明治33年(1900)8月19日,台風が瀬戸内海西部を北上し,広島県の西部を中心に暴風雨・高潮による大きな被害が発生した。
さきに紹介した「おいのくりこと(老いの繰り言)」には,この時の被害の様子についても記されている。
廿日市では,住吉社付近の堤防が切れ,高燈籠が破壊され,新開地の一面に海水が浸水した。大小の船が市街地へ流されてきて通行の障害となり,牡蠣の養殖法を記念して建てられた「養蛎碑」も転倒した。また,井口村では山陽鉄道の線路が被災し,土砂が流失してレールのみが橋を架けたような状態で残り,運行が停止した。
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