【目次】
広島県における令和2年のがん罹患数は、全部位で21,686人(男性:12,419人、女性:9,267人)となっています。10年前の2010年(合計20,029人)と比べると、8.3%増加しています。
罹患状況を部位別にみると、男性では「前立腺がん」が最も多く、次いで「肺がん」、「胃がん」の順となっています。女性では「乳がん」が最も多く、次いで「大腸がん」、「肺がん」となっています。
部位別の罹患数(広島県)
【出典】全国がん登録(令和2年集計)
がんの罹患状況を年齢ごとにみると、多くの部位では30歳ごろから罹患率が上昇傾向となり、多くのがん種で年齢と共に罹患率も上昇しています。また、「乳がん」については、30代以降急激に罹患率が上昇しています。
年齢階級別罹患率(男性・人口10万人対)
年齢階級別罹患率(女性・人口10万人対)
【出典】全国がん登録(令和2年集計)
広島県では、令和4年には34,940人が亡くなっていますが、この内約4分の1に当たる8,345人が「がん」により亡くなっています。
この比率は、全国と比べてほぼ同じものとなっています。
広島県と全国の死亡者数の状況
【出典】令和4年(2022)年 厚生労働省 人口動態調査
がんによる死亡者数は、高齢化の進行に伴って増加する傾向にあり、広島県では昭和54年以降、死亡原因の第一位となっています。
死因別の死亡者数の推移(広島県)
【出典】令和4年(2022)年 厚生労働省 人口動態調査
がんによる死亡者数を年齢別にみると、死亡者全体に占める割合は30代ごろから増え始め、60歳から74歳まででは、40%を超える人が、がんで亡くなっています。
年齢階層別のがんによる死亡者数及び死亡者数の割合(広島県)
【出典】令和4年(2022)年 厚生労働省 人口動態調査
がんの死亡率(人口10万対)の近年の推移をみると、高齢化の影響を受ける「粗死亡率(注1)」は全国平均・広島県ともに増加していますが、高齢化の要素を取り除いた「年齢調整死亡率(注2)」をみると横ばいから減少傾向となっています。
がんによる死亡率の推移
【出典】令和2年人口動態年報第49号(広島県)
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(都道府県別がん死亡データ(1995年~2020年))
高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)の推移
【出典】総務省 国勢調査
がんの部位別に、75歳未満年齢調整死亡率を見ると、「肺がん」が最も高く、次いで「大腸がん」、「乳がん」の順となっています。
また、特に西日本地域に多いとされる「肝がん」については、全国平均と比べて高くなっています。
部位別75歳未満年齢調整死亡率(2022年)
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(都道府県別がん死亡データ(1995年~2022年))
がんの部位別に、75歳未満年齢調整死亡率の推移をみると、「胃がん」、「肝がん」が減少傾向になる一方で、他の部位ではほぼ横ばいの傾向となっています。
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(都道府県別がん死亡データ(1995年~2022年))
【5年相対生存率とは】
あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標です。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体(※)で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。
(※)正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団
広島県の状況
平成26年(2014)診断患者における、全がんの5年相対生存率は67.1%でした。
部位別の5年相対生存率は、前立腺、甲状腺、皮膚が90%以上と高く、胆のう・胆管、脳・中枢神経系が約30%台、膵臓は16.4%と低くなっています。
【出典】全国がん登録 広島県がん情報集計報告書
(令和元年集計)
全国の状況
平成25(2013)年~平成26(2014)年診断患者における、全がん5年相対生存率は67.5%となっています。
部位別にみると、前立腺、甲状腺、乳(女性)が90%以上と高く、胆のう・肝内胆管が20%台、膵臓は12.5%と低くなっています。
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(がんの統計2023)