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濡れた掛軸にはカビなどが発生して固着していたため,乾燥させながら掛軸を開披し,本紙や表装の現状を撮影した。その後,所蔵者の許可を得て,東北大学の安田容子氏の指導のもと,広島史料ネットのボランティアの皆さんと1点ずつ記録を採って掛軸を解体し,絹本の本紙のみ洗浄を行った。これは洗浄した本紙(絹本)19点のうちの一つである。
洗浄しても本紙にはカビ痕が残り,破損や劣化が激しいため,美術品としての価値を保持できなかったものもある。