令和4年度を振り返って【取組と成果】
令和4年度の総括
令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大の波が繰り返される中、ウクライナ情勢を契機とした原材料やエネルギー等の価格高騰に、円安の進行がさらなる拍車をかけ、県民生活や本県経済に大きな影響が及ぼされた1年でした。
新型コロナウイルス感染症への対応については、ピーク時の感染者数が過去最大となった第7波や、8千人を超える新規感染者数が3日連続で確認された第8波などを経験したものの、県民や事業者の皆様のご協力によって、いずれも医療が機能不全状態に陥ることなく、ピークアウトすることができました。あらためて、最前線で県民の皆様の尊い命と健康を守っていただいている医療・保健関係者や介護関係者の皆様に対し、心からの敬意と感謝を申し上げます。
こうした中、国において新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを5類感染症に変更する方針が決定されており、県では、高齢者など重症化リスクの高い方を守ることに重点を置き、ウィズ・アフターコロナの取組を進めています。
引き続き、こうした足元の課題にしっかりと対応していきながら、地域共生社会の実現や、激甚化・頻発化する気象災害等へ対応するための社会的基盤の強化と、ウィズ・アフターコロナを見据えた社会・経済の発展的回復に、時機を逃さず全力で取り組んでまいります。
一方で、昨年度の明るい話題としては、誘致に力を入れてきたG7サミットの広島開催が決定したことがあげられます。人類史上初の原子爆弾による破壊からの復興と平和による繁栄を成し遂げた「広島」で、世界の政治リーダーが世界経済や気候変動など、国際社会が直面する様々な課題を議論することは、極めて意義が大きいことと受け止めています。
世界情勢が緊迫化し、核兵器使用のリスクが高まる中、世界の平和と持続的な発展に向けた対話の場所として「広島」が選ばれたことは、国際平和文化都市としての広島の発信力が重視されたことの表れであると考えています。この機会を生かし、力強い平和のメッセージと広島の魅力を世界中に発信することで、国内のみならず、世界各国から広島を訪れる、あるいは選んでいただける契機となるよう取り組みます。
そしてサミットに参加される方だけでなく、サミットを機に広島を訪れる皆様に「広島に来てよかった」また、広島でお迎えする県民の皆様にとっても「広島で開催されてよかった」と思っていただけるよう取り組むとともに、サミットのレガシーを継承し、サミット後の本県のさらなる発展につながるよう取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染症への対応
令和4年度の新型コロナウイルス感染症は、ゴールデンウィーク後の急増や、オミクロン株BA.5系統への置き換わりによる6月下旬以降の第7波、さらには10月下旬以降の第8波など、これまでを大幅に超える規模の感染拡大の波が繰り返し起きました。
こうした中、夏以降の感染拡大に対しては、国の方針も踏まえ、可能な限り新たな行動制限は行わず、社会経済活動と感染対策の両立を維持しながら、病床の確保などによって医療体制のひっ迫を防ぐとともに、重症化リスクのある高齢者等を守ることに重点を置き、急増する自宅療養者への支援を含め、効果が高いと考えられる対策に重点的、そして機動的に取り組みました。
保健・医療提供体制の確保
医療提供体制については、入院病床や宿泊療養施設を、感染者数の規模に応じて機動的に確保してきました。特に、医療への負荷が高まった際には、県独自の「医療非常事態警報」を発出し、県民の皆様に基本的な感染防止対策の徹底などを改めて呼びかけるとともに、入院病床を最大の確保数となる緊急フェーズIIに引き上げ、必要な入院医療体制の確保を図りました。
また、抗原定性検査キットを用いた自己検査により陽性と判明した方に対して、オンラインで迅速に陽性確定診断を行う「陽性者登録センター」を開設し、多い時で1日1,300人以上の陽性者を登録することによって、診療・検査医療機関への受診集中の緩和を図りました
さらに今年1月には、3シーズンぶりとなるインフルエンザ注意報の発令もありましたが、季節性インフルエンザとの同時流行の可能性に備え、一日最大2万人を超える発熱患者が生じるという想定の下、外来医療体制整備計画を策定し、重症化リスクの低い方が医療機関を受診することなく自宅等において自己検査が行えるよう抗原定性検査キットを無料配布するとともに、医師会等関係団体のご協力をいただきながら、多くの医療機関が休診となる年末・年始等における外来診療体制の確保にも取り組みました。
そして重症化リスクの高い高齢者等を守るために、高齢者施設等における従事者検査の検査回数を増やし、抗原検査に加え、より精度の高いPCR検査を組み合わせて行うことを可能にしました。加えて、入所者が感染した際にも早期に治療が開始できるよう、施設と地域の医療機関が連携し、事前に治療・投薬方針を策定しておく取組を進めるとともに、対応可能な連携医療機関がない施設に対しては、県が募集した「往診可能医療機関」による往診体制を構築しました。
このほか、国が患者発生届の対象を限定した後も、本県では引き続き、届出対象外の患者を含むすべての患者情報を把握し、自宅療養セットの配送や携帯電話等のSMS(ショート・メッセージ・サービス)を活用した情報提供などの支援に継続して取り組みました。
また、自宅療養者の健康観察の多くは民間事業者に委託して運営するフォローアップセンターで行い、発熱等の症状がある場合は、地域の医療機関のほか、広島県オンライン診療センターにおいて必要な医療を提供するとともに、薬局と連携し必要な薬剤処方につなげました。
PCR検査は、多い時には県内13か所でPCRセンター、7か所で臨時PCRスポット等を運営したほか、県内443か所の薬局等で抗原検査ができる体制を整え、感染に不安を抱えている方が、無料でいつでも検査できる体制を整えました。
ワクチン追加接種の円滑な実施の推進
ワクチン接種については、市町や医師会等と連携して、夜間・休日に対応した接種会場の設置など、若年層の方が接種しやすい体制を確保し、積極的に接種を呼び掛けました。また、重症化リスクの高い方や、医療機関・高齢者施設の従事者等を対象にした4回目接種を行いました。
オミクロン株に対応したワクチン接種は、現在約122万人の方が接種を完了しており、引き続き、必要な接種環境の整備や適時適切な情報提供を行ってまいります。
アフターコロナを見据えた社会・経済の発展的回復
社会の修復と発展に向けた取組
令和4年度の県内経済は、ウィズ・アフターコロナに向けた新たな段階への移行が進み、個人消費を中心に、生産などにおいても持ち直しの動きがみられましたが、一方で、約32年ぶりの水準を更新した急速な円安の進行や、これに伴う輸入物価の上昇、ロシアによるウクライナ侵略を背景とした原材料やエネルギー、食料品等の価格高騰が生じた結果、価格転嫁の困難な企業の収益や家計を圧迫しました。
こうした情勢を踏まえ、県では、国の交付金等を活用し、様々な物価高騰対策を実施しました。まず、農林水産業者への支援として、肥料や配合飼料、施設園芸・漁業に使用する燃料、鳥獣害対策に必要な資材に係る経費、学校給食用の生乳を供給している酪農経営体に対するコスト上昇分の一部支援に加え、経営改善等の取組に資する融資枠の拡大と利子補給を実施しました。さらに、公共交通事業者への燃油高騰に対する支援や、法令等より定められた価格によって経営される社会福祉施設や医療機関等に対しては、光熱費や食材費の高騰額の一部を支援しました。
このほか、県内の中小企業を対象として、省エネ・CO2削減対策の支援などを行うとともに、いわゆるゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための借換や、事業再構築等の前向きな取組に対する資金を円滑に供給するため「伴走支援型特別資金」を創設し、資金調達を支援しています。
また、雇用面においても、コロナ禍の影響を受けている離転職者や産業構造等の変化に伴う事業縮小や倒産による離職者等に対し、「働きたい人全力応援ステーション」における就業支援に取り組むなど、求職者の円滑な就職支援を行っています。
さらに、厳しい経営環境にある宿泊事業者や旅行業者等に向けた旅行や宿泊の割引プランに対する支援(やっぱ広島じゃ割)については、延べ約239万人の皆様に予約・利用いただきました。
住民と多様な主体の連携・協働による課題の解決
人口減少、少子高齢化による社会構造の変化、個人の価値観やライフスタイルの多様化等をはじめ、コロナ禍の影響も重なり、地域での人と人とのつながりや支え合う意識の希薄化が懸念されています。
このため県では、県民の誰もが住み慣れた地域でつながり、生きがいや役割を持ち、助け合いながら生き生きと暮らしていくことができる「地域共生社会」の実現を目指しており、地域で支え合うコミュニティづくりの担い手育成や、複合的な生活課題等に対して、国の制度も活用しながら包括的な相談支援体制の構築を図る市町への支援に取り組みました。
また、地域の多様な”つながり”に関する実態調査を進め、今後の施策推進に当たっての新たな方向性についても検討を進めました。
妊娠期からの切れ目ない見守り・支援の充実
コロナ禍の長期化により、妊産婦や子育て家庭の外出や、他者との交流機会の減少が進み、妊産婦や子育て家庭が孤独や不安を抱えやすい状況になっています。
こうした中、県では、保育所・幼稚園や医療機関などの関係機関と一体となって子育て家庭を見守る仕組みである「ひろしま版ネウボラ」のさらなる拡充に取り組んでおり、令和4年度は新たに三原市、廿日市市、安芸高田市、安芸太田町の4市町が参加し、全県では17市町において実施されることとなりました。
また、ネウボラ相談員の面談や講座をオンラインで行うとともに、必要な知識・スキルを習得するための研修においても、家庭との非対面でのコミュニケーションスキルを高めるための内容を追加で実施するなど、コロナ禍においても安心して妊娠・出産・子育てができるよう、様々な環境づくりに取り組んでいます。
高度医療機能と地域の医療体制の確保
