指定:昭和51年12月24日
所在:広島市安佐北区可部町大字大毛寺
面積:136.98ヘクタール
この地域は、広島市の北東部に位置する福王寺山の一帯で、樹齢100年を越すヒノキの人工林を主体とする針葉樹林にシイ等の広葉樹が混交し、原生林の形態に遷移しつつあり、良好な自然環境を形成しています。
山頂部の植生は、宮島の弥山山頂、廿日市極楽寺山頂と並んで、広島近郊における中間針葉樹林帯の代表的な残存林です。ヒノキ、アカマツの針葉樹とシイなどの常緑広葉樹の混交による原生林を形成し、なかでもシイが主体を成しています。福王寺山を取り巻くヒノキを中心とする人工針葉樹林は、大半が樹齢100年を越え、下層にはシャクナゲ、クロソヨゴなどの群落が発達するなど、中国地方でも有数の林相が見られ、学術的にも優れたものです。
広く広葉樹林が発達していることから、鳥類は30種余が生息しているほか、哺乳類、両生類、昆虫類なども数多く生息するなど、野生鳥獣の宝庫となっています。また、山頂部には、真言宗の準別格本山としての地位をもつ福王寺と呼ばれる古刹があります。
寺の前庭には、5本のスギの巨樹があるほか、モミ、ヒノキの巨樹も多く、すばらしい神秘性を生み出しています。
福王寺前庭のスギの巨樹
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号平成25情複第286号)