G7広島サミット記念館 説明パネルのテキスト
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G7広島サミット記念館の説明パネルのテキストを掲載しています。展示と一緒に、ご自身のスマートフォン等でご覧ください。
目次
G7広島サミット首脳プログラム【2023年5月19日(金曜日)】
G7広島サミット首脳プログラム【2023年5月20日(土曜日)】
G7広島サミット首脳プログラム【2023年5月21日(日曜日)】
説明文
ごあいさつ
G7広島サミット記念館にお越しいただきありがとうございます。
G7広島サミットは、ウクライナ情勢が緊迫化し、核兵器使用のリスクへの懸念の高まりとともに、人類存続の 危機に陥りかねないという不安が世界中に広がる中、原子爆弾による破壊から復興した広島の地で、2023年 (令和5年)5月19日から21日までの3日間にわたり開催されました。
被爆地でのG7サミットの開催は初めてであり、各国の首脳等が、広島に集い、対話を重ねるとともに、ここ平和記念公園では被爆の実相に触れ、平和への願いを込めたメッセージを残されました。また、各国首脳等の宮島訪問や、国内外の報道関係者が集う国際メディアセンターでの展示や体験など、様々な場面を通じて、広島の持つ多彩な魅力が世界各地に発信されました。さらに、学生ボランティアなど、多くの若者が、サミットに関連した各種行事に参画し、活躍しました。
当館では、G7広島サミットを振り返っていただくため、首脳等が記帳した芳名録や首脳会議で実際に使用された円卓・いすなどを展示しています。また、首脳行事、パートナーズ・プログラム、国際メディアセンターで発信された広島の魅力、未来を担う若者の活動を紹介しています。G7広島サミットの記録をぜひご覧ください。
2024年(令和6年)5月 広島サミット県民会議
広島サミット県民会議について
G7広島サミットの成功を期するため、官民一体となった広島県全体の受入れ体制を確立するとともに、関連する事業の実施により、県の活性化に資することを目的として設立された組織です。
G7サミットとは
G7サミットとは、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ(議長国順)の7か国及び欧州連合(EU)の首脳が参加して、毎年、開催される国際会議です。「G7」は、一般的に首脳会議に参加する7か国の総称としての「Group of Seven」を意味しています。参加7か国と欧州連合(EU)のトップが集まる「頂上会議」という意味で、英語で「山頂」を示す「サミット」と呼ばれています。
G7サミットでは、世界経済、地域情勢、様々な地球規模題をはじめとするその時々の国際社会における重要な課題について、自由、民主主義、人権などの基本的価値を共有するG7メンバーの首脳が自由闊達な意見交換を行い、その成果を文書にまとめ公表します。
1970年代に入り、ニクソン・ショックや第1次石油危機などの諸問題に直面した先進国の間で、首脳レベルで議論する場が必要だという認識が生まれました。このような背景の下、1975年(昭和50年)11月、パリ郊外のランブイエ城で、フランス、米国、英国、ドイツ、日本、イタリアの6か国による第1回サミットが開催されました。議長国は持ち回りで、日本での開催は、広島サミットが7回目となりました。
G7広島サミットとは
日程
2023年(令和5年)5月19日(金曜日)から21日(日曜日)
参加国・参加者
G7
日本 岸田文雄内閣総理大臣
フランス共和国 エマニュエル・マクロン大統領
米国(アメリカ合衆国) ジョセフ・R・バイデン大統領
英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国) リシ・スナク首相
ドイツ連邦共和国 オラフ・ショルツ首相
イタリア共和国 ジョルジャ・メローニ首相
カナダ ジャスティン・トルドー首相
欧州連合 シャルル・ミシェル欧州理事会議長
欧州連合 ウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長
招待国
オーストラリア連邦 アンソニー・アルバニージ―首相
ブラジル連邦共和国 ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領
コモロ連合(アフリカ連合(AU)議長国) アザリ・アスマニ大統領
クック諸島(太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国) マーク・ブラウン首相
インド共和国(G20議長国) ナレンドラ・モディ首相
インドネシア共和国(ASEAN議長国) ジョコ・ウィドド大統領
大韓民国 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領