高齢者人口の増加に伴い医療ニーズが高まる一方で、労働力人口は減少し、医療サービスを支える人的資源が縮小しています。また、多数の症例や研修体制が充実している大都市圏の病院に若手医師や研修医の集中が加速しており、県内の医師不足が顕在化することも見込まれます。さらに、2025年以降も少子高齢化の進展が見込まれ、人口減に伴う医療人材の不足、医療従事者の働き方改革といった新たな課題への対応も必要となっています。このため県では、将来にわたって必要な医療機能を持続していくために、医療機能の分化・連携、医療資源の集約を行うことで、効率的かつ新興感染症等の感染拡大時にも柔軟に対応できる医療提供体制を構築する必要があると考えています。
令和4年度は、こうした地域医療構想の実現に向け、有識者会議の提言である「高度医療・人材育成拠点ビジョン」を踏まえ、推進会議を設置し、新たな拠点に求められる医療機能や関係機関との機能分化・連携・再編の方針について、「高度医療・人材育成拠点基本構想」として取りまとめました。今後は、この構想に基づき、新病院の具体的な医療機能や施設整備等についての検討を進めるとともに、医療機関の再編の影響が予想される地域については、地域完結型医療を補完する身近な医療機能の整備に向けた検討を行ってまいります。
また、複数の疾患を抱える高齢者の患者が増加する中でニーズが高まっている総合診療医については、医学部を目指す高校生や医学生、研修医等が興味を持つきっかけになるよう、ロールモデルの紹介やセミナーを開催し、指導医の質の向上のために、先進的な総合診療プログラムが注目されている病院の指導医を講師に招いた意見交換会を開催するなど、その継続的な確保、育成にも取り組んでいます。
このほか、現行の広島県保健医療計画(第7次)の計画期間が令和5年度で終了することから、新たな計画(第8次)の策定に向け、その本格的な計画の見直しに先立ち、二次保健医療圏の見直しの検討や、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた新興感染症等への対応など、次期計画に向けた検討を開始しました。県では引き続き、病床機能の分化・連携を着実に進めるとともに、新興感染症等の感染拡大時における医療提供体制の確保について検討を進めてまいります。
外国人が円滑かつ適切に就労し、安心して生活できる環境整備
言葉の壁や習慣等の違い、そしてコロナ禍での住民等との交流機会の減少などにより、地域で暮らす外国人の社会的な孤立が強まる恐れがあります。このため県では、外国人が必要なサービスを確実に受け、地域社会の一員として安心して生活できる環境を整備していく必要があると考えています。
こうした中、県では、市町と連携して、生活に必要な情報を外国人同士で共有できる仕組みづくりに向けたキーパーソン等の発掘や、小中高生の異文化理解の促進、行政情報や日常生活に関する情報の提供機会の充実、地域日本語教室の新規開設などに取り組み、蓄積したノウハウや成功事例を横展開しながら、取組を進めています。
また、経済のグローバル化の進展等により、特定技能等の外国人材の増加が見込まれ、企業においては外国人材の受け入れに関するノウハウや職場のコミュニケーションなどが課題となっており、県では、課題解消に向け受け入れや就労に有益な情報提供に取り組む必要があると考えています。
このため令和4年度は、企業が最も不安に思われている外国人材とのコミュニケーションに関するワークショップや、実際に困っていることに対する課題解決のためのセミナー、外国人材の円滑な受け入れ、適切な就労、職場定着につなげるためのフォーラムの開催など、様々な形で県内企業等に対し、外国人材の雇用に有益な情報を提供する機会を設けました。
さらに、コロナ禍における水際対策として国から要請された入国後の待機に係る費用など、追加的費用を負担している中小企業等に対しては、安定した事業継続を支援するため、その費用の一部補助にも取り組みました。
女性の活躍促進/雇用対策
県内の雇用情勢は、コロナ禍以前の水準には戻っていないものの、求人数の回復に加えて、求職者数は減少傾向にあり、持ち直しの動きも見られますが、構造不況に伴う事業縮小等の影響を受けた離職者等の発生が見込まれています。また、パートタイムの求人数は増加傾向にあるものの、引き続き離職した女性や、再就職を希望する子育て世代の女性に対する相談対応や就職活動に対する支援に継続して取り組む必要があります。
このため県では、「働きたい人全力応援ステーション」での伴走型の個別マッチングによる就業支援に加え、広島労働局と一体的に運営している「わーくわくママサポートコーナー」において、女性に特化し、新たな職種に挑戦するキャリアチェンジの支援など、きめ細かな相談対応をはじめとした就職活動に対する支援を行い、800名以上の就職につながったところです。
経済の発展的回復
県経済を牽引する企業の育成・集積
県ではこれまで「新しい生活様式」に対応した新たなビジネスモデルや業態転換に向けた企業が抱える様々な経営課題を効率的かつ効果的に解決し、地域の未来を牽引する企業の創出に向けた企業の新事業展開等の支援に取り組んでいます。
令和4年度においても引き続き、ウィズ・アフターコロナを見据えた新たなビジネスモデルや業態転換に取り組む中小企業50社に対し、戦略策定や組織改革等を実施するためのプッシュ型支援を行いました。
基幹産業であるものづくり産業のさらなる進化
CO2排出量規制の厳格化や主要国を中心とした将来的な内燃機関車販売規制など、カーボンニュートラル実現へ向けた規制強化が世界的に進んでおり、本県ものづくり産業においても、早期の対応着手が求められています。
このため県では、生産過程でのCO2排出量の見える化や、カーボンニュートラルに対応するための事業計画策定などの取組について、自動車関連15社、造船関連5社に対し伴走型支援を実施しました。引き続き、支援を通じて得られた課題等を踏まえ、ひろしま自動車産学連携推進会議においても議論を深め、ものづくり産業において、カーボンニュートラルを起点とした新たな付加価値が創出されるよう支援を行ってまいります。
イノベーション環境の整備
本県が世界から選ばれる「イノベーション創出拠点ひろしま」としてイノベーション・エコシステムを形成するためには、多様な人材の育成・集積や、新規事業の創出・資金調達等につながるマッチング機会を提供していく必要があります。
令和4年度は、社会課題の解決に向け、様々なアイデアの開発・実証実験を行ってきたひろしまサンドボックスD-EGGSプロジェクトの商品やサービスを、県内企業等が活用できるような支援を進めました。
また、そのアイデアを実社会で活用していく際に障壁となる規制の緩和や、運用のためのルール作りの試行が重要な事業については、法律の専門家によるサポートも受けながら継続支援(サキガケプロジェクト)を行っています。具体的には、国内で初めてとなる自律航行船による水上タクシーの運行や、僻地における眼科医不足の解消に向けスマホ接続型デバイスを活用した遠隔での眼科健診の実施などとなっています。県では引き続き、事業フェーズに応じた成長促進や、新規事業の規模拡大の加速に取り組みます。
このほか県では、今後10 年間でユニコーン企業に匹敵するような、企業価値が大きく急成長する企業 10 社を創出することを目標として掲げています。こうした、広島から世界に大きく羽ばたき成長することを目指す企業を応援する「ひろしまユニコーン10プロジェクト」では、その挑戦者を公募し、専門家による審査を経て12 社を決定し、ベンチャーキャピタルや先輩起業家によるメンタリング、勉強会、マッチングイベントの開催などの事業成長支援を行ってきました。引き続き県では、挑戦することが当たり前の土壌・文化を広島に育んでまいります。
企業誘致・投資誘致の促進
DXやオープン・イノベーションの推進、産業の付加価値向上のための重要な要素であるデジタル分野の人材と企業の広島進出を進めるため、県では、これらの集積に向けたデジタル企業を中心とした誘致を進めています。
令和4年度には、中国経済産業局を中心に「中国地域半導体関連産業振興協議会」が設立され、本県に本社のあるマイクロンメモリジャパンの設備投資に対し、国が最大465億円の助成を決定しました。県としても、広島大学や東広島市と一緒に、半導体研究開発の高度化や中核人材の育成などに取り組む「せとうち半導体共創コンソーシアム」を設立するなど、半導体関連産業の発展に向けた環境整備を行っています。
また製造業等においては、少子化・高齢化の進展により、企業の雇用確保も課題となっており、AI、IoT、ロボット化など生産性向上の観点からの投資や県外への転出抑制に資する拠点機能強化(マザー工場化)に向けた「製造業等の投資促進」を図り、業態転換や新事業創出を促進する必要があります。
こうした中、広島港五日市地区分譲地においてカルビー株式会社が、先端テクノロジー導入による技術開発や新製品創出など、最新鋭マザー工場の役割を担う新工場を令和6年度中に稼働させる計画もスタートしています。
ブランド価値の向上につながる魅力づくり
自然災害の多発や新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、観光においても安全・安心へのニーズが高まるなど観光客の意識や価値観が変容するとともに、観光関連事業者が大きな影響を受けるなど、観光分野における急激な環境変化が生じています。このため、こうしたニーズの多様化や今後も起こり得る急激な環境変化等に柔軟に対応できるよう、自立的・継続的な観光産業の確立に向けた観光構造の改革に取り組んでいく必要があります。
こうした中、県では令和5年度から令和9年度までを計画期間とする「ひろしま観光立県推進基本計画」を策定し、「広島を訪れる皆様が広島を好きになり、『他の人におすすめしたい』と思っていただける観光地となっている」こと、「環境変化に強い観光産業へ、そして県民一人一人が観光を支える一員となる」ことを目指しています。県では、県民の皆様と一緒に「オール広島」で、ブランド価値向上につながる魅力づくりや、誰もが快適かつ安心して楽しめる受け入れ環境整備、広島ファンの増加、土台作りの4つの方向性に基づいて、サミットを契機とした観光客のV字回復を図っていくための観光振興策などに取り組んでまいります。
世界とつながる空港機能の強化
県では、令和3年7月から空港運営を開始した広島国際空港株式会社(HIAP)が掲げる広島空港の将来ビジョンの達成に向け、ウィズ・アフターコロナを見据え需要回復の機を逃さないよう連携して取組を進めています。
こうした中、令和4年度には約2年9か月ぶりに国際路線である台北線の運航が再開されました。台北線は利用者が最も多い基幹路線で、乗継によりタイやベトナム、フィリピンなど他国との往来にも非常に便利の良いダイヤであり、運航再開により、広島空港から世界への扉が再び開かれることは、観光関連産業をはじめとした地域経済の活性化に大きく貢献し、今後の幅広い交流回復への第一歩になるものと期待しています。
