の果実分析調査その2

果樹研究部のある東広島市安芸津町近辺では,先週末から日最高気温が15℃を越えて一段と春めいた日々が続いていましたが,今日はあいにくの春雨でやや肌寒く感じられ,寒の戻りのような気温となっています。
このため,当部における今日の作業は屋内作業が主体となっており,実験室内では,当部で育成されたカンキツ品種「瑞季」の果実分析調査が行われていました。
露地栽培の「瑞季」は4月に入って収穫期を迎えるのですが,今日分析中の果実は,2月22日の研究員日記で紹介したハウス栽培のもので,寒波被害を受けること無いように,氷点下を避けるための最低限の加温を施して育てた果実です。
実験室内には,カンキツ系の爽やかな香りが漂っており,思わず食欲をそそられました。
皆さんも,当部のお奨めカンキツ品種「瑞季」を生産してみませんか?
(果樹研究部Kj&Km&Tk&Nh)

令和4年3月11日 ミカン園で春草の花が彩り始めました

ミカン園にナズナ等が開花

冬から春への季節の移り変わりとなる立春から春分までの時期に,広い範囲で初めて吹く南寄りの強い風とされる,「春一番」は,昨年は当地で2月20日でしたが,今年はいまだ発表されておらず,春の便りが待ち遠しいころとなりました。
1月27日の研究員日記では,果樹研究部におけるレモンの加温ハウス内が春の陽気のようだと紹介しましたが,当地では,この冬の外気が例年よりも低く推移したためか,露地栽培のカンキツ園での春の兆しは昨年よりも遅いように感じます。
そんな中,南に面したミカン園の一角には,ナズナやホトケノザの花が咲き始め,地表面を白や紫で彩り始めました。
当部のカンキツ園にもやっと春の息吹が感じられるころとなりましたよ。
(果樹研究部Nh)

令和4年3月10日 トマトのハイワイヤー仕立ての誘引作業も軽々可能とする電動走行昇降台車が完成

女性スタッフ作業の様子レール上を走行する自動昇降台車
ボタン操作稼働部

トマト用の電動走行昇降台車については,3月10日の記事で少しご紹介しているところですが,今回は,この台車の特集を組んでみました。
足場管ハウスの高さを生かしてハイワイヤー栽培をしているトマトですが,ワイヤーの高さは最高で2.6メートルあり,高所も作業できる台車が必須でした。
しかし,既製品は50万円以上と高価であるため,自作することに。。設計から始まり,ひとつひとつ部品を集め,時にはネジも自作し,試行錯誤を重ねること○か月。ついに完成し,ただ今トマトの足場管ハウスで大活躍しております。

スペックのご紹介♪
○ボタン操作でレール上を前後に走行,昇降可能
○電動コードレス使用
○リチウムバッテリーで静穏
○最大100センチ昇降可能
○緊急停止ボタンで安全性にも配慮
○スイッチオン時は,LED点灯で切り忘れ防止
○電圧表示によりバッテリー残量確認機能付き
○稼働部にはベアリングを使用

作業する女性スタッフの手がワイヤーに届く高さまで上がります。今までの,踏み台を登り降りしながらの作業と比べて,体への負担がほとんどなく,高いところも良く見えるので管理の精度も上がります。特にこれからの暑い季節,体力の消耗もかなり軽減されるのではないでしょうか。農業女子でも楽勝です。
また,台車の色濃いピンクは女性作業者の希望を採用し,背景の緑によく映えて気分も上がります!
只今2号機を製作すべく,使用しながら改良点を洗い出し中です。乞うご期待!

令和4年3月10日 令和4年度農業技術センター成果発表会を開催 成果発表会や現場の栽培圃場を見学

圃場見学環境制御技術圃場見学足場管ハウス方屋根式自動調光システム&アスパラガス高畝栽培レール上を走行する自動昇降台車

3月10日に当センターの成果発表会が開催されました。
成果発表会では,足場管強靭ハウス,トマト,アスパラガス,ホウレンソウなどの昇温抑制技術などの環境制御技術についてその成果や効果が紹介されました。
その後,参加者の方々が,実際のトマト・アスパラ栽培状況や足場管ハウス,環境制御システムを,真近で見学されました。
時間の限られた中,十分にお伝えしきれない部分もありましたが,足場管ハウスの強靭性や開口部の広さ,自由設計のしやすさなど,感じでいただけたのではないでしょうか。
当センターでは,足場管ハウスで,環境制御システムによる栽培技術の数々を実証展示しています。また,トマトの足場管ハウスでは,レール上を走行する自動昇降台車も製作し,足場管ハウスの高さを生かしたハイワイヤー誘引栽培にも対応しています。
見どころがたくさんの当センターの栽培技術に興味がおありの方は,是非お気軽に見学にお越しください。

令和4年3月10日 寒冷紗除去でカンキツ樹にも春の陽射し

寒冷紗除去前のカンキツ樹寒冷紗除去後のカンキツ樹

12月24日2月21日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ樹を寒さから守るために12月に寒冷紗の被覆を開始し, 2月まで樹体が寒冷紗に覆われていることを紹介しました。
二十四節気では,先週末に「冬籠りの虫が這い出る」ことを告げる「啓蟄」を過ぎ,外気が次第に暖かくなってきましたので,当部の露地栽培のカンキツ研究圃場では,樹体から寒冷紗を取り外す作業を先週から開始しています。
この冬は例年よりも気温が低温で推移したので,樹体の寒波被害が気がかりでしたが,カンキツ樹は葉の緑色が少し退色気味ではあるものの,今のところ比較的元気な姿を見せてくれています。
ここに来て,やっと葉に十分な陽光を浴びた,当部の研究圃場のカンキツ樹が,今年も活躍してくれることを願っています。
(果樹研究部Km1&Km2&Dm&Yn&Nh)

令和4年3月8日 果樹研究部の傾斜地を守る「広島スーパー松」

①階段畑に植えた「広島スーパー松」の生育

果樹研究部は,東広島市安芸津町三津の小高い山の上にありますので,多くの傾斜地を抱えており,過去には梅雨時期の集中豪雨による土砂崩れで2度被災しています。
このため,当部では,防災対策の一環として4年前に林業技術センターから提供を受けて,傾斜地の階段畑にマツノザイセンチュウに抵抗性を持つ松である,「広島スーパー松」を約500本植付けました。
お陰様で,これらの松は,当部の階段畑になんとか定着し,傾斜地を守ってくれています。
このまますくすくと育ち,階段畑が松で覆いつくされる日が早く来てもらいたいですね。
(果樹研究部Nh)

令和4年3月7日 ナシ園やモモ園で急ピッチの発芽前作業

①ナシの剪定②発芽前のモモ防除

3月3日の研究員日記で紹介した通り,果樹研究部における今年の落葉果樹の芽の動き出しは過去2年間よりも随分と遅いようですが,当部のナシやモモの研究圃場では,時折,強い風が吹き抜ける中,春までに済ませるべき諸作業を急ピッチで行っていました。
ナシ園では,2月24日の研究員日記で紹介した改植作業を優先したため,遅れていた剪定作業を行っていました。
剪定作業は,圃場管理上の継承すべき重要な技術ですので,ベテラン職員が新人に付き添って,基本的な技術を説明しながら経験を積ませていました。
一方で,モモ園では,来るべき発芽期に向けて,発芽前の農薬散布を行っていました。
春に向けた準備は着々と整いつつあります。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)

令和4年3月3日 桃の節句

①モモ「さくひめ」の1年枝先端の葉芽②マメナシの花芽③モモのジョイント仕立て栽培

早くも3月となり,今日は雛祭り。
モモの花が旧暦の3月3日ごろに咲くことから「桃の節句」とも言われますね。
とは言え,果樹研究部のモモ園では,最も芽の動きが早い品種「さくひめは,過去2年間には2月中旬に枝の先端の芽が動き始めたのですが,今年は3月に入って微かに葉芽が割れ始めたばかりです。
また,例年,モモ「さくひめ」とほぼ同時期に動き始めるマメナシの花芽も同様で,ようやく芽が膨らみ始めたばかりです。
当地における今年の1月中旬以降の平均気温は,過去2年間の値に比べて約2.5~2.7℃も低いため,このことが芽の動き始めの時期を遅らせている要因なのでしょうか。
なので,今後,平年並みの気温推移だと,今年のモモの開花は過去2年間よりも1~2週間遅くなるかもしれませんね。
当部のモモ園におけるジョイント仕立て栽培のモモ樹が薄っすらとピンク色に彩られた花で咲き誇る時期が待ち遠しいですね。
(果樹研究部Nh)

令和4年2月24日 ナシ園の改植が進んでいます

①改植中のナシ園②改植園での根の掘り取り③畝立て用の培土運搬

果樹園の改植作業は多大な労務を要するため,比較的労務量にゆとりが生まれる初冬から春先に作業が行われます。
果樹研究部における今年の改植作業は,樹体ジョイント仕立てを実証展示しているナシ園で今月中旬に一部の樹が伐採・伐根され,より魅力的で必要度の高い研究圃場づくりを進めています。
今週は,伐根跡地の土壌をパワーショベルで掘り上げて,土中に残った根を除去後,畝立てまでの作業を行っていました。
このように,当部では,必要に応じて研究圃場を計画的に改植し,研究成果の実証展示や新たな研究課題の推進に向けて準備しています。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)

令和3年2月22日 樹上で成熟中のカンキツ「黄宝」と「瑞季」

①ハウス内での着果状況(黄宝)②黄宝③瑞季

2月21日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ研究圃場にある露地栽培の樹体は寒冷紗で覆われていることを紹介しました。
このため,当部における露地栽培のカンキツ園では,園周辺のみに防風樹の緑色が見られ,園内には寒冷紗の白色が目立つため,少し寒々しい印象を受けます。
しかし,当部のハウス内には,黄色くて大きな果実がたわわに着生している園もあります。
そのハウス内では,当部で育成され,品種登録の完了している,ブンタン系品種の「黄宝」や「瑞季」のほぼ成熟した果実が着生し,収穫を待っています。
これらの2品種は,春を迎えて完熟するタイプで,当部が推奨する有望品種でもありますので,寒波被害を受けること無いように,氷点下を避けるための最低限の加温を施し,大切に樹上に残してあります。
今後,両品種をカンキツ産地で多くの方々が生産してくださることを期待しています。
(果樹研究部Kj&Nh)

令和4年2月21日 果樹の研究圃場は今…

①寒冷紗に覆われたカンキツ樹②剪定後のモモ園の様子③粗皮剥ぎ後のブドウ樹

二十四節気では,先週末の19日に「空から降る雪が雨に変わるころ」とされる「雨水(うすい)」に入りました。
昔から「雨水」のころには草木が生え始め,農耕の準備を始める目安とされています。
果樹研究部のある安芸津では,19日には雪まじりの雨が降り,まさに「雨水」の時候通りの天候でした。
今朝の安芸津職場には薄っすらと雪が積もっている冬景色が見られたとは言え,季節は次第に冬を抜け出しつつあります。
当部の露地栽培のカンキツ樹にはいまだに防寒用の白い寒冷紗に樹体が覆われており,春を感じることのできる様子は見られませんが,落葉果樹の研究圃場では,モモでは剪定,ブドウでは剪定に加えて粗皮剥ぎを完了し,着々と春に向けた準備が進んでいるのが見てとれます。
カンキツ樹でも寒冷紗が取り除かれて,緑の葉が直に陽光を浴びている様子を見ることのできる日が待ち遠しいですね。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)

令和4年2月8日 粗大枝置場の整備

①開始前の打合せ②雑草刈り取り&雑木剪定
③高所での剪定作業

1月24日2月7日の研究員日記では,果樹研究部での防風樹の刈り込み作業を紹介しましたが,当部では果樹の剪定や防風樹の刈り込み等により,切り取った粗大枝が冬場を主体に大量に発生します。
当部では,こうした粗大枝を集めて細断処理等を行っていますが,新たな仮置場を整備する必要が生じたため,本日の午前中に職員総出で整備作業を行いました。
新たな仮置場は,敷地の奥まった不便な場所にあり,近年の研究圃場の縮小に伴いしばらく未使用の園地であったため,そこに至る道路周辺には雑木が生い茂っており,園地の草刈りに加えて,道路周辺の雑木の刈り取り等に勤しみました。
当初は道路上に枝が繁茂し,車が通りにくい鬱蒼とした状況でしたが,多数の職員が共に半日も作業すれば,見違えるようにスッキリとしましたよ。
新たに整備した粗大枝置場を大切に使いたいですね。
(果樹研究部)