ベトナム社会主義共和国 ファム・ミン・チン首相
招待国際機関
国際連合 アントニオ・グテーレス事務総長
国際エネルギー機関(IEA) ファティ・ビロル事務局長
国際通貨基金(IMF) クリスタリナ・ゲオルギエヴァ専務理事
経済協力開発機構(OECD) マティアス・コーマン事務総長
世界銀行 デイビッド・ロバート・マルパス総裁
世界保健機関(WHO) テドロス・アダノム事務局長(※オンライン参加)
世界貿易機関(WTO) ゴズィ・オコンジョ =イウェアラ事務局長
ゲスト国
ウクライナ ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領
関連施設
- 主会場:首脳会議の主会場として、「グランドプリンスホテル広島」(広島市南区)が利用され、5月19日(金曜日)のセッション3(ワーキング・ディナー)は「みやじまの宿 岩惣」(廿日市市)が利用されました。
- 国際メディアセンター(IMC):報道関係者の作業スペースを備えたサミット取材のための総合施設としてImcが「広島県立総合体育館」(広島市中区)及び周辺地に設置されました。5月18日(木曜日)10時から22日(月曜日)正午までの5日間で延べ約1万人の国内外の報道関係者が利用しました。
- 記者会見場:各国首脳が記者会見を行う会場として、「広島国際会議場」(広島市中区)が利用されました。
- ワーキングスペース:エンゲージメントグループ(G7各国政府への政策提言等を行うために組織されている団体)の作業スペースとして「広島市青少年センター」(広島市中区)が利用されました。
- 首脳・政府代表団等の宿舎:「グランドプリンスホテル広島」、「ホテルグランヴィア広島」(いずれも広島市南区)、「シェラトングランドホテル広島」(広島市東区)、「リーガロイヤルホテル広島」、「ANAクラウンプラザホテル広島」、「ヒルトン広島」(いずれも広島市中区)が利用されました。
G7広島サミット首脳プログラム【2023年5月19日(金曜日)】
G7広島サミットの初日、岸田総理大臣夫妻は、G7首脳夫妻を平和記念公園(広島市中区)で出迎えました。その後、G7首脳が揃って広島平和記念資料館を訪問し、被爆者と対話を行い、最後に芳名録に記帳しました。
その後、湯崎英彦広島県知事と松井一實広島市長による先導で原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)に進み、参拝・献花を行い、黙とうを捧げた後、植樹を実施しました。
初日は、グランドプリンスホテル広島でセッション1(ワーキング・ランチ)「分断と対立ではなく協調の国際社会へ/世界経済」とセッション2「ウクライナ」について議論が行われました。その後、高速クルーザーSEA SPICA(シースピカ)で宮島(廿日市市)へ移動。世界遺産の嚴島神社を訪問し、野坂元明宮司から説明を受けました。さらに、みやじまの宿 岩惣で、セッション3(ワーキング・ディナー)「外交・安全保障」について議論が行われました。
また、ワーキング・ランチ、ワーキング・ディナーで、広島県産の食材、酒類がふんだんに活用されました。
G7広島サミット首脳プログラム【2023年5月20日(土曜日)】
2日目は、午前に、セッション4「パートナーとの関与の強化(グローバル・サウス、G20)」、セッション5(ワーキング・ランチ)「経済的強靭性・経済安全保障」が行われました。
午後から行われたセッションでは、オーストラリア、ブラジル、コモロ、クック諸島、インド、インドネシア、韓国、ベトナムの首脳、さらに、国際機関から、国際連合、国際エネルギー機関、国際通貨基金、経済協力開発機構、世界銀行、世界保健機関、世界貿易機関の長が招かれ、G7首脳とともにセッション6「複合的危機への連携した対応」、セッション7「持続可能な世界に向けた共通の努力」が行われました。
セッション終了後、岸田総理大臣夫妻は、G7及び招待国の首脳並びに国際機関の長とその配偶者に対するおもてなしの一環として、社交行事を主催しました。そこでは、世界の繁栄や平和への祈りが込められた広島神楽のデモンストレーションなどが披露されました。また、日本各地の食材を用いた多彩な和洋折衷の料理、広島県産を中心とした日本酒や国産ワインが提供されました。
G7広島サミット首脳プログラム【2023年5月21日(日曜日)】
最終日、招待国首脳及び国際機関の長が、広島平和記念資料館を訪問しました。被爆者と対話した後、原爆死没者慰霊碑への参拝・献花を行いました。
また、G7首脳とゲストとして参加したゼレンスキー・ウクライナ大統領の間でセッション8「ウクライナ」、また、G7及び招待国首脳とゼレンスキー大統領の間でセッション9「平和で安定し、繁栄した世界に向けて」が行われました。
全てのセッションの終了後、岸田総理大臣は平和記念公園で議長国会見を行い、冒頭に広島の地でサミットを開催した想いを述べた後、広島サミットでの議論の成果について説明しました。また、会見の最後には、サミット開催に協力した地元広島の住民に対して感謝の意を表明しました。