また、県内のかき事業者が、広島空港貨物ターミナル内に出荷施設を整備するなど、物流機能も向上しています。
加えて、必要な空港アクセスバス路線・便数の維持とともに、多様なニーズに対応できるアクセス手段の確保など、空港利用者の利便性向上に取り組んでいるところですが、令和4年度は、東京(羽田)線がコロナ前の水準にまでほぼ回復し、最終便利用で東京での滞在時間が1時間長くなるとともに、多くの観光客が訪れる大久野島への最寄り駅であるJR忠海駅との予約制乗合タクシーも運行が開始されたところです。
新型コロナなどにより顕在化した構造的な課題への対応
適散・適集社会の実現
働き方改革の促進
テレワーク等の柔軟な働き方は、働く人の生活の質の向上のみならず、企業の維持・成長につながるものであることから、県では経済団体等とも連携して、ICT活用・テレワーク推進セミナーを開催し、取組の必要性やメリット、ノウハウを普及・啓発しています。
令和4年度は、県内中小企業のテレワークを促進するため、対象領域の拡大や定着に向けて課題を持つ企業を対象に、専門家による伴走支援によりモデル事例を創出し、セミナーや「Hintひろしま」等で取組のノウハウについて広く発信しました。加えて、テレワークを導入できていない企業に対して専門家を派遣し、トライアル等を通じた取組の着手・実践を促進しました。
今後も、コロナ禍で注目を浴びたテレワーク等の多様な働き方の導入と定着を加速させるため、各企業の現状や課題に応じた支援に取り組んでまいります。
新たな事業展開に向けたチャレンジ支援
県では、サテライトオフィスの誘致に取り組む中山間地域を後押ししつつ、それぞれの地域特性を生かした誘致策の展開と取組の拡大を進めています。また、デジタル人材やデジタル企業と市町がつながる場としてオンラインコミュニティを開設し、登録者の中から本県への進出を検討するデジタル企業とその企業とマッチする人材の確保も進め、移住施策とも連携した取組に注力しています。
こうした中、ターゲットとなるデジタル企業には進出先における地元企業との連携といった新たなビジネス展開に関する需要が高いことがわかりました。引き続き、シェアオフィス事業者等と連携し、官民連携による企業誘致体制の構築に向けた実証事業に取り組むなど、これまでの取組を強化していきます。
持続可能な生活交通体系の構築
デジタル化の進展は、中山間地域における交通の諸課題を克服できる可能性を秘めており、交通と医療、福祉、商業などを結び付けた新たな交通サービスとして「広島型MaaS」を推進しています。
令和4年度は、地域電子マネー「morica」のキャッシュレス決済を活用した定額タクシーや、海上交通と陸上交通の接続改善に向けた区域デマンドバスなど、広島型MaaSのモデル構築に取り組みました。今後、これらの取組から得られる知見やデータを基に、地域にある輸送資源を有効活用しながら、地域が一体となって支える仕組みを県内各地に展開し、中山間地域における公共交通の利便性と持続可能性の向上を目指してまいります。
激甚化・頻発化する気象災害等への対応
ハード対策等による事前防災の推進
本県は、全国最多となる土砂災害警戒区域があり、さらには毎年のように大規模な災害が発生しており、近年の地球温暖化等による気象災害の激甚化・頻発化や南海トラフ巨大地震等が懸念される中、県民の皆様の生命や財産を守るため、防災施設整備等による大規模災害への備えを着実に進める必要があります。
こうした中、令和3年豪雨により甚大な浸水被害が発生した6河川では改良復旧プロジェクトが進められており、このうち、三原市を流れる天井川では、堤防強化のための築堤工事などが完了しました。このほか、東広島市の三津大川や北広島町の出原川・冠川においては、順次工事に着手し、竹原市の本川や安芸高田市の多治比川では、測量、地質調査、設計を進めています。
さらに、本川流域及び江の川上流域において、流域治水を強力に推進するため、特定都市河川流域として指定し、本川については、浸水被害対策を総合的に推進するための流域水害対策計画を令和5年3月に策定するとともに、江の川上流域についても計画策定に向け検討・協議を重ねています。
防災教育の推進
県では、「災害死ゼロ」の実現に向けて「みんなで減災」県民総ぐるみ運動を推進しており、いざという時に、県民の皆様一人一人が、災害から命を守るために適切な避難行動をとるためには、居住地の災害リスクや災害の種類に応じた避難場所、避難のタイミングを普段から正しく知っておく必要があります。
このため、「ひろしまマイ・タイムライン」を教材として、防災教育を実践する推進員による小学校等への出前講座を実施するとともに、令和4年度は、学校現場の多様なニーズに対応できるよう、防災を初めて学ぶ場合でも受講しやすい基礎講座や、児童が楽しみながら考える新しいメニューなど、防災教育の充実を図りました。
きめ細やかな災害リスク情報の提供
県では、県民の皆様の適切な避難行動に役立つよう、きめ細かな防災情報の提供や、災害リスクを正しく認識することができる取組を推進しています。
令和4年度は、県民の皆様に、土砂災害の危険性について、より正確なイメージをもっていただくため、AR技術を活用し周囲の土砂災害警戒区域等をスマートフォンのカメラ映像に重ねて表示するサービスを開始するとともに、「ひろしま自然災害体験VR」に、河川の氾濫シナリオを追加するなどの取組を行いました。
このほか、県民の皆様が様々な災害リスクを直感的に把握できるよう、海田町及び府中市において、三次元の地図上で洪水浸水想定区域を表示する3Dマップを公開し、三次市においても同様の取組を進めています。
災害に強い都市構造の形成
県では、安全・安心に暮らせる都市の実現に向けて、市街化区域内の土砂災害特別警戒区域を市街化調整区域に編入する、いわゆる逆線引きの取組を進め、災害ハザードエリアにおける開発を抑制しています。
令和4年度は、市街化区域を有する県内13市町において現地調査や土地所有者の調査を実施した後に、土地所有者の皆様等に対して、説明会や個別説明などによる調整を行いながら、市街化調整区域に編入する箇所を確定させました。引き続き市町と連携し、先行的に市街化区域の縁辺部における山地や農地等の未利用地について、令和6年度までに逆線引きが完了するよう進めてまいります。
デジタル化への対応
学びの変革の推進
デジタル技術の進展・高度化をはじめ、社会環境や国際情勢等が急速かつダイナミックに変貌していくことが予測される中、こうした変化にも柔軟に対応し、活躍できる人材を育成することが一層重要となってきており、県ではこうした人材を育成していくため「学びの変革」をさらに加速させています。
例えば、商業高校等において起業家精神の育成を図るための学習プログラムを先行的に導入し、生徒自らが、社会の課題等を見出し、要因などの分析を経て解決案を模索し、完成させたビジネスモデルを発表するコンテストの実施などに取り組んでいます。
このほか、令和4年度には、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、人文社会(Arts)、数学(Mathematics)等の各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育カリキュラムを開発しました。このカリキュラムでは、課題の発見や解決、さらに社会的な価値を創造していく資質・能力を育成することを目指して、様々な社会課題をテーマに、生徒が自由な発想で解決策のアイデアを出し合い、そのアイデアを形にしていく探究活動を行っています。このため、地域が抱える現実的な課題に対し、金融機関等と連携して地域経済に係るデータを踏まえた新しいサービスの提案や、大学と連携し建造物等の模型の作成・実験を踏まえて災害に強い街づくりを提案するなど、実社会での活用を意識した内容となっています。
また、グローバル化が進展する中、新たな価値を創造する鍵は多様性であり、そのためには国際感覚を持った人材が必要となります。県では、特別支援学校を含む全ての県立学校において海外の学校との姉妹校提携を締結しました。また、叡啓大学においては、新たに11校と国際交流協定を締結しました。さらに、米国ハワイ州との友好提携締結25周年に当たり、相互に交流促進を図ることで、本県のグローバル化に重要なネットワークである県人会との関係の維持、強化を図り、次の時代を担う若い世代がつながりを深めていくための土台作りを進めました。
高等教育の充実
デジタル技術の急速な浸透など、新たな課題に対して、18歳人口が減少する中、個々の大学による取組では限界があるため、本県では、リソースの共有など大学間の連携を通じて、県内どこの大学等においてもデジタルリテラシーを修得できる環境づくりに取り組んでいます。
令和4年度は、県立広島大学と叡啓大学において、デジタル分野の専任教員を確保の上、国のモデルカリキュラムをベースとする動画教材の作成を進めるなど、教材提供や教員派遣を通じた県内大学等の支援体制を整えました。
あわせて、教育ネットワーク中国や広島大学・広島工業大学と連携し、単位互換科目の拡充や公開講座の開催など、幅広い選択肢を提供することで、希望する学生が学びやすい環境づくりを進めています。
ライフステージに応じた県民の健康づくりの推進
生涯にわたって健康を維持していくためには、若い時期からの適切な生活習慣の定着が重要です。また近年、健康経営※の取組が進みつつありますが、中小企業では、健康経営に取り組む企業の割合が未だ低い状況にあります。
※「健康経営® 」は NPO 法人健康経営研究会の登録商標です
こうした中、県では、健康診断のデータからAIにより将来の健康リスクを予測し、スマートフォンのアプリ等を活用して生活習慣改善提案を行い、働き盛り世代の従業員の健康づくりにつながる実効性ある取組を検証する実証試験を行っており、令和4年度も、県内にある53の企業、団体から約1,300人の協力を得て実証試験を行っています。
このほか、令和4年度は、企業の皆様に健康経営の理解を深めていただく中で「具体的な取組事例を知りたい」との要望をいただいたことから、すでに健康経営を実践している県内企業をお招きし、取組の実例をご紹介いただくセミナーも開催しました。
高度医療機能と地域の医療体制の確保
近年のICTやAIなどデジタル技術の発展は目覚ましく、人口減少・超高齢化社会が到来し、医療従事者等の働き方改革も推進されており、新たな技術を活用して適切な医療・介護サービスを効果的・効率的に提供することが期待されています。
