指定:昭和49年7月18日
所在:福山市内海町大字横島
面積:2.17ヘクタール
この地域は、福山市内海町の西南端に位置し、海水の浸食によって見事な海食崖に囲まれ、瀬戸内特有の動植物が生息し、一体となって良好な自然環境を形成しています。
当木島は、全島花崗岩で形成されていますが、地形的にはかなりの特質が見られます。この島は、2か所のくびれで三つに分かれていますが、特に、東北部のくびれは大きく、満潮時には、ほとんど離島となります。
当木島の南北両岸からの節理に沿う浸食が激しく、北岸で10メートル、南岸で25メートル後退して海食台を形成し、連結部は海食台上の高さ4メートル以下の凹凸地形を成しており、消滅する過程にあります。
なお、本島西南部の釜戸岬には見事なたまねぎ状風化、海食洞などが見られ、これらは、地形的に価値の高いものです。
当木島では、島の上半部をたけの低いクロマツが覆っており、これに混じって、シャリンバイ、ネズ、ウバメガシ等からなる内海地域の代表的な海岸低木林植生が見られます。
また、草木では、わずかな崖地にハマナデシコ、ツワブキなどがあり、砂地にツルナ、ハマアカザ等が見られます。
海岸の動物相としては、サザエ、オオヘビガイなどの貝類をはじめ、ムラサキウニ、イソギンチャクなどの内海を特徴づける岩礁性の多くの海産種を見ることができ、学術的に極めて貴重な海岸線が残存する地域です。
さらに、瀬戸内海国立公園鞆の浦、阿伏兎の瀬戸に続く海域であることから、その自然景観的価値も高いものがあります。
当木島
釜戸岬の海食崖
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図25000(地図画像)を複製したものです。(承認番号平成25情複第286号)