令和4年2月7日 防風樹の刈り込み Part2 高所作業車での作業を開始

①高所作業(遠景)①高所作業(拡大)③刈り込み枝の片づけ

暦の上では既に春の始まりとされる「立春」ですが,先週末には瀬戸内海沿岸部でも雪が舞う肌寒い天候でした。
まだまだ寒さが厳しい時候ですが,果樹研究部のある瀬戸内海沿岸部では,既に水仙や梅の花が咲き始めており,少しずつ春が近づいている兆しも見られ始めています。
1月24日の研究員日記で紹介した当部での防風樹の刈り込み作業は,自走式の小型高所作業機で届く範囲の中低位置の刈り込みを完了し,今月から高所作業車での作業に切り替わっています。
例年,花粉症に悩まされる身としては,この時期になれば杉等からの花粉の飛散が気になりますが,この刈り込みによって,せめて当部敷地内にある杉や檜の花粉の発生源だけでも少なくなってくれればと密かに期待しています。
(果樹研究部Km&Mk&Nh)

令和4年1月27日 レモンの加温ハウス内は春の陽気

加温ハウスに咲くレモンの花

果樹研究部の所在する瀬戸内沿岸における今朝の空は晴天のため,肌を刺すような厳しい寒さは感じませんでしたが,暦の上では,ちょうど今の時期は,二十四節気の「大寒(だいかん)」で「寒の中日で,一年で最も寒い時期」とされ,七十二候では「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」と称される時期で「流れる沢の水も凍りつく厳寒の時期」とされます。
戸外に出て外気に触れるとまだ肌寒さを感じる中,当部でレモンを栽培している加温ハウスに入ってみれば,むっとするような湿度と春の陽気が感じられ,ちょうどレモンの花が開花していました。
この加温ハウスのレモン樹は,今月初旬ころから開花し始めたようですが,加温栽培は露地栽培に比べて開花期が揃いにくいため,まだチラホラと開花中の花を見ることができ,一足早い春の訪れを味わうことができました。

令和4年1月24日 防風樹の刈り込み作業を開始しました

地面からの刈り込み小型高所作業機での刈り込み

果樹研究部の研究圃場の周辺には,珊瑚樹,犬槙,杉,檜等の樹木によって防風樹が植えられています。
これらの防風樹は,繁茂しすぎた枝葉の刈り込みが必要ですが,この作業は,例年,比較的労務に余裕のある冬季に行っています。
なので,本年度も今月から刈り込み作業を開始しました。
今日は,手の届く範囲にある低い位置の枝葉を地面から,少し高い位置にある枝葉を自走式の小型高所作業機に乗って刈り込んでいました。
当部では,各園地に防風樹が設置されていますので,来月末ころまで防風樹の刈り込み作業が続きそうです。
(果樹研究部Km1&Km2&Yn&Dm&Nh) 

令和4年1月14日 暖地の安芸津職場も薄っすらと雪化粧

安芸津職場に雪が舞う風景薄っすらと雪化粧

果樹研究部のある安芸津職場は,瀬戸内海沿岸部に位置し,県内では比較的温暖な地域ですが,昨日の午後は冬将軍の南下により,雪が舞う天候でした。
このため,今朝,職場に出勤したら,暖地の安芸津職場でも久々に薄っすらと雪化粧となっていました。
こんな朝には近辺の路面の凍結も多かったようで,通勤時に渋滞に巻き込まれてふだん以上の通勤時間を要したため,途上でイライラしながら車を運転された職員も多かったようです。
今朝の晴天の空を眺めて気分を転換し,今日一日,スッキリした気分で業務を進めたいですね。
(果樹研究部Nh)

令和4年1月13日 分散勤務

分散勤務の様子

「『まん延防止等重点措置』の適用に伴う新型コロナ感染拡大防止のための集中対策」を踏まえ,果樹研究部でもテレワークの活用や休暇の取得による実出勤者の7割削減に取り組んでいますが,並行して部内のメンバーを2班に区分し,執務室と会議室の2箇所に別れて,分散勤務も行っています。
私は,本日が会議室での勤務日ですので,農業用のビニール資材,パッカー,直管パイプ等を活用して設置されたビニールカーテンにより,室内をさらに2分割された会議室内で勤務しています。
通常であれば,部員14名が一つの執務室で勤務しているのですが,この会議室には,広い空間に入室している人員が数名のため,スペース的には伸び伸び出来て極めて快適です。
でも,ちょっと静寂過ぎて物足りなさも感じますね。
早く通常勤務に戻せる日が来て欲しいものです。
(果樹研究部Nh)

令和4年1月5日 寒の入り

八朔母樹への稲藁巻き主幹形仕立ての八朔

二十四節気では,今日から小寒とされ,寒の入りですね。
これから立春までの約1か月が1年間で最も寒さが厳しい季節とされます。
12月2日12月14日12月24日及び12月27日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ研究圃場で昨年末までに様々な防寒対策を行ったことを紹介しましたが,この年末年始には県内に何度も寒気が流入しているので,寒の内も気が抜けません。
当部の敷地内では,12月18日午前3時ころから-2℃を下回った時間帯が約1時間出現したとともに,12月26日午後11時ころから翌朝8時ころまでの間は-3℃を下回り,12月27日には最低気温-4.8℃まで低下しました。また, 年明けにも,1月1日午前2時ころに-2℃を記録しており,研究圃場のカンキツ樹の中には,現時点で軽い寒害を受けた樹が既に散見されています。
本県原産の八朔では,昨年3月に旧三原圃場から当部に移植した,ステムピッティング病に強い母樹や,主幹形に仕立てた紅八朔等にも稲藁を巻いて最低限の防寒対策を行っていますが,当部の研究圃場にあるカンキツ樹には,これ以上の寒害を受けずに,なんとか春まで持ちこたえてもらいたいものです。
(果樹研究部Nh)

令和4年1月4日 仕事始めは配管パイプの漏水修理から…

①老朽化対策の完了した外付け階段②水道管工事②水道管工事-2

新年おめでとうございます。
果樹研究部と管理第二課のある当センターの安芸津職場は,昭和44年の開設から53年目を迎えています。
この間,広島県における果樹の研究組織は安芸津にあることが関係者に浸透したのと裏腹に,施設自体は長年の経年劣化で老朽化が進んでいます。
庁舎東側の外付け階段は,老朽化対策が昨年末に完了し,やっと通行禁止が解除され,利便性が向上して喜んでいた矢先,今度は地中に配管されているパイプからの漏水が発覚し,多数の職員による急遽の修繕工事で仕事始めとなりました。
今後も突発的な予期せぬ事態が新たに発生するかもしれませんが,今年の干支「壬寅(みずのえ・とら)」の意味,「陽気を孕み,春の胎動を助ける」にあやかって,力を合わせて乗り切っていきたいですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年12月27日 カンキツの防寒対策 Part4 簡易加温ハウスによる防寒

①暖房機と簡易加温ハウス

12月2日12月14日及び12月24日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ研究圃場での防寒対策として,幼木への稲藁の巻きつけ,果実への袋掛け及び樹体への寒冷紗の被覆を行ったことを紹介しました。
現在,本県にも厳しい寒波が襲来していますが,今年は,当部で露地栽培しているブンタン類の一部の樹体に対し,気温が氷点下を下回らないようにするため,暖房機と共に簡易加温ハウスも設置しています。
取りあえず,先週末までに講じたこれらの寒波対策が有効に機能し,大切なカンキツ試験樹が無事に新年を迎えてくれることを願っています。
(果樹研究部Km1&Km2&Dm&Yn&Nh)

令和3年12月24日 カンキツの防寒対策 Part3 樹体への寒冷紗の被覆

①寒冷紗被覆中②寒冷紗被覆後

12月2日12月14日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ研究圃場での防寒対策として,幼木への稲藁の巻きつけや果実への袋掛けを行ったことを紹介しました。
当部のカンキツ研究圃場では,例年,12月中旬からカンキツ樹体への寒冷紗の被覆を開始していますが,今年は諸事情により被覆作業が遅れています。
天気予報によれば,今週末から来週前半にかけて強い寒気が本県にも流れ込み,この時期としては記録的に強い寒気が長く続く,寒波の襲来が見込まれており,当部では,急ピッチで寒冷紗の被覆を進めています。
まさに「師走」の言葉通り,走り回るような多忙な年の瀬を迎えています。
今冬は,大切なカンキツの試験樹が昨冬のような寒波被害を受けることなく,無事に春を迎えてくれることを願っているのですが,まずは今回の寒波を何とか凌がねば…。
(果樹研究部Km1&Km2&Dm&Yn&Nh)

令和3年12月23日 福山の企業と新規就農者さんアスパラハウス・足場管ハウスを視察

アスパラガス圃場見学圃場見学

福山でアスパラガスの生産も手掛ける企業と新規就農者さんが,JA福山の職員の方と東部農業技術指導所の普及指導員の方とともに,足場管ハウスとハウスアスパラガスの栽培技術を視察されました。
土壌水分状態の計測・モニタリング技術や日射に基づき遮光資材を自動開閉する自動調光システムなどの環境制御について研究員から聞き取りをされました。
(栽培技術研究部 S)

令和3年12月21日 三原市の集落営農法人様がアスパラハウス・足場管ハウスを視察

圃場見学アスパラガス見学圃場見学の様子

三原市の集落営農法人様が,JA三原,東部農業技術指導所の普及指導員の方とともに,来所され,足場管ハウスやハウスアスパラガスの栽培技術を視察されました。
足場管ハウスの施設に関心がおありとのことで,ハウスの特徴や,施工に関する詳細を聞き取られました。このハウスは側窓が大きく開き,夏は外気温と同等の涼しさになるため,植物や人間にも優しいといえます。
他にも,収穫作業等,作業者の身体への負担が少なく作業時間も短縮できる(楽で速い)高畝栽培や,土壌の乾燥に応じて自動で灌水する自動灌水指令装置・日射に応じて遮光資材を開閉する自動調光などの環境制御技術についても研究員から説明がありました。
なお,自動灌水指令装置とデジタルテンションンメーター,自動調光の制御装置は,県内の農業資材等を取扱われている大信産業株式会社から販売中です。
また,自動調光技術については,広島県が特許を保有しており,本制御内容を有する機器の開発・実用化・販売をお考えの企業様はご一報ください。
(栽培技術研究部 S)

令和3年12月20日 公務災害防止のための職場研修会

①公務災害防止研修会

本日の午後,果樹研究部のある当センター安芸津職場に勤務する職員で「公務災害防止のための職場研修会」を実施しました。
私たちが日々の業務を遂行する中で,作業に潜む危険に留意しているつもりでも,思わぬ災害に遭遇してしまうことがあります。
このため,災害は誰にでも起こりうることを意識し,再発防止につなげるにはどうしたらよいかを,当職場における過去の公務災害を素材として,危険が認識できているか,対策を実行できているか等について,事例ごとに参加者全員で意見を交わしながら,足りていなかったことを共有しました。
元プロ野球監督の故・野村克也さんも好んで使用していた,心形刀流・松浦静山の「常静子剣談」にある一文で,「勝ちに不思議の勝ちあり,負けに不思議の負けなし。」は,スポーツの試合後の反省によく用いられる教えです。
果樹担当次長による閉会のあいさつで,この一文の『負け』を『公務災害』と置き換えて,「公務災害に不思議の公務災害なし。」との一言も説得力のある言葉でしたね。
公務災害にも必ず理に適わない原因があると思いますので,災害事例に向き合い,十分に分析・検討し,見つめなおすことを通して今後の業務に生かし,公務災害ゼロの職場づくりを目指したいですね。
(果樹研究部&管理第二課)

令和3年12月14日 カンキツの防寒対策 Part2 果実への袋かけ

果実袋(茶)果実袋(緑)

12月2日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場に植えてある,露地栽培のカンキツ幼木に対して,防寒対策の第一弾として稲藁を巻きつけたことを紹介しました。
当部の研究圃場にあるカンキツは年内に果実を収穫してしまう品種が多いのですが,「瑞季」や「黄宝」等のブンタン類は年明け後の厳寒期にも樹上に着果させておく必要があります。
当部の研究圃場は,県内のカンキツ産地の中では比較的寒さが厳しい立地条件にあるため,厳寒期以降まで樹上に着果させるカンキツ品種に対し,果実に袋かけを行って寒さ被害を回避させており,今年も先週から試験用の果実に袋かけを開始しました。
このように,当部では,試験用のカンキツ果実を冬場の寒波被害から守るため,細心の注意を払い,一手間かけて大切に育てています。
今年の冬には,昨冬のような厳しい寒波が襲来しないことを願っています。
(果樹研究部Km1&Km2&Dm&Yn&Nh)