令和4年度は、デジタル技術を活用し、神石高原町ではオンラインによる予防医療・遠隔医療が、廿日市市ではテレビ画面を活用した高齢者の見守りなど、4つの市町で地域の課題に応じた取組が進められました。県では引き続き、こうした市町の先導的な取組を支援してまいります。
デジタル技術を活用したインフラマネジメントの推進
デジタル技術が急速な進展を続ける中、DXの推進による社会課題の解決と経済発展を図っていくことが必要とされており、建設分野においてもデジタル技術を最大限に活用し、建設工事の生産性向上や、データの利活用による新たなサービスや付加価値の創出などに取り組む必要があります。
こうした中、県では、令和4年度にインフラ情報の一元化・オープン化を可能とするインフラマネジメント基盤「DoboX」を運用開始しました。これにより、浸水想定区域や土砂災害警戒区域等の災害リスク情報や、公共土木施設の点検結果等が3DマップやGIS上で確認できるようになったほか、これらの行政内部で利用していた情報を企業や研究者等が利用できるようになりました。この結果、行政機関においては3Dマップなどを活用した災害図上訓練や防災教育が、民間企業や研究機関などにおいては設備の被災リスクの確認や土石流発生後の地形変化の確認など、防災分野を中心に活用が進みました。
そして、建設分野における生産性向上に資する一技術開発や導入促進につなげるためのイベントとして「ひろしま建設イノベーション2022」や「広島県建設分野の革新技術フェア2022」を開催し、DoboXの紹介や、施設の長寿命化やデジタル技術等を活用したインフラ整備等の効率化・高度化に資する「広島県建設分野の革新技術活用制度」登録技術の紹介などを行いました。
今後はDoboXに道路規制情報や雨量観測情報を追加するなどデータの一層の充実も図りながら、利用者のニーズも踏まえた機能拡張など、柔軟な見直しを加えながら、さらなる活用に向け取り組んでまいります。
このほか、建設分野におけるデジタル人材の育成に関する取組として、令和4年度は、経験の少ない建設事業者などを対象に、三次元設計データの作成など実践的な講習を行う「ICTチャレンジ実践講座」を県内3箇所で開催しました。
産業DX・イノベーション人材の育成・集積
技術革新の進展や新型コロナウイルス感染症の感染拡大などにより急激な社会環境変化が起きている中、県経済が持続的に発展していくためには、基幹産業であるものづくり産業をはじめとした県内産業において、デジタル技術との一体化による新たなビジネスモデルが創出されるなど、さらなる発展を遂げる必要があります。
また、その原動力となるのは人材であり、公共職業訓練においては、従来の技術・技能に加え、デジタル技術の活用に必要な知識・スキルを併せ持ち、環境変化に対応できる人材育成を担う必要があります。
一方で、デジタル化による技術革新は、省人化による労働力不足の解消につながる反面、従来の雇用が失われる可能性も指摘されており、新たな雇用の受け皿となり得るデジタル分野を始めとした成長分野への労働移動も喫緊の課題と考えています。
このため県では、産業DXやイノベーションの原動力となる情報系人材の県外への流出防止及び県内企業等への定着促進を図るため「広島県未来チャレンジ資金」を拡充し、県内就職を返還免除の要件とする新たな奨学金制度を設けました
次に、県立技術短期大学校においては、将来の生産現場を見据え、デジタル関連の知識・スキルの習得を行い、高度化する生産現場に対応した技術者を育成するための訓練が適正規模で実施できるよう、令和4年度から入学定員及び訓練課名を変更して訓練を行っています。
さらに、企業が経営戦略に基づいて社員に新たなスキルや知識の習得を促す「リスキリング推進企業応援プロジェクト」を開始し、情報処理に関する国家資格であるITパスポートの取得支援や100社超の企業による「広島県リスキリング推進宣言」など、県内産業界全体での機運醸成を図るとともに、公労使で構成する協議会では、リスキリング推進の取組指針や労働市場の流動化を踏まえた社会システムの在り方等について中間報告を公表するなど、国に先駆けた議論を行っています。
スマート農業の実装等による生産性の向上
農業分野においても、ロボットやAI、IoTなどを取り入れ、生産性を飛躍的に高めるスマート農業技術の実装が全国的に始まっています。しかし、中山間地域では活用が難しい技術も多いことから、本県では、本県の生産条件に応じた広島型の技術を構築する必要があります。
令和4年度も引き続き、「ひろしま seed box」において全国の企業からアイデアや技術をご提案いただき、トマトの栽培から販売までや、レモン等の大規模経営の実現、中山間地域における100ha規模の水稲栽培の実現に向けた実証試験を行っています。
このほか、ひろしまseed boxで完成した試行版技術を実証フィールド以外の農業者に体験してもらい、操作性等について意見交換することで、より使いやすい技術に改良して普及を加速するためセミナー等を開催し、ほうれんそうなど収穫してから急速に傷み始める野菜の収穫予測システムについて、有利販売に向け、実証フィールド以外の農業者にシステムの導入を進め、JA等と連携して取組を進めています。
データと新技術を活用したまちづくり
都市や地域が抱える諸課題の解決を図るため、オープンデータ化やAI、IoTなどの新技術の利活用により、防災や交通などの地域課題を解決するスマートシティ化を推進していく必要があります。
地域資源である空き家の積極的な利活用を図るため、県外からの移住希望者の受け皿として空き家情報を集約した、ひろしま空き家バンク「みんと。」では、遠方在住者とのマッチングのさらなる促進を図るため、ウェブ上でリアルな内覧が可能となるVRを用いた物件閲覧機能を新たに実装しました。
それぞれの欲張りなライフスタイルの実現
県民が抱く不安を軽減し『安心』につなげる
妊娠期からの切れ目ない見守り・支援の充実
全ての子供と子育て家庭が安心して暮らし、子育てができるよう、子供を取り巻く関係機関が連携し、妊娠期から切れ目のない見守り・支援を行うとともに、児童虐待などの様々なリスクを早期に把握し、リスクが重篤化する前に必要な支援を届ける仕組みを構築する必要があります。
ひろしま版ネウボラは、令和5年度から、現在の17市町に加え新たに1市町が導入支援市町としてネウボラ実施に向けた準備を行うこととなりました。県では引き続き、ひろしま版ネウボラの全県展開と利用促進及び理念の浸透に取り組みます。
また、AIを活用した予防的支援では、モデル4市町において、市町が保有する福祉や教育など、子供の育ちに関係する様々な情報を集約しています。その上で、AIを活用したリスク予測などを参考に、虐待などのリスクを早期に把握し、支援の対象者を決定し、ネウボラや学校などと情報共有しながら、予防的な支援を継続的に行う仕組みの構築を進めています。
子供の居場所の充実
県では、保育の受け皿の拡大を図っていますが、それを上回る保育ニーズやミスマッチにより、依然として一部の市町では待機児童が発生しています。
こうした中、令和4年度は、保育の現場で働きたい人や、現に働いている人が情報を収集しやすいよう、目的別で構成されていた既存のサイトの情報を集約し、保育の魅力やお役立ち情報等を発信する保育総合支援サイト「ほいくひろしま」を開設しました。
児童虐待防止対策の充実
児童虐待相談対応件数が増加する中、複雑な家庭環境などを背景として、医療・教育・司法の関係者との連携を要する高い専門性が必要な事案や、複雑化する事案への適切な支援が求められており、こども家庭センターのさらなる専門性の強化と市町との適切な役割分担と連携が必要となっています。
こうした中、県では、一時保護件数の増加に対応するため、東部こども家庭センターの一時保護所を増改築するなど、適切に被虐待児童を保護できる体制を整えるよう取り組んでいます。
乳幼児教育・保育の充実
乳幼児期の教育・保育の充実のためには、家庭や保育所・幼稚園等、さらには小学校等の関係者間で、基本的な考え方について共通認識に立ったうえで取組を推進していく必要があります。
こうした中、県では、県内の乳幼児期の教育・保育のさらなる質の向上を図るため「幼児教育アドバイザー訪問事業」を実施しています。この事業では園・所での勤務経験が豊富で専門的な知識を有するアドバイザーが、依頼に応じて園・所の教育・保育を訪問支援しており、県内の全ての園・所への訪問を目標に令和4年度の訪問は、年間410園・所にのぼりました。
また、小学校と園・所等が連携することで、お互いの教育・保育を理解し、見通して、子供たちの育ちと学びが適切に連続するよう、幼保小連携教育の充実を図っています。そのため、幼稚園又は保育所、幼保連携型認定こども園に小学校の教員を長期に派遣する幼児教育長期派遣研修や、地域の実情に応じた幼保小連携・接続のための組織体制整備の支援を行っており、令和4年度は県内7市町において支援を行いました。
学びの変革の推進
学びのセーフティネットの構築
学級に居づらさを感じている児童生徒や、不登校及び不登校傾向にある児童生徒が個々のペースで学習に取り組むとともに、他者とのかかわりを持ち、社会とのつながりを維持するための居場所づくりを推進する必要があります。
県では令和4年度から、不登校等児童生徒の社会的自立に向けた成長を支援していくため、学校外の学びの場の一つとして、来室による利用に加え、オンラインで利用できる機能を備えた「SCHOOL“S”」を新設し、不登校等児童生徒を支援する新たな取組を始めました。SCHOOL“S”では、児童生徒の個々の状況に応じた学びを支援するため、個別の学習相談を踏まえた個別サポート計画の作成や、メンターの派遣等による学習支援、デジタルツールを活用した学びのプログラムの提供などに取り組んでいます。
また、不登校あるいは不登校傾向が見られるケースや、特別な支援が必要な児童生徒への支援を行うSSR(スペシャルサポートルーム)の設置を推進しており、学習支援等による不登校の未然防止及び不登校等児童生徒の社会的自立に向けた支援の強化、充実にも取り組んでいます。
高等教育の充実
ライフステージに応じた県民の健康づくりの推進
がんなどの疾病の早期発見・早期治療の推進
県ではこれまで、がんなどの疾病の早期発見、早期治療を推進するため、様々な啓発キャンペーンを展開し、さらに個別に受診を促す取組などを実施してきました。その結果、検診(健診)受診率は上昇傾向にあるものの、依然として全国平均を下回っていることから、これまで効果のあった企業及び保険者等と連携した取組は継続しつつ、成人や結婚、退職といったライフイベントの機会を捉えた受診勧奨など、さらなる受診率向上に向けた取組を一層推進する必要があると考えています。
