JA全農ひろしま、広島県穀物改良協会、広島県酒造組合、農研機構西日本農業研究センター、農業技術センター、食品工業技術センターと共同で、温暖化に対応した新しい広島県オリジナル酒米品種を開発しました。
※ 「萌えいぶき」は、全国農業協同組合連合会が商標取得しています(登録商標第6797568号)。品種登録出願名称は「広系酒45号」です。
近年の温暖化の影響で、清酒の製造に使用される酒米の品質や原料利用率の低下が問題となっており、本現象は清酒の味わいにも悪影響を与えるため、酒造会社から高温登熟に耐性のある酒米の開発が求められていました。(これまでに酒米で高温登熟耐性のある品種は開発されていませんでした。)
そこで、稲が実る時期の高温による品質低下や原料利用率低下を抑制しつつ、中価格帯の純米酒製造に使用可能な品種の育成を目標として、平成24 年から研究開発に着手しました。
農業技術センターと農研機構西日本農業研究センターが交配した100 通りの組み合わせの中から、県奨励品種の「改良雄町」と、多収で高温登熟性に優れる「なつほのか」を親とする「萌えいぶき」を選定し、令和4年1月に品種登録出願しました。令和5年3月から県の奨励品種に採用しています。
(「萌えいぶき」の品種登録出願名称は「広系酒45 号」です。)
「萌えいぶき」(広系酒45号)の系譜
・夏場の高温による登熟障害を受けにくく、品質や収量、原料利用率が安定している。
・県内で栽培されている千本錦等酒米と比較して収穫量が1~2割多い。
・醸造時に米が溶けやすく、豊かな味わいの酒となる。
・八反錦と比較して精米の際に米粒が割れにくいため、米粒の外側を半分以上磨く大吟醸酒向けの原料としても使用できる。
※「広系酒44号」は「広系酒45号(萌えいぶき)」と同時期に同じ目標で育成された品種であり、本格的な栽培について検討中。
共同研究機関から出された 58 案の中から、新品種の使用を予定する県内酒造会社約40 社による投票で選ばれ、令和5年10 月 1 日の酒の日イベント(主催:広島県酒造組合)で発表されました。
名称「萌えいぶき」には、豊かな大地の力強さと、作り手の 夢や希望、熱い思いが込められています。
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