指定:昭和59年3月31日
所在:山県郡北広島町大字西八幡原
面積:29.43ヘクタール
この地域は、北広島町の八幡盆地の北に位置する尾崎谷の流域に発達した湿原で、この盆地における最大のものです。
八幡盆地は、東中国山地の高野盆地や西中国山地の吉和盆地とともに広島県の高位面に属する三盆地の一つで、標高770~800メートルで最も高位にあり、地形的には最もよく準平原地形を残しています。また、八幡盆地の盆地底は、湖成層の発達した平坦地形となっています。
この湿原には、ヌマガヤ、マアザミ等が生育しています。本州南部の高地から北部の低地にかけて分布する代表的な湿原植生である「ヌマガヤ-マアザミ群集」は、この地域の研究により命名されたものです。
また、この湿原は、日本における中間湿原の南限的存在で、分布上注目すべき植物が多く生息しています。新川溜池上流の湿原に生育しているハンノキ林は、ブナ林域の湿潤な土地に自然植生として成立するもので、西日本では特に少なく貴重なものです。
この湿原には、ハッチョウトンボをはじめとする水生昆虫、カワヤツメ、タカハヤなどの魚類やブチサンショウウオ、モリアオガエルなどのは虫類、両生類が生息しています。
新川溜池
ヌマガヤ-ヤマアザミ群落
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号平成25情複第286号)