さらに、議長国会見の終了後には、ゼレンスキー大統領が広島平和記念資料館を訪問し、岸田総理大臣とともに、原爆死没者慰霊碑への参拝・献花を行いました。
G7広島サミットパートナーズ・プログラム
パートナーズ・プログラムでは、G7及び招待国の首脳とともに来日した配偶者が、日本の伝統や文化への理解を深め、次世代を担う若者との交流を行い、共に平和への願いを発信しました。
初日は、G7首脳の配偶者が広島平和記念資料館への訪問、被爆者との対話、原爆死没者慰霊碑への参拝・献花を行いました。その後、上田流和風堂(広島市西区)で、岸田総理大臣夫人主催昼食会が開催されました。昼食会後には、香道を体験し、お茶を楽しんだ後、おりづるタワー(広島市中区)で、県内の学生約100人が集う「次世代平和シンポジウム」に参加しました。
2日目は、G7首脳の配偶者が嚴島神社を訪問し、伝統舞楽を鑑賞しました。昼食会ではお好み焼の実演があったほか、学生ボランティアが料理のサーブを行いました。
最終日は、招待国首脳の配偶者が広島平和記念資料館への訪問、被爆者との対話、原爆死没者慰霊碑への参拝・献花を行いました。その後、G7及び招待国首脳の配偶者は、広島県立美術館と縮景園(いずれも広島市中区)を訪問しました。広島県立美術館では、広島県三次市出身の人形作家・奥田小由女氏の案内で同氏の作品を鑑賞し、縮景園では、蒔絵体験等を行いました。
G7広島サミット平和記念公園行事
G7広島サミットでは各国首脳等による平和記念公園訪問が行われました。初日にG7首脳、G7首脳の配偶者、最終日に招待国首脳及び国際機関の長、招待国首脳の配偶者、ゲスト国首脳が広島平和記念資料館への訪問、原爆死没者慰霊碑への参拝・献花を行いました。また、G7首脳は広島市立舟入高等学校の生徒の介添えにより、ソメイヨシノの植樹を行いました。
松井広島市長は、各国首脳等に対し、戦争や紛争などの被害に遭った人々は、相手への憎しみや復讐心に支配されているということが普通であるが、被爆者は、過去の悲しみに耐え、憎しみを乗り越えて、「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」との思いで全人類の共存や繁栄を願っており、これがまさに「ヒロシマの心」であるということを説明しました。また、原爆ドームは、被爆の惨禍を今に伝える「もの言わぬ歴史の証人」であり、核兵器廃絶と世界恒久平和を求める誓いのシンボルとして永久に保存するために、被爆当時の姿のまま後世に残すよう取り組んでいることを説明しました。
さらに、10月には、旧広島市民球場跡地イベント広場(広島市中区)で、岸田総理大臣夫人の出席のもと、G7広島サミットのパートナーズ・プログラムを記念したソメイヨシノの植樹を行いました。
芳名録
G7首脳
シャルル・ミシェル欧州理事会議長
An immense tragedy took place here almost 80 years ago. It reminds us what we -as G7- are defending. And why we are defending it. Peace and freedom. Because it's what all human beings want most.
(仮訳):80年近く前、この地は大いなる悲劇に見舞われました。このことは、われわれG7が実際何を守ろうとしているのか、なぜそれを守りたいのか、改めて思い起こさせます。それは、平和と自由。なぜならば、それらは人類が最も渇望するものだからです。
ジョルジャ・メローニ・イタリア共和国首相
Oggi ci fermiamo e restiamo in preghiera. Oggi ricordiamo che l’oscurità non ha avuto la meglio. Oggi ricordiamo il passato per costruire, insieme, un futuro di speranza.
(仮訳):本日、少し立ち止まり、祈りを捧げましょう。本日、闇が凌駕するものは何もないということを覚えておきましょう。本日、過去を思い起こして、希望に満ちた未来を共に描きましょう。
ジャスティン・トルドー・カナダ首相
Canada pays solemn tribute to the many lives lost, the unspeakable grief of the Hibakusha, and the immense suffering of the people of Hiroshima and Nagasaki. Votre histoire restera à jamais gravée dans notre conscience collective.
