新動物愛護センターの整備事業は、広島県の犬猫の保護引取等の現状と課題を踏まえた上で、次の5つのコンセプトを掲げ、進めてきています。令和5年8月にリニューアルオープンした動物愛護センターは、この5つのコンセプトの実現を目指し整備しました。
施設は、「森の中にたたずむ犬と猫の舎(イエ)」という基本理念に基づき設計されており、周辺の自然と調和した木造建築を採用することにより、動物愛護センターが冷たいコンクリートの収容施設というイメージを一掃し、温かみのある施設となっています。もちろん外見だけではなく、内部も動物福祉に配慮した動物にやさしい施設になっています。
動物愛護の普及啓発事業を行う主な場所である「芝生広場」、「にぎわいスペース」、「研修室」を隣接させて一体的に使用することが可能な配置としています。
芝生広場はアジリティーやフリスビードッグの競技会が可能な十分な広さを確保しており、にぎわいスペースには車両が入ることができるのでキッチンカーを入れて譲渡会などのイベントを盛り上げることもできます。
研修室は最大100名収容することができ、動物に配慮した床材を使用しているため、通常の会議や研修会だけではなく、犬のしつけ方教室や譲渡会など動物を入れて行う事業の開催にも配慮しています。
譲渡頭数を増やすためには、収容中の犬猫の健康管理や感染症を防止することが重要となりますので、健康管理・感染防止対策に係わる施設・設備を充実させています。例えば、
●収容施設は個別収容とするとともに、運動スペースを含む十分な広さ(改正動物愛護管理法の基準に準拠)を確保
●犬猫の収容から譲渡展示までの動線を考慮
●獣医療のための施設・設備を充実
するなどしています。
また、新たな飼い主に譲渡動物の個々の魅力が伝わるよう譲渡関連施設を充実させています。例えば、
●譲渡用の犬や猫とふれあうことができる犬猫別のふれあい室や中庭を設けており、安心してゆっくりとマッチングを行うことが可能
●譲渡用の犬や猫のシャンプー等が可能なグルーミング室を設置
するなどしています。
新しくなった動物愛護センターは普及啓発や譲渡を推進するための施設・設備を大幅に充実させていますが、更にソフト面においても大きな変更をしています。変更点は次のとおりです。
新しくなった動物愛護センターは、多くの方が来場しやすい土日・祝日を開館します。そして毎週末に官民連携で動物愛護の普及啓発や譲渡促進のためのイベントを開催します。毎週末のイベント開催は官民で分担し、土曜日は県、日曜・祝日は広島未来動物共生(株)が担当して実施します。
なお、県は土曜日に譲渡・普及啓発業務を集中させ、これらに注力する一方で、平日は、野犬の保護や犬猫の引取業務、動物取扱業者の監視指導、飼い主の適正飼育指導等の動物管理業務を集中して実施します。
新しくなった動物愛護センターでは、広島未来動物共生(株)が譲渡展示室の運営業務を担い、譲渡動物の飼養管理や情報発信などを行っています。
県の業務の一部を民間事業者が担うことにより、県は収容動物の健康管理や馴化(人馴れさせる)、社会化に注力することができるようになっています。
毎週末に実施するレギュラーイベントより規模の大きなイベントを特別イベントと位置付け、県と広島未来動物共生(株)が分担して、年間を通じてコンスタントに開催します。
県の大きなイベントとしては、毎年、動物愛護週間に実施している「どうぶつ愛護のつどい」がありますので、これは継続し、加えて新たに「ワンヘルスイベント」、「ペット防災イベント」を開催します。
更に広島未来動物共生(株)の主催で年3回開催する予定としていますので、合計年6回の特別イベントを開催する予定です。