指定:昭和54年12月1日
所在:府中市上下町矢多田、嶽山国有林
面積:44.72ヘクタール
岳山は旧上下町と旧府中市の境界をなす海抜738.6メートルを主峯として北西から南東の方向に連なる山地です。吉備高原面上にある残丘的色彩の強い山で、山麓部分に形成された岩海は県内有数のもので、幅50~100メートル、長さ約1,400メートル(露出部400メートル)に達し、特異な自然環境を現出しています。この岩海は国の天然記念物に指定されている久井、矢野の岩海とともに県下有数のもので、岳山地域における自然現象の貴重なものです。成因も谷の後退によって形成されたものと思われます。
また、岩海には様々な落葉広葉樹とつる植物が繁茂し、岩海特有の植生が豊富です。
岳山頂上部の尾根上の巨岩群の南面には、その規模において県下随一といえるイワタケ群落が自生しています。このイワタケ群落は高さ5~7メートルの垂直面に、幅5~6メートルの範囲で広がり、大きなイワタケは直径10センチメートル以上に達しています。そのほかにも、特筆すべき植物としては、ナツアサドリ、ツクバネ、ヤブレガサ、ヒゴスミレの自生が見られます。
山麓では、カマキリ、モンシロチョウなどが見られますが、岩海に沿う森林では、カケス、ヒヨドリ等の鳥類、さらに流れにはサンショウウオ、ナガレユスリカ等が見られます。また、野ネズミの生息密度が極めて高いことが確認されています。
岳山全景
屏風岩
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号平成25情複第286号)