(仮訳):多数の犠牲になった命、被爆者の声にならない悲嘆、広島と長崎の人々の計り知れない苦悩に、カナダは厳粛なる弔慰と敬意を表します。あなたの体験は我々の心に永遠に刻まれることでしょう。
エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領
Avec émotion et compassion, il nous appartient de contribuer au devoir de mémoire des victimes d'Hiroshima et d’agir en faveur de la paix, seul combat qui mérite d’être mené.
(仮訳):感情と共感の念をもって広島で犠牲となった方々を追悼する責務に貢献し、平和のために行動することだけが、私たちに課せられた使命です。
岸田文雄日本国内閣総理大臣
歴史に残るG7サミットの機会に議長として各国首脳と共に「核兵器のない世界」をめざすためにここに集う
ジョセフ・R・バイデン米国大統領
May the stories of this Museum remind us all of our obligations to build a future of peace. Together-let us continue to make progress toward the day when we can finally and forever rid the world of nuclear weapons. Keep the faith!
(仮訳):この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を思い出させてくれますように。世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう。信念を貫きましょう!
オラフ・ショルツ・ドイツ連邦共和国首相
Dieser Ort erinnert an unfassbares Leid. Heute erneuern wir hier gemeinsam mit unseren Partnern das Versprechen, Frieden und Freiheit mit aller Entschlossenheit zu schützen. Ein nuklearer Krieg darf nie wieder geführt werden.
(仮訳):この場所は、想像を絶する苦しみを思い起こさせる。私たちは今日ここでパートナーたちとともに、この上なく強い決意で平和と自由を守っていくとの約束を新たにする。核の戦争は決して再び繰り返されてはならない。
リシ・スナク英国首相
Shakespeare tells us to “give sorrow words”. Yet, language fails in the light of the bomb’s flash. No words can describe the horror and suffering of the people of Hiroshima and Nagasaki. But what we can say, with all our hearts, and all our souls, is no more.
(仮訳):シェイクスピアは、「悲しみを言葉に出せ」と説いている。しかし、原爆の閃光に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ。
ウァズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長
What happened in Hiroshima is still today haunting humanity. It is a stark reminder of the terrible cost of war - and our everlasting duty to protect and preserve peace.
(仮訳):広島で起きたことは、今なお人類を苦しめています。これは戦争がもたらす重い代償と、平和を守り堅持するというわれわれの終わりなき義務をはっきりと思い起こさせるものです。
ウクライナ大統領
ヴォロディミル・ゼレンスキー・ウクライナ大統領
Глибоко вражений відвіданням Музею. Жодна держава світу не має пережити такий біль і руйнування. Ядерному шантажу не місце в сучасному світі.
(仮訳):(平和記念)資料館の訪問に深く感銘を受けた。世界中のどの国も、このような苦痛と破壊を経験することがあってはいけない。現代の世界に核による脅しの居場所はない。
G7首脳の配偶者
アクシャタ・マーティ英国首相夫人
We come here, today, to Hiroshima to bear witness...To bear witness to the horrors of war, To bear witness to destruction, To hear the words of the Hibakusha, Never forgetting the tragedy that war unfolds, Yet coming together, for peace, for oneness, for humanity.
(仮訳):今日、この場所、広島に証人として訪れました。戦争の恐怖。戦争による破壊。被爆者の言葉に耳を傾けるため。戦争がもたらす悲劇を決して忘れないために、我々は平和、結束、人類のため、集結する。
ジル・バイデン米国大統領夫人
On the occasion of the G7, as we gather to continue building a world that is peaceful and free, this museum reminds us of our purpose. Thank you for your warm welcome.
(仮訳):平和で自由な世界を構築し続けるために私たちが集うこのG7サミットの機会に、この資料館は私たちの使命を改めて思い出させてくれます。温かい歓迎に感謝いたします。
岸田裕子日本国内閣総理大臣夫人
今日、皆様と共に原爆資料館を見学できた事は大変意義深く一生心に残る出来事でした。G7広島サミットにおいて皆さんと平和への願いを共有し、核のない世界の実現に向けて前進することを心より願っています。
ブリッタ・エルンスト・ドイツ連邦共和国首相夫人
Eindringlich führt uns dieser Ort das unfassbare Leid der Menschen von Hiroshima vor Augen – dieser Schrecken darf sich niemals wiederholen.