また、新たな取組として、X線検査やCT検査などの画像をインターネットで送信し、専門医が判断するシステムの導入などを検討し、がん検診を行う医療機関を増やすなど、検診へのアクセス改善に取り組んでいます。
高度医療機能と地域の医療体制の確保
ハード対策等による事前防災の推進
防災教育の推進
きめ細かな災害リスクの情報の提供
デジタル技術を活用したインフラマネジメントの推進
交通事故防止に向けた総合対策
交通事故死者数、交通事故重傷者数の減少に向け、交通指導取締りや、各種交通安全対策を推進し、より安全な道路交通環境を整備する必要があります。
このため県では、「ゾーン30プラス」の整備に向けた取組を令和4年度に進めるなど、歩行者視点による人優先の安全・安心な歩行空間の整備を進めるとともに、交通安全施設においては、老朽化した施設の更新や、摩耗した横断歩道の補修、信号灯器のLED化等を行うなど、交通安全に資する整備を推進しました。
県では引き続き、道路の安全を確保するため、通学路等における歩道の整備や、防護柵・標識等の設置を推進し、安全かつ円滑な交通環境の整備に努めます。
犯罪被害者等への支援
犯罪の被害に遭われた方やそのご家族等が、早期に被害の軽減と回復を図るためには、県民、事業者及び民間団体など、多様な主体が協力して施策の充実を図り、必要な支援が途切れることなく提供される体制を構築することが必要です。
こうしたことから、県では犯罪の被害に遭われた方等が、平穏な生活を営むことができる社会の実現に向けて、犯罪被害者等支援の総合的かつ計画的な推進に必要な事項を定めた「広島県犯罪被害者等支援条例」を制定し、令和4年4月1日から施行しました。
また、犯罪の被害に遭われた方等の多様なニーズに応えるため、広島県内を中心とした関係機関・団体が行っている様々な支援の具体的な内容、連絡先等の情報、支援の留意点などをまとめた「犯罪被害者等支援ハンドブック」を作成しています。
水道事業の広域連携
将来にわたり、安全・安心な水を適切な料金で安定供給できる水道システムを構築するため、県と市町が一体となって水道事業の広域連携に取り組み、水道事業の経営基盤の強化を図る必要があります。
このため県では、令和4年11月に、県及び県内14市町で構成される「広島県水道広域連合企業団」を設立しました。今後は、水道企業団を中心に、施設の最適化や危機管理体制の強化、DXを活用したサービスの向上などの取組を進めていきます。また、水道企業団に参画していない7市町とも、職員研修の共同実施や業務の効率化に向けた情報交換会を行うなどの連携を図り、県内の水道事業の経営基盤の強化に努めます。
働き方改革の促進
若年者等の県内就職・定着促進
県外大学生のUIJターン就職率は上昇傾向にあり、これまでの大学生への県内企業を知る機会の提供等の取組の成果が見られます。一方で、県内大学生等の就職に伴う転出増加により、転出超過数は拡大しており、転出を抑制する取組の強化が必要です。
令和4年度は、高等学校等の授業において、地元企業の経営者等から、広島で働く魅力や、やりがいなど、地域への思いについて生徒に分かりやすく伝える「企業の出前講座」や大学の授業等において「業界研究講座」を行い、大学低学年から参加できる「パッケージ型インターンシップ」を実施するなど、県内企業を幅広く知り、興味関心を持ってもらえるよう取り組んでいます。
世界とつながる空港機能の強化
世界標準の港湾物流の構築とクルーズ客船の寄港環境の整備
県では、東南アジア諸国等との交易拡大を支えるため、広島港及び福山港において大型化するコンテナ船が係留可能な岸壁を延伸し、ふ頭用地の拡張、ターミナル背後の港湾物流用地の整備、荷役機械の自動化等による港湾物流機能の強化を進めています。
まず、広島港出島地区国際海上コンテナターミナルでは、令和4年度から、岸壁整備が国において事業化され、着工もされたところです。県では早期完成に向け、国土交通省をはじめとする関係機関と連携するとともに、背後の土地造成などに取り組んでいます。
また、宇品地区では、クイーン・エリザベスなどの12万トン級のクルーズ客船が寄港できる岸壁延伸工事が令和4年度に完成しました。これにより、一度に受け入れられる乗客数も大幅に増加することから、ラグジュアリー・プレミアムクラスのクルーズ客船の受け入れにも相応しい新たなクルーズターミナルを整備しています。外国クルーズ船の誘致については、引き続き、本県を訪れる外国人観光客のうち欧米人の割合が高いという本県の特徴を生かし、欧米の富裕層が多く乗船するラグジュアリークラスのクルーズ船社などを中心に、積極的なポートセールスを実施します。
人・モノの流れを支える道路ネットワークの構築
生産性の向上を図るため、県内都市部を中心に発生する渋滞による損失時間を低減させ、既存の高速道路ネットワークへのアクセス強化等を図り、企業活動を支える物流基盤となる道路ネットワークを構築する必要があります。
こうした中、令和4年度には、広島都市圏の東部地区における幹線道路ネットワークを形成し、渋滞緩和や広島空港、広島港など物流拠点へのアクセス強化を図る上で重要な道路である「東広島・安芸バイパス」が全線開通しました。
さらに、東広島・安芸バイパスと東側で接続する西条バイパスも、下三永から八本松の間について4車線化されることが決定しました。西条バイパスは、東広島・呉自動車道等とも一体となって、地域内外の交流連携を支え、広島空港や広島港へのアクセスにおいて定時性や代替性を強化する上で重要な幹線道路となります。県では、都市交通の高速性、安定性の強化等に資する道路について、引き続き計画的な整備を進めたいと考えています。
ネット・ゼロカーボン社会の実現に向けた地球温暖化対策の推進
地球温暖化により、世界的に気温上昇の傾向が見られ、これから追加的な対策をしなければ、猛暑日や豪雨などがさらに増加することが予測されています。そのため、本県においても地球温暖化防止地域計画の見直しを行い、産業・運輸・民生など部門別の排出削減目標を引き上げ、その実現に向け地域脱炭素ロードマップに基づく市町と連携した再生可能エネルギーの導入促進などの取組を充実、強化しています。
カーボンリサイクルについては、令和4年度に、国が整備を進めてきた大崎上島町のカーボンリサイクル実証研究拠点が完成し、カーボンリサイクル産学官国際会議で世界に向けて紹介されたところであり、県では、こうした国の動きと一体となって、県全体がカーボンリサイクル研究の一大拠点となるよう取組を進めています。具体的には、産学官連携による「広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進協議会(通称:CHANCE(チャンス))」を設立し、110を超える会員企業や研究者に対し、社会実装に向けたワーキング活動や会員同士のマッチング支援等を実施しました。また、県が新たに創設した研究・実証支援制度「HIROSHIMA CARBON CIRCULAR PROJECT(ヒロシマ・カーボン・サーキュラー・プロジェクト)」において、9つの研究・実証テーマを採択し、さらなる研究案件の発掘・開発を促進しています。
さらに、県内で活動している企業や研究者、スタートアップ企業等が「HIROSHIMA GREEN INNOVATION SESSION」で一堂に会し、広島の”フィールドとしての魅力”を全国に発信するなど、カーボンリサイクル関連技術の拠点化を図り、カーボンリサイクルを本県産業の柱の一つとして育成することを目指して取り組んでいます。
このほか、国土交通省中国地方整備局と共同で、自動車関連企業や産業機械等の製造産業等の企業が多く立地し、中国地方の地域経済を支える重要な役割を担う広島港と、背後圏に鉄鋼業等の産業や企業の事業所が多数立地し、製造業及び地域の経済・雇用の成長を支える重要な役割を担う福山港において、カーボンニュートラルの取組を進めるために準備会を開催し、現在、民間事業者及び関係行政機関の参画を得て、カーボンニュートラルポート形成の計画策定に向けて検討を進めていく予定としています。
加えて、県内運輸事業者を対象に、ネットゼロカーボン等の取組の後押しとして、燃費向上による輸送コスト負担軽減につながるエコタイヤ等の導入支援や、CO2削減による環境負荷の軽減につながる環境対応車等の導入支援にも取り組みました。
地域環境の保全
海洋プラスチックごみの問題が世界的に深刻化する中、本県の宝である瀬戸内海の環境を保全するため、2050年までに新たに瀬戸内海に流出する海洋プラスチックごみをゼロにすることを目指し、ごみの回収や清掃等に加え、「GREEN SEA瀬戸内ひろしま・プラットフォーム」において、生活系プラスチックごみの流出防止対策に取り組んでいます。
令和4年度は、プラットフォームの参加企業と連携し、代替素材を活用したテイクアウト容器の展開によるワンウェイプラスチックの削減や、デポジット制による容器のリユースなど、プラスチックの使用量削減に向けたモデル事業を開始するとともに、中四国初となるIoTスマートごみ箱を県内に12台設置し、ごみの流出防止に係る実証事業を実施しています。
県民の『誇り』につながる強みを伸ばす
産業DX・イノベーション人材の育成・集積
中小企業・小規模企業の生産性向上・経営改善
中小企業等の持続的な発展に向けては、イノベーション創出に必要な組織づくりを目指す民間主体による「学びの場」の定着に向けた環境整備とともに、社会的課題解決等プロジェクトの取組を通じたイノベーションの創出によって、生産性の向上を図っていく必要があります。
こうした中、県では、新商品開発や新サービスの提供、研究開発などの新たな事業活動に取り組み、付加価値を高め経営の向上を図る中期計画である「経営革新計画」の承認を受けた事業所に対し、様々な支援を行っています。令和4年度も、150件以上の計画を承認しており、引き続き、経営革新計画の活用を促進し、中小企業等の新規事業活動を支援します。
イノベーション環境の整備
企業誘致・投資誘致の促進
地域の核となる企業経営体の育成
農林水産分野において、地域の核となる企業経営体を育成するため、経営力や販売力の向上に取り組んでいる中で、異業種の企業と連携した販売強化を模索するケースや、ウィズ・アフターコロナ、SGDsなどの社会環境変化から発生するニーズをビジネスチャンスとして捉える動きが現れています。