令和3年12月9日 山形JA庄内みどり遊佐園芸センターの生産者さんが圃場を視察

20211209 JA山形遊佐 圃場視察JA山形遊佐 圃場視察

山形県のJA庄内みどり遊佐園芸センターの生産者さんが来所されました。
ハウスアスパラガス,ハウス促成トマトの栽培状況,足場管ハウスを視察されました。
アスパラガスについては,主に,病害虫管理や立茎方法について,トマトについては,夏場の高温対策やハウスの強風対策について聞き取られました。
また,環境制御技術や足場管ハウスについても熱心に耳を傾けられていました。
(栽培技術研究部 U S)

令和3年12月6日 珍果実 「角…?鼻…?それとも…???」

①(上~)広島果研11号(横~)広島果研11号③(正面~)広島果研11号

果樹栽培に携わっていると,様々な形状の珍果実に出会うことがあります。
この研究員日記では,昨年度までに,仏の手,スマイリーフェイスやモヒカン頭に見えるレモン,ハート形状のブドウ・ミカン・イチジク等,おもしろい形をした果実を紹介してきました。
本年度の研究員日記でも,5月13日にはイボ状の小さな突起物のあるレモン,6月1日には双子のモモ,9月6日には出べそなミカンの果実を見つけたことを紹介しましたが,今回は,果樹研究部で「サザンレッド」と「清見」を掛け合わせて育成され,「マイルド清見」の名称で市場流通している,カンキツ品種「広島果研11号」の珍果実です。
先週,カンキツ担当の職員が,本品種を収穫中に,蔕付近の果皮組織の一部が突出している果実を見つけました。
この果実は,真上から見ればユニコーン(一角獣)の頭に生えている角のように,真横から見れば西洋人の鼻のようにも見えます。
では,真正面から見たら,どんな物に見えるのでしょうか?
私には,レモン果頂部の突起を先頭にして,ミカンの果皮から今にもレモンの赤ちゃんが生まれ出ようとしているファンタジーな瞬間に見えますが,皆さんには,どのように見えますか?
どのような物に見えたかによって,あなたの欲望と品位が問われそうですねぇ~。
(果樹研究部Km&Nh)

令和3年12月3日 中晩生カンキツ類が着色してきました

①八朔②レモン③瑞季

11月30日の研究員日記では,果樹研究部で主幹形栽培している温州ミカン「石地」を収穫したことを紹介しましたが,カンキツの研究圃場では,レモンや八朔を始めとして,ブンタン類の「瑞季」や「黄宝」等の中晩生カンキツ類が鮮やかに着色してきました。
当部では,これからカンキツ類の収穫や調査に追われそうです。
露地栽培のカンキツ園で果実の収穫が進み,園内のオレンジ色や黄色の彩が少なくなってくると,今年も当部のカンキツ樹への寒冷紗被覆等の防寒対策が本格化します。
(果樹研究部Nh)

令和3年12月2日 カンキツの防寒対策 Part1 カンキツ幼木への稲藁巻き

高接したレモン幼木への稲藁巻き育成中のカンキツ幼木

気象庁は,ラニーニャ現象の影響で,この冬には日本周辺に寒気が流れ込みやすくなっていると予報しています。
このため,県内のカンキツ生産地の中で最も北に位置し,小高い山の上に研究圃場がある果樹研究部では,大切なカンキツ試験樹を冬の寒波で枯らすことのないように,防寒対策には何かと気を使わなければなりません。
このうち,カンキツ幼木には,稲藁で冬用のコートを着せれば,防寒対策完了です。
当地でも朝夕の冷え込みが一段と進んできましたので,11月中旬ころから露地栽培の研究圃場に植えてあるカンキツ幼木に稲藁を巻きつけ始めました。
高接ぎした開心自然形仕立てのレモン幼木や育成系統の各種幼木等,寒さに弱いカンキツ類の幼木には,既に稲藁の巻きつけを完了しています。
当部では,露地栽培しているカンキツ樹に対して,2冬連続の寒波被害を回避するために,着々と冬支度を進めています。
(果樹研究部Km1&Km2&Dm&Yn&Nh)

令和3年12月1日 樹上でたわわに実る散在樹の渋柿

①樹上に残る渋柿(遠景)軒下に吊るされた干柿

「次第に寒さが厳しくなってきたなぁ~」と思っていたら,今日から12月を迎えました。
戸外での作業には防寒着が必要な季節になりましたね。
11月25日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場に植えてあるブドウ,ナシおよびモモの樹がほぼ落葉したことを紹介し,「今年は,安芸津職場で落葉果樹の果実を樹上で見ることは,もう無いだろう…」と思っていたら,獣害対策で敷地周辺に設置してあるフェンス際に,ポツンと植えられた晩生系統の渋柿が,ほぼ落葉しているにもかかわらず,収穫されないまま,たわわに実っているのを見つけました。
果樹に長年携わってきた習性か,例え生産目的で栽培管理されていない散在樹であっても,12月に入って落葉果樹の樹に果実がたわわに実っている姿を見ると,何だか嬉しくなってしまいます。
時節柄,思わず干柿にして食べたくなりましたよ。
(果樹研究部Nh)

令和3年11月30日 主幹形栽培の温州ミカン「石地」を収穫

石地の収穫

11月8日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある早生や中生の温州ミカンの果皮のオレンジ色が目立つようになってきたことを紹介しましたが,今日は主幹形栽培の温州ミカン「石地」を収穫しました。
広島県内で発見された「石地」は,高糖度で美味しいだけでなく,浮皮が少なく貯蔵性も良いことが知られていますが,当部が開発した主幹形栽培で育てれば早期成園化連年安定多収が可能です。
本県のカンキツ生産者の皆さん,ぜひ,この品種と栽培法を導入しませんか。
(果樹研究部Km&Sk&Nh)

令和3年11月29日 ゴミの分別方法の再確認と清掃

全体説明缶の分別ゴミ置き場の清掃

果樹研究部と管理第二課のある安芸津職場では,先週末に産業廃棄物を業者に持ち帰ってもらいましたが,一部のゴミは一般廃棄物ということで引き取ってもらえない状況が生じ,処分できませんでした。
そこで,早速,本日の仕事開始に先立って,職員が廃棄物置場付近に集合し,産業廃棄物と一般廃棄物の分別の学習を兼ねて残った廃棄物をゴミ袋に移すとともに,廃棄物置場を清掃しました。
これで,私たちの頭の中も廃棄物置場もスッキリしました。
(果樹研究部&管理第二課)

令和3年11月29日 アスパラガスの紅葉が美しい時期です

アスパラガスの紅葉

気温が下がりはじめ、アスパラガスの地上部の生育が緩慢となり葉が黄色く枯れ始め(色付いて)てきました。
このころからハウスのサイド(側窓)を開けっ放しにして、植物体を寒さにあてていきます。
完全に地上部が枯れるまでは十分に光合成させ、たくさんの養分を根に蓄えさせた後に、刈り取ります。
これは、来年の早春から,おいしくみずみずしいアスパラを収穫するための重要な工程です。
来春が楽しみですね。
(栽培技術研究部 S)

令和3年11月26日 ハウスでアスパラ栽培を!ハウスアスパラガス栽培・足場管ハウスを視察

足場管ハウスの見学アスパラガスハウス栽培見学

現在ホウレンソウを栽培する生産者が,今後,新たにハウスアスパラガス栽培を希望されており,当センターの足場管ハウスやハウスアスパラ栽培を視察に来られました。 当センターで実証している足場管ハウスや,高畝栽培,自動灌水指令装置やモニタリング技術等を紹介しました。
(栽培技術研究部 S)

令和3年11月26日 果樹の白紋羽病防除対策に係る研修会

既に剪定が進みつつある世羅大豊農園ナシ白紋羽病の防除対策実習

本日,農業技術指導所が主催する,果樹の白紋羽病防除対策に係る研修会で講師を務めるため,果樹研究部のある安芸津職場から世羅台地の大規模ナシ農園に出張しました。
11月4日の研究員日記で紹介したように,今月初旬に世羅台地を訪れた際に黄変していたナシの葉は,いずれの品種も落葉が完了しており,農園では既に剪定作業が始まっていました。
研修会では,農業技術指導所やJAで果樹の生産技術の指導に携わる技術者,農業技術大学校で果樹栽培について学ぶ生徒および白紋羽病の防除に関心の高い生産者らを対象として,午前中は,室内で「果樹白紋羽病の発生実態と防除対策-ナシの事例を中心として-」をテーマとした講義を行い,午後からは,現地のナシ園で本病の防除実習を行いました。
午前中の講義では,現地で直面している白紋羽病の発生事例を基に,より安定した防除効果を得るための対策について真摯な意見交換がなされ,午後の実習では,寒風が吹き抜けるナシ園で,参加者全員がスコップやホーレー等でナシ樹の周辺土壌を掘り上げた後に殺菌剤を灌注処理する防除対策を体験しました。
本日の研修会で得た知識や体験が,参加者の今後の現場での生産活動に生かされることを願っています。
(果樹研究部Nh)

令和3年11月25日 神石高原町生産者さんが、夏秋トマトハウス栽培での昇温抑制技術・足場管ハウスを見学

自動調光システムの見学昇温抑制装置を設置したハウス

神石高原町の生産者さんと、東部農業技術指導所の普及指導員の方が来所、夏秋トマトのハウス栽培や足場管ハウスを見学されました。
標高の高い現地でも近年,夏季の高温,強日射により,トマトの果皮の割れやひび等が生じやすくなっているとのこと。その対策として、ハウス内の昇温抑制技術にについて紹介しました。 主には,日射量により遮光資材が自動開閉する自動調光技術(広島県が特許を有しています)や細霧冷房技術などを研究員が詳細を紹介し,生産者の方は熱心に聞き取られていました。
(栽培技術研究部 U)

令和3年11月25日 冬の兆し Part4 ブドウ,ナシ,モモの落葉

ブドウの黄変葉ナシの落葉状況モモの落葉状況

11月12日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ園の片隅に試験用の種子採取目的で植えてある,ミカン科のカラタチが落葉したことを紹介しました。
その後,一段と冷え込みが強くなった本日のお昼休みに安芸津職場の敷地内を散策していたら,ブドウ,ナシ,モモの樹もほぼ落葉しているのが目につきました。
いよいよ,冬到来ですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年11月16日 深まりゆく秋 Part3 モミジの葉が紅い彩を見せつつあります

玄関前のモミジ西側駐車場のモミジナシ園横のモミジ

11月4日の研究員日記では,世羅台地のナシのほとんどの樹の葉色が既に黄変していたことを紹介しましたが,ここに来て果樹研究部の敷地内3か所に植えてあるモミジの葉が紅い彩を見せつつあります。
当部にあるモミジの樹は,まだ薄っすらと緑色を残す葉がちらほらと覗いているため,「引き立って美しい」とまでは言えず,「映える」という言葉は相応しくありませんが,当地でも秋が深まりつつあるのを感じさせてくれます。
モミジの葉が一段と鮮やかな紅色に染まり,目を楽しませてくれるのが待ち遠しい季節になりましたね。
(果樹研究部Nh)

令和3年11月12日 福岡県農業技術指導所の農業技術普及指導員様来所,アスパラガスのハウス栽培・足場管ハウスを視察

研究員日記2021 1112①アスパラガス

福岡県の農業技術指導員の方が来所されました。当センターのホームページやセンターニュースをご覧になり、アスパラガスハウス栽培の技術先進地として視察を希望されたとのことです。
香川県が開発した高畝栽培や施設内の環境制御技術などについて,研究員が詳細を丁寧に説明し,興味深く聞き取られていました。
(栽培技術研究部 S)

令和3年11月12日 冬の兆し Part3 カラタチの落葉

カラタチの葉カラタチの黄変葉落葉し始めたカラタチ

果樹研究部でカンキツ類が栽培されている研究圃場の片隅に,カンキツの台木として利用されるカラタチが,試験用の種子採取目的で植えてあります。
カラタチはミカン科の植物ですが,常緑果樹の温州ミカンとは異なり,落葉果樹に属します。
カラタチの葉は,特有の三つ葉の形状をしており,当地では毎年10月下旬ころから葉が黄変してきます。
今年も先週末までは黄変した葉が樹上に着いていましたが,今週始めの降雨以降に一段と気温が低下したためか,冷たい風が吹き始めると同時に,カラタチは一気に落葉してしまいました。
ほとんどの葉が落ちて長い刺の露出したカラタチの樹を眺めていると,寒々した樹姿に冬が間近なのを痛感しますね。
(果樹研究部Nh)