(仮訳):私たちはこの場所において、広島の人々の想像を絶する苦しみを、まざまざと目の当たりにする。この恐怖が繰り返されることは決してあってはならない。
ハイコ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長夫君
Hiroshima left an indelible mark on our collective conscience. As we stand in the profound silence of this Memorial, we humbly pay homage to the victims. Their memory compels us to safeguard peace for future generations!
(仮訳):ヒロシマは、私たちの良心に消すことのできない痕跡を残しました。この慰霊碑の深い静寂の中にたたずみ、犠牲者の方々に謹んで哀悼の意を表します。彼らが残した記憶は、将来世代のために平和を堅持せよと私たちの背中を押しているのです!
会議で使用された円卓・椅子
こちらに展示している円卓・国名プレート・椅子は、G7広島サミットの首脳会議で実際に使用されたものです。この一つのテーブルを囲んで、様々な地球規模の課題について、意見交換を行いました。
制作者/
円卓・国名プレート:株式会社マルニ木工
いす:株式会社イトーキ
材質/
円卓・国名プレート:ヒノキ材(広島県廿日市市吉和産、広島県山県郡安芸太田町産)
いす:ヒノキ材(背面・脚)(広島県三原市産)
食のおもてなし
G7広島サミットのワーキング・ランチ、ワーキング・ディナー、夕食会・社交行事、パートナーズ・プログラムでは、広島県産の食材、酒類がふんだんに活用されました。
食事のメニュー及び活用された広島県産食材はこちらをご覧ください。
県産食材・県産品等の活用推進 - 広島サミット県民会議 | 広島県 (hiroshima.lg.jp)
首脳等に贈られた贈呈品
各国首脳及び国際機関の長等へ歓迎の意を表するとともに、広島の魅力を伝えるため、広島サミット県民会議及び開催都市の広島市から、広島県や広島市にゆかりのある品をお渡ししました。「広島県の歴史や文化、伝統を感じられるものであること」「SDGsの考え方に配慮したものであること」という観点から選定しました。
広島市からG7首脳への贈呈品
広島漆芸の作品(酒器セット)
伝統工芸品広島仏壇の漆塗りの技術を生かした広島漆芸の作品。制作者の高山尚也氏は、技術力や独自性が高く評価されています。形は平和の象徴である「鳩」を、色は「瀬戸内海」を表現。各国首脳が酒を飲みかわし、語り合えれば世界に平和が訪れるのではないかとの想いが込められています。
広島サミット県民会議からG7首脳への贈呈品
陶芸作品(花瓶)
制作者の今井政之氏は、工芸技法の「象嵌」を広い面に展開する「面象嵌」にまで発展させるなど、日本文化の向上・発展に貢献されました。また、今井氏は瀬戸内海の生き物をモチーフとした作品を多く手掛け、平和を願う作品も制作されています。モチーフである海老は、不老長寿の象徴とされており、世界の平和と地球の保全に力を結集していただきたいとの願いが込められています。
広島サミット県民会議から招待国及び国際機関の長への贈呈品
玉鋼ペーパーナイフ
日本では、「邪を破り、未来を切り開く」力がある刃物を贈ることは縁起がよいこととされています。制作者の三上貞直氏は広島県無形文化財保持者であり、かつ、刀匠の最高位ともいわれる無鑑査刀匠です。日本刀の原料となる「玉鋼」を使用して制作。様々な性質の鋼の個性を生かした日本刀と同じように、お互いの性質を認め、協力し合うことができる平和な世界の実現への願いが込められています。
広島サミット県民会議から各国先遣隊への贈呈品
伊久馬ビアカップ つぼ型(大)(株式会社西井製作所)
岸田総理大臣からG7首脳への贈呈品
伝統漆芸 彩雅 万年筆(セーラー万年筆株式会社)
蒔絵グラス ワイングラスセット又はコブレットセット(七代金城一国斎)
その他贈呈品はこちら(外務省ホームページ)をご覧ください。
廿日市市からG7首脳への贈呈品
G7広島サミット特別仕様けん玉(株式会社イワタ木工)
折り鶴ランプ 燈(あかり)(宮島御砂焼対厳堂)
その他贈呈品はこちら(廿日市市ホームページ)をご覧ください。
国際メディアセンターで発信された広島の魅力