こうした中、令和4年度からは、生産から販売に係る全国の様々な企業と農業経営体が連携し、新商品やサービスの開発など、新たなビジネスの創発を目指す食のイノベーション創出事業「Hiroshima FOOD BATON(ひろしまフードバトン)」を開始しました。この事業では、地域密着型の調剤薬局が大手ドラッグストアと差別化したいニーズを踏まえ「美味しく、健康でいたい」層をターゲットに、健康をテーマにした野菜を販売する取組や、市場流通できない廃棄野菜を有効活用するため、食品製造業者と農業経営体がチームとなり、百貨店や高級スーパーなどで販売する高品質な冷凍食品をスピーディーに開発する取組など、異業種との連携や、社会環境の変化をビジネスにつなげる動きを支援しています。県では引き続き、こうした新たなビジネスの創発を目指す意欲的な農業経営体の経営発展を促してまいります。
持続可能な広島和牛生産体制の構築
広島和牛を振興するうえでは、ブランド化の推進が重要です。その中でも比婆牛は、料理人から味だけでなく、歴史と伝統、肉の口どけなど食味に対する評価を得ているものの、県民や観光客からの認知が十分ではありません。このため県では、まずは比婆牛のブランド力向上を図るため、県内高級飲食店での営業実証や味の特徴の調査などを通じて、取扱店舗の拡大と認知向上を図る「広島和牛ブランド創造実証事業」を開始しました。
令和4年度は、流通上の課題解決策を検討するため、比婆牛の継続的な取り扱いにつながる可能性のある日本料理、中国料理、フレンチ、イタリアンと様々なジャンルの県内高級飲食店で、比婆牛と広島の食材を組み合わせ、比婆牛の特長である口どけや舌ざわり、風味の良さを発揮できる冷製料理のメニューを開発し、提供しました。
このほか、令和4年度に開催された、全国の優秀な和牛が一堂に会する品評会である全国和牛能力共進会、別名「和牛オリンピック」では、9つの審査区分のうち4つの区分において優等賞を獲得、さらには和牛肉の口溶けや風味に関わるとされる「脂肪の質」を重視して評価される区分においては全国3位の成績となるなど、広島和牛に対し、高い評価をいただきました。
瀬戸内の地魚の安定供給体制の構築
瀬戸内の多彩な地魚が、広島を代表する食材として県民の誇りとなり、さらに観光客の訪問のきっかけとなるためには、瀬戸内の地魚のブランド化に取り組む必要がありますが、これまでの各地の特産魚種をPRする取組について、県全体の取組に発展させることで、広島の地魚の認知度を高めることが求められています。
令和4年度は、瀬戸内の地魚について県内外における認知と評価の獲得に向けた魅力や課題を抽出するため、広島市内12店舗において旬の瀬戸内の地魚4種類以上を利用した料理を実食モニターに提供する店舗実証を開始しました。また、実食後のアンケートだけでなく、市場や飲食店などの関係者の皆様、一般公募の実食モニターの皆様が一堂に会した交流イベント「瀬戸内じざかな日和」において、パネルディスカッションやモニター座談会を行い、瀬戸内の地魚の魅力を評価検証しています。
ブランド価値の向上につながる魅力づくり
誰もがスポーツに親しむ環境の充実
本県には、全国トップリーグや地域において活躍する様々なスポーツチームやアスリートが数多く存在しています。こうした中、スポーツを「する」人だけでなく、「みる」「ささえる」人も増やすため、県民の皆様が、楽しみながら県内のスポーツに関心を持ってもらうための仕組みづくりが必要です。
そこで県庁内に設置している広島版スポーツコミッション「スポーツアクティベーションひろしま」では、広島東洋カープ、サンフレッチェ広島、広島ドラゴンフライズなど、県内26チームと連携した広島横断型スポーツ応援プロジェクト「Team WISH」を開始し、競技の枠を超えた試合結果予想ゲーム「WISH Match」の展開やイベントの開催等を通じて、広島のスポーツを応援する環境の充実に取り組みました。引き続き、県民の皆様がスポーツを楽しみ、スポーツの力で健康と豊かさと幸せを実感していただけるよう、取り組んでまいります。
このほか、令和4年度は、オリンピックや世界大会などの国際舞台で将来活躍できる、広島ゆかりのアスリートの発掘育成強化を目指したジュニア選手育成強化事業「ひろしまスポーツアカデミー」が県スポーツ協会において始まりました。このアカデミーでは、小学校段階で体験する機会を得ても、中学校では部活動がないなど、練習環境が整わない競技を中心に、専門性の高いコーチから指導を受け、育成強化が行われています。
文化芸術に親しむ環境の充実
県では、県立美術館での幅広い世代に向けた魅力ある展示や、縮景園での和文化体験など、本県が有する文化芸術の豊富な資源を活かした企画等に取り組むほか、より多くの県民の皆様に文化芸術に親しんでいただけるよう、身近において、魅力的な文化芸術イベントや、良質な文化芸術を鑑賞する機会の充実を図っています。
令和4年度からは、新たに「広島県公立文化施設ネットワーク」を構築し、文化資源の共有などを通じて、各施設の一層の活用促進を図るとともに、それぞれが抱える文化芸術事業の企画・運営に係る課題の解決を支援しています。
また、新たな視点による企画立案などにつなげるため、「文化芸術に係る地域住民参画型モデル事業」として、府中市、廿日市市、世羅町の3つの公立文化施設において、地域住民参画による文化芸術事業の企画・実施をモデル的に開始しました。
このほか、県立美術館と広島市現代美術館による初の合同展も開催し、双方のコレクションから異なる時代・ジャンルの作品を対比させるといった新たな美術の楽しみ方を提案するなど、文化芸術に親しむことができる環境の充実に取り組んでいます。
核兵器廃絶に向けた新たな政策づくりと多国間枠組みの形成
核軍縮の具体的な進展が見られないことに加え、核兵器への依存傾向が高まる中、令和4年2月にロシアがウクライナを侵略し、核兵器の使用を示唆するなど、核を巡る情勢は危機的な状況にあります。この状況を打開するため、人類史上初の被爆地である広島が有する道義的権威としての影響力を発揮し、世界に核兵器廃絶に向けたインパクトを与えることが必要と考えています。
こうした中、県は、へいわ創造機構ひろしま(HOPe)や国際NGO等と共に、2030年以降の次期国連開発目標(ポストSDGs)に、核兵器廃絶が位置づけられることを目指して、市民社会から働きかけを行うグループとして、「グローバル・アライアンス『持続可能な平和と繁栄をすべての人に』)」を4月に設立しました。
また、6月にウィーンで開催された「核兵器禁止条約第1回締約国会議」に参加し、核兵器廃絶に向けた働きかけを行ったほか、7月にニューヨークで開催された「国連ハイレベル政治フォーラム」では、核兵器と持続可能性をテーマにした対話イベントを開催し、多くの方にこの問題について考えていただく機会を提供することができました。
8月には、同じくニューヨークで開催された「NPT運用検討会議」にも参加し、サイドイベントを通じて、安全保障と持続可能性の2つの観点から、多面的に核兵器廃絶の取組の重要性を訴えることができ、持続可能性の観点から核兵器問題を提起するという新しいアプローチについて賛同を得ることができました。
さらに8月6日のグテーレス国連事務総長の広島訪問の際には、核兵器廃絶などに積極的に取り組んでいる若者との対話イベントを開催したほか、9月には「世界平和経済人会議ひろしま」を開催し、ビジネスが積極的平和の実現に貢献することの重要性について議論を深めました。
このほか、国際平和拠点ひろしま構想推進委員会では、有識者の皆様から、サミットの機会を捉えた平和の発信や今後の進め方についてご意見を伺うとともに、次期国連開発目標へ核兵器廃絶を位置づけることを目指すフレンズ会合や、核抑止に替わる安全保障ビジョンの策定について協議を行いました。
県民一人一人の夢や希望の実現に向けた『挑戦』を後押し
基幹産業であるものづくり産業のさらなる進化、イノベーション環境の整備
本県の基幹産業である「ものづくり産業」が、持続的に競争優位性を確保していくためには、上流工程などの付加価値の高い領域を包含したものづくり活動への転換を図るとともに、競争力をさらに強化するため、産学官連携の下、地域の大学等の知的資産を活用した、高度かつ専門的な研究開発活動を行い、その成果を地域企業へ展開していくことが必要と考えています。また、自動車関連産業においては、カーボンニュートラルへ向けたCO2排出量規制の厳格化やCASE(Connected/Autonomous/Shared/Electric)といった100年に一度と言われる大変革期を迎えており、自動車関連産業サプライヤーに占める中小企業の割合が高い本県においても、技術開発の多様化・複雑化への対応が求められています。
こうしたことから県ではこれまで、車体の軽量化や車内環境に関するサプライヤーの技術力強化に重点的に取り組んできており、カーメーカーやIT企業など地域企業の共創活動により、企画、設計などの付加価値の高い領域を包含したものづくり活動への転換を図っています。こうした中、令和4年度にはカーテクノロジー革新センターの「新技術トライアル・ラボ」の機能を強化し、県内自動車部品サプライヤー等が合同で電気自動車を調査研究する「EV研究プロジェクト」を新たに開始しました。
加えて、そうした研究開発と同時にデジタル化への対応を促進するため、県では、ものづくりプロセス全体のデジタル化によって産業競争力の向上を目指す「ひろしまものづくりデジタルイノベーション創出プログラム」に取り組んでいます。このプログラムにおいて、令和4年度は、研究開発成果を実社会で活用するための実証・トライアルの場として、ひろしま産学共同研究拠点に材料MBR棟・データ駆動型研究棟(通称:テストベッド)を整備しました。県では引き続き、開発した技術の地域での活用を視野に、産学官で連携し、研究成果の地域企業等への展開を図ってまいります。
広島の強みを生かした新成長産業の育成
健康志向やヘルスケアへのニーズが今後より一層高まっていくことを踏まえ、県ではこれまで、医療機器等のデバイスに加え、医薬品、機能性表示食品等、健康・医療関連分野全般にターゲットを拡大した取組を進めてきました。こうした中、県では、医療・健康分野と親和性の高いゲノム解析・編集技術の活用や、広島大学の医療系研究拠点との連携など、広島の強みを生かした取組に注力していくこととし、ゲノム解析・編集技術の社会実装に興味のある県内企業の掘り起こしを進めるとともに、農業技術センターにおいて研究機器等を活用した共同研究、技術指導に取り組んできたところです。
