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B型肝炎について

印刷用ページを表示する掲載日2024年5月15日

B型肝炎の概要

 B型肝炎ウイルス(HBV)の感染によって起こる肝臓の病気で,B型急性肝炎とB型慢性肝炎があります。

B型肝炎の転帰です
 思春期以降にHBVに感染するとしばしば急性肝炎を発症し,強い倦怠感や食欲低下,時に黄疸を生じます。多くの人は一過性の感染で自然治癒しますが,最近では慢性化するタイプが増えてきています。また,急性肝炎からはまれに劇症肝炎に進行することがあり,この時は生死に関わることがあるので,専門機関での集中治療が必要です。
 4歳頃までにHBVに感染した人は高い確率で慢性化(持続感染)し,その1~2割が持続的に肝炎を発症している慢性肝炎の状態に移行します。慢性肝炎を放置すると,病気が進行して,肝硬変,肝がんになる場合があるため,注意が必要です
 また,慢性化していても症状のない無症候性キャリアからも肝がんを発症することがあるので,キャリアや慢性肝炎と診断されたら必ず継続的な検査を受けましょう

感染を予防するには

 HBVは血液,体液が体に入ることにより感染します。しかし,血液や体液に直接触れなければ日常生活の範囲内で感染することはありません。
 例えば,HBVに感染している人と,握手・ハグ・食器の共有・同じお風呂に入る等の行為をしても感染することはありません。
 感染を予防するためには次のようなことを守りましょう。

  • 歯ブラシ,カミソリ,ピアスなど血液がつく可能性のあるものを共有しない
  • 適切に避妊具(コンドーム)を使用する
  • 入れ墨はしない
  • 感染リスクのある人は,HBVワクチンを接種する
  • 感染している人は,外傷,皮膚炎などをできるだけ自分で手当てする
  • 感染している人は,乳幼児に口移しで食物を与えない
  • 感染している人は,献血をしない

 HBVの感染はワクチンの接種で予防できます。1歳までは定期予防接種により無料で接種でき,1歳以降も自費で接種できます(補助制度がある市町もあります)。
 ただし,母子感染予防のために抗HBs人免疫グロブリンと併用してワクチンを接種する場合は健康保険が適用され,定期接種の対象外です。
 ⇒ B型肝炎ワクチンに関するQ&A(厚生労働省HP)

B型肝炎の治療

 B型肝炎の治療は大きく分けて,HBVの量を減らして肝炎を抑える治療(抗ウイルス療法)と,肝機能を正常化して肝炎の進行を抑える治療(肝庇護療法)があります。
 HBVを体から完全に排除することが難しいため,治療は「HBVのウイルス量を減らし,肝炎を抑える治療」が主流となっています。 
 治療を受ける場合には、肝炎治療費助成制度を活用してください。
 →肝炎治療費助成制度を利用するためには

抗ウイルス療法 核酸アナログ製剤療法
(内服薬)
・HBVの増殖を抑制する治療法
・35歳以上の非若年者,35歳未満の進行した方が対象
・有効率は80%以上
投与を中止すると肝炎が再発することがあるため,医師の指示があるまで内服継続が必要
(ペグ)インターフェロン製剤
(注射薬)
・HBVの増殖を抑制する治療法(免疫を活性化する)
・一般に35歳未満であまり進行していない方が対象
・有効率は30%程度だが,有効であれば治療中止が可能
肝庇護療法

グリチルリチン製剤,ウルソデオキシコール酸など
(内服薬,注射薬)

・肝機能を正常化し,肝炎の進行を抑える治療法
・治療費の負担や副作用は少ないが,治療効果は高くない

 

 

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