【目次】
たばこを吸う本人以外がたばこの煙にさらされることを「受動喫煙(じゅどうきつえん)」(※)と呼びます。たばこを吸うと、本人だけでなく、吸わない人にも健康被害を引き起こします。
(※) 受動喫煙は、間接喫煙または不随意喫煙とも呼ばれます。副流煙と、主流煙の両方が含まれます。
喫煙者が吸うたばこの煙(主流煙)の中の化学物質は、たばこ製品の燃焼部分から出る煙(副流煙)や喫煙者が吐き出す煙の中にも存在しており、受動喫煙はたばこを吸わない人の肺がんの原因の1つになります。副流煙はフィルターを通しておらず、燃焼温度が低いことから、主流煙よりも多くの有害物質を含みます。
受動喫煙と肺がんの因果関係は、科学的に明らかとなっています。がんの発生には複数のメカニズムがありますが、喫煙者本人の肺がん罹患(りかん)と、受動喫煙による肺がんの罹患の原因物質や発生プロセスは類似しています。
また、鼻腔・副鼻腔がんと乳がんについても、現在では十分ではないものの、受動喫煙と因果関係があると考えられています。
なお、受動喫煙によって、がん以外にも、虚血性心疾患、脳卒中などの影響があることが明らかになっています。
国は更なる受動喫煙防止対策の強化のため、平成30(2018)年7月25日に「健康増進法の一部を改正する法律(以下、改正法という。)」を公布し、令和2(2020)年4月1日の全面施行に先がけて、令和元(2019)年7月1日に改正法の一部が施行となり、学校・病院・児童福祉施設及び行政機関の庁舎を対象とした規制が始まりました。
また、改正法の全面施行により令和2(2020)年4月1日からは、飲食店を含む多くの人が利用する様々な施設において、原則屋内禁煙となり、喫煙を可能にするには喫煙室の設置等の対応が必要となっています。加えて、その運用に関しても様々なルールの遵守が必要となり、違反者には罰則の適用が課せられることがあります。法令に基づき、それぞれ適切に御対応ください。
令和2(2020)年3月31日までに営業許可を受けている飲食店等のうち、既存特定飲食提供施設の条件(※) を全て満たす場合には、経過措置として、「喫煙可能な場所であることを表示すること」により、引き続き店内で飲食をしながらの喫煙が可能となります。
その場合には「喫煙可能室」を設置しているものとして、届出が必要となりますので、下記の『喫煙可能室設置施設届出書』に御記入の上、店舗の所在地を管轄する保健所 に御提出ください。
(届出後に変更が生じた場合は、『喫煙可能室設置施設変更届出書』を御提出ください。また、届出後に施設を禁煙または廃業等される場合は、『喫煙可能室設置施設廃止届出書』を御提出ください。)
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事業者のみなさんへ (PDFファイル)(837KB)
喫煙可能室設置施設 届出書 (Wordファイル)(45KB)
喫煙可能室設置施設 変更届出書 (Wordファイル)(48KB)
喫煙可能室設置施設 廃止届出書 (Wordファイル)(47KB)
喫煙可能室を設置する場合は、施設に喫煙室があることを示す各標識の掲示が義務付けられています。
事業者が受動喫煙対策を行う際の支援策として、各種喫煙室の設置等にかかる財政・税制上の制度が整備されています。
この助成金は、中小企業事業主が受動喫煙防止対策を実施するために必要な経費のうち、一定の基準を満たす各種喫煙室等の設置などにかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などの経費に対して助成を行う制度です。
詳しくはこちら 受動喫煙防止対策助成金(厚生労働省)
上記助成金の対象とならない生衛事業者の方はこちらをご参照ください。
生衛業受動喫煙防止対策事業助成金(公益財団法人全国生活衛生営業指導センター)
中小企業経営強化税制は、中小企業の稼ぐ力を向上させる取組みを支援するため、中小企業等経営強化法による認定を受けた経営力向上計画に基づく設備投資について、即時償却又は取得価額の10%(資本金 3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができます。
飲食店等において設置する受動喫煙の防止のための各種喫煙室に係る器具備品及び建物附属設備なども、要件に該当する場合は対象となります。
※税額控除額は、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制の控除税額の合計で、その事業年度の法人税額又は 所得税額の20%が上限となります。なお、税額控除の限度額を超える金額については、翌事業年度に繰り越すことができます。
※特別償却は、限度額まで償却費を計上しなかった場合、その償却不足額を翌事業年度に繰り越すことができます。
機械装置(160万円以上)、工具(30万円以上)、器具・備品(30万円以上)、
建物付属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)
※詳しくは、下記をご参照ください。
経営強化法による支援(中小企業庁)
(中小企業庁HP → 経営サポート → 経営強化法による支援)
5月31日は世界禁煙デー、5月31日~6月6日は禁煙週間です。
世界保健機関(WHO)は、平成元(1989)年に、5月31日を「世界禁煙デー」と定め、喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指した「たばこか健康かに関する活動計画」を開始。厚生労働省においても、平成4(1992)年から世界禁煙デーに始まる一週間を「禁煙週間」として、各種の施策を講じてきました。
今年度は、「たばこの健康影響を知ろう!~たばことCOPDの関係性~」を禁煙週間のテーマとし、禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発に積極的に取り組みます。
若者への健康影響について
令和4年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられましたが、喫煙に関する年齢制限については、引き続き20歳以上とされています。
たばこを吸い始める年齢が若いほど、それだけ長い期間、吸ってしまうことにもなり、がんや虚血性心疾患など長期の健康影響リスクを高めるほか、より高度なニコチン依存症に陥りやすいと言われています。
また、喫煙開始年齢の早さと全死因死亡に十分な因果関係があることも報告されています。
・若者の健康と喫煙(e-ヘルスネット(厚生労働省))
「喫煙」による健康影響
「喫煙」は、がんをはじめ、脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)等の呼吸器疾患、慢性腎臓病、糖尿病、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクなど多くの疾患と関係しています。
受動喫煙の防止はもちろんのこと、御自身の健康のため、この機会に、禁煙について考えてみませんか?