とりわけ新たに令和4年度からは、県内に事業所を有する「広島バイオテクノロジー推進協議会」の会員企業が、大学等と連携しゲノム関連技術を導入する際に、その経費の一部について、2件の支援を実施しています。
加えて、健康・医療関連産業の拡大としては、県内に事業所を有する「ひろしま医療関連産業研究会」または「広島バイオテクノロジー推進協議会」の会員企業が、健康・医療関連分野への新規参入や事業拡大に取り組む際の経費の一部を支援しており、令和4年度は12件の支援を実施し、健康・医療関連分野における製品化・事業化を促進しました。
そして、環境・エネルギー産業を広島県の将来の産業の柱とするためには、既存の製品やサービスを、市場規模が大きく、成長率の高い海外市場へ展開し、販路を拡大していく取組に加え、2050 年のカーボンニュートラル達成に向けた世界的な動き等の社会環境の変化を捉えた、新たなビジネスの創出が必要です。このため県では「ひろしまグリーンオーシャンプロジェクト」と銘打ち、環境・エネルギー分野での事業構想の創出から社会実装に至るまでを一体的に支援しています。
このほか令和4年度も、環境・エネルギー分野での新規事業創出に意欲的な事業者を対象に、カーボンニュートラル等の社会的に大きな潮流の変化に対応した新規事業構想の策定支援や、海外スタートアップとの連携による海外発の新規事業創出支援に加え、開発・実証フェーズの案件を支援する補助金などにより、新たなビジネス構想の社会実装化を着実に進めています。さらには国内外の研究者やスタートアップ等に対して、研究機関や企業等が県内各地で実施している具体的な取組や本県の特長等を発信し、県内への集積や県内企業等との共創事例の創出につなげるためのイベント「HIROSHIMA GREEN INNOVATION SESSION」も開催しました。
スマート農業の実装等による生産性の向上
森林資源経営サイクルの構築
本県では、年間 40 万㎥の県産材の生産量の確保に向け、高性能な林業機械の導入や路網整備の支援などを行うとともに、生産された県産材の需要確保に向け、大型製材工場の整備や、県産材を利用した住宅を建築する取組に対して支援を行うなど、人工林を「伐って、使う」ことを中心に取り組んできた結果、令和3年度に初めて、スギ・ヒノキの生産量が40万㎥に達しました。
さらに、本格的な利用期を迎えた県内の森林資源について、これまでの「伐って、使う」ことに、「植える」ことも加えた、一連の循環となる「森林資源経営サイクルの構築」に向けて、森林施業の低コスト化やスマート林業技術の導入に取り組んでいます。そのうち、急傾斜地でも容易に苗木を運搬することができる大型ドローンの実証では、従来の人力による運搬に比べ、生産性が約4倍に向上することが確認できており、県ではこうしたスマート林業技術を早期に確立し、県内の林業経営体に普及させてまいります。
特性を生かした適散・適集な地域づくり
人材の発掘・育成、ネットワークの拡大
持続可能な中山間地域の実現のためには、中山間地域が持つ魅力や豊かさに共鳴し、地域の抱える課題の解決や、新たな価値を生み出していくための主体的な活動を展開していく、地域に根差したリーダーを育成・確保していく必要があると考えています。このため県では、地域づくりをリードする人材の活動が、将来にわたり主体的かつ継続的に展開していくよう、登録型人材プラットフォーム「ひろしま里山・チーム500」を開設し、このプラットフォームを基盤として、人材育成や、地域と登録者間のネットワークの構築等を進めており、その登録者数は590名を超えています。
令和4年度は、チーム500の登録者が、地域と協働して行う新たな活動の立ち上げについて支援する「元気さとやま応援プロジェクト」を開始しました。このプロジェクトでは、老朽化施設を交流拠点としてリノベーションしたことで、地域住民同士のコミュニケーションが活性化された庄原市の事例や、空き倉庫を地域内外のアーティストが作品展示できるギャラリーに改装したことで、島外からの来場者が増え、賑わいの創出につながった大崎上島町の事例など、70件を超える活動が各地で展開されています。
新たな事業展開に向けたチャレンジ支援
持続可能な生活交通体系の構築
人を惹きつける魅力ある都心空間の創出
広島の都心においては、「ひろしま都心活性化プラン」に掲げる将来像の実現に向け、エリアマネジメント活動の一層の活性化など、広島市や広島都心会議等と連携して、官民一体となったまちづくりを推進しています。
令和4年度は、広島JPビルディングの竣工に加え、富士見町地区の県有地等を活用し誘致された、国際会議を開催できるハイグレードなホテルであるヒルトン広島がグランドオープンし、広島市の都心としての競争力や国際的なブランド力の向上が期待されるなど、都心のまちづくりが着実に進んでいます。
また、県庁舎敷地についても、県民の皆様に親しまれる新たな都心の憩いの空間の創出に向け、事業運営予定者を公募・決定し、有効活用に向けた取組を開始したところです。
また、備後圏域の玄関口である福山駅周辺地区においては、「福山駅前再生ビジョン」の「めざす福山駅前の姿」の実現に向け、「福山駅周辺デザイン計画」に掲げた取組の推進や、民間主体のエリアマネジメント体制の構築など、福山市と連携した取組を進めています。
令和4年度には、福山駅前のタクシープールを広場化する実証実験などを経て、福山駅前広場整備基本方針が策定されました。
機能集約された都市構造の形成
持続可能なまちづくりを実現するためには、行政・医療・商業機能などを集約して拠点性を高めながら、これまで整備されてきた道路、公園などの公共施設や建築物等も活用を促すことで、都市のスポンジ化や市街地の郊外拡散を抑制し、集約型の都市構造を形成していく必要があると考えています。
こうした中、県では、空き家や空き地など低未利用ストックに対し、接道状況や土地の形状の改善を図ることによって、活用可能な土地を生み出す「広島型ランドバンク事業」に取り組んでいます。令和4年度は、モデル地区である三原市本町地区の事業予定箇所において区画再編などの取組を実施し、事業スキームの検証を行いました、
このほか、令和4年度には、中古住宅の需要創出を図り、住み替えなどの流通を促す方策について検討するため、学識経験者や関係団体等で構成される検討チームを設置し、具体的な戦略を取りまとめました。引き続き、顧客創造及び市場活性化の観点から、中古住宅の需要拡大に向けた取組を進めてまいります。
災害に強い都市構造の形成
地域と連携し、地域の特性を生かしたまちづくりの推進
広島型の「適散・適集」なまちづくりの実現に向け、県では、県民の皆様をはじめ、国内外の多様な価値観やニーズを持つ様々な世代の人々が「住みたい」と思える広島ならではの、ゆとりと魅力ある居住環境を実現する必要があると考えています。
令和4年度は、東広島市「広島大学周辺エリア」において、「グローバルスタンダードな生活環境づくり」などの視点で具体的なエリアデザインを進め、さらに新たなモデル地区として府中市の府中駅西側エリアなどや、廿日市市の市役所周辺エリアを選定し、将来ビジョンの策定を進めています。引き続き、各地区における将来ビジョンの実現に向けて、市町と連携しながら取組を進めてまいります。
データと新技術を活用したまちづくり(スマートシティ化)の推進
時期 | 区分 | 内容 |
---|---|---|
4月 |
グローバル・アライアンス「持続可能な平和と繁栄をすべての人に」を設立 | 国際NGO等と共に、次期国連開発目標(ポストSDGs)に核兵器廃絶を位置づけるため市民社会から働きかけを行うグループを設立 |
完全自立型EVシェアリングステーション実証事業開始 | 太陽光発電電力のみで運用するEVステーションにカーシェアリングを組み合わせた、世界初の取組を開始 | |
広島叡智学園高等学校入学式 | 「世界中のどこにおいても、地域や世界の『よりよい未来』を創造できるリーダーの育成」を目指す叡智学園高等学校の初めての入学式 | |
ひろしまスポーツアカデミー開校式 | 国際舞台で活躍できるアスリートの発掘育成強化を目指すジュニア選手育成強化事業の開始 | |
広島県公立文化施設ネットワークの構築 | 文化資源の共有等を通じて、各施設の一層の活用促進を図る公立文化施設間のネットワーク体制を構築 | |
SCHOOL “S” (スクールエス)オープニングセレモニーの開催 | 不登校等児童生徒の社会的自立に向けた成長を支援していくため学校外に設けられた学びの場の新設セレモニーの開催 | |
広島県リスキリング推進検討協議会の設置 | デジタル化が進展する中、リスキリングを推進し、円滑な労働移動の実現を目指し、様々な課題を公労使で検討する協議会を設置 | |
5月 |
広島県地球環境対策推進会議の開催 | 2050ネット・ゼロカーボン社会の実現に向け、知事をトップとする組織体に改組し推進体制を強化 |
主要国首脳会議(G7サミット)の広島開催が発表 | 岸田内閣総理大臣とバイデン米国大統領の共同記者会見において、2023年のG7サミットを広島で開催すると発表 | |
6月 |
Hiroshima FOOD BATON(ひろしまフードバトン)のスタート | 意欲的な農業経営体の「稼ぐ力」を高めるため、様々な企業と連携し、新たな食のビジネスの創発を目指す事業の開始 |
県立広島大学創立100周年記念行事の開催 | リーガロイヤルホテル広島において、県立広島大学創立100周年記念式典・記念祝賀会を開催 | |
土砂災害警戒区域等のAR表示の運用開始 | AR技術を活用し、周囲の土砂災害警戒区域等をスマートフォンのカメラ映像に重ねて表示する機能の運用を開始 | |
核兵器禁止条約第1回締約国会議への参加 | 市民社会フォーラムでの対話イベント開催や、グローバル・アライアンスへの加入の呼びかけを実施 | |
DoboX運用開始 | 公共土木施設等に関する情報の一元化・オープンデータ化や、官民でのデータ連携を可能とするシステム基盤の運用開始 | |
7月 |
国連ハイレベル政治フォーラムへの参加 | セッション開催や、国連幹部との意見交換を通じ、平和の取組の発信や核軍縮の進展に向けた働きかけ等を実施 |
広島県立図書館にひろしま子どもサイエンスライブラリー開設 | 動植物・昆虫・天気・宇宙・恐竜など、子どもの興味関心が高い図書を整備し、「探究的な学び」につなげる図書館サービスの開始 | |
ひろしまラウンドテーブル2022の開催 | 核軍縮・軍備管理に向けた多国間協議の場として開催し、議長声明を国連、各国政府に発信 | |