令和3年11月8日 温州ミカンの果皮のオレンジが目立つ季節になりました

石地の果実開心系の石地主幹形の石地

10月11日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある温州ミカン「興津早生」の果皮がほんのりと黄色く色づき始めてきたことを紹介しましたが,ここに来て早生や中生の温州ミカンの果皮のオレンジ色が目立つようになってきました。
果実形質を調査した研究員によれば,「早生ミカンは今週半ば以降には収穫できそう」とのことでした。
昨日には立冬を迎え,暦の上では冬の兆しが見え始めるころとなり,本格的にミカンを楽しめる季節がやっと到来しましたね。
(果樹研究部Sk&Nh)

令和3年11月5日 冬の兆し Part2 寒冷紗の修繕

①寒冷紗の修繕作業

昨冬の1月上旬に襲来した厳しい寒波は,果樹研究部の研究圃場で栽培しているカンキツ樹に激しい被害をもたらしました。
当部のある安芸津職場は,県内のカンキツ生産地の中で最も北に位置するうえ,小高い山の上に研究圃場がありますので,レモン等の寒さに弱いカンキツ樹に対して,冬の寒さの被害を防ぐために,毎年,12月ころから寒冷紗を掛けています。
このため,当部では,カンキツ樹への寒冷紗被覆作業に向けて,毎年10月ころになると,作業の合間を縫って,寒冷紗の修繕作業を行っています。
今年も先週から寒冷紗の修繕作業が始まりました。
この作業は,秋から初冬にかけての当部での恒例の作業であるため,まさに「冬の兆し」を感じさせる風物詩であり,この作業が始まると「今年も冬が近づいて来ているんだなぁ~」と思います。
カンキツ担当の職員は,カンキツ樹に対して12月に暖かい防寒着(=寒冷紗)を着せるために,着々と修繕作業に取り掛かっていますよ。
(果樹研究部Nh)

令和3年11月4日 深まりゆく秋 Part2 世羅台地のナシ葉は既に黄変しています

世羅のナシ葉当部のナシ葉

10月21日の研究員日記では,秋の深まりにつれて果樹研究部のブドウやイチジク等の落葉果樹を扱う作業が次第に目立たなくなり,カンキツの果実分析調査等の作業が増えつつあることを紹介しました。
本日,現地調査のために世羅台地のナシ園を訪れたら,ナシのほとんどの樹の葉色が既に黄色く変化していました。
当部のナシ園の葉色は,温暖な瀬戸内沿岸部にあるのでいまだ緑色を保っていますが,標高の高い世羅台地では秋の深まりが早いですね。
気象予報では,今週末の降雨が過ぎたら県内の気温は一段と低下するようなので,当部のナシ園の葉色も来週辺りから緑色から黄色への変化が加速しそうですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年11月1日 秋の一斉清掃

玄関前の刈り取り法面の草集め貯水池周辺の草集め

季節の変遷は早いもので,今日から11月に入り,1週間先には立冬を迎えます。
6月28日の研究員日記では,果樹研究部のある安芸津職場の職員が蒸し暑い気候の中で一斉清掃を行ったことを紹介しましたが,当職場では,今日が秋の一斉清掃日です。
全職員が朝一番に本庁舎前に集合し,作業手順や作業上の留意点等の確認を行った後,2班に分かれて清掃作業を開始しました。
清掃作業は,まず庁舎&貯水池周辺の法面や庭園等の屋外から開始し,その後,車庫,農具舎等の屋内に移りました。
今日は,早朝から暖かい陽射しが注いでいたため,程良い気温を感じながら順調に作業を進めることができました。
夏から秋にかけて旺盛に伸びた雑草を刈り取った後には,敷地内が遠目からも綺麗に見て取れるだけでなく,気持ちの良い汗を流すことができて心もスッキリしましたよ。
(果樹研究部&管理第二課)

令和3年10月26日 中国電力が足場管ハウスを視察

足場管ハウス見学研究員から説明を受ける様子説明を受ける様子

中国電力株式会社エネルギア総合研究所の方々が来所され,現地実験圃場や研究室等,当センターの取り組みなどを視察されました。
また,昨今のSDGsに伴い,これらの取り組みに関する共同活動について協議を行いました。
中国電力は、SDGs脱炭素社会の実現に向けて、発生したCO2を大気中に排出される前に資源として有効活用する、「カーボンリサイクル」の技術開発に取り組まれており、農業分野での、植物の光合成におけるCO2の有効活用に着目しておられます。
当センターでは、環境制御技術のうち,光合成を最大限とするための光合成に必須のCO2の制御技術についても技術開発を行っており,良い連携ができることを期待します。
(栽培技術研究部 K U S)

令和3年10月25日 冬の兆し Part1 冬鳥の飛来…?

果樹園周辺のネット電柵果樹園で捕獲したヤマシギ

7月19日8月10日8月24日の研究員日記では,果樹研究部の敷地内で見つけた珍客を紹介しましたが,先週末には,当部の果樹園周辺に張り巡らしているネット電柵に嘴(くちばし)を突っ込んだ状態で動けなくなっていた,珍しい鳥を見つけました。
この鳥は,体長が40cm近くあり,頭,胸,背中には褐色に黒と白が混ざったような羽毛が生え,何といっても,長くて真直ぐな嘴が特徴的です。
この種の鳥を当部の果樹園で見かけるのは初めてでしたので,鳥の種名を調べてみたら,「山鴫(やましぎ)」のようです。
日本では,北海道夏鳥,本州中部以北と伊豆諸島留鳥西日本では冬鳥とのことですので,彼(彼女?)は遠方から飛来してきて,空腹のため,当部の敷地内に降りて餌を探していたのでしょうか?
暦ではいまだ10月ですが,冬鳥の飛来は,当部で見つけた,最初の「冬の兆し」ですね。
捕獲した時には少し弱っていた様子でしたので,そっと捕獲して敷地外に逃がしてやりました。
達者で暮らせよぉ~!
(果樹研究部Yk&Nh)

令和3年10月21日 深まりゆく秋

樹上での西条柿の熟し果ブドウ選果イチジク果実分析調査カンキツ果実分析調査

10月4日,5日7日11日の研究員日記では,果樹研究部の敷地内で見られた秋の兆しについて紹介しましたが,当部の敷地の境界付近にポツンと佇む,西条柿の実は,既に樹上で赤みの濃い熟し柿になり,次第に秋が深まっているのを感じさせます。
日中は,つい先週末まで半袖でも支障が無いほど温暖でしたが,今週に入って一気に気温が低下し,半袖が長袖に変わったのみならず,上着をもう一枚羽織る必要が生じてしまいました。
気温の推移では,急に秋が深まった感がありますが,部内の作業を見渡すと,これまでは,ブドウの選果やイチジクの果実分析調査等,落葉果樹を扱う作業が多く見られていましたが,ここにきてカンキツの果実分析調査等も増え始めています。
これから実験室でカンキツの香りが頻繁に漂うころになると,当部の職員は秋の深まりを一層意識するようになるのでしょうねぇ。
(果樹研究部Nh)

令和3年10月14日 果樹研究部での普及指導員研修

イチジク株枯病抵抗性台木の説明ブドウ生産技術の説明
カンキツ主幹形の説明

本日,農業技術指導所に勤務する新規採用の普及指導員養成研修に果樹研究部の職員が対応しました。
果樹研究部長からは当部の概要や研究課題に加えて育成者権の保護制度等を説明し,その後,各樹種の担当研究員から,イチジクでは「株枯病抵抗性台木の実用化に向けた取組」,ブドウでは「光反射マルチ栽培」,「着色向上技術」及び「根域制限栽培に係る技術」,モモでは「ジョイント仕立て栽培」や「早生品種『さくひめ』の広島県での栽培特性」,カンキツでは「『瑞季』,『黄宝』及び『イエローベル』等の新品種育成」,「ウンシュウミカン『石地』の栽培技術」及び「レモンの貯蔵栽培に係る新技術」について,実験室や研究圃場での実証展示物等で紹介し,意見交換しました。
出席した普及指導員の中には,果樹以外の専門に関わる職員も含まれていましたが,いまだ暑さの感じられる秋の1日を果樹の先端技術の勉強に集中していました。
これを機に,参加された普及指導員の皆さんと当部の研究員との関わりが更に深まっていくことを期待しています。
(果樹研究部)

令和3年10月11日 秋の兆し Part4 早生ミカンが黄色く色づき始めました

[遠景]果皮が黄色くなりつつある興津早生ミカン①[近景]果皮が黄色くなりつつある興津早生ミカン

10月4日10月5日および10月7日の研究員日記では,果樹研究部のある安芸津職場の敷地内で見つけた「秋の兆し」について紹介しましたが,今回もその続きです。
当部のカンキツ研究圃場では,早生の温州ミカン「興津早生」の果皮の緑色が少しずつ抜けてきて,ほんのりと黄色く色づき始めています。
このミカンが成熟して,園内がオレンジ色に彩られるのは11月中旬なので,そちらは「冬の兆し」ということになりそうですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年10月8日 無防除樹のミカン果実で発生が目立つ炭疽病

樹上での炭疽病発病果樹冠下に落ちた炭疽病発病果

9月24日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で6月以降の積算降水量が平年の2倍近くに達したため,「前回散布後から1か月または積算降水量200~250mmに達した時点で黒点病に効果のある殺菌剤を追加散布」の考え方を基本とした防除対応では,9月下旬までの黒点病の追加防除が計3回となったことを紹介しました。
当部では,ミカンの慣行防除樹と無防除樹を用いて黒点病の発生予察調査を行っていますが,殺菌剤をしっかり散布している慣行防除樹での発生は今のところ認められていませんが,無防除樹では例年以上に黒点病が多発しています。
加えて,無防除樹では,ミカンの陽光面に発生する炭疽病も例年以上に多発しています。
巡回調査のため7~10日間隔で無防除樹を訪れているのですが,8月下旬ころから毎回,樹上や樹冠下で新たな炭疽病の発病果を見つけています。
今年は,ミカンを栽培している県民の方からの技術相談でも話題に出ることがあるので,防除が不十分な樹では夏季の多雨により本病原菌の感染機会が多かったようですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年10月7日 秋の兆し Part3 獣除けのフェンス上で天日干しされる稲藁

稲架干し天日干し柵にかけた稲藁天日干ししている様子

田園地帯では,秋になると,収穫した稲藁を束ねて稲架(はぜ)と呼ばれる横木に吊るしているのをしばしば見かけます。
この時期には,これと同じ作業が果樹研究部の敷地内でも繰り広げられますが,少し異なるのが天日干しの場所です。
当部では,当センターの八本松職場から,稲穂を取り外した稲藁を分けてもらって安芸津職場まで持ち帰った後,猪や鹿除けのフェンスに稲わらを掛けて天日干しを行っています。
なので,当部のフェンス上に新しい稲藁が天日干しされているのを見かけると,「秋の兆し」を感じます。
こうして天日干しにより乾かした稲藁は,果樹の株元に敷き詰め,雑草の抑制や土壌の乾燥防止として有効に活用しています。
(果樹研究部Nh)

令和3年10月5日 県外企業も足場管ハウスを視察

県外企業の施設見学県外企業の施設見学(アスパラガス)

ユハラグループ,東阪工業株式会社が、当センターに来所され、足場管ハウスを視察されました。
今後の事業を含め、足場管ハウス施工方法やハウスの部材等の詳細を見学されました。
(栽培技術研究部 K)

令和3年10月5日 秋の兆し Part2 風になびくススキ&地面に落ちた栗の毬

貯水池の法面のススキ地面に落ちて裂けた栗の毬

10月に入り,朝晩の冷んやりとした空気に心地良さを感じる季節になりましたが,日中は30℃近くまで気温が上がる日が続いています。
お昼休みに果樹研究部の敷地内を散策していたら,貯水池の法面に繁るススキや,当部の北端の敷地に植えてある栗の樹の下に落ちている毬(いが)が目に留まりました。
風になびくススキや,地面に落ちた茶色の栗の毬を眺めながら歩いていると,秋の到来を実感しました。
(果樹研究部Nh)

令和3年10月4日 秋の兆し Part1 黄色く熟した西条柿&銀杏の実

熟した西条柿の実黄色く色づいた銀杏の実
10月に入ったとは言え,日中はまだ暑さを感じますが,陽射しは随分と和らいできました。
果樹研究部の研究圃場では,カンキツ,ブドウ,ナシ,モモ,イチジクが研究対象として栽培されていますが,この他にも季節特有の果樹は無いものかと,調査で研究圃場を巡回する際に辺りを見渡してみれば,当部の敷地の境界付近にポツンと佇む,西条柿と銀杏の実が,いずれも黄色く熟していました。
秋ですねぇ~!
(果樹研究部Nh)

令和3年10月1日 広島の八朔ブランドを支えた母樹の移植半年後の姿は…?

