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C型肝炎について

印刷用ページを表示する掲載日2024年5月15日

C型肝炎の概要

 C型肝炎ウイルス(HCV)に感染することで肝臓に炎症が起き,長期間炎症が続くことにより肝硬変や肝がんを引き起こす病気です。
C型慢性肝炎は時間をかけて肝硬変,肝がんへと進行します。
 HCVに感染すると,成人でも70~80%と高い確率で慢性化(持続感染)します。一般的に,感染から20~30年かけて肝硬変,肝がんを発症します。
 症状としては全身倦怠感や食欲低下などが起こりますが,症状がなくても,キャリアや慢性肝炎と診断されたら必ず継続的な検査を受けましょう

感染を予防するには

 HCVは血液,体液が体に入ることにより感染します。しかし,血液や体液に直接触れなければ日常生活の範囲内で感染することはありません。
 HCVの検査法が確立し応用される1992年までは輸血などを介した感染が主な感染経路でしたが,今ではこのような医療行為で感染することはほぼなくなりました。
 HCVは次のような経路で感染します。これらを避けて,感染を予防しましょう。

  • 輸血(1992年以前)
  • 血液製剤
  • 麻薬,覚せい剤(注射器の共有による)
  • 入れ墨(器具の共有による)
  • カミソリ,ピアス,鍼など血液がつく器具の共有

 母子感染や性交渉による感染は確率が低いといわれています。
 また,HBVと違い,予防のためのワクチンはありません。

C型肝炎の治療

 C型肝炎の治療は大きく分けて,HCVを体から排除する治療(抗ウイルス療法)と,肝機能を正常化して肝炎の進行を抑える治療(肝庇護療法)があります。

抗ウイルス療法 インターフェロンフリー療法
(内服薬)
・薬の種類やウイルス型により治療期間が異なり,治療期間は2~6ヶ月
・有効率は80~100%
・副作用は比較的軽微
インターフェロン療法
(注射薬)

・ウイルス量やウイルス型により,治療薬剤や治療期間が異なり,治療期間は半年~1年半
・有効率は10~90%
・強い副作用が出ることがある
・日本人の70%程度がインターフェロンの効きにくいタイプ(1b)

肝庇護療法 グリチルリチン製剤,ウルソデオキシコール酸など
(注射薬,内服薬)
・インターフェロン療法で効果がなかった方,ある程度進行した肝硬変の方が対象

 通常はHCVの排除を目指し,インターフェロンフリー療法を行うことが主流です。
 インターフェロンフリー療法の薬は,飲み忘れたり勝手に飲むのをやめたりすると,ウイルスが急速に増殖し,ときには薬の効かないウイルス(耐性株)が出現することがあります。薬は確実に飲むようにしてください。
 インターフェロンフリー療法の薬は非常に高価ですが,その費用の大部分は健康保険と肝炎治療費助成制度でまかなわれています。治療を受ける場合には肝炎治療費助成制度を活用してください。
 ⇒ 肝炎治療費助成制度を利用するためには

 肝炎ウイルス検査でHCVに感染していると診断された場合,全く自覚症状がなくても,気が付かないうちに病気が進行していることがあります。
 HCVキャリアと分かった場合は,定期的(3~6か月に1度程度)に検査を受け,肝臓の状態をチェックすることをお勧めします。

 

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