広島県では、平成28(2016)年4月1日から、「広島県がん対策推進条例(以下、条例という。)」により、施設の管理者がとるべき措置を義務化し、遊具のある公園等の利用者に対して喫煙しないことなどを努力義務化するなど受動喫煙防止対策を推進してきました。
また、平成30年に健康増進法が改正され、受動喫煙の防止対策が強化されたことを踏まえて、改正法の内容とこれまでの条例の相違点を整理するとともに、県として上乗せの規制を実施するため、令和元(2019)年7月に条例を一部改正しました。この条例改正により、学校、児童福祉施設などの施設では、令和2(2020)年4月1日から敷地内完全禁煙となっていますのでご注意ください。
県民総ぐるみで、意図しない受動喫煙を防止し、がん予防の推進に資する環境整備に取り組むこととしていますのでご協力をお願いします。
広島県がん対策推進条例(令和2年4月1日~) (PDFファイル)(243KB)
広島県がん対策推進条例施行規則(令和2年4月1日~) (PDFファイル)(83KB)
県条例による受動喫煙防止対策に係る対象施設と規制内容の概要(令和2年4月1日~) (PDFファイル)(104KB)
法区分 | 施設の種類 (施設例) |
規制内容 |
義務付け |
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第一種 施設 |
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敷地内禁煙 |
義務 |
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敷地内禁煙 |
義務 | |
第二種 施設 |
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原則屋内禁煙 |
義務 |
【経過措置】
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喫煙可能な場所である旨を掲示することにより、店内で喫煙可能 |
義務 | |
喫煙目的 |
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施設内で喫煙可能 | ― |
― |
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区域で喫煙しない |
努力義務 |
※1 屋外に受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に喫煙場所の設置可
※2 灰皿を設ける場合は、子供の動線を避ける、遮蔽を設ける等の配慮が必要
望まない受動喫煙をなくすため、飲食店向けの啓発リーフレットを作成しました。
ご自身の店舗の形態をご確認いただき、標識の掲示や技術的基準等の徹底をお願いします。
(リーフレット裏面・表面)
(リーフレット中面)
受動喫煙防止啓発リーフレット (PDFファイル)(2.28MB)
望まない受動喫煙をなくすため、宿泊事業者向けの啓発リーフレットを作成しました。
設置したい喫煙室の種別に応じた標識の掲示や技術的基準等の徹底をお願いします。
受動喫煙防止啓発リーフレット(宿泊事業者のみなさんへ)(PDFファイル)(1020KB)
広島県健康福祉局
健康づくり推進課課 がん予防グループ
〒730-8511 広島市中区基町10-52
082-513-3063 (ダイヤルイン)
店舗所在地 | 保健所等 | 所在地・電話番号 | |
---|---|---|---|
大竹市 廿日市市 |
西部厚生環境事務所・保健所 保健課 |
〒738-004 廿日市市桜尾二丁目2-68 0829-32-1181(代表) |
|
安芸高田市 府中町 海田町 熊野町 坂町 安芸太田町 北広島町 |
広島支所 保健課 | 〒730-0017 広島市中区基町10-52(農林庁舎1階) 082-513-5526 (ダイヤルイン) |
|
江田島市 | 呉支所 厚生保健課 | 〒737-0811 呉市西中央一丁目3-25 0823-22-5400 (代表) |
|
竹原市 東広島市 大崎上島町 |
西部東厚生環境事務所・保健所 保健課 |
〒739-0014 東広島市西条昭和町13-10 082-422-6911 (代表) |
|
三原市 尾道市 世羅町 |
東部厚生環境事務所・保健所 保健課 |
〒722-0002 尾道市古浜町26-12 0848-25-4641 (ダイヤルイン) |
|
府中市 神石高原町 |
福山支所 保健課 | 〒720-8511 福山市三吉町一丁目1-1 084-921-1311 (代表) |
|
三次市 庄原市 |
北部厚生環境事務所・保健所 保健課 |
〒728-0013 三次市十日市東四丁目6-1 0824-63-5181 (代表) |
店舗所在地 | 問い合わせ先 | 電話番号 |
---|---|---|
広島市 | 広島市 健康推進課 | 082-504-2290 |
呉市 | 呉市 健康増進課 | 0823-25-3546 |
福山市 | 福山市 健康推進課 | 084-928-3421 |
がんをはじめ、たばこと健康には深い関係があります。
あなた自身の状況や周りの環境を見つめて、たばこと健康について考えてみましょう!
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