①移植半年後の八朔母樹1①移植半年後の八朔母樹

本年3月8~12日の研究員日記及び,センターニュースNo.132号では,広島県の八朔ブランドを支えた2種類の母樹を果樹研究部の三原圃場から安芸津の敷地内に移植したことを紹介しましたが,それから約半年が経過しました。
2種類の母樹は,移植時点で樹齢50年以上の老木となっていたうえ,地上部と地下部を激しく切り込んで移植したため,この間,新天地での再生の成否が気がかりでした。
移植後には,夜な夜な鹿による新芽の食害を受けたこともありましたが,職員によって大切に栽培管理がなされたことにより,なんとか生き延びて再生が図られています。
当部を訪れた際には,是非,広島の八朔ブランドを支えた母樹をご覧ください。
(果樹研究部)

令和3年9月24日 今夏の多雨によるカンキツ黒点病の追加防除は3回目です

カンキツ黒点病果実病斑手散布

8月23日9月15日および9月21日の研究員日記では,5~8月までの多雨により,ブドウやイチジクで特定の病害等が例年以上に目立つことを紹介しましたが,カンキツではどうなのでしょうか?
カンキツ黒点病は,開花後から11月ころまで降雨があると感染しますが,6~9月に雨が多くなると特に注意が必要です。
本病防除における薬剤散布時期の慣行基準は,「前回散布後から1か月または積算降水量200~250mmに達した時点で追加散布」が基本とされており,果樹研究部では,特にこの期間の降水量に注意を払って薬剤防除を行っています。
今年は,6月以降の積算降水量が平年の2倍近くの約1100mmに達したため,今週までの本病の追加防除は計3回となりました。当部でのカンキツ栽培における殺菌剤の追加防除は,例年なら台風接近による,かいよう病の追加防除が1~2回程度だけなのですが,黒点病のためにこれだけ追加防除した年は初めてです。
今夏の多雨は,カンキツの生産にも少なからず悪影響を与えていますね。
(果樹研究部Nh)

令和3年9月22日 虹

果樹研究部の東の空に架かる虹

昨日は午後に雨がパラツキましたが,雨上りの夕方に果樹研究部から東の空に大きな虹を見ることができました。
虹は,当地ではなかなか出会えない珍しい現象なので,当部の東の空に虹が見られたのは1年半ぶりです。
昨夜は中秋の名月だったので,雨が上がって良かったです。
今回の虹は,2つに見えるダブルレインボーではありませんでしたが,まるで天と地の架け橋のように思えますね。
虹を見れば何か縁起の良いことが起きるような気がして,密かに期待してしまいます。
(果樹研究部 Nh)

令和3年9月21日 今夏の多雨により現地イチジク園で目立つ病害

イチジク灰色かび病(果実)イチジク疫病(果実)イチジク酵母腐敗病

果樹研究部では,広島県特産であるイチジク「蓬莱柿」の産地の維持と拡大を目指してイチジク株枯病抵抗性台木の実用化に取り組んでいます。
8月23日9月15日の研究員日記では,5月~8月までの降雨が多かったことから,当部のブドウにべと病や裂果が例年以上に目立つことを紹介しましたが,ちょうど収穫シーズン真只中のイチジクには,今夏の多雨による影響は無かったのでしょうか?
現地のイチジク生産者等からは,「葉の早期落葉や果実の腐敗が多い」との声を聞くことがありましたので,幾つかの現地イチジク園を調べてみれば,これまでは灰色かび病や疫病による葉の褐変,早期落葉と果実腐敗に加え,酵母菌とショウジョウバエが関与する酵母腐敗病による果実腐敗の発生が例年よりも多いように思えます。
やはり今夏の多雨は,イチジクの生産にも悪影響を与えているようです。
イチジク「蓬莱柿」の生産は10月末ころまで続きますので,今後の天候は安定して欲しいですね。
(果樹研究部Mt&Nh)

令和3年9月16日 ブドウの薬剤防除試験 Part3 無防除区の成熟果房はいかんに…?

ブドウ晩腐病開花後に殺菌剤不散布の果房

6月14日6月18日の研究員日記では,果樹研究部でブドウの主要病害虫に対する薬剤防除試験を行っていることを紹介しましたが,今回はその続報です。
今回の試験は,ブドウが着房している辺りの棚面の上部にビニールが被覆されている研究圃場で,開花後から6月下旬まで殺菌剤を処理し,その後に袋掛けを行った果房を対象に,収穫期における発病を調べました。
この試験では,開花後に殺菌剤を全く散布しない区(=無防除区)を設けていますが,この区では雨が直接に果房に当たり果粒自体が濡れる機会はほとんど無かったにもかかわらず,晩腐病を始め,うどんこ病等の病気が多発したため,商品価値の高い果房はありませんでした。
このため,開花後に殺菌剤を全く散布しなかったブドウ樹では,適正な枝梢管理や着粒管理をした上でビニール被覆や袋掛け等による物理的な防除法を行っても,成熟時には極めて商品性の劣る果房になることを改めて実感しました。
(果樹研究部Mt&Nh)

令和3年9月15日 この夏に多いブドウの裂果

袋の汚れブドウの果粒の裂果

8月23日の研究員日記では,5月~8月までの降雨が多かったことから,果樹研究部のブドウ園で直接雨が当たる箇所の葉にべと病が例年以上に目立つことを紹介しました。
当部のブドウは目下収穫の最中ですが,収穫時にブドウの果実袋を見れば,一部に黒ずんだ染みが見られることがあります。
このような袋を外してみれば,顆粒が裂果し,腐敗しているものも見られます。
黒ずんだ染みは,裂果により染み出た果汁が袋を伝い,そこに雑菌が繁殖して汚れた様です。
ブドウ顆粒の裂果が例年よりも多いことも,この夏に例年以上の雨が集中した影響のようですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年9月6日 トマトの苗を植えました!

トマトを植えている様子ハウス外部の様子ハウス内部の様子

各種環境要因のモニタリングはもちろん足場管ハウスや,土壌水分の乾燥状態により,自動的に灌水する灌水制御装置「灌水操作さん」や,自動で日射量に応じて遮光資材を開閉できる「自動調光システム」など,最新のICT技術をそろえた環境制御ハウスでトマトの苗を植えました。(詳しくは農業技術センターNewsをご覧ください。)
当センターでは,ICT機器を活用した増収技術の開発や支援をこれからも進めていきます。
(技術支援部 K)

令和3年9月6日 珍果実 「でべそなミカン…?」

でべそなミカン僅かに突出したミカン

5月13日の研究員日記では,果樹研究部で貯蔵試験に用いていた調査用のレモンの中に,小さな丸い突起物のある変わった形状の果実を見つけたことを紹介しましたが,今回は,温州ミカンの珍果実です。
本日,盆前ごろに比べて柔らかくなった陽射しを浴びて温州ミカン園で補正摘果を行っていたら,果頂部の先端が1cm近く突出した果実を見つけました。
温州ミカンでは,果頂部の先端に1~2mm程度の突出がある果実は比較的高頻度で見ることができますが,今回ほどの突出は初めてです。
ここまで大きく突出した果皮組織がある果実は,打ち身等で傷ついて傷みやすいだけなので経済的なメリットは全くありませんが,珍しいので摘果せずに樹上に残し,しばらく様子を観察することにしました。
それにしても,何が原因で,このような突出した果皮組織ができるのでしょうねぇ~???
(果樹研究部Nh)

令和3年8月24日 防風樹で見つけた招かざる客

暴風樹内にできたスズメバチの巣

8月10日の研究員日記では,果樹研究部でブドウを栽培しているハウス内で小さな野兎を見つけたことを紹介しましたが,今回は圃場周辺での招かざる客の発見です。
職員が獣害防止対策のために,イチジク園周辺にネット電柵を設置しようとして,周辺の除草や防風樹の枝を切込んでいたら,防風樹の高さ2m位の奥まった位置に30cm位の玉状に形成された,スズメバチの巣を発見しました。
スズメバチの巣は,一昨年の秋にも当部の敷地内で数多く発見されましたが,今年も巣作りが盛んなのでしょうか?
蜂の巣を駆除する業者に問い合わせたら,「今年は,昨年以上の駆除依頼がありますよ。」とのことでしたので,これから秋にかけて,蜂の襲来による被害のないように,農作業の際には要注意ですね。
(果樹研究部Yk&Nh)

令和3年8月23日 この時期にブドウ園やナシ園で散見される病害虫

ブドウ葉におけるべと病被害ナシ葉を加害するハスモンヨトウ幼虫

果樹研究部では,研究圃場における病害虫の発生を定期的に調査しています。
簡易被覆栽培のブドウ園では,ビニル被覆の下にある葉はほぼ健全ですが,5月~8月までの降雨が多かったことから,被覆外の棚面に伸長した葉には,べと病が例年以上に目立ちます。
多目的ネットで覆われているナシ園では,昨年多発したハスモンヨトウの幼虫が今年も葉を加害しているのが散見されます。
いずれの果樹園とも,これまでに初発を確認次第,追加防除を行ってきましたが,年次によって多発しやすい病害虫も異なるため,最後まで気を緩めることができませんね。
(果樹研究部Nh)

令和3年8月16日 台風通過と前線の影響で果樹研究部の貯水池は満水です

満水の貯水池
7月27日の研究員日記では,果樹研究部の貯水池で昨夏の8月末にメインポンプからの水の汲み上げ利用ができなくなり,9月から外部に出向いて取水した苦い経験を踏まえ,この夏には当部の渇水対策を強化していることを紹介しました。
とは言え,この夏は,昨夏と一変して,先週からの台風通過と前線の影響で当部の貯水池は満水です。
これなら,今年の渇水を心配する必要はなさそうですね。
とりあえず一安心です。
(果樹研究部Nh)

令和3年8月10日 網掛け栽培のブドウ園で見つけた珍客

ブドウハウス周辺の獣除けの電柵等入口付近のネットに空いた穴ハウスの隅に追いやられた兎

7月19日の研究員日記では,果樹研究部の溜池でヌートリアらしき獣を見つけたことを紹介しましたが,先週末には,当部でブドウを栽培しているハウス内で小さな野兎が飛び跳ねていました。
このハウスはネットで覆われており,ハウス周辺には獣害対策用の電柵に加え,小動物を寄せ付けないためのネットも張り巡らせていたのですが,一体どこから侵入したのでしょうか?
出入り口らしき所を探してみれば,ハウスの地際付近のネットが破れていて,この野兎が通れそうな大きな穴が開いている箇所を見つけましたので,この破損箇所から侵入したのですね。
当部の果樹園では,野兎に限らず,稀に小鳥の巣作りや,イタチ等の小動物による果実の被害を見ることがありますが,この度の野兎はブドウに加害した気配はなかったので,ブドウ園の隅に追い詰めて捕獲し,敷地外に逃がしてやりました。
もうすぐナシやブドウの収穫が始まりますが,今年の生産物には,小動物による被害がありませんように!
(果樹研究部Yk&Nh)

令和3年8月6日 企業2社がアスパラ圃場を視察

アスパラほ場見学施設見学

県内企業2社が,足場管ハウスやアスパラガス栽培技術について視察されました。
今後の事業拡大のため,アスパラの栽培に興味をお持ちとのことです。
収穫作業を軽労化する作業台車に腰掛け,作業のイメージをしながら,研究員の説明に耳を傾けておられました。
(栽培技術研究部 S)

令和3年8月5日 「三次市スマート農業推進協議会」(三次市,JA三次)と甲奴町の生産者さんが圃場視察

スマート農業見学

アスパラの環境制御栽培に取り組む,「三次市スマート農業推進協議会」(三次市,JA三次)の皆様,現地で本技術の実証をしている甲奴町の生産者様が,アスパラハウスの栽培技術と足場管ハウスを視察されました。
現地では,7月2日に足場管ハウス内にアスパラガスを定植し,栽培を開始されています。
(栽培技術研究部 S)