報道関係者の作業スペースを備えたサミット取材のための総合施設として 国際メディアセンター(IMC)が「広島県立総合体育館」及び周辺地に設置されました。
IMCには、報道関係者等を通じて広島の多様な魅力や平和への取組を国内外に広く発信し、認知度向上を図るため、広島情報センターを設置しました。
広島情報センターでは、「広島の伝統工芸」、「広島の心」、「広島の技術」、「広島の環境」、「広島の食と酒」の5つのテーマに分けて実物展示、動画放映をしたほか、県内23市町のPR、試食・試飲、体験、ステージPRなどにより広島の魅力を発信するとともに、被爆の実相を伝える展示を行いました。期間中、延べ50,327人(うち外国人4,967人)の方に広島情報センターへ来場いただき、広島の多様な魅力に触れていただきました。
ここから未来へ、G7広島サミットを支えた若者
G7広島サミットに関連する様々な取組において、多くの若者が活躍しました。ここでは、その一部を紹介します。
電車・バス等へのラッピング
お披露目式(出発式)で、制作したラッピングデザインを発表する県内の高校生
(ラッピングデザイン制作に携わった学校数:13校)
カウントダウンボード等の製作・設置
G7広島サミット開催までの残日数を示すカウントダウンボードを製作した県内の高校生
(カウントダウンボード製作学校数:7校)
花を活用したおもてなしの実施
平和記念公園内に設置した歓迎ボードの花を育て、植え替えを行った広島市内の小学生
(花の育成に参加した小学校数:27校)
G7広島サミットユースフォーラムへの参加
中高生を対象に実施したフォーラムで平和の活動を紹介する県内の高校生
(フォーラムに参加した県内の中高生:1,075人)
G7広島サミットジュニア会議への参加
国際的な諸課題やその解決に向けた取組などについて理解を深めることなどを目的に開催されたG7広島サミットジュニア会議の参加者
サミット塾への参加
外務省職員によるG7サミットや国際問題をテーマにしたサミット塾に参加する生徒
(参加した学校数・延べ生徒数:23校・5,180人)
平和プログラム等への参加
被爆者による被爆体験講話を聴講するエンゲージメントグループの一つであるY7(Youth 7)代表団
平和記念公園行事における介添え
G7首脳による植樹で介添えした広島市立舟入高等学校の生徒
県民会議ロゴの制作
ロゴを発表する広島市立基町高等学校創造表現コースの生徒と松井広島市長
【制作者による図案の説明】
平和の象徴である「鳩」を配置し、平和への願いを込めました。明るい未来に向かって鳩が羽ばたいていく様子を鮮やかな配色の折り紙を使って表現しました。広島から世界に向けて人々の願いが繋がっていくよう、想いを込めてデザインしました。
学生ボランティア
総理大臣夫人主催昼食会でG7首脳の配偶者に料理のサーブを行った後、記念撮影する学生ボランティア
(活動した学生ボランティア延べ人数:406人)
サミット関係施設の見学
関係施設を公開する「アフターサミット見学会」に参加する県内の小学生
(参加した児童・生徒数の人数:809人)
活躍した若者の声
G7サミットを支えた若者からいただいた声を紹介します。
“活動を通して国際問題に興味を持ちました”
“各国の方と意見交換することができ、視野を広げ、自分自身の成長を感じることができました”
ここから未来へ、ここから世界へ
皆さんが一番印象に残ったことは何だったでしょうか。
「ここから世界へ、ここから未来へ」は、G7広島サミットの開催に向けて広島サミット県民会議が広島の高校生に依頼して制作したロゴのキャッチフレーズです。広島から世界へ向けた平和のメッセージの発信と、未来を担う若者がサミットの成果をつないでいくという意味が込められています。
G7広島サミットでは、こうしたロゴの制作のほか、サミット関連イベントでの通訳、サミット開催期間中の交通案内等を行う学生ボランティアをはじめ、様々な場面で若い世代が活躍しました。
サミットでの活動をきっかけに、ボランティア活動や国際的なイベントに参加している若者もいます。
G7広島サミットで話し合われた国際社会の様々な課題は、各国等のリーダーだけに関係するものではありません。次代を担う若い方をはじめとした皆さんが自分の事として考え、行動することが、国際社会の課題の解決に向けた一歩になります。
ぜひ、当館で見たこと、感じたことをきっかけに、自分にできることは何かを考えてみてください。
2024年(令和6年)5月 広島サミット県民会議