指定:昭和54年12月1日
所在:三次市君田町茗荷谷山国有林及び庄原市高野町本高暮山国有林
面積:46.41ヘクタール
この地域は神野瀬川の旺盛な浸食によって形成された峡谷で、河岸には、旧河底を示すロック・ベンチが河底上数メートルに達し、下方浸食の激しさがうかがわれるほか、峡門深淵に富み、自然河川の状態がよく保存されています。
河川の流路に沿って顕著な断層線が見られ、この断層線から鉱泉の湧出があり、河底の随所にアブクの噴出、変色現象などの特異な自然現象を現出しています。
地形的には、三次市付近の吉備高原面から県北の道後山面に浸食がくいこんだところにあり、深さ約300メートル、長さ約5キロメートルにおよび、両岸の切り立った絶壁、河床に横たわる岩盤や巨岩など変化に富んだ自然景観を見ることができます。
この峡谷周辺の植生は、ウラジロガシ、ソヨゴ等の常緑高木、ブナ、シデ等の落葉高木、スギ、カヤ等の針葉高木から各種低木類のほか、下層草本類を含めてその植物相は極めて豊富です。
この峡谷は、下流に至るにしたがって水量を増しヤマメなどの生息をみるほか、神野瀬川の支流にはゴギが生息するなど、県下における山地渓流動物が豊富です。
峡門深淵に富む自然河川
旧河底を示すロック・ベンチ
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号平成25情複第286号)