令和3年8月5日 今年最初の台風対策

夏のカンキツ防除

昨夏はお盆までに本県への台風の接近が無かったのですが,今年は4日に台風9号が発生し,今週末か週明けに本県への接近が予報されているため,果樹研究部では今年最初の台風対策として,今日からカンキツ類やモモの緊急防除を開始しました。
炎天下での果樹の防除は散布者にとって大変辛い作業であり,今回の防除を担当してくれる職員に感謝です。
ここしばらくの間,当部のある安芸津地域では酷暑と無降雨の日々が続いているため,今回の台風9号が暴風を伴わずに,お湿り程度の雨をもたらしてくれることを願います。
今年も,これから始まる台風シーズンにしっかりと備えなければいけませんね。
(果樹研究部Nh)

令和3年7月27日 大信産業株式会社さんが当センター圃場にてハウス栽培,環境制御技術について社内研修

施設見学の様子

尾道市の農業資材取扱い企業が,社内研修の一環で,当センターの圃場を視察されました。
当社は,農業用資材等の総合商社で,当センターで開発した自動調光システムを取り扱っており,今後は自動灌水指令機や足場管ハウスの資材の取り扱いや施工を行う予定です。
自社で扱う製品について,顧客からのどのような質問にも対応すべく,制御システムが,現場でどのように使用されているか実際に目で確認しながら,研究員に熱心に質問されていました。
また,最新の機器や,パソコン,スクリーン等を備えたスペースのある足場管ハウスに,驚かれる場面もみられました。
(栽培技術研究部 K)

令和3年7月27日 果樹研究部の夏季渇水対策強化中

既に設置しているタンクタンク周辺の灌水パイプ設置中

果樹研究部のある安芸津町近辺では,例年なら8月上旬~9月上旬の間に約150mm降雨があるのですが,昨夏には,この期間に10mm程度の降雨しかありませんでした。
このため,昨夏は,当部の貯水池の水位が低下し,8月末にはメインポンプからの水の汲み上げ利用ができなくなったため,9月から安芸津町内にある浄水センターや八本松町にある当センターまで出向いて取水を行いました。
当部では,こうした渇水対策の必要となる事態が過去にも5年に1回程度の頻度で発生しています。
その都度,タンク等の貯水機能のある水槽を確保して研究圃場周辺に配置し,水槽内に注水後に近場から果樹への潅水を実施できるようにしつつ急場を凌いでいます。
今年も水槽の増設等により渇水対策を強化しているところですが,できることなら,本年の夏は,これらのタンクをあまり活用しなくても済む状況であって欲しいものです。
(果樹研究部)

令和3年7月26日 「アスパラガス環境制御 現地研修会」

環境制御圃場の見学

農業技術センターでハウス内環境を制御することで,県内平均単収(約600kg/10a)の8倍増収(4.8t/10a)を達成できるアスパラガスの栽培技術を組み立てました。「三次市スマート農業推進協議会」が本技術の現地実証の取組を開始し(詳しくは,6月25日の研究員日記をご参照ください),7月上旬に施設・設備が完成し,無事定植を終えました。この度,協議会の関係者を対象に実証圃場のお披露目会と現地研修会が開催されました。アスパラガスでは県内初となる「軒高足場管ハウス」や,「自動調光システム」,「自動灌水システム」といった高単収化には欠かせない環境制御機器を導入しており,三次市長をはじめとする関係各所の方々に圃場の様子をご覧いただくとともに,農業技術センター研究員を講師に多収に欠かせない栽培技術と環境制御について研修を行いました。
(栽培技術研究部Kk)

令和3年7月20日 果樹研究部のゼミ

新規採用職員の発表令和3年度研究功労者表彰の受賞者の発表

果樹研究部では,人材育成の一環として,部内外の研究者を講師としたゼミを行っています。
いまだコロナ禍の最中でもありますので,今回のゼミは,万全のコロナ対策を行いつつ,少人数で開催しました。
今回の講師は部内の2名の研究員が務め,最初に,今年度から当部に配属になった新規採用職員が大学時代に取り組んだ卒業論文テーマである,『シードバンク機能の評価:福岡演習林に保存された種子標本を対象とした発芽能力の検証』を発表し,その後,7月2日の研究員日記で紹介した令和3年度研究功労者表彰の受賞者が, 『消費者ニーズに対応した県特産カンキツの新品種育成- 倍数体及び無核紀州型無核性を利用した育種を中心に-』を発表しました。
今後も,ゼミ等で様々な知見を得ながら,今後の研究に生かしていきたいと思います。
(果樹研究部Js&Kj&Ok&Nh)

令和3年7月19日 溜池に出没したのは…?

亀池ヌートリア

果樹研究部には,落葉果樹の潅水用の水源確保のため,貯水池の用水を一時的に移して濾過する目的で造られた池,通称「亀池」と呼ばれる溜池があります。
亀池は木立に囲まれており,ふだんは人があまり近づかない林地の一角にありますが,今朝,職員が池に近づくと何やら見慣れない動物が悠然と泳いでいました。
いったい何者…?
この池の近くでは,以前から「大きなネズミを見た」といった出没情報がありましたので,ひょっとしてヌートリア…?
ヌートリアは,岡山県や広島県等,東海地域より西の本州に定着しており,分布が徐々に拡大しているようなので,とうとう当地域にも侵入してきたのでしょうか?
それにしても,こんな山の中にある小さな溜池にまで出没するとは…。
ヌートリアの被害は,水辺に近い水稲や野菜で知られていますが,当部の果樹にも被害を及ぼすようだと駆除が必要となりそうですね。
(果樹研究部Yk&Nh)

令和3年7月16日 広島市農林整備課から足場管ハウス視察

広島市職員の見学広島市職員視察

広島市農林整備課の職員の方が来所されました。以前,来所された際も,足場管ハウスに関心をお持ちだったとのことで,今回は圃場にも立ち寄られ,じっくりと視察されました。
足場管ハウスの施工方法や調光制御指令機や自動灌水指令機など環境制御システム等について,研究員から詳細を聞き取られました。
(栽培技術研究部 N)

令和3年7月13日  梅雨明け

ミカン園から見上げた空模様

先週は,梅雨前線の影響により,果樹研究部のある安芸津でも豪雨となり河川の氾濫等を生じたため梅雨前線が立ち去るのを心待ちにしていたら,本日,気象台は,「九州北部地方と中国地方が梅雨明けしたとみられる」と発表しました。
中国地方は,平年より6日早く,昨年より17日早い梅雨明けです。
日中の蒸し暑さの中,炎天下でミカンの摘果作業をしていると,ムクムクと湧き立つ積乱雲から轟く遠雷に,まさに夏到来を実感しました。
冷たい清涼飲料を手放せない季節になりましたね。
これから本格的な暑さが続くので,しっかりと熱中症対策を行い,この夏を乗り越えたいものです。
(果樹研究部Nh)

令和3年7月6日 温州ミカンの摘果

摘果前のミカン果実の着果状況

果樹研究部の温州ミカン園では,5月に開花期を迎えた後,果実は順調に肥大し,現在3cm前後の大きさに育っています。
温州ミカンの樹は,7月に入ると生理落果が落ち着いてきていますので,樹の負担を軽減し,程良い品質の果実を生産するために,樹上に残った多すぎる果実を摘み取る,「摘果」と呼ばれる作業を行ないます。
本年は,当部の温州ミカンの樹上に沢山の果実が着果しているため,先週から温州ミカンの摘果作業を行っています。
今日は,梅雨時期特有の蒸し暑さはありましたが,曇天下で,しかも,時折微風が吹き抜ける天候であったため,摘果作業が順調に捗りました。
例年,梅雨時期には降雨で屋外の農作業が遅れることが多いのですが,昨日と今日は先週末に出されていた天気予報が外れて曇天で推移したため,摘果作業を進めるためにはラッキーでした。
(果樹研究部Nh)

令和3年7月5日 金属部品加工メーカーが足場管ハウスを視察

足場管ハウス

精密金属部品の加工を主な業種とした企業が来所れました。
自社でイチゴの高設栽培もされておられ,農業に関する情報も熱心に収集されていました。
また,足場管ハウスの自社施工も検討されており,
さらに,本業の匠の技を駆使し,自社でハウス部材の製作も可能とのことで,足場管ハウスの詳細部位を含め視察見学されました。
(栽培技術研究部 K)

令和3年7月2日 「環境制御でアスパラガス8倍増収!in 三次市」
定植と環境制御システムの導入

アスパラガス指導及び施工の様子

6月25日の研究員日記で紹介した「アスパラガス環境制御 現地で取り組み開始!」に続き,7月2日にアスパラガス苗を無事定植しました。
当センターからも現地に伺い、灌水用の配管工事、乾燥状態に応じて自動で灌水が可能な自動灌水制御盤や天候に応じて遮光資材を開閉できる自動調光システムの設置を随時指導および施工に参加しました。
当日は、生産者さんをはじめ、三次市役所や北部農業技術指導所の職員等、朝早くから大勢の方々の協力もあり、足場管ハウス2棟分,各3畝,合計6畝の定植作業もあっという間に終わりました。
引き続き、アスパラ8倍増収を達成できる技術の実証を、関係機関と協力して進めていきます。
(栽培技術研究部 S)

令和3年7月2日 研究功労者表彰

表彰状授与育成品種「瑞季」

果樹研究部の金好総括研究員が「全国農業関係試験研究場所長会」という全都道府県の農業試験場長が集まる会議から「令和3年度研究功労者」として表彰されました。
この賞は,毎年,農業関係の顕著な業績を挙げた研究者12名に対して授与される表彰で,令和3年度は金好さんがめでたく受賞されました。
業績の内容は「消費者ニーズに対応した県特産カンキツの新品種育成 ~倍数体及び無核紀州型無核性を利用した育種~」であり,4月22日の研究員日記で紹介した「瑞季(みずき)」育成等に長年取り組んできた金好さんの発想,創造性及びこれまでの学術的貢献等々が総合的に評価されたものです。
例年であれば,東京で開催される全国農業関係試験研究場所長会の場でプレゼン後に授与されますが,本年はコロナ禍のため場所長会がWebで開催されたため,先週末にセンター長が表彰状を持参され,部員の祝福の中で授与されました。
心からお祝い申し上げます。
(果樹研究部)

令和3年6月29日 2年目の普及指導員が圃場を見学

普及指導員研修研修の様子

2年目の普及指導員を対象とした研修が,当センターで行われました。研究員による講義を受講後,圃場に移動。ハウス内の自動調光システムや自動灌水指令機といった環境制御技術などについて担当研究員から説明を受けながら,ハウスを見学しました。
(栽培技術研究部 N)

令和3年6月29日 普及指導員研修

室内講義落葉果樹の研究概要説明カンキツの研究概要説明

本日,果樹研究部では,農業技術指導所に勤務する果樹担当の若手普及指導員に対する専門研修(普及指導員の2年目研修)に研究員等が対応しました。
果樹研究部長からは当部における研究課題の概要や育成者権の保護等を説明し,カンキツまたは落葉果樹の栽培や病害虫防除を担当する各研究員からは,カンキツでは『瑞季(みずき) 』,『黄宝』,『イエローベル』等の新品種育成」や「レモン等の貯蔵や栽培に係る新技術」,ブドウでは「光反射マルチ栽培」や「根域制限栽培技術」,モモでは「ジョイント仕立て栽培や「早生品種『さくひめ』の広島県での栽培特性,イチジクでは「株枯病抵抗性台木の実用化に向けた取組」について,研究圃場での実証展示物等で紹介し,意見交換しました。
今日は晴天に恵まれたため,屋外では強い日差しの照り付ける中での研修となりましたが,受講生は熱心に研修を受けていました。
これを機に,今後,当部との関わりが更に深まることを期待しています。
(果樹研究部)

令和3年6月28日 夏の一斉清掃

清掃前の集合法面の刈り払い法面の刈り払い2

本日,果樹研究部&管理第二課のある安芸津職場で一斉清掃が行われました。
全職員が朝一番に庁舎前に集合し,作業内容や作業上の留意点等の確認を済ませた後,各自の担当区域で清掃を開始しました。
まだ梅雨期間中のため降雨が心配でしたが,幸いなことに程良い曇天となりました。
厳しい炎天下ではなかったとは言え,高温多湿下での作業のため,職員は,しっかりと熱中症対策を行いながら庁舎周辺,庭園および貯水池の法面等を清掃しました。
作業中は蒸し暑さで汗だくになりましたが,休憩時に冷たい清涼飲料水を口にしたら活力が蘇りました。
作業終了後に清掃箇所を見れば,見違えるように綺麗になっており,気分は爽快です。
参加された皆さん,大変お疲れ様でした。
(果樹研究部&管理第二課)

令和3年6月25日 アスパラガス環境制御 現地で取り組み開始!