東京都銀座のひろしまブランドショップTAUオープン10周年 | 「元気・美味しい・暮らしやすい」ひろしまブランドの発信拠点「TAU」が10周年を迎え様々なイベントを実施 | |
広島サミット県民会議の設立 | 広島サミット成功と広島の更さらなる発展に向け、広島の総力を結集し、官民一体となってオール広島で取り組むための組織を設立 | |
NPT運用検討会議等への参加 | 核兵器を巡る厳しい国際情勢が続く中、核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議へ参加し、核兵器廃絶に向けた働きかけを実施 | |
8月 |
グテーレス国連事務総長の来広に伴うイベント開催 | 核兵器廃絶などの取組を行う青少年との対話イベントを開催し、核兵器のない平和で持続的な世界の実現について考える機会を発信 |
医療非常事態警報の発令 | 医療提供体制が極めて厳しい状況であることを受け、県独自の警報を発令し、県民の皆様へ感染対策を強く呼びかけ | |
ひろしまジュニア国際フォーラムの開催 | 国内外の高校生等が国際平和についての討議や交流等を行い、次世代の人材育成を行うことを目的としたフォーラムを開催 | |
陽性者登録センターの開設 | 感染拡大に伴い、診療・検査医療機関への受診の集中を緩和し、迅速な陽性判定と、オンライン診断ができるセンターを開設 | |
広島県とハワイ州の友好提携25周年に係るハワイ州訪問団来広 | ハワイ州と相互に訪問団を派遣し、式典への参加等により交流を促進し、同州県人会との関係を強化 | |
広島JPビルディングの竣工 | 広島駅に隣接した広島東郵便局跡地で建設が進められてきた広島JPビルディングが竣工 | |
9月 |
「ひろしま夢プラザ」のリニューアルオープン | 地域の特産品等を販売している「ひろしま夢ぷらざ」のアンテナショップ機能の強化に向けた店舗改装等によるリニューアルオープン |
2022世界平和経済人会議ひろしまの開催 | ビジネスと平和構築のあり方を多面的に議論し、ビジネスの前提となる国際平和の重要性を共有する「世界平和経済人会議」を開催 | |
医療非常事態警報の解除 | 感染の減少傾向が継続し、ピークアウトしたと判断するとともに、病床の一般医療との両立が可能な見込みが立ったため解除 | |
循環型ショッピングプラットフォーム「Loop(ループ)」展開開始 | 中四国初となる、食品等を繰り返し使える容器で販売し、使用済み容器を回収して洗浄、製品を充填の上で再販する取組の展開開始 | |
10月 |
広島県保育総合支援サイト「ほいくひろしま」オープン | 未資格者を含む保育関係者を支援するため、既存サイトの情報を集約し、保育の魅力やお役立ち情報等を発信するサイトを開設 |
Hi!HIROSHIMA business days 2022の開催 | 参加者同士や地元のキーパーソンとのネットワーキングなど、通常の出張では出会えないビジネスマッチングを創出するイベントを実施 | |
「令和4年度ローカル・ブルー・オーシャン・ビジョン推進事業」採択プロジェクト開始 | エシカル商品をより身近に選択できる機会の提供等、消費者の海洋ごみ問題に関する行動変容につなげていくためのプロジェクトを開始 | |
中国地域半導体関連産業振興協議会の設立 | 中国地域のデジタル社会実現の基盤となる中期的な半導体関連産業の集積強化の方策を検討するための協議会が設立 | |
広島県とハワイ州の友好提携25周年に係るハワイ州訪問 | ハワイ州と相互に訪問団を派遣し、式典への参加等により交流を促進し、同州県人会との関係を強化 | |
ひろしま建設イノベーション2022の開催 | 建設技術の一層の技術開発や導入促進、建設産業の魅力等を幅広くPRするイベントを開催 | |
2022ハンザクラスワールドの開催 | 障害の有無などに関わらず、同じルールで誰もが一緒に楽しみながら競い合う大会とパラアスリートが競い合う世界大会の同時開催 | |
ヒルトン広島グランドオープン | 広島市中区富士見町地区の県有地等を活用し誘致されたホテル「ヒルトン広島」がグランドオープン | |
スマートごみ箱”SmaGO”運用開始 | IoT技術を活用したスマートごみ箱”SmaGO”の中四国初となる運用開始にあたり、設置セレモニーを開催 | |
国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ2022」の開催 | 4年ぶりにしまなみ海道を舞台に開催され、33の国と地域から約6、400人が参加した国際サイクリング大会 | |
広島サミットカウントダウンボードの設置 | 広島サミット開催まで200日前の節目に合わせ、歓迎機運を醸成するため、JR広島駅にカウントダウンボードを設置 | |
11月 |
第8回スペシャルオリンピックス日本夏期ナショナルゲーム・広島の開催 | 知的障害のあるアスリートが、日頃のトレーニングの成果を発揮するため、広島に集まり競い合う大会が、中四国で初めて開催 |
核兵器と安全保障を学ぶ 広島-ICANアカデミー広島セッションの開催 | 核兵器と安全保障に関する研修を通じて、グローバルに活躍できるリーダーの育成を目指すプログラムに20か国から29名が参加 | |
高度医療・人材育成拠点基本構想の発表 | 新病院(拠点)に必要な医療機能や広島都市圏における医療機能の分化・連携・再編の方向性等を示した基本構想を発表 | |
広島県水道広域連合企業団の設立 | 将来にわたって、安全・安心な水を適切な料金で供給できる水道システムの構築に向け、県と14市町で構成する水道企業団を設立 | |
広島港出島地区国際海上コンテナターミナルの岸壁整備工事着工 | 東南アジア諸国等の貨物需要の増加やコンテナ船の大型化に対応するため、大水深岸壁の延伸の工事等を着工 | |
HIROSHIMA GREEN INNOVATION SESSIONの開催 | カーボンニュートラルが世界的に加速する中、環境・エネルギーをテーマに、実証・研究フィールドとしての広島の魅力を語るイベント | |
国際平和拠点ひろしま構想推進委員会の開催 | 次期国連開発目標へ核兵器廃絶を位置づけることを目指すフレンズ会合や核抑止に替わる安全保障ビジョンの策定について協議 | |
12月 |
ひろしまスポーツカンファレンス2022WINTERの開催 | 県民の皆様のスポーツを愛し、応援する情熱を、より一層強くしていくためのイベントを開催 |
G7広島サミットフォーラムの開催 | 広島サミット開催まで150日前の節目に合わせ、サミットの趣旨や意義などについて理解を深めるフォーラムを開催 | |
広島県内で高病原性鳥インフルエンザが発生 | 県内において高病原性鳥インフルエンザが発生。6例の発生を認め、3月20日に防疫措置完了 | |
2度目の医療非常事態警報の発出 | 感染拡大スピードが上昇し、確保病床が満床になる恐れがあるため県独自の警報を発出し、県民の皆様へ感染対策を強く呼びかけ | |
抗原定性検査キットの配布開始 | 医療機関を受診することなく自宅等において新型コロナウイルスの自己検査が行えるよう抗原定性検査キットを薬局等で無料配布 | |
カーボンニュートラルポート形成準備会の開催 | カーボンニュートラル実現に向け、国際物流の結節点かつ産業拠点となる港の環境整備や機能高度化を進めるための準備会の開催 | |
1月 |
広島空港台北線の運航再開 | 新型コロナウイルス感染症の影響により運休していた広島空港国際線が約2年9か月ぶりに運航再開 |
伴走支援型特別資金の創設 | いわゆる「ゼロゼロ融資」等の返済負担軽減のための借換等の資金需要等にこたえるための県費預託融資制度を新たに創設 | |
インフルエンザ注意報の発令 | 医療機関からのインフルエンザの報告患者数が一定の数を上回り、流行拡大の可能性があったことから3シーズンぶりに発令 | |
2度目の医療非常事態警報の解除 | 病床使用率は50%を下回り、医療機関の欠勤者数や救急搬送困難事案等も改善し、医療への負荷が低下していることから解除 | |
2月 |
「グローバル未来塾inひろしま」成果報告会・修了証書授与式 | 将来、国際平和を希求し世界的に活躍できる人材となることを目指す高校生が国際的課題を学ぶプログラムの6期生の修了 |
ひろしま観光立県推進基本計画の策定 | ひろしま観光立県推進基本条例に基づき、新たに令和5年度からの5年間を計画期間とする基本計画を策定 | |
G7広島サミットユースフォーラムの開催 | 広島サミット 100 日前イベントとして、女優の綾瀬はるかさん、被爆者、県内高校生を登壇者に迎えたユースフォーラムを開催 | |
広島サミットを契機とした県産食材の試食商談会の開催 | 県産農林水産物等の販路拡大を目的として、飲食店、ホテル、卸等のシェフやバイヤーの方を対象とした商談会を開催 | |
3月 |
せとうち半導体共創コンソーシアムの設立 | 広島大学や東広島市とともに半導体研究開発の高度化や中核人材の育成などに取り組むコンソーシアムを設立 |
「ひろしまユニコーン10」STARTUP ACCELERATION 2022成果発表会の開催 | 広島からユニコーンのような急成長を目指し、事業成長に取り組んだ12社の挑戦者が、4カ月間の成果をプレゼンするイベントを開催 | |
Hi!HIROSHIMA business days 2023の開催 | 参加者同士や地元のキーパーソンとのネットワーキングなど、通常の出張では出会えないビジネスマッチングを創出するイベントを実施 | |
G7広島サミット直前スペシャルスプリングの開催 | 広島サミット開催50日前に当たる3月31日を基軸に、サミットへの理解を深めるとともに、広島の魅力を知るイベントを開催 | |
東広島・安芸バイパスの全線開通 | 渋滞緩和や広島空港、広島港など物流拠点へのアクセス強化を図る上で重要な道路である「東広島・安芸バイパス」が全線開通 | |
G7広島サミットジュニア会議の開催 | 国際的な諸課題やその解決に向けた取組について、未来を担う若者が、各国の同世代の若者と一緒に考え議論するイベントの開催 | |
D-EGGS プロジェクト 「サキガケ」 デモデイ 2023の開催 | 広島を実証フィールドに取り組んできたスタートアップ企業が、プロダクトや事業計画などを投資家などにプレゼンするイベントを開催 |
令和3年度以前の振り返り
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