足場管ハウス自動調光システム施工中の枠板式高畝栽培

農業技術センターで広島県の平均収量(約600kg / 10a)の8倍増収(4.8t / 10a)を達成できる技術を組み立てました。
この度,「三次市スマート農業推進協議会」が現地で本技術の実証に取り組みます。生産者の意欲と市役所をはじめとした関係機関の生産振興の想いが合致し,農業技術センター視察や討議を幾度と重ねるとともに開発技術の理解を深め,本取り組みが実現しました。
導入する技術のポイントは次の三つ。
1 高軒足場管ハウス:夏の換気効率が良
2 自動調光システム:温度と光の強さに応じて,自動で遮光資材を開閉し,光合成を低下させることなく,強日射と暑さを回避
3 自動灌水システム:枠板式高畝栽培と組み合わせて土壌水分を適正化
現在,7月の定植に向けて,これらの設備の設置を進めています。5t / 10aの収量を目標に,今後も関係機関と協力して取り組んでいきます。
(栽培技術研究部 S)

令和3年6月25日 土壌水分の適正化を実現!自動灌水指令装置を製品化

灌水制御装置土壌水分センサ

当センターでは,デジタル技術の活用により,栽培管理での熟練者の経験と勘や目視で直接確認できない生体情報をリアルタイムで数値化(見える化)し,これに基づき適正な環境条件に自動制御(分かる・動かす化)する技術開発を進めています。その一つとして,土壌水分状態を適正化する自動灌水指令装置を実用化しました。
本装置では,制御盤(写真左)に灌水を開始する土壌水分状態や灌水時間を設定します。栽培畝やベッドに埋設したデジタル土壌水分センサ(写真右)が設定した乾燥状態を検知すると,設定した時間だけ電磁弁が開き,灌水が実行されます。灌水条件は,品目や圃場の条件に応じて設定することで,生育に好適な土壌水分状態が自動で維持できます。本製品は,7月1日に大信産業(株)(尾道市美ノ郷町)から発売予定です。
(生産環境研究部 K)

令和3年6月22日 モモ「さくひめ」の果皮が色づいてきました

モモ「さくひめ」果実(遠景)モモ「さくひめ」果実(近景)

6月1日の研究員日記では,果樹研究部のモモ園で早生モモ「さくひめ]の果実がピンポン玉より少し大きくなっていることを紹介しましたが,今週始めにジョイント仕立てのモモ「さくひめ」を覗いてみたら,果皮がモモ特有の赤みを帯び,何時でも収穫出来そうな外観を呈していました。 
モモの担当者によれば,本年の「さくひめ」は,例年よりも10日程早く開花したものの,収穫時期は例年よりもやや早い程度だそうです。
当部で栽培されている落葉果樹の中では,この品種が最も早く収穫できる果実なので,成熟した「さくひめ」の果実を見ると,いよいよ夏果物の収穫シーズン到来を感じますね。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)

令和3年6月18日 ブドウの薬剤防除試験 Part2 無防除区で散見される病害

ブドウ灰色かび病ブドウうどんこ病

6月14日の研究員日記では,果樹研究部でブドウの主要病害虫に対する薬剤防除試験を行っていることを紹介しましたが,この試験では,新たに使用する薬剤を散布する区のみならず,比較対照として既存の代表的な薬剤を散布する区,さらには,薬剤を全く散布しない区(=無防除区)を設けて,試験結果の判定がクリアに行えるように処理区を設定しています。
今回の試験は,ブドウが着房している辺りの棚面の上部にビニールが被覆されている研究圃場で行っているため,雨が直接に房に当たって果粒が濡れることはほとんどありません。
それでも,無防除区では,多湿条件が続くと花穂等を褐変腐敗させる「灰色かび病」や,果粒表面に白っぽい粉状の胞子を形成する「うどんこ病」等が発病した房がこの時期に散見されます。
特に,今年は,うどんこ病の発病が多いため,近接した慣行栽培のブドウ樹に本病が拡がらないよう,栽培管理に気を使います。
(果樹研究部Mt&Ss&Nh)

令和3年6月14日 ブドウの薬剤防除試験 Part1 防除効果以外に留意すべきこと

ブドウの薬剤散布汚れのないブドウ果粒薬剤で汚れたブドウ果粒

5月31日の研究員日記では,果樹研究部のブドウが開花期を迎えたことを紹介しましたが,ピオーネ等の大粒系ブドウ品種の果粒は,既に1cmを超える肥大を見せています。
当部では,ブドウの主要病害虫に対する薬剤防除試験を行っていますが,薬剤自体が対象とする病害虫に防除効果があることに加え,ブドウの組織に薬害を発生させないことは,試験判定の際に欠かせません。
さらに,ブドウの防除では,摘粒後から袋掛けまでの時期に使用する薬剤を選択する際には,収穫期まで白斑点が残る場合があるため,薬剤の選択には注意が必要です。
研究部では防除暦の編成や,新たに用いる薬剤による防除試験を行う際には,注意しています。
(果樹研究部Mt&Nh)

令和3年6月2日 今年も池に菱が拡がり始めました。

遠景 貯水池に生え始めた菱近景 貯水池に生え始めた菱

果樹研究部の貯水池の水面には,浮草の「菱」が広がり始めています。
ボートを貯水池に浮かべて,水面を覆う菱の除去を行う季節が,今年もやってきましたね。
当部では,例年,厄介者の菱対策には悩まされていますが,菱が水面を覆ってから対応したのでは手間取りますので,早めに除去したいですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年6月1日 モモの双子果

通常の「モモ」さくひめ果実「モモ」さくひめの双子果

5月13日の研究員日記では,果樹研究部で貯蔵試験に用いていた調査用のレモンの中に,小さな丸い突起物のある変わった形状の果実を見つけたことを紹介しましたが,今回は,モモの珍果実を見つけました。
モモの果実は,現在,ピンポン玉より少し大きくなっていますが,先週,モモ担当の研究員が,当部のモモ園で早生モモ「さくひめ」の生育状況を確認していた時に,滑らかな楕円形を呈している通常の幼果に混じって,双子の果実があるのを見つけました。
当部の果樹園では,以前にレモンの双子果を見つけたことはありますが,モモの双子果は今回が初めてです。
さくひめ」は,あと1か月余りで成熟期を迎えますが,果たしてこのまま無事に成熟して,1果で2果分のモモの味を楽しめるのでしょうか?
この果実の行く末を楽しみに,しばらくこのまま観察してみようと思います。
蛇足ですが,当部のモモ園には,ジョイント仕立ての「さくひめ」が展示してありますので,関心のある方は,新型コロナ感染症が収束したら見学にいらしてください。
(果樹研究部Sn&Nh)

令和3年5月31日 ブドウの開花とジベレリン処理

両肩あり花房をジベレリン液に液漬の様子ジベレリン1回目の液漬の様子

果樹研究部のブドウ園では,先週ころから開花期を迎えています。
「ピオーネ」などの大粒系ブドウは,花穂の全ての蕾が咲ききった時(満開時~満開3日後)にジベレリン液に浸漬し,種を抜く処理をします。
とは言え,同一樹でも枝によって開花期にバラツキがあるため,日々,1房毎の開花状況を確認し,蕾が咲ききった時を見極めながら,1回目のジベレリン処理を実施します。
ブドウの房は,ジベレリン処理前に主穂と呼ばれる部位の先端部付近の花蕾を残すように切り込んで,蕾の数を事前に減らす作業,すなわち,房づくり(花穂整形)を行うのですが,その際には,残すべき主穂の上部に副穂と呼ばれる,花蕾のある細い枝を2本残します。
これは,ジベレリン液への浸漬の有無を確認するための目印として残しています。
なので,ジベレリン液への浸漬が1回終われば,この副穂を1つ取り外します。
このようにして,同時期に同一の房にジベレリン処理を何度も繰り返すことの無いようにしています。
ブドウづくりでは,ジベレリン処理が終わっても,摘粒や袋かけ等,棚面近くまで腕を挙げ続けて行う,きめ細かくて,疲労の溜まりやすい作業が続きます。
これからしばらくの間,息の抜けない作業が続きますので,気を抜かずに頑張らなければいけませんね。
(果樹研究部Ss&Dm&Mc&Wd&Nh)

令和3年5月27日 なぜ,手で植えるの?着実に成長する4年目研究員!

手植えの様子

生産環境研究部は田植えのシーズンです。20数年ぶりの病害担当の新人研究員が田植え機の運転に奮闘する横で,土壌肥料担当の研究員が手植え作業をしています。なぜ手で植えているのでしょうか?田植え機を買うお金がないから...というわけではありません。
この水田では,近年多発する土砂災害により被災した水田を再現し,生産力回復のための試験を行っています。水稲が吸収した肥料成分量や土壌の化学性を正確に測定するために,植える本数や間隔を均一にする必要があります。このため,等間隔でマーキングされた紐を目印にして本数を揃えて慎重に手植えをしました。
主担当である4年目の若手研究員は,ベテランの研究員や任用職員にスピードではまだまだ追いつけませんが,しっかり丁寧に植えることができました。前日につけていた目印が,夜間に降った雨で消えてしまうというハプニングもありましたが,これも次年度以降に活かせる経験になったと思います。生産者が大いに活用できる成果を得るために,水田の管理や調査が続きます。
(生産環境研究 H)

令和3年5月27日 新規採用の研究員がはじめての田植え

田植えの様子

生産環境研究部ではいもち病やウンカ類など水稲の病害虫の発生状況を把握するため,毎年無防除で水稲栽培を行っています。研究員にとっては,病害虫の状況を定期的に調べて生産者の皆様にお伝えするのはもちろんですが,水稲栽培に関する一連の作業も会計年度任用職員と連携しながら行うことも大切な業務です。
田植え機を運転している研究員は今年の4月に採用されたばかりの新人で,今回がはじめての乗車。新人を迎えるのは,生産環境研究部・病害虫領域にとっては20数年ぶりです。ベテラン研究員が同乗し,教えてもらいながら田植え機を操作しました。
植えた後も収穫まで多くの作業が待っています。様々な技術・技能を習得しながら,お米だけでなく研究の成果も得られるよう,がんばっていきます。
(生産環境研究 K)

令和3年5月20日 肉厚で丸みのある白っぽいキノコは?

植え込みのキノコ(発見時の全景)植え込みのキノコ(発見時の近景)植え込みのキノコ(2日後の全景)

中国地方は今月15日に梅雨入りして,いよいよジメジメした季節の到来ですね。
今年は例年よりも3週間も早い梅雨入りのようですが,今日は午前中から強い雨が降り続いており,早い梅雨入りが自然災害を誘発しないことを願うばかりです。
さて,ジメジメした季節にも様々な生物が成長しますが,果樹研究部の庁舎付近の植え込みを覗くと,肉厚で丸みのある白っぽいキノコが生えていました。
昨年の8月と10月の研究員日記では,当部のカンキツ園で樹冠下に生えていた,大きくて白いキノコ「オオシロカラカサタケ」を紹介しましたが,このキノコは何でしょうねぇ?
「ひょっとして,食用可能なショウロかな?」と思い,ネットで調べてみたら,「ショウロ類は,クロマツやアカマツなどの海岸松林でしか発生しない。」とあったので,これは非食用のニセショウロの類である可能性が高そうですね。
このキノコは2日後には褐変が進んで組織が老化し始めたため,目を楽しませてくれた期間はあっという間に過ぎ去ってしまいました。
(果樹研究部Sn&Nh)

令和3年5月14日 カンキツの開花期防除

温州ミカンの開花状況SS(スピードスプレーヤー)による開花期防除

5月10日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ園で平年より8日早く温州ミカンの花が咲き始めたことを紹介しましたが,ここに来て中晩柑類も咲き始めました。
しかし,本県南部地域の天気予報では,向こう10日間のうち7日間に傘マークがついており,まさに「梅雨の走り」の様相です。
今年は,カンキツの開花だけではなく,梅雨前線の北上も早そうです。
明日以降は,降雨の有無により防除のタイミングが難しくなりそうなので,当部のカンキツ園では,本日中に1回目のカンキツ開花期防除を済ませるべく,スピードスプレーヤーが忙しそうに走り回っていました。
お陰様で,1回目のカンキツの開花期防除は何とか降雨前に完了し,一安心です。
(果樹研究部Kmo&Nh)

令和3年5月13日 レモンの珍果実 「レモンのおへそ…?いぼ…?」

上から見たら・・・下からみたら・・・横から見たら・・・

過去の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で収穫した変わった形状のレモンとして,「双子のレモン」,「仏の手をしたレモン」,「笑顔のようなレモン」,「モヒカン頭のようなレモン」を紹介してきました。
今回は,貯蔵試験に用いていた調査用のレモン果実の中に,写真のように変わった形状の果実を見つけたので紹介します。
この果実は,県内産地のレモン園で生産された「リスボン」です。
このレモン果実には,上から見ても,下から見ても,横から見ても,小さな突起物が…。これは,レモンのおへそ…? それとも,いぼ…?
どのようにしたら,このような丸い突起物ができるのでしょうか…???
探せばいろいろとユニークな形状のレモンが見つかるもんですねぇ~。
このレモンの突起物にあやかって,ユニークな成果を生み出したいものです。
(果樹研究部Nh)

令和3年5月12日  ホワイトクローバー

カンキツ園でのクローバー四葉のクローバー除草後(カンキツ園のクローバー)

昨日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で除草作業を行ったことを紹介しましたが,当部のカンキツ園では草丈の低いホワイトクローバー(白詰草)を使って下草管理を行っています。
ホワイトクローバーは,この時期に小さな白い花を咲かせています。
葉の枚数はほとんどが三つ葉ですが,稀に四つ葉が見つかることもあります。
四つ葉の発生率は1万分の1と言われていますが,昨日も園内で除草作業をしていた職員が大きな四つ葉を見つけていました。クローバーは葉の枚数ごとに花言葉が違うそうで,四つ葉には葉一枚づつに意味が込めらていて,「希望」,「信仰」,「愛情」,「幸福」という意味があるそうです。
当部の果樹園には多数のホワイトクローバーが繁茂していますので,「幸福」を呼ぶ四つ葉は沢山見つかりそうです。
でも,果樹園の下草をスッキリと刈り取ったばかりなので,しばらくの間,四つ葉探しはお預けですね。
(果樹研究部Mc&Nh)

令和3年5月12日 因島の船体ブロック製造会社 岡本製作所がアスパラ視察

 

尾道市因島の岡本製作所がアスパラ圃場の視察に来られました。船体ブロックの製造を手掛ける岡本製作所ですが,しまなみリーフレタスの栽培販売もされており,事業拡大のためアスパラ栽培にも関心をお持ちとのこと。
アスパラの栽培技術はもちろんのこと,市場規模や販売経営などについても熱心に聞き取られました。

令和3年5月11日 果樹園では雑草との戦いが始まっています

園周辺の雑草の刈り取りハンマーモアでの除草モモ畝上の除草と敷き藁追加

ゴールデンウィークが終わり,心地よい陽射しを感じるころとなりましたが,暖かくなってくれば,果樹園に生える雑草も成長が旺盛となり,果樹と養水分を競合するうえ,農作業の邪魔にもなります。
昨日と今日は陽射しのある好天に恵まれたため,果樹研究部のカンキツ園では乗用草刈機や刈払い機を用いた除草が,モモ園では畝上の草取りと敷き藁の追加作業が行われていました。
生育期間中には様々な農作業に追われますが,雑草の管理には結構な時間を割かなければなりません。
今年も雑草との闘いが始まりましたね。
(果樹研究部Kma&Kmo&Dma&Dmi&Mc&Nh)

令和3年5月10日 温州ミカンの花が咲き始めました

ミツバチマルハナバチヒゲナガハナバチ

果樹研究部のカンキツ園では,平年より8日早く温州ミカンの花が咲き始めました。
温州ミカン園に近づくと,ほのかにカンキツ特有の花の香りが漂ってきます。
温州ミカンの樹の傍まで近寄った時には,花を訪れる蜂達の「ブーン」という微かな羽音が聞こえてきました。
開花した温州ミカンの花々をしばらく観察していると,ミツバチ,マルハナバチ,ヒゲナガハナバチ等が忙しそうに花粉や蜜を集めていました。部内の研究圃場では,モモやナシが既に4月に開花を終えていますが,カンキツ類は,これから本格的に開花します。今年は1月上旬の寒波襲来によりレモンの樹が厳しい被害を受けたためレモンの着花が少ないので少々淋しい気がしますが,開花後の着果管理をしっかり行い,今年も高品質な果実を生産します。
(果樹研究部Sk&Nh)

令和3年4月28日 ハウス自家施工予定の研修生さん見学

説明の様子見学の様子

JA三原の職員,全農の就農施設の研修生さん及び東部農業技術指導所の職員が来所されました。
研修生さんの中で,来年ハウスを自家施工予定の方がおられ,ハウス設計の参考のために,他の研修生さんとともに,足場管ハウス及びトマトハウスを視察されました。ミスト,遮光,換気といったような,夏の環境制御について特に熱心に耳を傾けられていました。
(栽培技術研究部 K)

令和3年4月22日 カンキツ新品種「瑞季」

樹上での瑞季果実貯蔵果実の調査

今朝,果樹研究部の調査室を覗いてみると,貯蔵中のブンタン類と思われる果実の調査が行われていました。
寄ってよく見れば,この果実の上部には突出したデコがあります。
当部が育成したカンキツ品種でデコのある品種と言えば,2月22日の研究員日記で紹介した「黄宝」がありますが,写真の品種は,「瑞季(みずき)」です。
カンキツ新品種「瑞季」は,「水晶分旦」と「サザンイエロー」を掛け合わせて,京都大学と共同で育成し,令和元年11月20日に品種登録されました。
この品種は,糖と酸のバランスに優れ,食味は良好で,カンキツ類が品薄となる4月中旬以降に成熟し,爽やかなブンタンの風味を有し,甘い芳香もあります。
また,種子が極めて少なく,果肉が柔らかくて果汁が多いので,グレープフルーツのように果実をカットして,スプーンですくって食べるのにも適しています。
詳しくは,当センターのホームページに掲載されている「瑞季」の紹介コーナーをご覧ください。
この品種は,果樹研究部イチオシのカンキツ新品種ですので,これからの晩生カンキツ類を代表する品種として多くの生産者に栽培してもらえることを願っています。
とは言え,「瑞季」は誕生して間がないため,皆様のお口に入るまでには,もうしばらくお待ちください。
(果樹研究部Kj&Tk&Mm&Nh)

令和3年4月20日 何これ?えっ!アスパラ?!

奇妙な出で立ちのアスパラガス茹でて食べてみると…

「こんなのが採れましたよ!」アスパラ担当K研究員が何か持って現れ。。
「何ですか?!これ?」よく見ると、それはアスパラではないですか!アスパラを何本か貼り付けてグニャっと曲げたような奇妙な出で立ち(写真左)K研究員によると、冬に蓄えていた養分が減ったこの時期、奇形の芽が出来て、変わった形のアスパラになることがあるのだとか。
それでは、さっそく茹でて試食タイム♪(写真右)
「あれ?おいしい!」
養分を吸ってないという割には、甘くてまったく遜色ないお味ではないですか。
徹底した環境制御の下で育ったアスパラは、K研究員の愛情も入り、養分が足りてなくても十分おいしいのでしょうね。園芸調査室での一コマでした。

令和3年4月19日 果樹研究部における研究課題等の説明会

ハナミズキ開花樹農薬の誤残布防止プレゼン圃場見学

新年度が始まり約3週間が経過し,当センター安芸津職場の敷地内では,サクラの開花が終わり,ハナミズキの花が咲く時期となりました。
果樹研究部では,本年度に実施される研究課題の設計検討を先週終えましたので,本日の午後には,今後の研究活動を円滑に推進し,年度当初に計画した研究課題の成果を確実に得るために,共に支えてくださる職員の方々にも研究の目的や実施内容を理解していただく目的で,職員が一堂に会し,説明会等を開催しました。
会議では,最初に管理第二課からの依頼事項の説明に加え,農薬の誤散布防止についてのプレゼンを行った後,課題の主担当研究員から本年度に実施予定の研究課題の概要を説明しました。
その後,新たに当職場に着任された職員の方々を対象として,実際に使用する研究圃場を巡回し,管理上の留意点等を確認しました。
これから多忙な農繁期を迎えますが,本年度に実施予定の果樹の研究課題については,大きなトラブルなく,年度末に夫々の研究課題の当初目標を達成できるよう努めます。
(果樹研究部)

令和3年4月14日 アスパラハウスおよび足場管ハウスの視察

見学の様子質疑応答

JA尾道,生産者さん,NPO法人,指導所が来所され,アスパラハウスおよび足場管ハウスを視察されました。
アスパラの多収技術や栽培管理について,水や肥料の具体的な数値や,茎葉管理の詳細など,非常に熱心に聞き取られていました。

令和3年4月13日 研究開発課新任者の農業技術センター安芸津職場への来訪

果樹研究部の概要プレゼン

今年の4月から研究開発課に配属になられた4名の職員が,果樹研究部と管理第二課のある,農業技術センターの安芸津職場に来られました。
これから連携して一緒に仕事を進めるうえで,現場を知っていただくことは大変ありがたいことです。
自己紹介後には,パワーポイントにて当部の主な活動概要を説明し,その後,安芸津職場の施設や研究圃場を案内しながら,現場ならではの課題等を共有しました。
県民の皆様に対して,より一層の貢献ができる研究機関を目指して,共に頑張りましょう!
(果樹研究部&管理第二課)

令和3年4月12日 初めての農薬散布体験

初めてのモモ駆除体験

露地栽培の果樹では,発芽前の2月ころから防除が開始されますが,その後に一段と気温が暖かい日々が続き,新芽の動きと共に害虫や病原菌が活動を始めています。
このため,果樹研究部では,4月に入って研究圃場に栽植されている果樹の防除頻度も一段と高まり,次第に慌ただしくなってきました。
今朝は,モモとナシの開花後の防除が行われ,4月早々に着任したばかりの新任者が,習熟度の高い職員から指導を受けつつ,初めての農薬散布作業を体験しました。
今回の防除も,経験年数の少ない従業員に対する技術移転の一環として取り組まれており,貴重な人材育成の機会です。
着任当初には学ぶべき農作業が沢山あって大変でしょうが,早く馴染み,貴重な戦力となって活躍していただけることを期待しています。
(果樹研究部Wd&Nh)

令和3年4月8日 注目される当センター開発の自動灌水指令機

説明を受ける様子灌水指令機

世羅町にある企業農家さんが来所され,当センターで開発した自動灌水指令機について視察されました。
この灌水指令機は,当センターで開発,5月中旬の発売を予定しているもので,畑の土壌水分の状態にに応じて自動で水やりができる独自の指令機です。次の灌水までの時間も別途設定することができ,水のやり過ぎも解消されます。
本機は,農業新聞や中国新聞に掲載され,全国より問い合わせが来ております。導入を検討されている方,また興味のある方は,是非見学,問い合わせください。
(栽培技術研究部 K)

令和3年4月8日 アスパラガス母茎押し倒し技術の普及を目指して

アスパラガスの説明を受ける様子アスパラガスについての説明

アスパラL字栽培の資材の製造販売を手掛ける,ケイ・マック株式会社が来所されました。L字栽培の普及に向けた活動について打ち合わせを行い,圃場も併せて視察されました。
(栽培技術研究部 S)

令和3年4月7日 三次市では,スマート農業推進に取り組んでいます。

足場管ハウス環境制御の設備の説明を受ける様子妻面最上部に設置している換気扇

三次市の農政課職員がアスパラハウスや足場管ハウスを視察されました。
同市はアスパラガスとホウレンソウのスマート農業推進に取り組んでおり,アスパラガスの環境制御による栽培技術について情報アップデートのため定期的に来所されています。
 トマトの足場管ハウスの熱気が溜まりやすい妻面の最上部に設置している換気扇は,外部の空気をハウス内に取り込んだり,反対に中の空気を外に排出したりできるようになっており,このような最新の設備にも関心を示されてました。
(栽培技術研究部 K)

 

令和3年4月1日 新たな顔ぶれを迎え,安芸津職場でも新年度がスタート

桜の開花の様子ツツジの開花の様子

今日から4月に入り,新年度がスタートしました。
果樹研究部と管理第二課のある安芸津の職場では,晴れ渡った空の下でサクラとツツジの花が見ころを迎えています。
当職場では,当センターの安芸津と八本松に新たに着任された16名の職員をお迎えし,本日の午後に着任式が行われました。
この後,安芸津の職場では,本日から着任された次長による,感謝,安全&健康,総力戦をキーワードとするあいさつを皮切りに,オリエンテーションが開催されました。
新たに着任された皆さんには一日も早く職場に馴染んで頂き,互いに感謝の気持ちを持って,健康で安全に働き続けながら,職員の総力戦により,社会に貢献する成果獲得を目指しましょう!
(果樹研究部&管理第二課)

 

 

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